ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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いつもたくさんの感想ありがとうございます(唐突)
作者にとってみなさんのコメントってすごい参考になるんですよねやっぱり。
もちろん自分がやりたいことやってるんですけど、基本手探りでやってる中やってきたことがうけたりすると「あっこれはいいんだな」って手応えが分かって非常にありがたいのです。というわけでこれからもよろしくお願いします。


英国からの帰国子女!ガイガンデース!!!

 冷たい暗闇から、急に光差す場所へと引き揚げられた。

 一体なんだ?誰だ?

 

「ほう?お前が先史文明期に造られた人形か。面白い、オレが使ってやろう」

 

 金髪の少女がそう言った。 

 その言葉に私は何故か…素直に従ってしまったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ロンドンに滞在して三週間。

 ピー助は…

 

(もうやだ日本に帰りたい…)

 

 ノイローゼになっていた!

 慣れない環境、新生活への不安、諸々の事情による外出禁止、めんどくさい二人の対応等々によりピー助は軽くメンタルをやられていた。

 今日も家で一人。

 翼かマリアがいれば遊び相手なり話相手になるふのだが二人は多忙な毎日を送りなかなか家にも帰って来ないのでピー助は一人で家にいることが日常となっていた。

 正直なところペットの飼育放棄ではないかと言わざるを得ないがピー助は一人で自分の生活の面倒自体は見れるので大丈夫だろうということにされてしまっているのだ。

 おかげでこの有り様。

 

「寂しい…切歌ちゃん、調ちゃんと普通に遊びたい…響ちゃんと大食い対決したい…クリスちゃんの胸に飛び込みたい…友里さんに甘やかされたい…」

 

 願望を口に出すピー助。

 しかし外出禁止令が出されている今ピー助が日本に戻ることが出来るわけが…

 ピロリンという電子音が静かな部屋に響く。

 音の主はPC。

 ピー助緊急招集用のPCは常に電源がついているがこれまで活用されることはなかった。

 ピー助はすぐにPCの設置されている机に移動。

 ジャンプして椅子に上りエンターキーを鉤爪で押すとオペレーターの藤尭が出た。

 

(チッ…友里さんじゃないのかよ…)

 

『あ、もしもしピー助君。ちょっとこっち来れる?』

 

「ピー!(オッケー行く行くぅー!)」

 

 今から遊ばね?みたいな気軽さで呼び出された訳だが今のピー助にとってしてみれば地獄に垂らされた蜘蛛の糸。蹴落とす相手もいないので悠々と天国へと昇っていける。

 こうして、ピー助は一時帰国することになったのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 オッスオッス~おひさ~。

 S.O.N.G.本部司令室に入るとイツメンで集まっていた。

 いやぁお懐かしい。

 三週間しか経ってないんだけどね。

 

「思ったより…というか随分早かったなピー助」

 

 いやぁ司令どうもどうも。

 私、一応この世界だと地球産怪獣なんだけど宇宙に出るとめっちゃ速く飛べるから。

 宇宙だとマッハ400で飛べるから。

 一瞬よ一瞬。

 なに?マッハ400とか無理だろ?

 そこはほら、ね?

 細かいことは気にすんな禿げるぞ。

 それで、今日は一体どんなご用件が?

 

「今日はピー助と関係があるかもしれない物が発見されてな。友里」

 

 司令は友里さんを呼ぶと巨大なモニターになにやら古い本。古文書って奴か。燃える。

 ん…これは…

 

『護国聖獣伝』

 

 そう読める。

 護国聖獣というとあれか空の魏怒羅、海の最珠羅、陸の婆羅護吽のあれ。

 白目ゴジラと戦った奴等。

 この世界にもいたんか…

 怪獣と言えばあの後どうなったんだろう…モスラ姐さんとかギドラとジラは何処に行ったのか。

 今この通りの世界なのであいつは倒せたんだろうが…

 ゴジラは海底で眠って生きてたからもしまた話す機会でもあれば聞いてみるか。

 

「つい先日発見されたんだがこの古文書には怪獣と思われるものの記述があったので同じ怪獣であるピー助が知っているか知りたくてな。今から名前を言っていくから知っていたら手を上げてくれ」

 

 はーい。

 まあさっき挙げた三体だから三回手を上げることになるが。

 

「それじゃあ言っていくぞ魏怒羅」

 

 はーい。

 

「婆羅護吽」

 

 はーい。

 

「最珠羅」

 

 はーい。

 これで終わ…

 

「闇魏羅珠」

 

 知ってる知ってる…

 アンギラスぅ!?

 な、なんでまたそんな!?

