ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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なおタイトルの内容は一瞬で終わるもよう。


ピー助探検隊~幻の怪獣"魏怒羅"を追え!~

 富士樹海…ここに護国聖獣伝に記される伝説の怪獣『魏怒羅』が眠っているという。

 早速我々探検隊は調査に向かったのであった…

 

「さ、流石自殺スポットとして有名というか…もうなんか雰囲気ばりばりだよ~…」

 

 隊員の立花響が体をさすり周囲の様子をそう形容する。

 確かに木々が鬱蒼として日の光もあまり射し込まず気温も低い。

 加えて自殺の名所として名高い。普通ならば立ち入ることすらないだろう場所である。

 しかし我々は屈してはならない。

 幻の怪獣『魏怒羅』を見つけるために──!

 

「ピー助君。あのさ」

 

 なんだね?

 

「その、なんていうか…気合い入ってるね」

 

 気合い?

 そりゃあもちろんこんな場所を歩くというのだからお気楽にはやってはいけない。

 しっかりとした装備を整えて行くべきなのだ。

 

というわけで現在のピー助の装備。

 

頭部 探検キャップ

胴体 探検家の服

アクセサリー1 双眼鏡

アクセサリー2 コンパス

オトモ 荷物係立花響

オトモ 胸部装甲雪音クリス

 

 さてそんなことをしている間に探検隊に試練が!

 大蛇だ!大蛇が出たぞ!(平均的なアオダイショウ)

 

「ちょーーーーっ!!?!?!無理無理!!!蛇は無理ィ!ク~リスちゃん!あとは任せた!!!」

 

「ざっけんな!!!あたしだって無理だこんちくしょう!!!!」

 

 えーなにやってるのさ二人共。

 蛇なんてほら、こーんなに大人しい生き物なんだよ。

 つアオダイショウ

 

「ああああ!!!!やっ、やめろピー助!それ以上こっちに近寄るんじゃねえ!!!」

 

「だだだだ駄目だよピー助君!危ないよ~!毒あるし咬むんでしょう!?ほら、早く離してあげて!」

 

 危なくないよ。

 アオダイショウ毒ないし。

 この子は大人しい性格のようだし今もマフラーみたいに俺の首に巻き付いている。舌をチロチロと出して俺の匂いを嗅いでいるようだ。簡単に説明すると蛇は口の中に鼻のような器官があり舌で匂いをとって口の中に入れているのだ。

 よーしよしよし。君はいい子だねぇ…目も真ん丸で可愛らしい。

 アオダイショウ…よーし今から君はアオちゃんだ。アオちゃんと戯れていると急にするすると俺の体をつたって地面に降りて俺を一度見ると草影の中に入っていった。

 …ついてこいと言っているようだ。

 アオちゃんのあとを追って草むらの中を突き進むとそこには…お地蔵様。

 それに、あいつの匂いがする。

 宇宙からやって来ましたといういかにもな匂いが。

 

「ピー助君一人で進まないで…ん?これはお地蔵様…?」

 

「みてえだな」

 

 ここだよ響ちゃん、クリスちゃん。

 ここに魏怒羅がいる。

 

「ここなの?ピー助君?」

 

 うん。

 どうやら眠っているようだけど。

 

「そんじゃおっさんに報告だな」

 

 通信端末をいじって司令に連絡を入れてくれるクリスちゃん。

 一応言っておくけど遊びに来たわけじゃないから。任務だからこれ。

 護国聖獣伝に記された、それぞれの聖獣が封印されたとされる地を調査せよというちゃんとした任務なのである。S.O.N.G.の主要任務の中に一応、怪獣の調査とかあるしね。最近は特に謎の地震とかがまた増えてきているし怪獣達の活動が若干だが始まっている。

 前に司令も言ってたけど超常を相手にするのがS.O.N.G. だからね。

 そんなこんなで最初の調査は終了っと…このあとここはどうするんだろう?封鎖区域にするとかするんだろうか。

 

「とにかく任務完了だ。ちゃっちゃと帰るぞ」

 

 はーい。

 早く帰ってご飯にしましょー。

 じゃあねアオちゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

 夜の街を走る人影があった。

 黒い箱のようなものを大事に抱き抱えながら走るその背後で…何かが、弾けた。

 甲高い音が続く。

 音は人影を狙うかのように続き、地面からは火花が咲く。

 

「──私に、地味は似合わない」

 

 新たな敵は少しずつ、確実に近づいていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて、本日は翼ちゃんとマリアさんのチャリティーライブというわけで私、ピー助はいま…

 

 

 

 

 

 

 クリスちゃんのお家に来ています!

