ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

79 / 105
二週間ぶりとか…
時が過ぎるのは早いもので…
いろいろめちゃくちゃな展開になった(白目)
いいんや、サクッと終わらせてGXするんだから…


吹雪の中の未来

 ガイガンがノイズの殲滅にあたっていた間、怪獣達はメカゴジラとの戦いに命を燃やしていた。

 アンギラスが体を丸め、トゲだらけのボールとなりメカゴジラに突撃する。

 しかし、それは受け止められ地面へと叩きつけられる。

 強い衝撃にダメージを受けたアンギラスはすぐに立ち上がることが出来ず、よろける。

 それをメカゴジラが踏みつけようとするがラドンとモスラの体当たりにより阻まれた。  

 氷の大地に倒れたメカゴジラだが、すぐさまブースターを吹かせ立ち上がり牽制として目からスペースビームを放つ。

 スペースビームはゴジラの首に命中するがゴジラは気にせず熱線を撃ち返す。

 仕返しと言わんばかりにメカゴジラの首に直撃した熱線。

 メカゴジラは各部から火花を散らして、装甲が溶けていく。

 

「チッ…再生が流石に追い付かんか…バリヤーを張れッ!メカゴジラ!」

 

 エム・ゴの指示にメカゴジラは金色の瞳を光らせ応える。

 そして、メカゴジラはその首を回転させ青い防御フィールドを形成する。

 形成を終えたメカゴジラは怪獣を嘲笑うかのように吼えた。

 それを見た怪獣達はメカゴジラに一斉攻撃をしかける。

 熱線、光線が放たれるがこの防御フィールドに阻まれメカゴジラには届かない。

 それを見たゴジラとメガロが接近戦を挑む。

 熱線で駄目ならこの腕であれを抉じ開けてやると。

 メガロも腕のドリルでぶち破ると。

 タイミングを合わせ、防御フィールドへ攻撃する…しかし、ゴジラとメガロは逆にダメージを受け倒れてしまう。

 この防御フィールドはビームを高速回転させ出来ているもの。表面はまるでビームのチェーンソーのようになっているのだ。

 

「このネオディフェンスバリヤーは貴様達では破れん。さあ、この内に更なる絶望の準備をしようか。…アブソリュート・ゼロを最大出力で放つッ!」

 

 胸部装甲が展開し、青白く光る球状のエネルギーが形成されていく。

 これまでの中で最大の大きさを誇るそれは防御フィールドすら取り込み…放たれた。

 怪獣達はそれを避ける。

 そして、氷の大地に着弾したアブソリュート・ゼロは白い光の柱を天に昇らせ衝撃波を発する。

 やがて光の柱は収束し消えるが…空は厚い黒い雲に覆われ雷鳴が鳴り響き、風が吹き荒れ、雪と雹が混じり降る。

 一瞬にして、南の海は氷と吹雪に閉ざされた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 吹雪に逆らい進む。

 何処へ向かえばいいかは分かっている。

 吹雪の向こう、大きな振動と青い光が点滅しているあの場所まで向かうんだ。

 仲間達のところへ…

 怪獣ですら辛いこの吹雪に逆らい歩き続け…見えた。

 銀色の巨体。

 メカゴジラ──

 この吹雪も奴の仕業か。

 

「遅いぞ…ガイガン」

 

「メガロ!今はどうなっている?」

 

「…何体かやられちまった。ゴジラもさっきから姿が見えない…」

 

「そう、か…だけど今は奴をやるしかない」

 

 鉤爪を構え、メカゴジラに向かい駆ける。

 背後から吹雪を隠れ蓑とした奇襲攻撃。

 しかし…

 メカゴジラの背鰭にあたる部位が、射出された。

 咄嗟のことに避けることも防御することも出来ず直撃する。

 当たりどころがいいのが幸いだった。

 腹の回転ノコギリに当たってくれたので衝撃だけで済んだが…あの背鰭は刃だ。

 当たりどころが悪ければ切り裂かれていた。

 

「運のいい奴よなぁガイガン」 

 

 メカゴジラから響く声。

 エム・ゴ…!