 いや待て…たしかGMKの初期段階の護国聖獣ってたしか…

 

「熱のバラゴン」

 

「氷のアンギラス」

 

「風のバラン」

 

 とかだった気がする…

 もう5000年前の人間だった頃の記憶だからあれだが…

 ということはあとは…

 

「婆羅吽」

 

 やっぱり。

 それじゃあこれで終わりか。

 護国三聖獣じゃなくて四聖獣なのね。

 

「爾羅」

 

 ジラね知ってる知って…

 はあ!?

 

「どうしたピー助?そんなに驚いて」

 

 いやだってあのエセ外人が日本の護国聖獣なわけないだろ!

 デースとか言ってる奴だぞ!

 そんなこと言う奴他にいな…

 

「?どうしたデスかピー助?」

 

 いたわ。

 それにしても何故ジラが護国聖獣に?

 まさかこのギドラとジラってあいつらなんじゃ…

 いやー…あの恋愛脳とエセ外人がまさか聖獣なんてのになるなんて…

 時が経つってやばいね。

 

「というわけでこれで護国聖獣については終わりだが…ピー助が全ての聖獣達を知っているとは…」

 

 いや、まあ昔の話ですよ昔の話。

 もしかしたら違う個体かも知れないですし。

 

「この聖獣達は古代の王朝により封印されたと記されている。もしかしたら…」

 

「封印されてまだ眠ってるかもってことですか?」

 

「ああ…あくまで仮説だがな」

 

「けどそんなに生きられるのかよ?」

 

 クリスちゃんの質問には私が答えましょう。

 生きられます。(生き証人)

 ゴジラもあの時から眠って生きてきた訳だし他の奴等だってきっとそうだろう。

 

「怪獣については我々の常識は通用しないと思っておくべきだ。超常のものを相手にするのが俺達S.O.N.G.の仕事だからな。もし怪獣による被害が出た場合は…」

 

「私達が怪獣の相手を…」

 

 大丈夫やで響ちゃん。

 怪獣の相手なら俺がするし。

 そうでしょ司令?

 

「ああ。その時はピー助を主体とした作戦を展開することになるだろう」

 

 うんうん。

 それがいい。

 怪獣の相手を人間の皆にやらせるのは酷だろうし。

 

「けど、怪獣かぁ…みんなピー助君みたいに仲良く出来ればいいなぁ」

 

 響ちゃん…

 俺はあくまで中身は人間だからこんなだけど他の奴等は人間のことをほとんど気にしてなかったぜ?

 インファント島にいた奴等はキャラは濃いけど人間との距離感みたいなのはちゃんとしてた。けどそれ以外の奴等ってのはもう人間で言うところの蟻みたいなもんとしか思ってなかった。

 だから仲良くってのは無理かもなぁ。

 適切な距離を保って関わるべきやで。

 

「以上で話は終わりだ。わざわざイギリスから来てもらって悪かったな」

 

 いえいえいい気分転換になってよかったですよ。

 それじゃあ俺はこの辺で…この辺で…

 

「どうしたデスかピー助?」

 

「もしかして、帰りたくないの?」

 

 切歌ちゃん調ちゃん…

 うう…

 実は…

 

「よしよし」

 

「それじゃあしばらくこっちにいるといいデスよ!」

 

「そうだよ!お泊まりくらい許して…くれるかは分からないけど!」

 

「まあ、ピー助なら一瞬でイギリスまで帰れるしなんかあっても大丈夫だろ」

 

 うぅ…みんな…

 みんなの純粋な優しさが目に滲みる…

 ぐすっ…

 それじゃあご厚意に甘えてこっちでしばらく過ごすぞー!

 

「よーし皆でピー助君と遊ぶぞー!」

 

 おー!

 

 

 

 

 それからの日々は、イギリスでの生活と比べたらとても充実した毎日だった。

 みんなのお家にお泊まりして…美味しいご飯を食べて、いっぱい遊んで…

 何日も、何日も…

 浦島太郎は竜宮城で何日も過ごしたというけど多分同じ気分。

 あぁ~楽しいんじゃ~

 

 

 

 

 

 一方その頃。

 イギリスでは…

 

「…ねぇ、翼」

 

「なんだ、マリア…」

 

「ピー助が日本に行ってからどれくらい経つかしら…?」

 

「八日と五時間二十三分三十六秒だ」

 

「そう…」

 

 歌姫二人が、衆目に晒してはいけない顔をしていた。

 目元にはくま、髪の毛はボサボサ。

 もちろん日々のケアやメイクなど欠かしてはいないのだが二人の放つ負のオーラによって自然とこうなってしまうのだった。

 二人は今、翼の部屋のソファに並んで体育座り。

 それも暗い部屋で。

 

『ほらピー助エサだぞ』

 

『ピー!』

 

