ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

70 / 105
ついに始まってしまった先史文明編。
5話くらいで終わらせたらいいなぁ…
短くサクッと。
そうすれば奇跡の殺戮者と早く出会えるから…
タグにオリジナル怪獣追加しました。
オリジナルと言っても完全オリジナルではなくこの作品内での○○みたいなそんな感じですが…保険のためにつけときました。


先史文明編 ガイガンレポート
怪獣の世界


 これは一匹の怪獣(一人の男)の走馬灯…

 戦いの記録である。

 

 あれから…小美人にインファント島に連れてこられた俺は世界各地を転々としてあの俺を改造しやがった女『エム・ゴ』の機械兵(俺がそう呼んでいるだけ)と戦う日々を送っていた。

 あの女あれからどこかに雲隠れしやがったようであちこちに機械兵を出しては怪獣達を襲撃しては返り討ちにあって…なんてことを繰り返している。

 そのため俺が機械兵の反応をキャッチして現場につく頃には既に機械兵がガラクタになってたり…なんてこともしばしば。

 そんなんだから俺が戦う時は大抵まだ子供の怪獣とかご老体の怪獣だったりが襲われているとき。

 

「ほら、もう大丈夫だぞ」

 

「ありがとねヘンテコさん」

 

「ばいばーいヘンテコさ~ん」

 

「誰がヘンテコだッ!…まあそうかも知れないけど」

 

 今回は子持ちのバランが襲われていたのでその救援という形になった。

 まあ助かってよかったよかった。

 飛膜を広げて飛び立つバラン親子を見送り俺も次なる戦場へと飛び立った。

 

 それにしてもエム・ゴの奴はなんでこんな戦いを続けるのだろうか?

 勝率は限りなくゼロに近いというのに…あの卵にちっちゃい手足がついたような機械兵をいたずらに消耗するだけではないのだろうか?

 分からない…エム・ゴのやろうとしていることが分からない…

 

『私がぁ…君を特別にしてあげる…君はぁ全ての怪獣を倒しッ!そして私はぁ!…怪獣を絶滅させた救世主としてぇ…崇め奉られるぅ…あの忌々しいシェム・ハではないッ!この私こそがッ!神に相応しい!』

 

 全ての怪獣を絶滅させて救世主となる…

 しかし、この時代の人々は怪獣を神のように崇めている。

 生活の一部に怪獣がいるくらい怪獣と人間は身近だ。

 そんな神のような存在を殺すなんて救世主ではなく悪魔の所業と言われると思うんだが…

 

『『ガイガンさん聞こえますか?』』

 

 小美人のテレパシーが頭に響く。

 あの爆弾姉妹からテレパシーが来るというのは大抵悪い知らせなのだ。

 いい知らせなんて来ないと期待せずに適当に返事して小美人の話を聞く。

 

『『今、シートピアがエム・ゴの軍団に襲撃をうけていると知らせが入りました。これまでとは比べ物にならない物量だそうです。すぐに救援に行ってください!他の仲間達も既に向かっています!』』

 

 シートピア…たしか対メガロの時に出てきた海底人の国だったか。

 この世界ではどうなってるか分からないけどとにかく行くか。

 小美人のテレパシーによって送られた位置情報を元にシートピアを目指す。

 

 

 

 

 

 

『シートピア』

 海に面したこの国は海からの恵みを生活の柱とし、海と共に生きる人々の国。

 海の民とも言われるほどに造船や製鉄の技術力は他の国家を抜きん出ていた。

 しかし、そんな国が滅亡の危機に陥っていた。

 エム・ゴの送り込んだ大量のゴーレムに国土は焼かれ人々は踏み潰される。

 漁と訓練で鍛えられた屈強な男達は果敢にゴーレムに挑んだが散っていった。

 高い技術力で建造された神殿も、人々が日々を過ごした家屋も等しく炎に消えていった。

 そんな地獄のような戦場に一体の怪獣がいた。

 

『メガロ』

 

 シートピアの人々が守護神と崇める怪獣。 

 カブトムシをはじめとした様々な昆虫を思わせる姿をしている怪獣。

 彼の象徴とも言えるカブトムシを思わせる巨大な角が発光すると角の先から光線『レーザー殺獣光線』を発射しゴーレムの大軍を凪ぎ払う。

 一度に10を越えるゴーレムを破壊する強力な光線であるが次から次へゴーレムは現れる。

 

(チィ!どんだけ湧いてくるんだ!?)

