ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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遂にGWが始まりましたね…
ガンダムウイングの話じゃないですよ、ゴールデンウィークの方です。
みんな、用もないのにふらふらと外出たらピー助が狩るってよ!
というわけでみんなで引きこもりましょう。
GWでも見ながら!
あ、これはゴールデンウィークじゃなくてガンダムウイングの方です。


メタルクラスタなガイガンになってた

 鏡を見る。

 目を閉じる。

 目を開ける。

 鏡を見る。

 

鏡「何回見たって銀ピカなことに変わりないで」

 

 な、なんてこと…

 いつの間にこんなギンギラギンな感じになっちゃったの俺!?

 一体どうしたらこうなるの!?

 高1の夏休み明けの遠藤君より変わってるよこれ!?

 イメチェンか?イメチェンなのか?

 おいおいFWだけじゃなくこんな姿にまでなっちまうなんて欲しがりだな~俺。

 …いやぁぁぁぁ!!!!!

 元の姿に戻してぇぇぇぇ!!!!!

 こんなギンギラギンにさりげなくな、てか全然さりげなくねえわ!主張が激しいわ!!!

 この姿でも小さくなれたことしか喜べねえわ!

 

「本当に」

 

「ピー助」

 

「デスか?」

 

 そうだよ(キレ気味)

 なんで…なんでこんな姿になっちまったんや…

 

「まあそんな落ち込むことないわ。今、エルフナインが原因を調査中だから…」

 

 プロジェクトイグナイトを止めてやろ?

 もうやだ!こんな姿になるわみんなの足引っ張るわ!

 俺がなにしたっていうんだよ…

 なんか動きにくいし…

 もうやだ。

 おうちかえる。

 

「こら。今、エルフナインが調べてくれているんだから結果を待つのよ」

 

 うー。

 それにしても動き辛いなぁ。

 なんか前みたいな柔軟性がなくなったっていうか、体動かすとウィーンとか鳴るしもうやだ。

 

「皆さん。ピー助さんの検査結果が出ました」

 

 お…で、俺の体はどうなってるんだ?

 

「今のピー助さんの肌と、以前採取したピー助さんの機械の部分は同じものだということが分かりました」

 

「では、今のピー助は完璧な機械ということになるのか?」

 

「そう言っても、過言ではないと思います」

 

 キカイ?

 じゃない機械?

 こんなに感情豊かな俺が?

 けどまあこの見た目からしたら、ね…

 

「ピー助がこうなった原因は分からないの?」

 

「それは現在調査中です。完全聖遺物であるピー助さんの謎はたくさんありますから…だけど、推測することは出来ます」

 

 推測?

 それは気になる。

 だって本人すら何が起こってるか分からないのだから!

 

「ピー助さんのこれは…脱皮の兆候ではないかと思われます」

 

 え?

 

「脱皮…」

 

「脱皮ね…」

 

「脱皮デスか…」

 

 脱皮…

 まさかぁ笑

 

「しかし今まで三年間一緒にいて一度も脱皮なんてしたことは…」

 

「ピー助さんはまだまだ謎の多い生物です。それに本来は巨大なようですし脱皮のサイクルもとても長いものなのかもしれません。…質問なのですが、ピー助さんに変わったことなどありませんでしたか?ここ最近で」

 

 ここ最近?

 特に変わったことなんてなかったと思うけど…

 

「そういえば、今朝の朝食を食べなかったな。普段なら飛びつくというのに…あと、どこかイライラしているようでもあった」

 

 む…確かにイライラしていたのかもしれない。

 朝食もなんというかあんまり食欲がなかったというか…

 

「やはり、脱皮の兆候かもしれません。蛇などは脱皮前に神経質になったり餌を食べなくなるらしいですから」

 

「けどピー助を蛇と一緒にするのは…」

 

 うむ…

 けど自分のことを自分がよく分かってないのでそういう意見は助かる。

 これが脱皮だと言うならばまあそれらしくしていようじゃないか。

 

 

 

 

 

チフォージュ・シャトー 

 

 玉座に座る少女はおもむろに目を開けた。

 

「おい、ジャガー。お前が倒した怪獣、生きているぞ」

 

 マスターであるキャロル・マールス・ディーンハイムの言葉に私は胸が躍った。

 やはり、生きていたか。

 あれで終わる男だとは思っていなかったぞ、ガイガン。

 

「…お前も、妙なものに固執しているな。だが、最優先にすべきことは計画の進行だ。それを忘れるなよ?」

 

「心得ています」

 

 我がマスターには私の言葉が通じているようで、ならばいい。と、それだけ言って再び我がマスターは目を閉じた。

 計画の進行が最優先。

 だが、計画の邪魔をするためにガイガンは立ち塞がるだろう。

 その時に決着をつければいい…

 生きているなら早く万全の状態を整えるのだ。

 私は、本気の君との決着を望んでいるのだからな!

