ちょっと忙しくて時間が取れないものでして…
隙間時間で書くから大丈夫…?
「ピー助置いてきて大丈夫なの?こんな上の階まで来て」
「大丈夫大丈夫。前にピー助君とかくれんぼした時わたしと翼さんは一瞬で見つかったから!」
スカイタワーの展望室で街を見渡す響は能天気にそう言った。
護衛なのにどっか行っちゃうピー助もピー助だけど…
いや、そもそもピー助を護衛としてつけるのはどうなのか?
いくら訓練したり人の言葉が分かってたりしたとしても流石にそこは人間じゃないのかな…
まあ久しぶりに二人きりで出かけられるというのはそれはそれでいいんだけど…
突然、大きな音と共にスカイタワーが揺れた。
響の顔が険しいものになる。
前までの響なら不安そうな顔になっていたんだろうけど…戦いが響を変えてしまった。
「あれノイズじゃないか!?」
誰かの声に咄嗟に窓の外を見るとノイズが空を飛んでいた。
展望室の中は一瞬でパニックとなり悲鳴と逃げる人達の足音で包まれる。
そんな中で響は他の人達とは反対の方へ向かおうとして――
「行っちゃダメ!行かないで!」
響の手を取る。
行かせちゃダメだ。
「だけど行かなきゃ!」
「この手は離さない。響を戦わせたくない。遠くに行ってほしくない」
戦えばガングニールの侵食が進んでしまう。
そうなったら響は死んでしまう。
そんなのは絶対嫌だ。
それだけは――
「おかあさんどこぉ…」
この混乱した状況の中で迷子になってしまった男の子がいる。
「胸のガングニールを使わなければ大丈夫なんだ!このままじゃ!」
そうだ。
響はそうやって人助けをする。
ガングニールを使わなければ大丈夫。
いつもの人助けなら…
人気がないであろう非常階段を飛んで上へ向かう。
とにかく登る。
登る。
登る。
…これ何階まであんの?
確実に近づいているはずなんだけど…辿り着ける気がしない。
やっぱり響ちゃん達のところにいた方がいいかなぁ…
いや、ここは積極的に脅威となりうるものを排除しにいくべきか…うわっ!
突然大きな揺れと爆発音が響いた。
すぐ上の階…ノイズの気配もある。
遂にやらかしたな!
占拠どころか爆破なんてとんでもないことしでかしやがって…!
マリアがいるであろう上階まで急ごうとするがそれを阻むように壁、天井をすり抜けてノイズが現れる。
邪魔をして!
階段という狭い場所のため巨大化しては動きづらい。
このままノイズ共をぶっ潰す!
ノイズの群れを掻い潜りながら飛行しすれ違い様にノイズ達を切り裂いていく。
俺が飛び去った後にはさっきまでノイズだった炭素の山が出来上がる。
そんなものに構っている暇はないと飛び続け、遂にマリアのガングニールを最も近くに感じた。
この階にマリアがいる。
非常扉を開けて中に入るとそこにはオリーブ色の服に身を包んだ男達。
全員がその手に小銃を持っていて屈強な体をしている。
軍人さんかな?
鍛えてきたんだろうなぁ。
「―――!?――!!!」
俺に気づいた兵士が俺を指差してなにか言ってる。
すいませんワタシィニホンゴシカワカリマセェン。
なんてふざけていたら兵士達が一斉に銃口を向けてきた。
それと俺の英語力でも分かる単語が聞こえた。
「Fire!!!」
おひょーーー!!!!!!???!!?!!!
隊長と思われる男の指示で一斉に銃口から銃弾の雨あられ。
よくよく考えたらなんでこんなとこに兵士がいんだよ!?
体が小さいおかげか弾が当たることはなく、非常階段へと逃げ込んだ。
こんにゃろう…調子に乗りやがって。
目に物見せてやる!
兵士達がピー助の逃げた非常階段に近づく。
まず二人が非常階段へ突入しようと先行し、一人がドアノブをゆっくり回そうとすると…
「ピィィィィン!!!」
巨大化したピー助がドアを突き破り現れる。
先程の小ささからいきなり巨大な未確認生物が現れたことに兵士達はパニックとなりひたすら引鉄を引くがピー助の肌に傷ひとつつくことはない。
徐々に兵士達に近づくピー助。
鉤爪で小銃を破壊し、かなり威力を抑えて鉤爪で兵士達をしばき倒していく。
「No!No!」
「Mam!」
こうして運悪くピー助と遭遇した兵士達は沈黙したのである。
ふぃ~終わった終わった。
いやまだ終わってないけど。
それにしてもなんだこいつら?