 

 内心で焦るメガロ。

 ゴーレム一体一体は自分の足元にも及ばない。

 しかしこの数は流石にまずい。

 別に特別人間を守るなんてそんなことを考えているわけではないが自分をそれなりに慕ってくれた人々が死んでいくのを黙って見ていられるほどメガロは冷血漢ではなかった。

 

(負ける気はない…だが面倒だ。せめてあと一体怪獣が味方してくれれば…)

 

 だが、そんな都合のいいことが起こるわけがない。

 怪獣は同族には甘いが他の種族の怪獣をわざわざ助けたりするような奴等ではない。

 怪獣なんてのはそんなものだ。

 しかし自分の同族はいまやどこにいるのかも分からない。

 それに仲間が来たとしてここを守りながら戦うなんてことはしない。

 もはやこの街に守るものなんてないのかもしれないが…

 人間が避難したこの国の城はまだ辛うじて無事と言えるレベルだ。

 せめてあれだけでも守りたい。

 少しでも何かを残したい。

 とにかく戦線を街から離せ。

 一体もこの卵人形をこの先に入れるなと。

 レーザー殺獣光線を放ちながら卵人形の群れに接近し回転する腕のドリルで殴りつける。

 大穴が穿たれ倒れる卵人形。

 これを皮切りに次々と卵人形を殴り、機能を停止させていく。

 押せ、押していけ。

 この調子で街から引き離せ──

 

「なっ!?空から!?」

 

 引き離されていたのは自分だった。

 卵人形が5体、空から降下している。

 着地するであろう地点は…城の目の前。

 だが空から落ちている今なら奴等はいい的。

 ここから狙い撃って…

 レーザー殺獣光線を撃とうと狙いを定めるが近くの卵人形共が邪魔をする。

 

「邪魔すんじゃねえ!」

 

 周りの卵人形共を蹴散らすがこの間にも空から卵人形は迫っている。

 再び狙いを定め撃とうとした瞬間──

 俺の放った光線ではない、別の光線が空から降下する卵人形5体を撃ち貫いた。

 一体、誰が…

 目を凝らしてよく見ると空の彼方から怪獣がやって来る。

 水色の体に金色の鱗。

 大きく広がる金色の三枚の翼…

 あれは…

 空からやって来たそいつは上空から光線を放ち、地上の卵人形を撃破しながら俺の近くに着地した。

 

「お前は…」

 

「加勢しに来た…俺以外にもほら、あっちの海岸からモスラの姐さん達が上陸だ」

 

 見れば海岸から次々と怪獣達が上陸し卵人形達と戦闘を開始する。

 

 

 ガバラが手の平から電流を流しゴーレムをショートさせる。

 

 大コンドルが翼のはためきでゴーレムを海へと落とし、海中でエビラが巨大な鋏でゴーレムを両断する。

 

 チタノザウルスが団扇のような尻尾を振り突風を起こしゴーレムの戦線を下げる。

 突風に耐えきれず倒れたゴーレムにカマキラスの群れが飛び掛かり集団でゴーレムを切り刻む。

 

 モスラ、クモンガの吐いた糸で拘束されたゴーレムをガイガンが鉤爪で切り裂いていく。

 

 最早、怪獣達による虐殺とも言えるような光景が眼前に広がる。

 まさか、こんな援軍が来るなんて思ってもみなかった…

 そして、ほどなくしてこの戦いは終息した。

 

 

 

 

 火の海だった街をエビラが巻き上げた海水をチタノザウルスが強風を起こして横殴りの雨を降らせて消火させた。

 かつて白亜の美しい都市だった面影はなく、街の象徴である城も煤けて黒ずんでいる。

  

「あんた達は一体…」

 

 メガロは思わず問いかけた。

 こんなにもバラバラの種族の怪獣が徒党を組んで共闘するなど滅多にない。

 それどころかこんな規模で集団を築いているなんてありえないとメガロは自分の常識を疑った。

 

「あー…えーとそうだなぁ…俺達は指定暴力団モスラ組…痛ッ!!!モスラ姐さん尻尾の先に噛みつかないで!!!」

 

「あなたが変な事言うからです…この方が勘違いしてしまうでしょうガイガン?」

 

 どうやらこのヘンテコな怪獣はガイガンというらしいとメガロは内心記憶した。

 他の連中は見たことある奴等だがこんな奴ははじめて見たからだ。

 生き物なのに生き物じゃない。

 命と命無い物がひとつの体に同居している。

 なんというか、歪。

 それが、ガイガンを見たメガロの最初の感想だった。

 そこから先は自分の自己紹介やら仲間にならないかなど目まぐるしくメガロの状況は変化していった。

 

