使役の勇者 何しますか?   作:火桜 葵

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作者、思ったより人気出てて吃驚してます

1話が良かったからって続きが面白いとは限らないんだよ!?
分かってますか!?読者さん!?
ありがとうございます!!


仲間

「勇者様の御来場」

 

その声と共に、レッドカーペットらしきものを歩いていく俺達5人

 

周りをチラチラと見ると、前日には居なかった人達が沢山いた。

あれが仲間候補だろうか?

 

普通に俺は仲間は必要無いんだけど

まぁサーヴァントが確実に仲間になるという訳じゃない以上一人二人仲間は欲しいところかな。

 

 

そしてどうやら、こちら側が仲間を決めるのではなく、相手側が使えたい勇者を決めるらしい

 

そのシステムは賛否両論あると思うのだが?

 

冒険者達全員が勇者の後ろに並び終えた

 

結果は……槍、4人 剣、5人 弓、3人

俺、1人 そして盾、0人

 

これは流石に酷い

 

「勇者さま、おねがいします!」

 

俺の後ろに並んだ少女が話しかけてくる

顔は美しいというよりは可愛く

小柄な体型で守ってあげたくなるような感じ

だけど、服装はアサシンだった

腰に短剣やらナイフやら色々と物騒な物を着用し、服装は動きやすそうな服装に上から羽織るように被るポンチョみたいな物。因みに色は黒色

 

 

「あー、よろしくね」

 

「はいっ!」

 

元気いっぱいだなぁ、可愛らしい

そして事を見守るべく、話を聞いていると

槍のところにいた赤髪の女が盾の人のところに行くと言っている

 

何か、嫌な気配というか

う~む苦手な部類だ

 

「勇者さま、勇者さまっ」

 

俺の服の袖をクイクイと後ろから引っ張って俺を呼び掛けてくる

 

「どうした?」

 

「あの人、この国の王女だよ?」

 

「嘘っ!?……本当に?」

 

驚きすぎて大声を出してしまい周りに奇異の目を向けられた為に続きは小声で話す

 

 

「うん、私見たことあるよ?もう1人青髪の時期女王の王女が居た気がする」

 

時期女王が居る王女、それが身分を隠して男の元へ

 

「ほーん?何か臭うな」

 

妙な勘繰りをするが、俺には関係ないことか

 

「私臭い?」

 

「違う違う、臭くないよ」

 

俺がそう伝えるも、気になるのかクンクンと自身を匂う

まぁ確かに少し鉄臭くはあったが

 

血の臭いかな、多分

殺ってきたあとなのかな、怖いや

 

それでもなんと言うか、ジャックに通じる何かがあるから俺は何とも思わないけど

 

雰囲気というか、ジャックと共通点が多い

ロリアサシン、ナイフやら短剣を扱うところとか

あと髪色とか

 

 

それにしても可愛いな、抱き締めたいくらい可愛いけど

そんなことしたらグサリッてされそうだから止めとくけど

あと絵面的にアウトだし

 

ロリコンじゃないよ?単にこう、小動物を愛でる感じの感情だから

 

「えへへ」

 

何か照れてらっしゃる

 

「でも、そんな酷いことは私しないよ?ギュッてしたいならしてもいいんだよ?」

 

ゴハッ!!な、なんて可愛さだぁ

この心も読まれているのかもしかして?

 

「平然と読心術を使ってくるのやめてほしいな」

 

「ぜんしょします」

 

「それって、しないってことだからね?」

 

取り敢えずお金を貰えるらしいので、貰ったらここからすぐに出ることにした

 

 

○□△◇

 

「さてと、まずは自己紹介するか」

 

「はいっ、名前はシロハナノセツと言います、特技は殺すこと、人でも魔物でも獣でも勇者さまが言うなら殺せるものは殺します。好きなことは武器の手入れ、お料理です!

以外と私は器用ですので、色々出来ますよ!」

 

 

まぁアサシンっぽいからそうだとは思ってたけど、特技を自重してほしい

 

「名前は、この地域で言うなら大分変わってるんじゃないか?」

 

「そう?普通だと思うけどなぁ」

 

「そっか、料理が好きって言うのは以外だったかな。これからは何て呼べばいい?」

 

「料理はまだ上手く作れませんが、好きなように呼んでください。勇者さまが呼ぶ呼び方なら私は何でも喜びますよっ!」

 

勇者に何か憧れでもあるのか

名前、名前かぁ

 

シロ、ハナ、シロノ、ユキ、ユキノ、セツ

 

「取り敢えず今はセツでいい?」

 

まぁ、愛称は仲がよくならないとダメかな

下の名前もどうかとは思うけど

 

「分かりました、このセツ勇者さまを支えたいと思います!

不束者ですが末長くよろしくお願いします」

 

「最後の台詞は使いどころが違う気がするけど。

俺の番か名前は神ノ木 野良。あんまり好きな名前じゃないけどね

特技は特にないかな、好きなことは読書、ゲームとか、あとは道具作りとか色々」

 

「ノラさまですか?これからはノラさまとお呼びした方が良いですか?」

 

コテンと首を横に傾げて俺に名前の呼び方を聞いてくるセツ

 

可愛いなぁ~もぉ~

 

「うーん、あんまりそれは好まない呼び方だからせめてカミキって読んでくれる?友達が付けてくれたあだ名なんだ」

 

昔にノラって呼ばれるのが嫌だったときに友達が付けてくれたあだ名だ、本当に仲がいい親友とも言える人はノラって俺のことを呼んでたけど

 

アイツ元気にしてるかな、エロ本の立ち読みなんてこと未だにしてるんだろうか?