 

「見ろ!この神の如き力を!怪獣達ではない!他の奴等でも…シェム・ハでもない!これが私の力…私が造り上げた作品の力!こんなもの創ることが出来るのは私をおいて他にはいないッ!ガイガン…お前も私の作品ならば分かるだろう?力の差というものを」

 

 ふざけるな。

 何が作品だ…

 何が神だ。

 ゴジラの骨と…モスラの心臓を使わなければメカゴジラなんて造れなかったくせに。

 お前は神でもなんでもない!

 ただ命を弄んでいるだけだ!

 

「そうです…ガイガン。あなたの言うとおりです」

 

「モスラ…」

 

「エム・ゴ。貴女のやっていることは生命の冒涜。生命は…命は、定められた時の中にあるべきです」

 

 命は、定められた時の中に…

 そうだとすれば…

 そうだとすれば俺も…

 

「声…テレパシーか!モスラか、こんな芸当が出来るのは…はは…命だと?命などいつか消えてなくなるもの…そんな儚きものは不要だ!全て鋼とひとつとなればいい!メカゴジラァ!私を取り込め!そしてオーバーヒートだ!ふぅん!!!」

 

 エム・ゴの叫び。

 一体、何が…

 

 

 

 

 銀色の波が体を包む。

 ナノメタルが私を取り込んでメカゴジラとひとつになっていく…

 ここからが、滅びの始まりだ…

 

 

 

 

 

 

 銀色の体が赤みを帯びる。

 体中から白い煙が出て…

 メカゴジラの瞳が赤く光り、口から赤い熱線が放たれた。

 飛んで回避することに成功したが…かなり熱かったぞ今の…

 まさかあれは…

 

「バーニングゴジラ…いや、バーニングメカゴジラとでも言うべきか」

 

 寒かったり暑かったり忙しい奴だな…

 そんな冗談を言ってる場合ではないか。

 今の奴は言ってしまえばトランザムしてるようなもの。

 油断出来ない。

 

「あれは…まさか…」

 

「モスラの心臓を暴走させることによってメカゴジラは更なる力を手にする!それにしても、お前達怪獣も会話をしているのだなぁ。メカゴジラとひとつになったおかげでお前達の声がよく聞こえる」

 

「ほう?ならば俺の声も聞こえていような?」

 

 どこからともなく響く声。

 この声は…

 次の瞬間、メカゴジラの足元が青白く発光し氷の大地が裂ける。

 そして裂け目から現れる怪獣王ゴジラ。

 …どこから現れてるんです?

 俺の疑問など無視してメカゴジラに向かい熱線を吐くゴジラ。

 至近距離からの熱線に流石にメカゴジラは堪えたようだ。

 

「チィッ!一度距離を取って…な、なんだ!?何かに引き寄せられている!?」

 

 メカゴジラの動きが鈍い。

 鈍いと思ったら今度はメカゴジラはゴジラの方に引き寄せられて…って、あれ?なんか俺も引っ張られてるような…えっ待ってこれは…ゴジラの特訓ってまさか…あれ!?

 うわぁ!!!引き寄せられるゥ!!!

 なんとか踏ん張って持ちこたえ…きっつい!鉤爪を氷に突き立ててブレーキにすることでようやく踏みとどまることが出来た。

 しかしそれが出来ず、俺よりも金属の割合の大きいメカゴジラはゴジラに引き寄せられてゴジラにくっついた。

 今のゴジラの体は…電磁石のようになっているのだ。

 特訓というのも雷に打たれまくってきたのだろう。

 そこでキングシーサーと出会ったってわけか…

 大体承知したわ。

 このゴジラさん見た目は平成入ってからの感じの見た目なのにやることが昭和だな…

 

「くっ…振り払えない!?計器も狂って…ビームも撃てない!?」

 

「お前温いな。寒かったんで丁度いい…さあ、お前ら殺れッ!」

 

 ゴジラの号令で一斉に怪獣達が動き出す。

 アンギラスが何度も何度もメカゴジラにタックルをしかけ、ラドンが頭部をつつき目を破損させた。

 続けてキングコングがその巨腕でパンチのラッシュを放ちキングシーサーのキックが決まる。

 バトラのプリズム光線とメガロのレーザー殺獣光線が直撃する。

 まさに怪獣達によるリンチである。

 