 テレビの大画面でこれまで撮影してきたピー助の映像を眺める二人。

 ボーっと見つめる二人。

 そしてそれを悩ましげに部屋の片隅で見つめる緒川。

 このままでは仕事に支障が…

 緒川の悩みを解決する方法は簡単。ピー助がイギリスに帰ればいいのだ。

 しかし緒川はピー助のノイローゼも知っていたが故に早く帰って来いとも言えぬ始末。

 胃薬の服用を始めたのは三日前の話である。

 

「切歌から何か送られてきた…あっピー助の写真よ翼…可愛いわね…」

 

「そうだな…ふふっピー助…私以外の女のところにいるなど…ふふふ、ふふふ…」

 

 緒川は何度目か分からぬ感想を抱いた。

 この歌姫達、もう駄目かもしれない──

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしてもどうして翼さんはあんなにピー助への愛情が重いデスか?ペットに向ける愛情ではないデスよあれは」

 

 本部の休憩室でみんなと話していると切歌ちゃんがそう言った。

 確かにペットに向ける愛情にしては度が過ぎているような気がする。

 多分、翼さんにピー助君がペットなんて言ったら斬られるかもしれないけど。

 なんて返答しようか迷っていると思わぬところから答えが返ってきた。

 

「それは、ピー助が奏の残したものだからかもしれないな」

 

「師匠…」

 

 休憩室にやって来た師匠は自販機でコーヒーを買って一口飲んでから話を続けた。

 

「ピー助を連れてきたのは奏でな。最初は奏が主にピー助の面倒を見ていたんだ。だが奏が死んで…一度ピー助は暴走した」

 

「暴走…」

 

「現れたノイズを襲って喰らい続けた…奏が死ぬ原因となったノイズへの復讐だったんだろう。それをなんとか翼が連れ戻して…ああ、あれから二年か。時が経つのは早いものだな」

 

 そう言って師匠は小さく微笑んだ。

 わたし達の知らない、翼さんとピー助君の関係。

 二年という短いかもしれないけれど、二人にとっては一緒に過ごして、一緒に戦ってきた大切な時間が育んだ愛…

 

「それに翼からしてみれば奏との思い出を共有出来る存在でもある。それがまあ…その、なんだ…あんな感じになったんだろう」

 

 師匠もちょっと思うところはあるのだろう。歯切れが悪い。

 まあ、ちょっとあの入れ込みようはどうかと思うけど…

 

「ピー」

 

「あっピー助君。今みんなでピー助君と翼さんの話をしてたんだよ」

 

 教えるとピー助君は鉤爪で頭をかいて照れているようだ。

 こう…ピー助君はどうにも人間臭い。

 中に人が入ってるんじゃないかって思う時がたくさんあるのだ。

 …もし、ピー助君が男の人だとしたら翼さん多分ピー助君を落とそうとするんじゃ…

 深い愛がピー助君を襲…うというと言葉が悪いのであれだが襲うとしか言い様がない。

 あれ…だとするとピー助君このままイギリスに帰らなかったら翼さんに刺されるんじゃ…

 まあ流石にそれはね…

 好きだから刺すってよく分からないし。

 

「ピー…」

 

「ピー助君お腹空いたの?」

 

「ピ」

 

「3時か…おやつの時間だね!」

 

「ピー!」

 

「デース!」

 

 ピー助君も切歌ちゃんも乗り気だ。

 食堂で何か甘いものでも…

 

「切ちゃんはさっきチョコ食べたでしょ」

 

「お前もさっきトレーニング後のおにぎりは美味しいね~とか言ってなかったか?」

 

「い、いやーそれはほら、ね?」

 

「あ、甘いものは別腹デスよ…」

 

 こうして日常が過ぎていく。

 このまま平和に暮らせたらいいんだけどな…




闇魏羅珠等の漢字表記は本作オリジナルとなりますのであしからず。
結構字が被ってるんでそんなにオリジナル要素ないというか、バランにいたってはバラゴンからゴ抜いただけっていう…

オマケ 出張ガイガン 
新アヴェの世界 タッツマン氏の作品

ピー助「はえーロボ君も転生したら人外に」

ロボ「いやーまさか同じような境遇の人がいるなんて思わなかった」

ピー助「お互い大変だなー」

ロボ「なー」

ピー助「…あのさ」

ロボ「なに?」

ピー助「モフっていい?」

ロボ「別にええでー」

ピー助「よっしゃ。(もふぅ)…おぅこれは癖になるぅ。えっダイブしていい?」

ロボ「全然オッケー」

ピー助「よぅし…それじゃあ…ふーじこちゃーん!!!」

グサッ(腹のノコギリが刺さった音)

ロボ「あああああああ!!!!!!!!」
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