Twitterでは言ったんですがちょっと別作品の方に集中してまして…
エタったわけではないのでご安心を!
上半身と下半身を真っ二つに切り裂かれた人形の残骸。燃やし尽くして灰にしてやろうと思ったのだが緒川さんの指示で消火してやったのである。
カッコつけた結果がどうにもカッコつかなくなってしまい感情の行き場がない。どうしてくれようかこの羞恥心。やはりこれは敵であるこいつで発散するしかないようだ。というわけで。
鉤爪を振り上げて一気に振り下ろ…すつもりで、自動人形の身体を爪先でつついた。
だって、ねぇ?死体蹴りしてるみたいで嫌だし…。
というわけでつつく。ツンツン
「こらピー助。あまり変なものに触るんじゃない」
変なものって翼ちゃん…。
まあ、人間らしく喋って動いてその上強い人形は確かに変っちゃ変だけど俺に比べたらなぁ。
とかなんとか言ってると白目をむいていた自動人形の眼球が動き回り、焦点があった()
ぴぇぇぇぇぇ!?!?!?!!!
俺そういうホラー演出嫌いだからマジやめて!?
幽霊はいてもいいと思ってるけどホラーはまた別だからぁ!!!
「いつか、ショボいだなんて言って、ごめんなさい。剣ちゃんの歌、本当に素晴らしかったわ」
うーわ喋りやがったこいつ。
流石人形やな…。
関心していると、自動人形は高笑いをはじめた。
いや、ホントやめて。
もうぶっ壊れた人形が話すどころか笑いだすの本当に怖いからマジやめて。
「まるで身体がバッサリ二つになるくらい素晴らしく呪われた旋律だったわ!アハハハハハハ!!!アハハハハ!!!」
「呪われた旋律…。確か以前にキャロルが言っていた…」
「答えてもらうわ!」
ぴぇぇぇぇ…もう本当にやめて…やめて…。
怖すぎるから…。
「知らず毒は仕込まれて、知る頃には手の施しようがないのが確実な死をもたらしますわぁ…」
仕込まれた、毒…?
まさか…。
「貴女の言う毒とは、一体何を意味しているのですか!?」
「マスターが世界を分解するために、どうしても必要なものが幾つかありましたの。そのひとつが…魔剣の欠片が奏でる呪われた旋律。それを装者に歌わせ、身体に刻んで収集することが、私達自動人形の使命!」
「では、イグナイトモジュールが!?」
「馬鹿なッ!エルフナインを疑えるものかッ!!!」
エルフナインが仕込まれた毒…つまり、スパイだとして…。
いや、無理だ。
あの子にそんな器用な真似が出来るか。
ともすれば、エルフナイン自身は自身が毒であるということを知らなかったんだ。
だからこそ容易く俺達に毒を仕込めたんだ。
「最初にマスターが呪われた旋律を身に受けることで譜面が作製されますの。あとは貴女達にイグナイトモジュールを使わせるばいいだけの簡単なお仕事」
全ては最初から仕組まれて…ッ!?
ヤバい!こいつ自爆する気だ!
巨大化して…間に合うか?
ええい!こうなったら!
巨大化しながら自動人形へと覆い被さる。
そして、その身に爆発の衝撃を受けた。
全てを受け止めきれたわけではないが…翼ちゃん達は守れたから良しとしよう。
それに、しても…。
こいつぁ…効くねぇ…。
「ピー助!?」
小さくなった俺に翼ちゃんが駆け寄り、抱き起こした。
ああ、くそ。
そんな顔をさせるために守ったんじゃないのに…。
つくづく俺って馬鹿だなぁ…。
「ピー助!しっかりしてピー助!」
大丈夫…。中身に響いただけだから少し休めば平気だよ。
それより、さっきの話を皆に伝えないと…。
「…緒川さん!本部に連絡を!」
翼ちゃんが指示する前に緒川さんは通信を試みていた。しかし、自動人形の自爆により舞い上がった粉塵が通信を阻害しているようだ。
…こうなったら。
「ピー助!まだ動いたら…」
…通信が出来ないなら、俺が飛んでいけばいい。
緒川さん、一筆書いてください。俺が運んでいきますから。
「駄目だ!そんな身体でそんなこと…。第一、この粉塵が届かない場所へ行けば通信だって…」
相手の狙いが俺達の分断なら、本部にも通信を阻害するなりなんなりと対策されてるかもしれない。だったら直接乗り込む方が早い。
それにまだ、向こうは戦闘中かもしれない。
戦力は多いほうが…。
「そんな状態のお前を行かせられない。それに、向こうには雪音達もいる。だから大丈夫だ」
でも…。
やはりここは止められようが行くべきかと思い、飛び立とうとするが思った以上のダメージに身体が上手く動かなかった。
くそ…くそ…!