 

 いやー始まる前から女子会で盛り上がっていますねぇ~。参加者みんなパジャマですよパジャマ!パジャマ女子会ですよ!

 あれ、俺いてもよかったのかな…

 なんか急に場違い感が…

 

「なに暗くなってんだよ!ほら、お前の飼い主がテレビに映るぞ!」

 

 抱きっ!むにゅう。

 これは…すごい。

 ッ!?

 テレビの向こうから殺気が飛んできたので止めよう。

 

「よかったのピー助?翼さんの近くにいてあげたほうがよかったんじゃない?」

 

 別にいいんだよ未来ちゃん。

 翼ちゃんは俺離れしたほうがいいんだから。

 

「それにしても…まさかあのガイガンが翼さんのペットだなんて!」

 

「アニメじゃないんだから!」

 

「普段はこんなにちっちゃいだなんて思ってもみませんでした」

 

 さて、こちらの三人組は響ちゃんのクラスメートでお友達。

 弓美ちゃんとはオタクの同志として通じあったぞ。

 今度平成ライダーについて語り合うんだ。

 

「あ、ほらピー助君始まったよ!」

 

 響ちゃんの言葉に思わず反応して一瞬でテレビに食い付いた。

 

「やっぱりなんだかんだ翼さんが好きなんだよね~ピー助君は」

 

 なんだよ響ちゃん。

 ニヤニヤして…俺をからかおうってんならただじゃおかないぞ。

 まあいいや。

 テレビに集中しよう。

 翼ちゃんとマリアさんの新曲か~あっ、この二人の髪型好き。

 スタイリストさんナイスやで。

 それにしても…飛んだり跳ねたりすげえや。

 ワイヤーとかは?えっないの?

 どういう仕組みなんや…マクロスか?マクロスなのか?

 そんなことを考えてながら見ていたら一曲目が終了した。

 ふむ…

 ──風向きが、変わったな。

 

「あ、おい!ピー助!どこ行くんだよ!…ってなんだよこんな時に…なにぃ!?」

 

 悪い風が、吹こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 イギリスでは翼が謎の敵と交戦していた。

 自動人形(オートスコアラー)を名乗る謎の敵はフラメンコのような体術と大剣を駆使した戦法で翼を圧倒していた。

 装者として戦闘経験も豊富である翼をして化け物と言わしめるその戦闘力。

 シンフォギアの攻撃を受けてなお立ち上がるその頑強さ。

 そして翼の武器である剣は…この敵の前に無力であった。

 

「剣は剣でも私の剣は剣殺し…剣殺し(ソードブレイカー)

 

 翼の剣は、敵の剣によって殺された。

 予想外の事態に一度距離を取った翼は更に衝撃の光景を目にする。

 

「あれは…ノイズ!?どうして…!」

 

 マリアが驚愕の声を上げる。

 ノイズが現れるはずがない。

 先のフロンティア事変によりソロモンの杖、バビロニアの宝物庫と共にノイズは蒸発したはずなのだから。

 しかし、そのノイズがここにいる。

 翼は驚愕こそしたもののすぐに思考を切り替えノイズの殲滅に専念する。ノイズは危険な存在。存在そのものを許してはならない。

 ノイズとはこれまで何度も戦ってきた。

 いくらノイズを出そうが今更だと。

 

「貴女の剣。大人しく殺されてもらえると助かります」 

 

「そのような可愛げをッ!未だ私に求めているとは!…防人の剣は可愛くないと、友が語って聞かせてくれた」

 

「こ、こんなところで言うことか!」

 

 照れるマリアをよそにノイズに斬りかかる翼。

 逆羅刹を繰り出しノイズを一網打尽。更に翼の攻撃は止まらない。

 ノイズを一刀のもとに斬りふせ…ある一体のノイズを自身に向けて迫る腕ごと貫こうと刃先を突き出す。

 だが、思いもよらぬ事態が起こった。

 

(手応えが…妙だ…)

 

 翼がそう感じると、剣がノイズに触れた先から赤い粒子となって溶けていく。

 

「剣がッ!?」

 