マリアといいなんでスカイタワーにいんの?
こいつらもマリアの仲間?
思考の片隅に銃声を聞いた。
あっちか…とにかく行かなければ。
こいつらが何者か、謎が増えてしまったがやることは変わらない。
人を守る。
それだけだ。
ノイズが現れたとなれば二課が動いて翼ちゃんとクリスちゃんも来るだろうし…
あっ響ちゃん。
流石にガングニールを纏ったりなんか…しそう。
ヤバイぞ…もし響ちゃんがガングニールを纏ったらお仕置きが待ってる。
今からでも響ちゃん達のところに戻って…「きゃあ!!!!」…やるっきゃない!
この階にも当然お客さんとかいるわけだし助けなくちゃ…
頼むから響ちゃん。ガングニールは使わないでくれよ…
この階の人達を助けながらマリアのもとへ向かう。
ノイズの数は減ったか…
しかし銃声は止まない。
銃声がした方向へと急ぎ、曲がり角を曲がるとそこには…銃を撃ち続ける兵士、ガングニールを纏ったマリア、マムと呼ばれていた女性、そして血を流し倒れた人…あれはマリアがやったんじゃない。
あれは兵士が放った凶弾に倒れた――
「私のせいだ…全ては、フィーネを背負い切れなかった私のせいだ!!!」
そう叫びながら兵士へと襲いかかるマリア。
兵士は蹴り飛ばされ、残った兵士達に槍を振り下ろして――
自然と体が動いていた。
何故だろうか。
咄嗟にFINALWARSを起動させて槍から兵士達を庇った。
「危ないピー助!」
マリアがそう叫ぶが分かっている。
庇った後ろの兵士達が俺ごとマリアを撃ち殺そうとしている。
奴等が引鉄を引くより早く俺の後ろ蹴りが繰り出され、兵士達は勢いよく壁へと衝突した。
尻尾を使えばよかったと思ったが、如何せん元が人間だから尻尾より先に足が出る。
「ピー助、あなたどうして…」
あぁ…本当にどうかしている。
あの槍を振り下ろそうとした瞬間、マリアの涙を見てしまった。
そんな涙を流す人間に人を殺めてほしくなかった。
俺は…
俺は彼女に、血に染まってほしくなかったのだ――
「私達は敵同士でしょう?どうする?戦うのかしら?」
俺は――
今はあんた達とは戦わない。
それよりここのノイズ達を片付ける。
逃がすわけじゃない。
俺は人間を守る。
ただ、それだけだ。
この場から立ち去り残ったノイズを殲滅すべく飛翔した。
「ピー助…」
スカイタワー内にはノイズがいないことを確認して外のノイズ達を倒す。
空を飛べないシンフォギアでは空の相手は厳しいため空戦は俺の担当と言っても過言ではない。
飛行型ノイズと言っても俺よりも遥かに遅い。
背後から近づき鎌を振り下ろしていく。
地上では翼ちゃんとクリスちゃんが戦っているのが見える。地上は任せていいだろう。
それにしたって数が多い。
目から拡散光線『ギガリューム・クラスター』を放つ。
散らばっていく光線は一発で大量のノイズを撃ち落としていく。
次は…!
響ちゃんが崩れた箇所から落ちそうになって…なんとか未来ちゃんが腕を掴んでいるけど長く持ちそうにない…
いま助け――!?
ヤバイ手が離れた!
響ちゃんが落ちて…
間に合えぇぇぇ!!!
「Balwisyall Nescell gungnir…って!?ピー助君!?」
あっぶねぇ…聖詠してたぞ…
だけどなんとか間に合った…
ガングニールを使わせずにすんでよかったよかった…
地上へと降り立ち響ちゃんを降ろす。
「ピー助君、未来をお願い!」
応とも!
すぐに――
飛び立とうとした瞬間、未来ちゃんがいた場所で爆発が起こった。
「未来…未来ぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
響ちゃんの叫びが俺の中で木霊した。
オマケ かくれんぼ
響「みんなでかくれんぼしよー!」
クリス「なんだよ急に…」
翼「まったくこんな時に遊戯など…ピー助だってそう思うでしょう?」
ピ「ピー!(やろうやろう!)」←童心に返っている
翼「雪音、やるわよ」
クリス「手の平回りすぎだろ…」
つづく