最近はコンビニから消えたからなぁ

 

おっと、どうでもいいことを思い出してしまった

 

「カミキさまですか?分かりましたこれからはカミキさまってお呼びしますね!」

 

「うん、よろしくね。さてと、準備とか色々したいし武器屋とか近くにある?」

 

「う~ん、あっ!それならオススメのお店がありますよ」

 

武器屋に着くまでに、セツが美味しい匂いに、まぁ俺もだけど釣られて肉串を買ったり、甘い何かを買ったりしてた

 

セツにも見た目らしい子供っぽいところがあって少しホッとした

そうじゃなきゃ、これからどう付き合っていければ良いのかわからなかっただろうし

 

「あっ、着きましたよっ」

 

「如何にもな感じな店だなぁ」

 

ゲームでよく出てきそうな、ザ・武器屋みたいな気がする

 

 

「それじゃ入るかなっ…どわっ!!」

 

ドアを開けた瞬間に俺の顔の本真横を何かが通り抜けた

 

セツに当たってないか急いで確認する

 

「大丈夫か!?」

 

「だいじょ~ぶです」

 

セツを見ると片手で剣の柄を逆手で持っているのが見えた。

まさかこれがさっき飛んできたのか?

 

というかよく取れたな、じゃなくて

これは、文句の1つでもいってやらないと気がすまないぞぉう!?

 

「おいっ!!危ないだろ!」

 

俺が怒鳴り散らした先に居たのは

 

「その、すまん」

 

「おぉ??盾の勇者?」

 

最初にあったときのジャージ姿のままの盾の人だった

 

「あ、あぁ、そうだけど」

 

「何で盾の勇者がここに居るんだ?武器って必要なの?」

 

盾を持ってるなら武器なんて必要ないのでは?

タンク職がアタッカーになったところで何の意味があるっていうんだ?

 

仲間に攻撃を任せておけば……

 

「あぁ、そっか。確かにな自分でやらないと駄目だよな」

 

 

あの赤髪に任せるにはちょっとな、とは思うしな

 

因みに主にマシュマロナスビは別です

 

「何か言ったか?」

 

「いや、何も。それより武器が飛んできたんだけど、気を付けてほしいんだけど」

 

「悪かったな、俺も剣を握ったらなんと言うか弾かれたみたいに飛んでいってな」

 

弾かれる?

 

「どういうことだ?」

 

「いや、専用武器以外は使えないみたいでな」

 

「え、なにそのクソゲー」

 

「俺もそう思う、はぁ何てこった攻撃力に期待は出来ないな」

 

ふむ、やはり盾で攻撃すれば良いのでは?

でも見たところあまり強そうな盾じゃないか

マシュマロナスビの円卓の盾には及ばないな

 

「なぁなぁ」

 

後ろから肩をトントンと叩きながら盾の人に呼び掛ける

 

「なんだ?」

 

少しだけ、機嫌が悪そうだ

そんな盾の人にキメ顔で

 

「盾ってな、武器なんだぜ?」

 

そう言った

 

「バカなの?」

 

そう言われた

 

そんなにドストレートに言わなくてもよろしいじゃないですか?

 

「カミキさま、大丈夫ですか?」

 

「大丈夫、精神的にはアレだけど。取り敢えずその剣は返しておいてくれる?

盾の人が武器を装備出来ないとなると俺も多分装備出来ないだろうし」

 

まぁ、武器を持ってない俺が使えるか使えないかは分からないけど

 

「分かりましたっ」

 

素直に店の奥に居たスキンヘッドのオヤジさんのところにトコトコ歩いていって武器を手渡すセツ

 

和む

 

「おっ、ありがとな。んで、今日はどうしたんだい?嬢ちゃん」

 

話し方から察するに常連なのかセツは

 

「今日は私の用じゃないです、カミキさまの武器を調達、の予定だったんですけど

今回は防具だけ貰えますか?」

 

「あいよ、だけど盾のアンちゃんが帰った後でも良いか?」

 

「うん、それで良いよ」

 

「それなら少しの間、武器でも見ながら待っててくれ」

 

「はーい」

 

話が終わったのかコッチに戻ってくるセツ

 

「盾の勇者の人が帰ってから、カミキさまの番だってテンチョーが言ってたよ」

 

「そっか、ありがとうセツ」

 

頭をクシクシと少し乱暴気味にセツの頭を撫でてやる

 

「ふわぁ、もっとしてくださいっ!」

 

気持ち良さそうな顔をしてナデナデを更に要求してくるセツ

 

「セツは可愛いなぁ、もっとしてやるっ!!よーしよし!」

 

「うみゃぁ~」

 

猫みたいだなぁ

 

そのあとは盾の勇者の装備が終わるまでひたすらセツの頭を撫でてやった

盾の勇者の着替えが終わった頃にはふにゃふにゃになってピクピクしていた

 

「やっべぇ、事案だわコレ」

 

此方の様子を見たのか着替えが終わった盾の勇者が近づいてくる

 

「ヤバイな、これは可愛いよ」

 

「手を出すなよ?」

 

「子供に手なんか出すか、事件だわ」

 

「そうだわな、さて着替えは終わったのか?」

 

鎖帷子を着ている盾の勇者

 

「ふむ、背伸びしてるみたいだ」

 

「ほう、端的に言うと?」

 

「似合わないことは無いんだけど違和感があるみたいな、実質似合わない」

 

最終的にズバリと言う

 

「だよなぁ、まぁ俺はこれから少し外に出てくるよ」

 

本人も少し自覚があるのか苦虫を噛み潰したような顔をする

 

「そうか、気を付けてな」

 

「気遣いどーも」

 

そう言って店から出ていく盾の人、そのあとを追って赤髪も出ていく

少し此方を睨んでいたのは気のせいではないだろう

 

 

 

 




一週間づつ出していく予定でしたが、2日おきにします

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