 ありえない。

 翼は目の前の光景が信じられなかった。

 シンフォギアにはノイズの侵食を防ぐバリアコーティング機能が備えられており、これによりノイズに触れても装者とギアが炭素に変えられることはなかったのだ。

 だが現実はどうだ。剣が溶かされていく。

 そして、シンフォギアの要である胸元のペンダントが傷つけられた。

 すると剣だけでなく、身に纏うギアそのものが分解されていく。

 

「敗北だけでは済まさない…」

 

 敵が不敵に微笑んだ。

 このままでは目の前のノイズに殺られるとギアの最後の力を振り絞り刀を精製し斬り伏せる。

 これが最後の力だと、ギアはその装甲もアンダースーツも弾けた。

 

「翼ッ!!!」

 

 倒れた翼のもとへマリアが駆け寄った。

 本来ならば着ていたはずの服が戻るはずだがそれすらも戻らない。

 いかにこれが異常なことかをそれが知らせていた。

 

「システムの破壊を確認。これでお仕事は一段落ね」

 

 そう自動人形(オートスコアラー)は呟くと召喚したノイズを撤収させた。

 一体どういうつもりだとマリアは訝しんだ。

 殺すのが目的ではない…?

 敗北だけでは済まさないとは一体…?

 そのまま敵も撤収しようとするが…空から聞き馴染んだ咆哮が響いた。

 空から流星の如く腕の鎌で敵に斬りかかるピー助。

 敵は大剣で受け止めるがその衝撃で地面が弾け飛ぶ。

 

「ピー助ッ!!!」

 

 ──てめぇ、人の飼い主に何しやがった!?

 

 

 

 

 

 

 

 

「どうやら、残業のようですね…」

 

 残業?

 ああそうだよ…ちなみに残業代はでねえブラックだがなッ!!!

 身体を翻し、鞭のようにしなる尻尾による打撃を敵の胴体にお見舞いする。

 敵は吹っ飛んだが…妙な手応え。

 まあ、俺の一撃を受け止めたのだから人間でないことは分かっているのだが…

 

「ふふ、流石怪獣。私では相手になりそうにありませんのであの子に来てもらいましょうか」

 

 あの子?

 どの子だよ?

 

「貴方もよく知っている相手ですよ…正に因縁の相手。ずっと貴方に会いたくてうずうずしてたんですよ彼は」

 

 彼ぇ?

 悪いが俺にそっちの趣味はないぜ。

 こちとら5000年前から異性愛者なんだ!

 

「…それでは5000年ぶりの再会と洒落こんでください。あとは任せましたよ()()()()()()()()

 

 なっ…

 いま、こいつなんて…ッ!?

 突如、地面に魔法陣のようなものが浮かび上がりそいつは現れた。

 銀色の、人型…

 

「会いたかった…会いたかったぞ!ガイガン!!!」

 

 5000年の因縁が、俺の目の前に現れた。




結構飛ばしたけどまあええやろ(てきとう)
この作品読んでるのはシンフォギア見てきた人達だろうし(甘え)

オマケ 出張ガイガン
新アヴェの世界 協力タッツマン氏

これまでの出張ガイガン!

ピー助「ふーじこちゃーん!!!」

グサッ(腹のノコギリが刺さった音)

ロボ「あああああああ!!!!!!!!」

九つの世界を巡り、その瞳は何を見る
九つも巡れっかなぁ…?

ピー助「あー…いや、ごめん」

ロボ「ごめんじゃねえよ!!!ギャグ時空じゃなかったら重傷だこんちくしょう!!!」

ピー助「いや、モフリたくなる身体してるのも悪い…」

ロボ「なんだこら言い訳かこら」

ピー助「あ、いや、マジすいまっせんした…」土下座

 人外転生縦社会の図

響「大変だよロボ君!翼さんとクリスちゃんが敵に捕ま…え?なにこのペンギンみたいな生き物。ロボ君のお友達?」

ロボ「バウッ!?(なにッ!?)」

ピー助「ピー!(こっちの世界の響ちゃんチースチース!)」

ロボ「クリスちゃんが捕まったなら俺は行く。それじゃあな別世界の怪獣さん」

ピー助「いや、俺も行く。別世界だとしても翼ちゃんは俺の飼い主だ。飼い主の危機に待てはねえだろ」

ロボ「よし、それじゃあペットコンビ出撃だ!」

ピー助「しゃあッ!!!」

次回、新アヴェの世界最終回…?

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