ちっちゃいガイガンになってた   作:大ちゃんネオ

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このサブタイトルが意味するところ。
つまり特訓デェス!


美しい女の意地

 最速、最短、真っ直ぐ、一直線。

 どっかの誰かさんが言っていたセリフの通りに飛べば筑波なんてすぐである。 

 …お!あれに見えるはマリアさん。それもシンフォギア纏ってる。

 改修したアガートラーム。

 それであの青い自動人形…えっと、エルフナインはガリィって言ってたか。と戦っている。

 あいつとは前に戦ってジェットジャガーに水を差されたから決着はつかなかった。

 今日こそ決着を…って、マリアさんがイグナイト使った。

 イグナイトで強化されたマリアさんならあいつぐらい余裕のよっちゃんで…って、おい、あれ。

 暴走してるぞ。

 …まずいことになったな。

 ひとまず救援だ救援!

 直滑降で地面に降り立ち暴走したマリアさんとガリィの間に割り込む。

 

「ピー助!」

 

 やあ未来ちゃん久しぶり…なんて、言ってる場合じゃないよな。

 

「ちっ、獣は一匹で充分だってのに…。あいつも直ってないから怪獣の方は任せらんないし。はぁ…帰る」

 

 あ!あいつまた逃げやがった!

 くそ…いや、むしろ好都合か。

 

「ウガァァァァァァ!!!!!!」

 

 マリアさんを、元に戻さないといけないからな…。

 

「ガァッ!!!」

 

 跳躍からの単純な襲撃。

 理性もない。

 怪獣ほどの本能の強さもない。

 軽く身を反らして、着地したマリアさんの首筋を叩いて気絶させる。

 峰打ちなので安心してほしい。

 刃でやったら、さっきまでマリアさんだったものが辺り一面に転がってしまう。

 さて、気を失って暴走も解除されたマリアさんを二の腕あたりに乗っけてと…。

 未来ちゃん、エルフナインにマリアさんを運ばせるのはきついだろうから俺が運ぶ。

 

「ピー助。マリアさんは大丈夫?」

 

 うん。気を失っただけみたいだし。

 ちょっと寝かせておけば目を覚ますよ。

 とりあえず皆と合流しよう。

 

 

 

 未来ちゃんとエルフナインに案内されてビーチの方へ向かうとギアを纏った響ちゃんとクリスちゃんがいた。

 あれ?翼ちゃんと切調コンビは?

 

「ピー助君!…マリアさん!?どうしたの?何があったの?」

 

 それが…かくかくしかじか。

 

「イグナイトモジュールの使用に失敗して暴走してしまったんです。ピー助さんが来てくれたのですぐに抑えることは出来たんですが…」

 

 かくかくしかじかの部分を言ってくれてありがとう。

 こういう難しい話の時は俺の言葉通じないから助かります。

 

「まずはあの施設でマリアさんを休ませよう。…それにしても、ピー助君。マリアさんをお姫様抱っことはなかなかやりますなぁ」

 

 しゃあないやん。

 背中は羽があるからおんぶは出来ないんだから。

 

「ま、先輩が見たら間違いなく修羅場になることは確定だな」  

 

 まさか~。

 俺はただ患者を運んでるだけでしてね。

 いくら翼ちゃんでもそれくらいは分かってくれるでしょ~。

 

「うんうんそう、だ、ね…」

 

 ん?

 どしたん響ちゃ「ピー助」

 ひえっ…。

 この、ケツ穴に氷柱をぶっこまれたかのような感覚は…。

 翼ちゃんッ!!!

 恐る恐る振り返ると、サングラスをかけた翼ちゃんがいて…。

 い、いやぁサングラス似合ってるね翼ちゃん…って、あ、外すんですね。

 い、いやぁ…翼ちゃん。と、とってもいい笑顔ですね…。

 

「ピー助。マリアの容態は?」

 

 気を失ってるだけで特に外傷はないです…。

 

「それはよかったわ。立花」

 

「は、はい!」

 

「悪いが、マリアを運んでくれないか。ギアを纏っているなら楽だろう?」

 

「はい!立花響、マリアさんを運びます!…ほら、ピー助君早くマリアさん渡して!」

 

 あ、はい…。

 

「それじゃあピー助。少し、お話しましょうか」

 

「ピー?(えー?ピー助、人間の言葉話せないから無理~)」※特別意訳

 

「ピー助」

 

