ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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お待たせしました。
本当に申し訳ありません。
ちょっとスランプといいますかなんといいますか…
納得いくものでなかったり今後のストーリーとかこれまでのストーリーとの整合性がとれてなかったりしたので…
もし変なところあったら教えてくださると幸いです。


白銀

 ギドラ様は告らせたい~恋愛怪獣戦~

 前回のあらすじ

 

「「「辺境の星に墜落してしまった私達。その時、私達を助けてくれたのはナイスガイなイケメン怪獣ガイガンさん!一目惚れしてしまった私達は彼と行動を共にするようになっていつしか絆は深まり相思相愛の仲に…」」」

 

「誰が相思相愛だ」

 

 インファント島のジャングルで恋愛脳怪獣にツッコミを入れる。

 あれから命からがら逃げたはいいものの、この三馬鹿はわざわざ追跡してきたのだ。

 

「まったくこれのどこがいいのやら…」

 

「虫は黙ってなさい」

 

「そういうことを言うものではありませんよ」

 

「私虫キラーイ」

 

 ギドラ達の一斉攻撃に崩れるメガロ。

 まあ、女性?からあんなに言われたら男として自信失くすよな。

 

「くそッ!あんな金ぴかこっちから願い下げだ!同族の中じゃイケメンなんだぞ!」

 

「まあまあ…」

 

 メガロを慰める俺。

 なんだろう、怪獣になってまでモテない男同士の会話みたいなのするとは思ってもみなかった。

 それにしても… 

 周囲を見渡すと他の怪獣達が当然のことだがギドラを警戒している。

 本能があれはヤバいと警鐘を鳴らしているのだろう。

 実際ヤバい奴なんだが。

 力も頭も。

 そもそもインファント島には空から現れる黄金の竜の言い伝えがあるためめっちゃ警戒されている。

 それにしてもそんな災厄として語り継がれる存在がこんなだとは…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ない。

 ない。

 ない。

 あれが、ない。

 しばらく地上が騒がしくここを開けていた。

 そのせいであれを奪われてしまったのだ。

 取り返さなくてはならない。

 意識を集中させ、あれの気配を感じ取る。

 …かなり遠くへ持ち出されてしまったようだ。

 だが、絶対に奪い返す。

 なんとしても、必ず。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 今日も今日とてパトロール。

 アン●ンマンみたいだなと思わなくもない。

 ちなみに今日は背中にモスラを載せて飛んでいます。

 羽が三枚なのでうまいこと隙間に収まってくれている。

 あとそれから三つ首馬鹿。

 通称三馬鹿。

 

「折角ガイガンと二人きりだと思ったのに…」

 

「悪かったですね邪魔者がいて」

 

 普段は聖女味ある性格をしているモスラ姐さんもギドラには若干当たりが強い。

 本人曰く、因縁がある気がするとかなんとか。

 

「それにしても、わざわざガイガンに載せてもらって敵を探す必要があるの?他にも飛べる怪獣はいるでしょう?」

 

「…私が探しているのは敵ではありません」

 

「じゃあなにを…」

 

「妹です」

 

 妹。

 モスラの双子の妹は奴等に連れ去られてしまったらしい。

 小美人もその子の救出のために潜入したけど見つからず、同じように捕まって改造手術をされてしまった俺を助けたということらしい。

 しかし、俺の例を見るに妹さんも恐らく…

 

「なるほど…そういう理由なら手を貸すわ」

 

「姉妹のためというのは共感するところがあります」

 

「わたしも手伝うー!」

 

「みなさん…ありがとうございます。…思ったより、いい方々なのですね」

 

 おーっとまさかの和解ッ!

 姉妹という単語がモスラとギドラを繋いだッ!!!

 まあ、仲悪いよりはいいよね。

 ん?あれは…

 空の彼方からやって来るあれは…ラドンだ!

 やっぱ羽広げてるとでかいなぁ…

 やっべ、スター怪獣との出会いになんか緊張してきた…

 え?モスラの時は?