翼達が風鳴八紘邸にて任務を行っているのと同時進行でS.O.N.G.本部は【深淵の竜宮】にて自動人形を追跡していた。
雪音、暁、月読の三名が深淵の竜宮へと乗り込むが、そこには自動人形レイアだけでなく、死んだと目されていたキャロルの姿があった。
戦闘になった両者。
キャロルの狙いだった【ヤントラ・サルヴァスパ】を破壊することには成功したが、深淵の竜宮に収監されていたウェル博士の登場により事態は混沌を極める。
更に、イグナイトモジュールの真実。
エルフナインが仕込まれた毒であったことをキャロルにより知らされた。
そして、イグナイトモジュールを使用した雪音クリスにより自動人形レイアは撃破。
崩壊する深淵の竜宮より脱出した装者達であったが、未だ窮地は脱していなかった……。
「この海域に急速に接近する巨大な物体を確認!」
「いつかの人型兵器か!」
S.O.N.G.本部の潜水艦に接近する巨大なミイラのような人型。
それは、レイアの妹であった。
「怪獣、ではないのね。どちらにしろピンチには変わりないのだけれど」
「潜航挺の着艦を確認!」
「緊急浮上!減圧を気にせず振り切るんだッ!」
オペレーター達が自身の持てる最大限の力でそれぞれの役割をこなす。
減圧を気にしない無茶な浮上に潜水艦は悲鳴をあげる。
しかし、レイアの妹は振りきれない……。
だが、ここで新たな熱源をレーダーは捉えた。
「もうひとつ!海底から高速で接近する物体があります!」
「この影は…」
レーダーに映ったそれは、細長い蛇のような身体をしていた。その身体をくねらせ、高速で接近してくるそれは……。
「映像出ますッ!」
モニターに映し出される巨体。
青い体色。
頭部には二本の角が生え、髭が伸びている。
そして龍はレイアの妹をその細長い身体をもって締め上げた。
「これは…龍?」
東洋人なら誰もがそれを連想するだろう。
その龍のような怪獣、その名は…。
「怪竜、マンダ…」
山根博士がその怪獣の名を告げた。
「マンダ…?」
「先史文明期に存在したとされるムウ帝国の守護神とされている怪獣です。シーサーペント等の伝承もマンダが由来だとされていて…」
「それよりも山根博士。何故急にマンダが現れたのか分かりますか?」
早口でマンダの説明をする山根博士。
司令は本題に戻すべく質問を飛ばした。
「おそらく深淵の竜宮の崩壊によって目覚めさせてしまったのかも…。それで気が立ってあの人型に襲いかかって…だとすると、私達も危ないわね」
「私達も…?何故です?」
「自身の縄張りを荒らした。それだけよ」
「そんな!私達はなにも…」
「何もしてないかもしれないけど、向こうには関係ないわ。説得のしようもないし。とにかく、全力でこの場を離れる。それしかないわ」
とにかく逃げる。
ピー助のいない今、怪獣に対抗する術などなかった。
マンダはレイアの妹を締め上げていた。
生物相手なら効果抜群な攻撃であるが、無機物である妹にとってはそこまでの攻撃ではなかった。
そして、痺れを切らしたマンダは切り札を切る。
────水中に衝撃が走った。
潜水艦が揺れた。
揺れは潜水艦にとって常なることだが、それらとは訳が違った。
「きゃあぁぁぁぁ!!!!!!」
揺れる艦内に木霊する悲鳴。
天井の一部が崩れ、友里へと落下して…。
「危ないッ!!!」
響く声。
鈍い音の後、鮮血が舞った。
オマケ 怪獣飼育のすすめ(時系列は本編前)
翼「ピー助を飼うことになったけれど…」
ピー助「ピッピッ」
翼「何をどうすればいいのかしら…」
ピー助「ピー?」
翼「とりあえず、爬虫類に近いからっていうことでトカゲとかヘビの本を渡されたけど…。とりあえず読んでみましょう」
翼「ふむ……なッ!?爬虫類は基本的に人には懐かないですって!?そんな…だって…」
ピー助「ピ~」ツンツン
翼(こんなにフレンドリーなのにッ!?)
翼「あ、あまり触れあわない方がいい…?ストレスがかかっては駄目…?」
翼「決めたわ。私はピー助とは触れあわない…それがピー助にとっていいことだから…」
ピー助「ピー?」
翼「……私は」
ピー助「ピ~」
翼「……私、は」
ピー助「ピー!」
翼「無理よぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」抱きっ
ピー助「ピッ!?」