 …はい。

 このあと、めちゃくちゃお話した。

 

 

 

「大体、私だってされたことないのに何故マリアにはするのかしら?やっぱりあれなの?私よりマリアの方が好きなんでしょう。そうなんでしょう。胸が大きい人にほいほいついていって…それで誰かに連れ去られたらどうするの!それに、最近またマリアのグッズ集めたりしてるようだし。え?なんで知ってるかって?それは藤尭さんが優しく…優しく!(強調して)教えてくれたのよ。はぁ…どうせ私のことなんてエサくれたりお世話してる人程度にしか思ってないのでしょう。…今更そんなこと言ったって許すわけないでしょう。私のことを一番に考え、愛してるというのであれば許すわ」

 

 

 

 

 

 …おい。  

 もうそろそろ日が傾き始める時間だぞ。

 のび太のママじゃないんだからお説教時間のタイム新記録樹立するのやめてくれませんかね。

 こちとら純粋に救助活動したというのに。

 そりゃもちろん一番は翼ちゃんですよ。

 だけど大変な人がいたら助けるのは当然のことで…。

 ちょっと待て。

 今、なんて言った?

 一番は翼ちゃん?

 え、ちょ、え。

 あ、いや、その…こう口に出すと恥ずかしい。

 ヤバイぞ。

 なんか今までの思い出的なものが溢れてきてちょっと恥ずかし過ぎる。

 背中が、背中が痒い。

 なんとかして気を紛らわせないと…。

 なんかないかなんか…って、ボールが転がってきた。

 

「あ、ピー助さん」

 

 エルフナインやんけ。

 なにしてんの?

 

「バレーの練習を少々。知識はあっても実際にやるのとでは全然違ったので」

 

 なるほどなるほど。

 え?一人でやってたの?

 

「はい。みなさん、忙しそうでしたから」

 

 そっか…。

 よっしゃ、お兄さんが練習相手になるで。

 

「いいんですか?」

 

 ええんやで(ニッコリ)

 これでも昔はインファント島で暇な時は怪獣達と岩をボール代わりにいろんな球技(の原型とされる)やってきたからな!

 人間の頃は球技苦手だったけど怪獣になってから克服したんだ!

 目を瞑れば思い出す、あの日々を…。

 

 2アウト満塁。

 

「ガイガン!ここで打てば走者一掃サヨナラ勝ちだぞ!」

 

「やーい!ピッチャービビってるぅ!」

 

「ガイガン…悪いけど、打たせません。ここで倒れてください」

 

「御託はいい。…投げな。てめーの暴龍怪球烈弾(アンギラスボール)を…」

 

 いやぁ懐かしいな~って、野球やん。

 バレーじゃないやん。

 まあいい。

 とにかく始めよう。

 それにしてもエルフナインとこうして関わるのははじめてでは?

 ずっと研究室に閉じ込もっていたし。あんまり関わる機会なかったなそういえば。

 じゃあこれを期に仲良くなろっと。

 ようし、それじゃあまずは今のエルフナインがどの程度の実力か見せて…。

 

 

 

 

 目が覚めるとすぐになにがあったかを思い出した。

 イグナイトモジュールを使って、暴走して…。 

 私は弱いままだ。

 強くなりたいと願っても、弱いままで…。どうしたら、強くなれるのだろう…。

 

「ピーーーー!!!」

 

 外から、ピー助の声が聞こえた。

 ピー助は本部に残っているはず…。気になったので外に出てみるとそこには…。

 

「次、お願いします!」

 

「ピ…ピー!!!」

 

 ピー助の強力なスパイクがエルフナインに向かって放たれる。

 エルフナインはそれをレシーブしようとして…弾かれてしまった。

 え、なにこれは…。

 

「あ、マリアさん。もう大丈夫なんですか?」

 

「え、ええ大丈夫…というか大丈夫って聞きたいのこっちなんだけど。結構吹っ飛ばされたわよね?」

 

「平気です。だって、特訓ですから!」

 

 特訓…?