 

 

 

 

 

 

 

一週間後

 

「ピー助、毎日水の中に入ってるんだね」

 

 響ちゃんのお見舞いにやってきた未来ちゃんがついでに立ち寄ってくれた。

 そうなんや…

 脱皮前の蛇はこうしてるって言うから同じくそうしてるんだけどいまいち脱皮する気配がない。

 ちなみにおっきい収納ボックスに水張って入ってます。

 

「ところでさピー助」

 

 なにー?

 

「その、そこで倒れてる二人は一体…?」

 

 未来ちゃんが指差したところに倒れていたのは翼ちゃんとマリアさんである。

 一応言っておくけど死んではいない。

 

「マリアも翼さんもピー助おさわり禁止令が出て一週間、ピー助に触らなかったからこの有り様で…」

 

「もっとしっかりしてほしいものデス」

 

「まったくだ!こいつらがしっかりしないからあたしに色々としわ寄せが…」

 

 この一週間、俺は他人から触られていない。

 触ろうとするとストレスを感じて脱皮を失敗してしまうかもしれないからという理由でおさわり禁止令が発令されたのだが…

 ほら、年少組にこう言われてるぞ年長組。

 まったく飼い主がこんなんじゃペットの俺にまで風評被害が来るんだから。

 

「あはは…でも、本当に脱皮なのかな?」

 

 そう言われると…うん。

(脱皮する気配)ないです。

 こうして過ごしてるんだけど全然この銀ピカ肌が脱げる気配がナッシング。

 本当に脱皮か自分でも疑わしくなってきていたところでした。

 

「もしこれが脱皮でないとするならば、ピー助に触ってもいい…?ピー助ぇぇぇぇぇ!!!!!」

 

 バーリアっと。

 

「ぐはっ!?ぴ、ピー助が新能力に目覚めた…!?」

 

 はっはっはっ!

 メタルクラスタガイガンになった俺は今までにない能力が追加されたのだ!

 最早、翼ちゃんがルパンダイブしてこようが関係ないというわけだ。

 

「というか今のバリア…」

 

「どうやって作ったデスか!?」

 

 よくぞ聞いてくれました!

 こうやって頭で念じれば装甲が…

 

「ピ、ピー助からちっちゃいピー助が分裂してきたデース!?」

 

 分身の完成デース!

 って切歌ちゃんがうつった。

 と、まあこの要領で装甲からバリアを作ったんデスよ。

 またうつった。 

 

「ちっちゃいピー助の」

 

「更にちっちゃい版…」

 

 驚くのはまだ早い。

 これまだたくさん作れるんすよ。

 

「うわぁ!?ピー助がぽこすかと増えていくデスよ!?」

 

「ピー」

 

「ピ?」

 

「ピッ!」

 

「ピ~」

 

「…」

 

「あ、あはは。ピー助がいっぱいだ。ピー助が一匹、ピー助が二匹、ピー助が三匹、ピー助が…」

 

「このピー助は触っていいの?これもダメなの?一匹くらいいいでしょ?ねえ、調。うんと言って」

 

「マ、マリア…顔が怖い…」

 

「ピー助止めろ!ピー助狂いの二人が暴走しちまう!」

 

 はーい。

 それじゃみんな集合~。

 

「「「「「「「「「「ハーイ」」」」」」」」」」

 

 分身達が一斉に集まってちゃぷん、ちゃぷんと雫が水面に落ちるかのように俺と一体化していく。

 かわいい。

 なんてやっていたら警報が鳴り響いた。

 毎度のことながらびっくりする。

 

「アルカノイズ…!」

 

 出やがったな。

 だけど、いま戦える装者は…

 ふむ、俺が行くしかないか。

 どれどれ場所はどこですかっと…うわっ!?

 急に揺れたけどまさか…ここがアルカノイズに襲われてるのか!?

 なんで気が付かなかったんだよ!

 いつもなら気が付くのに!くそ!