 小美人があんななせいで印象薄かったです…

 

「失礼するぞ。インファントの者達」

 

 …かっ、かっけぇ!

 イケボや!めっちゃイケボやん!

 やっぱスター怪獣は違えや!

 ガイガンも70年代を代表するスター怪獣やもしれんが流石に主役映画はないからな…

 対ガイガンもキングギドラとのタッグだし…

 俺も単発映画が欲しい!

 いや、悪役だからこそ輝くのかガイガンは…

 寝返ろっかな…

 

「ガイガン?」

 

「じょ、冗談っすよ姐さん…」

 

 ナチュラルに心読むのやめてくれませんかね…

 それよりもラドンさんだよラドンさん!

 

「えっと俺達になんの用ですか?」

 

「ああ…ゴジラを見なかったか?」

 

「ゴジラ?見ていませんが…どうかしたのですか?」

 

「お前達もだと思うがあの出来の悪い人形と戦っていたろう?俺達も各地で戦い、しばらく奴等も現れないので一時それぞれの住処へ戻ったのだが…どうやらゴジラは戻っていないらしい」

 

 それからしばらくアンギラスさんと探し回ったらしいけど何処へと姿を消してしまったという。

 うーん…全然それらしき気配もなにも感じてないからなぁ…

 

「ガイガン。ゴジラとはなに?怪獣か?」

 

 ウノが質問してきた。

 そりゃあ宇宙出身だから知るはずもない。

 ちなみに地球の怪獣達はみんな知ってる超有名怪獣ゴジラさんである。

 

「ゴジラはこの星で最強の怪獣…といっても過言じゃない怪獣だよ」

 

「なるほど…この星最強とは気になる相手ね」

 

 さすが冷酷無慈悲な長女ウノさん早速やる気です。

 俺とキングギドラが話している間にモスラとラドンさんの間で話が進みゴジラ捜索も請け負うことになった。

 まあ、ゴジラが行方不明とか気になるから探したほうがいいだろう。

 核爆弾が歩いてるようなもんだし。

 ラドンさんと別れてパトロールに戻る。

 

 

 

 

 ギドラにゴジラの特徴を教えて飛ぶこと数時間。

 ギドラが何か見つけたようだ。

 

「絶対ゴジラだってあれ!黒くて背鰭がある!絶対ゴジラだって!」

 

 トーレが叫ぶ。

 そこまで一致してるならもうゴジラだろう。

 いやぁ思ってたより早く見つかって良かった良かった…

 

 

 

 

 

 

 

「イエース!ワタシがゴジラデスよー!」

 

「ほら!ゴジラだって!ガイガン褒めて褒めて!」

 

 …

 ……

 ………

 

「チェンジで」

 

「チェンジですね」

 

 モスラと言葉が重なる。

 うんそうだよね。モスラ姐さんは分かってるよね。

 

「ナ、なんでデースッ!?」

 

 だってこいつ…

 

「お前ゴジラじゃなくてジラだろう」

 

 前傾姿勢のティラノサウルスのような…

 某閣下はイグアナみたいと言っていたけど…

 ひとつだけ言えることがある。

 お前はゴジラではない(懐古厨)

 

「ゲッ…」

 

「ゴジラじゃないの?」 

 

 そうだよ。

 こいつはゴジラじゃないよ。

 ゴジラの名を語るクリーチャーだよ。

 

「全くジラさん…そうやってゴジラの名を騙るのはやめた方がいいですよ。前にゴジラ直々にお仕置きされたでしょう?」

 

「うっ…ダケド!ワタシは諦めきれないのデス!いつか、ゴジラとして認められるソノ時ヲ!」

 

「いやそんな時絶対来ねえから」

 

「ソンナ!?…というかサッキからアナタはナンデスカ!?初対面のクセにズバズバと…!」

 

 いやだってねぇ…

 認められないもんは認められないんだもん(懐古厨)

 

「別にゴジラに拘る意味ないだろう?お前はお前。ジラという一匹の立派な怪獣だろう」

 

 別にあの映画自体が認められないわけではないのだ。

 怪獣映画として見れば面白いし。

 問題なのはゴジラの名を使ったことだし。

 本当は別の怪獣映画のリメイクしようとしたけど金がおりないからゴジラの名前使ったとかだったか?