 昼間にやったビーチバレーでのサーブのことだろうか。いや、しかし今やっていたのはレシーブ練習…。

 まあ、バレー全般の特訓ということだろう。

 

「ピー助も手伝ってあげて偉いわね」

 

「ピ~」

 

 照れて鉤爪の先で頬をかくピー助。

 かわいい。

 

「特訓、か…」

 

 強くなるための特訓…。

 

「ピー(強く、なりたいのか?)」

 

「え…今のは、ピー助の声?」

 

「ピー…ピッ!(強くなりたいのかと聞いているッ!)」

 

 私、は…。

 

「私は…強くなりたい!弱い自分を殺して!」

 

 そう言った次の瞬間、ピー助が腕の()を振るった。

  

「ッ!?」

 

「マリアさんッ!!!」

 

 間一髪、身を屈めて避けることに成功したがピー助の蹴りが私を捉えた。

 砂浜を転がり、揺れる頭を押さえながらすぐに立ち上がろうとするが既にピー助の刃が迫っていた。

 

「待ってくださいピー助さん!急にどうしたというんですか!?」

 

 エルフナインが間に入り、止めるが私にはピー助がなにをしようとしているかが分かった。

 

「エルフナイン…これは、特訓だ。ピー助が私に課した試練だ。だから、止めないで」

 

「マリアさん…」

 

 心配そうな瞳で見つめるエルフナイン。

 それもそうだろう。

 こちらはギアも纏わずにいるのだから。

 恐らくピー助の強襲、波状攻撃には私を歌わせないようにするという意味がある。

 いかな装者でもギアを纏わなければただの人。

 私達の敵と戦うには弱すぎる。

 まずはピー助の猛攻を掻い潜り、歌わなければ…。

 

 

 

 

 

「はぁ…はぁ…」

 

 肩で息をするマリアさん。

 なんとかしようという気力は認められるがもう歌うのもキツイだろう。

 

「やっぱり私では…」

 

 …心を鬼にしなければ。

 どうした。

 強くなりたいと願ったお前の気持ちはそんなもんかぁッ!!!

 

「ああッ!!!」

 

 蹴り飛ばされ、もう何度目か分からぬが地面を転げるマリアさん。

 起き上がったマリアさんだが、その目には涙を浮かべていた。

 

「私は…強くなれないの?弱いままなの…?」

 

 その顔はなんだ!

 その目はなんだ!

 その涙はなんだ!

 その涙で強くなれるのか!

 守りたいものを守れるのか!

 

「私、は…」

 

「マリアさん!」

 

 特訓の様子を眺めていたエルフナインが叫ぶ。

 あの叫びは心配からではない。

 なにかを伝えようという強い意思を感じる目だ。

 

「マリアさんはボクに自分らしくあれって教えてくれました!それが…強いってことだと思います!だから!」

 

「自分らしく…弱い自分を受け入れる…。そういうこと、か…。ピー助、この特訓の本当の意味、見出だしたわ」

 

 不敵に笑ったマリアさんがそう言って駆け出してきた。

 俺はそれを迎え撃とうと鎌を振るうが避けられ、マリアさんの拳が俺の胸を打った。

 

「…こういうことでしょ、ピー助。ギアに頼るんじゃない。自分を信じて、弱くてもいい。出来ることを全力でする。それが強さに、そして、ギアの力を引き出すことになる。…そうでしょう?」

 

 …ギアに頼れば、隙が生じる。 

 己を信じ、ギアを信じればそれが強さとなる。

 あの三人がイグナイトの使用に成功した時、三人は自分自身の胸の歌とシンフォギアを信じた。

 だからこそ、魔剣の呪いに打ち勝つことが出来たのだ。

 そして今のマリアさんなら、イグナイトモジュールだって使えるはず…。

 って、なんだぁ!?

 急に砂浜から水が湧き出て噴水のよう…って、ガリィの仕業か。

 

「お待たせ、ハズレ装者。今度こそ歌ってもらえるんでしょうね?」

 

 あいつ…!

 

「大丈夫です。マリアさんなら出来ます!」

 

 そうだ!

 もう真の強さがなにかを知ったマリアさんなら!

 

「エルフナイン、ピー助…!ええ、やるわ」

 

『Seilien coffin airget-lamh tron』

 

 マリアさんの聖詠が響く。

 やっぱり聖詠は聞くとこっちまでエネルギー漲る感じするわ~というわけでガリィが召喚したアルカノイズ共は俺がやりますかね。

 マリアさんはガリィを頼みます!(ガイさん風)

 

「はあぁぁぁッ!!!」

 

 マリアさんとガリィの戦いが始まった。

 さあアルカノイズ共、俺が露払いしてやるよ。

 エルフナインは後ろに隠れてて。

 

「は、はい」

 

 よしよし、いい子だ。

 さあ、切り裂くぜ!