 

 

 

 

 

 

 荒野の大地で一人、星を見上げていた。

 この時代の空は美しい。

 自分の生まれは田舎なので星はよく見える方だった。

 だけど、この時代の空のほうが美しい。

 夜になれば星を遮る光などない闇。

 空を覆うガスなんてものもない。

 星が輝くのに最高のコンディションなのだ。

 時代も違えば、世界も違う。

 だけど同じ地球。

 空だけは変わらず存在している。

 それが、元の世界と俺を繋ぐ接点なのだと決めつけて俺は暇さえあれば空から見ていた。

 それに空を飛ぶということも俺にとっては特別だ。

 ガイガンさんが死の間際、もう一度飛びたかったと言っていた。

 魂は無くなったとしてもこの体だけはたくさん飛ばしてあげようという自己満足に近い俺のルーティーンも出来た。

 そんな物思いに耽っていると背後から近づいてくる怪獣が一匹。

 メガロか…

 

「お前、ガイガンだったか?なんともヘンテコな奴だな」

 

「挨拶がわりに嫌味か?そういうお前こそ俺から見たら両手がドリルなヘンテコな奴だぜ?」

 

「はっ!違いねえや。怪獣はヘンテコな奴等ってこと忘れてたぜ。なるほど確かにお前も怪獣らしい」

 

 そう言って二人で笑いあった。

 どうにもこいつとは馬が合うらしい。

 ジョークの分かる奴は嫌いじゃない。

 

「なあ、モスラの奴ってだいぶ猫被ってんだな。ちょっと冗談言ったらすぐに糸でぐるぐる巻きだぜ」

 

「お前、あいつの被害に合うの早いな。俺が奴の逆鱗に触れたのは出会って三日後だった」

 

 忘れもしない。

 あれはインファント島の怪獣達の関係性に気付き始めた頃…

 

『モスラはバトラ君のこと好きなの?』

 

『えっ///いや、そんなわけないじゃないですか!?私はもっと肉食系のバトラが好みなんです///!』

 

『そうなんだ。じゃあバトラ君に伝えとくね。脈なしって…あだだだだだだだ!!!!!』

 

『やめなさい…今すぐやめなさい…でないとどうなるか…分かってんだろうな?あ?』

 

『わ"…わ"か"り"ま"し"た"…』

 

 首に巻き付けられた糸がもう窒息どころか首切れるんじゃないかってくらいきつく縛られた。

 今もちょっと後が残って…

 

「久しぶりねぇ裏切り者」

 

 背筋に寒気が走った。

 この、声は──エム・ゴ!!!

 

「まさかあの小人に連れられて逃げるなんて思ってなかったけど…いいよ。許す。今日の私は機嫌がいい…だって──私の作品のひとつが完成したからよぉ!!!」

 

 エム・ゴの言葉を合図に空からそいつは降ってきた。

 鋼で出来た…巨人…

 細部は違うが俺はこいつを知っている。

 こいつは…まさか…

 

「作品名ジェットジャガーッ!!!私が生み出した対怪獣兵器第2号!!!あんたみたいな裏切り者と違ってこの子は私に忠実!日常生活のサポートまでこなすんだからぁ!!!」

 

 まさかジェットジャガーを作るなんて…

 もしかしてだけどメイドみたいなロボット作ったら巨大化したから対怪獣兵器にしましたーなんてことないよね?

 

「おいガイガンこいつは…」

 

「さっきの卵みたいな奴をあちこちに送り込んでる奴だ…こいつを倒せば万事解決ってな」

 

「なるほど…それじゃあまずこのブサイクをぶっ壊せばいいんだな?」

 

「そういうことだ」

 

 他の仲間も戦闘が始まれば気づいてやって来るだろう。

 この場でエム・ゴを倒せばそれで終わる。

 だから…戦ってやるよ!!!

 

 ガイガン・メガロ対ジェットジャガー

 開戦──




解説 
ゴーレム 
 XV1話に登場した棺そっくりなロボット。
 棺のような機能やリフレクターとかついてない量産型
 怪獣相手には役不足。

ジェットジャガー 
 デザイン的にはなんというかFW版的なスタイリッシュになった姿を皆様ご想像していただければ…
     
シートピア
 この世界では海に面する高度な科学力を持った国に。
 わけあってメガロがこの地を(結果的に)救ったことでメガロがシートピアの守護神となる。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。