 そういうの、俺は許さん。

 

「ワタシはワタシ…」

 

「そうですよジラさん。ジラさんはジラさん。ゴジラでなくとも素敵な怪獣ですよ」

 

「…オマエ、ナマエはなんというデスか?」

 

 俺の方を向いたジラが名前を訊ねてきた。

 なんというかかなり因縁付けられてるような気がする。

 まあ、名前位は答えてやるか。

 

「天が呼ぶ!地が呼ぶ!人が呼ぶ!悪を倒せと…えっ?そういうのいらない?…ガイガン。ガイガンだ」

 

 名乗り口上くらい言わせてくれよ姐さん。

 まあ、名乗りは大事な時だけでいいか。

 

「ガイガン…覚えたデスよ。オマエはワタシのライバルデス。宿敵デス。越えなければナラナイ相手デス」

 

 なんでそんな敵認定!?

 流石に初対面の相手にきつく当たり過ぎた──

 ッ!?

 

「今のは…」

 

 唐突に物凄いプレッシャーを感じた。

 ニュータイプとかそういうことじゃなく、怪獣なら誰もが感じる気配。

 これは…

 

「ゴジラ…」

 

「デス…」  

 

 ゴジラ。

 怪獣の王。

 王の怒りが地上を、いや、世界を震わせた。

 まだ会ったことない相手だけれど、こんなプレッシャーを味わえばその強さも威厳も理解する。

 理解するしかない。

 

「ガイガン。すぐにゴジラのところへ飛びましょう。これは…ただごとではありません」

 

「ああ…!」

 

「ワタシも連れてイクデスッ!」

 

 ジラが名乗りをあげるが…

 

「お前を載せることは出来ないぞ」

 

 モスラはいいけどジラは流石に無理。

 

「アナタの世話にはなりまセン。そこのミスゴールドのお世話になるデス」

 

「なんで私達が…それになによミスゴールドって…」

 

「ああっ!もう俺達は行くぞ!」

 

 ギドラとジラを置いて先に飛び立った。

 地上からワーワーなにやら聞こえるが無視だ無視。

 最近ただでさえキャラの濃い奴等が増えてるのにこれ以上面倒見きれるかッ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 飛ぶこと数時間。

 気温が上がってきたので恐らく赤道近くなんだろうが…

 黒い雲…いや、煙が視界を遮る。

 火事の時に出るような煙だ。

 それがこんなに広がっている…もう雲と言って差し支えないだろう。

 何かあったことは間違いない。

 下は恐らく火の海…

 とにかくこの雲を突っ切るしかない。

 厚い厚い雲の中、高度を下げて地上を目指す。

 ようやく、黒い雲を抜けるとそこは予想していた火の海ではなく──

 

「これは…」

 

「どう、なってるんだ…」

 

 一面、白銀。

 炎の赤ではなく、氷の白が眼下に拡がっていた。




解説
ジラ 2014年ハリウッド版ゴジラが出るまではハリウッド版と言えばこっちのほうだった。
本編中の説明の通り本来はゴジラではない作品をゴジラとしたので姿がだいぶ違う。
GMKの時に劇中のセリフでアメリカでゴジラのような生物が確認されたが日本の学者はゴジラと認めていないというセリフがあったりする。
とにかく不遇。ミサイルで死ぬ。やっぱマグロ食ってる奴は云々ととにかく不遇。
しかし怪獣の能力としてはスピードに極振りした性能なので是非ともジラとして再び出てきてほしいものである。
ちなみにこのゴジラの息子が主役のアニメがアメリカで放送されていた。
息子はマッシブで熱線を使えるとゴジラらしい。
もしかしたら親も成長したらゴジラっぽくなってたのかもしれない。

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