 アルカノイズがなんぼのもんじゃい!

 

 

 

 

 

 戦闘の様子を、自動人形の「ファラ」が眺めていた。

 しかし、口に咥えた薔薇を手に持ち替え散らすと、そこからファラの姿は消えた。

 文字通り、消えたのである。

 

 

 

 

 

 異端技術の研究を行う施設にマリア以外の装者と未来、緒川、藤尭が集まっていたが藤尭のPCに反応があった。

 

「アルカノイズの反応を検知!」

 

 藤尭が声を張り上げると、装者達は一斉にマリア達の救援に向かった。

 そんななか、緒川は何者かの気配を感じ部屋から飛び出すが誰もいない。

 廊下は真っ直ぐ一直線なので、隠れるような場所もない。

 だが、緒川は感じていた。

 風の気配を…。

 

 

 

 

 

 よっしゃアルカノイズは全滅させた!

 あとはガリィ、てめーだけだ!

 

「イグナイトモジュールッ!抜剣ッ!!!」

 

【Dáinsleif】

 

 ペンダントを空に向かって掲げるマリアさん。

 ウルトラマンの変身ポーズみたいっすねぇ(小並感)

 

「私は弱いまま…この呪いに反逆してみせるッ!」

 

 マリアさんの純白のギアが漆黒に染まる。

 きたな…。

 よし、こっちもフルパワー充電だ!

 呪いの余波を受けて俺も…!

 雄叫びをあげ、呪いを身に宿す黒い姿へと変貌する。

 ガイガンデストリガー。

 さあ、燃え上がるぜ!

 再びアルカノイズを呼び出すガリィ。

 だが、一瞬のうちに俺とマリアさんの攻撃でアルカノイズは沈黙。

 ガリィとの一騎討ち…ではねえなこれ。

 まあいいや。

 二対一が卑怯?

 いいえそんなことありません。

 世界を分解しようなんてする輩は世界そのものが敵ですから。

 今更、数的不利について文句を言われてもどうしようもありません。

 

「ピー助!こいつは私がやる!だから見ていてほしい!私の戦いを!」

 

 えぇ…折角デストリガーになったのに…。

 まあいいや。本人の希望だし、それに今のマリアさんならきっと勝てる。

 さて、砂浜をスケートリンクに変えたガリィはスケート選手のように滑るがマリアさんによって真っ二つに。

 しかしそれは水に変わり、宙に浮かぶ水滴の中にちっさいガリィを見た。

 くそ…ちっちゃいという俺のアイデンティティーを脅かす相手だ。許しちゃおけねぇ。

 マリアさんが水滴全部潰そうと撃ち落とすが背後に巨大な水の玉が。

 そこからガリィが現れて…あの水滴もフェイクか。

 

「あたしが一番乗りなんだから!」

 

 すぐにマリアさんは斬りかかるが青い障壁に阻まれる。

 だが…マリアさんをなめんな!

 障壁を切り裂き、驚愕の表情を浮かべたガリィに向かってマリアさんがアッパーをお見舞いして…うわぁ顔芸。

 そのまま宙に浮かんだガリィに向かってトドメだ。

 マリアさんは左腕に短剣を装着すると刃が伸びて…あらやだカッコいい。

 さらにブーストまで噴かせて…なんだよカッコいいの塊かよ。

 

【SERE†NADE】 

 

「一番乗りなんだからぁぁぁぁ!!!!!」

 

 それが、ガリィの断末魔となった。

 …一番乗りになったな、自動人形最初の敗北者だ。

 

「マリアさん!」

 

 お、響ちゃん達。

 はっは~ん助けに来たけどもう遅い。

 既にマリアさんが倒したからな!

 

「なんでピー助がどや顔してるの…。まあ、いっか。勝てたのはピー助とエルフナインのおかげだからね。ありがとう」

 

 いや~それほどでも~。

 …こうなること分かってやらせたんすよね、アガートラームさん。…いや、セレナちゃん。

 

『まあ、私じゃあどうしようも出来ませんから』

 

 すうっと現れたセレナちゃん。

 やめーや本当。

 あんなくそ厳しいのキャラじゃないんだから。

 

『私だって頑張って低めの声出したんですからいいじゃないですか』

 

 あれ勝手に人のセリフをそういう風にアフレコしたの君でしょう。

 