 

「待ちなさいピー助!」

 

 水入れから飛び出して外に向かって飛ぶ。

 今、ここを襲われては…

 プロジェクトイグナイトのために電力やら補給やら受けてるってのに、やらせるかよ!

 

 

 

 

 

 行楽日和と言える絶好の空を汚す黒い煙。

 ノイズによる攻撃のせいだ。

 眼下を見下ろせばアルカノイズの大群が発電所を襲っている。 

 これ以上はやらせないと降下しながら目から光線を放って…って、なんか稲妻みたいな光線だな。

 そもそもこの体での戦闘自体始めてだ。

 変なことにならないように気を付けなければ…

 それにしても数が多いな…

 ここは覚えたての分身の術でも使って…

 

『Various shul shagana tron』

 

 この歌…調ちゃんに切歌ちゃん!?

 なんで二人が…

 

「ピー助だけに!」

 

「やらせないデス!」

 

 そうは言ってもLiNKERがないと…

 え?LiNKER打ったってまじで言ってんすかシュルシャガナさん。

 イガリマさんまで…

 ほんと困った子~なんて言ってる場合じゃないですよ!薬物の乱用がどれ程危険かお宅分かってらっしゃるんですか!?未来ある子供達にそんな危険なものをって…

 あれ、奏ちゃんが使ってたLiNKERか…

 …しょうがない。

 子守りぐらいしてやる。

 

「ギアの改修が終わるまで!」

 

「発電所は守ってみせるデス!」

 

 よし!やるぞ!

 鎌ノコトリオの結成だ!

 斬って斬って斬りまくれッ!

 

「うんッ!」 

 

「デスッ!」

 

 いい返事だ。

 さあ、切り刻むぜ。

 腹のノコギリを起動させ、地面を蹴り低空飛行。

 正面のノイズはノコギリで、左右のノイズは腕の鎌で切り刻む。

 なにするものぞ!アルカノイズ!

 切歌ちゃん達も…順調みたい。

 このままノイズの数を減らして…

 ッ!?

 二人の悲鳴が聞こえて、見れば赤い自動人形が。

 あいつか、響ちゃんをやったのは。

 とにかく今は二人が態勢を整う時間を稼げ。

 

「ニコイチでギリギリなんてつまんないだゾ。そっちの銀ピカの方が楽しめそうなんだゾ」

 

 確かミカとか言う名前だったか。

 止まるんじゃねえぞ…キボウノハナー

 はっ!?今なにか変な電波受信した!?

 ヤダ俺電波キャラになっちゃった!?

 って、うわぁ!?

 人が困惑している間に鈍器でぶん殴ってくるなんて卑怯な奴!

 それになんだその武器は!真っ赤な六角柱みたいなの!

 見るからに当たったら痛そうだゾ!

 あ、口調がうつった。

 

「ふざけてたらすぐに終わるゾ!」

 

 脳内寸劇を繰り広げている間に一気に距離を詰めたミカは武器を振り下ろしてくるが…

 もう、お前のスペックは大体把握している。

 

「なっ!?双子なんだゾ!」

 

 ミカは驚愕こそしつつ攻撃の手は休めない。

 だが…読めてるんだよ。

 

「三つ子!?いや、五つ子だゾ!?」

 

 五体の俺が、ミカを取り囲む。

 回避をしながら分身を生み出すことで相手を混乱させる…

 難しいことを考えるのが苦手そうなミカ相手にはよく効く戦法だろう。

 今度は、こっちが反撃する番だ。

 五体の俺が一斉に動く。

 姿形がまったく一緒のものが五つ、同時に動いたら果たしてどうなるかな?

 一体が斬り込んで、一体がノコギリを起動させて接近して、一体が援護射撃して、一体が尻尾でミカを叩きつけて。

 そして俺は…

 

「そこッ!」

 

 目から放った稲妻状の光線はノイズもいない空を進む。

 しかし、何もないはずのところで光線は打ち消された。

 

「流石だなガイガン。気付いていたとはな」

 

 何もなかったはずの場所から銀色の見たくもない奴が現れた。

 どうせ来ているだろうとは思っていた。

 光学迷彩のようなもので隠れていたのだろうが…

 

「お前の下手くそな隠密行動ぐらいお見通しだ。そういうのにかけては、俺の方に分がある」

 

「なるほど…では正々堂々と正面から行こう。君のその新しい姿と力を私に見せてくれッ!」

 

「しつこいッ!」

 

 互いの言葉すらを越す勢いで加速した俺とジェットジャガーはぶつかり合う。

 分身の方は…しばらく任せておいて大丈夫だろう。

 切調コンビには悪いけど、こいつの相手をしなくちゃいけない。

 ああ!本当にしつこいッ!