「おいガイガンなにしてんだよ!やり返すチャンスだぞ!」

 

「そんなことしてる場合じゃねえの!俺もゴジラに引っ張られてるからやべえの!だからお前達でやってくれぇ!」

 

「ったく。しょうがねえなぁ…一気にトドメを…ッ!?」

 

 次の瞬間、怪獣達が吹き飛ばされた。

 かく言う俺も。

 とてつもない、熱波。

 これは…メカゴジラから放たれている…体内放射か!?

 体が…焼けるようだ…

 それでも…奴を道連れにしてでも倒す。

 

「SYSTEM FINALWARS」

 

 バイザーが煌めき、その姿を変えていく。

 鎌を向けメカゴジラに向かい飛ぶ。

 近づくごとに強烈な熱に襲われるが…構うものか。

 命が定められた時の中にこそあるべきというなら俺はこの体を彼に返さなくてはいけない。

 それに俺自身もあの時に死んでいるようなものなのだ。

 ここで奴も…奴の作品である俺も…死ぬ。

 鎌を振り上げ、振り下ろす。

 袈裟に斬るが、切り口から再生をしていく。

 だったら再生が追い付かなくなるまで斬るのみ!

 体内放射中はなにも出来ないのかメカゴジラは棒立ち。

 ここで倒す!

 

「ガイガン!お前の攻撃など無駄だ!再生が追い付かなくなるまでなど考えているのだろうが…その前にこの熱波の前にお前は燃えて、尽きて、堕ちる!」

 

「だとしてもぉぉぉぉぉ!!!」

 

 吼える。

 燃えて、尽きて、堕ちる?

 上等だ。

 こちとらそのつもりで来ているのだから。

 それに…なにもお前を殺すのは俺じゃない。

 絶え間なく続く斬撃に、再生の速度は落ちはじめている。

 それと同じく俺の体も少しずつ燃えて、溶けている。

 

「ッ!?馬鹿な…何故ここまでこいつの攻撃が効く…このままでは…」

 

 …そろそろ、頃合いか。

 両腕の鎌をメカゴジラの胸に突き刺す。

 それを抉り、抜いて、跳躍する。

 鎌に備え付けられている鎖を射出しメカゴジラの頭上を回転しながら飛び越え…鎖でメカゴジラを拘束する。

 

「ゴジラァァァ!!!撃てぇぇぇ!!!」

 

「貴様!?私諸共死ぬ気か!?」

 

「地獄への道連れは…てめえが造った俺こそ相応しい」

 

 もう体が限界を迎えている。

 早く…早く…撃ってくれ。

 そして、目の前が青白い光に包まれて…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『全記録再生完了』

 

 

 

 ああ、暗い。

 暗くて、何も見えない…

 体も動かない…あれから、俺はどうしたんだっけ…?

 

「…!ピー……が…!」

 

 声が、聞こえる…

 懐かしい、声が…

 

「ピー助がこんな状態なのにイギリスになど行けません!歌うことは確かに私の夢ですが…ピー助を置いてなど…行けません…」

 

「翼さん…」

 

 ああ…そうか。

 ネフィリムを止めようとして俺は…

 翼ちゃん…

 俺のせいで夢を追えなくなるなんて…駄目だよ翼ちゃん。

 翼ちゃんの歌は世界中に響くべきなんだ…だから…

 

「…はい、はい…!分かりました!翼さん!ナスターシャ教授の遺体を載せたシャトルが!」

 

「…分かりました!」

 

 何か…起きたようだ。

 ああ、くそ。

 起きろ。

 起きてくれ。

 翼ちゃんの枷にはなりたくない。 

 翼ちゃんの力に…翼ちゃんの…翼に俺は…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『これより、肉体の再生を開始。所要時間は凡そ──』




ギドラさんとジラさんまたその他のことなど諸々描いていないのは基本ガイガン視点のため。
大丈夫まだ出番はあるから。
そして次回よりしっかりGXしていきます!
GX編近日投稿!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。