『けど、楽しそうにやってましたよね。強くなりたいと願ったお前の気持ちはそんなもんかぁ!のところとか』

 

 あれはちょっとテンションが上がっただけや。

 

『…それじゃあ、私はこの辺で。マリア姉さんを頼みますね、ピー助さん』

 

 おう、またいつかな。

 そして、セレナちゃんは消えていった。

 あんまり、長い時間はこっちにはいられないのだろう。

 はあ疲れた疲れた。

 慣れない事をすると疲れるわ~。

 一旦休憩っと。

 おやすみ~すやぁ。

 

 

 

 

 

 再び、ファラは装者達の様子を眺めていた。

 

「ありがとう、ガリィ。おかげで務めが果たせました」

 

 そう言った彼女の長い舌にはSDカードが貼り付いていた。

 そして、チフォージュ・シャトーでは歯車が動き出して…。

 

 

 

 花火って、いいよね…。

 こう、儚くてさ。

 短い生で一生懸命に輝こうとする命の輝きに似ている…。

 そういう意味では怪獣の命とはいつまで、どこまで輝けばいいのだろう。

 ほとんど寝ていたとはいえ五千年を生きたこの身体の終わりとは一体どこなのだろうか。

 自分自身の終焉はいつなのか。

 そもそも終わりはあるのか。

 いつかは失くなってしまうものだと知っているから人間は一日一日を頑張って生きて、それが輝きになるというのに。俺にその終わりは来るのだろうか。

 いつかは終わってしまうのだろうが、その終わりはきっと気が狂ってしまいそうな程、先なのではないだろうか。

 そう考えると、怖くなる。

 俺は怪獣である。

 俺は人間である。

 怪獣達が長い時を生きるのは当然のことだろうからなんとも思っていないだろうが、人間から怪獣になった俺はそれが当然のことではない。

 翼ちゃん達よりも平気で長く生きてしまうのだろう。

 そして、いつかの終わりを目の当たりにすることになってしまう。

 永い時の中で俺は出会いと別れを繰り返して…。

 やめよう、こんな考えをするのは。

 きっと腹が空いてるせいだろう。

 

「お腹が空いてきたと思いません!?」

 

 ちょうどいいタイミングで響ちゃんがそう提案した。いいぞいいぞ。流石、腹ペコ響ちゃん。

 

「だとすれば、やることはひとつ!」

 

『コンビニ買い出し!じゃんけんぽん!』

 

 あっ、言い出しっぺの法則が発動した。

 負けは響ちゃんただ一人である。

 

「ピー助君のそれはチョキ?チョキだよね。チョキにしか見えないもんね…」

 

 イエス。

 鉤爪を交差させてチョキである。

 

「しょうがない。付き合ってあげる」

 

 あ、嫁の未来ちゃんが響ちゃんを連れていってしまった。

 いやぁ百合百合してますなぁ。

 …しかし、買い出しから帰ってきた二人の様子はそんな穏やかな様子ではなくて。二人、というよりは響ちゃんになにかあったらしい。

 これがまたひとつ、波乱の幕開けとなり。そして、俺がめちゃくちゃ忙しくなる前振りでもあったのだった。




オマケ 出張ガイガン

転生したら悪魔の実のカルマノイズだった件
協力 龍狐様

ピー助「ほーん。わりと昔から活動してたんすねぇ~」

カルマ「まあ色々とやって来ましたよ」

ピー助「俺は五千年前にちょろっと活動してそのあと爆睡だったからなぁ。活動期間はまだ数年レベルだわ」

???「カルマさ~ん。あ、ここにいたんですか…って、このペンギンみたいな生き物は…?」

ピー助「あ、どうも」
(なんか見覚えあるんだよなぁこの顔。一体どこで見たんだったか…。それよりも胸部装甲パネェ)

カルマ「あ、セレナちゃん。この人…じゃない怪獣はピー助さんだよ」(プラカード)

ピー助「セレナちゃん!?え、あ、ん?なにどういうこと」

カルマ「ネフィリムが暴れて危ないところを助けてそれから一緒に行動してるんだ」

ピー助「はえ~すっごい。それにしても胸部装甲パネェ。まあマリアさんの妹だからなぁ。けど気を付けるんやで。マリアさん曰く気を付けないと太りやすいっていうから食べ過ぎには注意やで~w」

セレナ「この子の言ってることは分かりませんがすごく失礼なこと言われた気がします」
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