オマケ 出張ガイガン特別編

人外オリ主散歩

人外無法地帯

ピー助「さあ、始まりました!人外オリ主散歩。司会のピー助でーす。今回はこちら東京スカイタワーにやって来ました~!イエーイ!え?近場過ぎない?そんなこと気にしない気にしない。さあ、まずはゲスト一人目!ロボさんでーす」

ロボ「こんにちは…」

ネフィ君「いやゲスト一人目とか言う前にさ、これなに?」

ピー助「いやいやネフィ君さん。人外オリ主散歩ですよ」

ロボ「いや、だからさ。人外オリ主散歩がそもそも何かを聞いてるんだけど」

ネフィ君「そうですよ!この間居酒屋に置き去りにされたかと思ったら急にこんなの出される身にもなってくださいよ」

ピー助「さあこちら東京スカイタワーは日本で一番新しい電波塔で全長は634m。実はこのスカイタワーは政府の非公開組織が活動する際に使用する映像、交信などの電波情報を統括制御する機能を有しておりまして旧二課もお世話になって…」

ロボ「え、そうなの?」

ネフィ君「そんな秘密情報をここであっさりばらしていいの!?てか、話逸らしたでしょう!」

ピー助「まあまあネフィ君さん。ネフィ君さんもロボさんもここ来たことありますよね?」

ネフィ君「屋上の展望室だけだけど。その時はノイズが来てあんまりいい思い出ないわ…」

ロボ「俺も任務で来たっきり…」

ピー助「まあ、私も似たようなものですが中には水族館やらなにやらと観光施設もたくさん入ってるんです!」

ネフィ君「それは知ってますけど…まさか!?」

ロボ「観光しちゃう!?よし!早速行こう!」

ピー助「あ、二人ともちょっと待って」

ロボ「え、なんすか?」

ネフィ君「早く行きましょうよ」

ピー助「えー、実は撮影の許可取りをしたADによりますとペンギンやアザラシなどの海獣達がですね、私達のような怪獣を見て驚いてしまうかもしれないということで…撮影NGですッ!」

ロボ「はあ!?」

ネフィ君「それどういう意味だよ!」

ピー助「あと水族館だけじゃなくですね、スカイタワーそのものに入場禁止です」

ロボ「えぇ!?」

ネフィ君「なんでなんで!?」

ピー助「えー普通のペットならまだしも、人外は入場禁止だそうです!なので、それ以上先入っちゃダメですよ」

ネフィ君「いやいやピー助さん。それおかしいでしょ。居酒屋に置いていかれて、なんか連れ出されて来てみれば入れない?ふざけんじゃねえよ!」バシッ

ピー助「痛っ!?この野郎やりやがったな!?」ビシッ

ロボ「ああもうやめやめ!二人共ストップ!」

ネフィ君「うるせえ!お前も道連れじゃあ!」ドロップキック

ロボ「ぐはっ!?こんにゃろよくも!?」狼パンチ

ピー助「なんで俺!?」

ネフィ君「大体なんだよ海獣が怪獣見てビックリするからって…怪獣はお前だけじゃろがい!」ラリアット

ピー助「ぐえっ!」
 
ロボ「隙だらけじゃあ!」噛みつき

ネフィ君「いぎゃあ!!!」

ピー助「…よそう。人外同士が戦ってもしようがない。私が欲しかったのは、重い愛から逃げる口実だったんだ」

ネフィ君「…いや、なんかすいません。ちょっと興奮しちゃって」

ロボ「俺こそ噛みつきまでしてごめん…」

ピー助「いやぁ皆さん…ね、これから浅草ですから。旨いもんでも食べましょ」

人外オリ主散歩のテーマ(替え歌)
歌 ピー助

誰か僕に自由をくれませんか~
誰か僕に(許容範囲内の)愛をくれませんか~
シンフォギアの聖地巡礼しようと思っただけなのに
人外だからという理由で撮影許可おりない
スカイタワー登らせてくれなかった~
お寺に神社、大抵~
撮影NG~
誰か僕に自由をくれませんか~
誰か僕に(許容範囲内の)愛をくれませんか~
せめてください散歩の許可を…

本当に申し訳ありませんでしたぁ!!!

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