使役の勇者 何しますか?   作:火桜 葵

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戦闘(?)

盾の人が店を出ていった後も俺は店に居た

 

 

「あの、1つ良いですかね」

 

「なんだ?」

 

何故、何故にッ!!

 

「この服装何ですかっ!?」

 

「似合ってるじゃねぇか」

 

うん、似合ってる。自分でも思う

ビックリするぐらい様になってる

 

でも、でもさ?1つだけ言わせて?

 

「何で魔術礼装・カルデアなんだよぉ」

 

「カミキさま、決まってますっ」

 

キラキラした目線で、純粋に悪意なく言ってくるセツ

確かに、良いと思うよ?

この礼装、だけどファンタジーに来たのにそういう服装じゃなくて、この礼装だなんて

 

「というか何でそもそもこんなのが?」

 

「あぁ、それか?うちではあんまし扱わない類いの装備なんだがなぁ。知り合いが置いていったんだよ、それなら今回は丁度いいしな。

魔法的付与が施してあって、着るだけで支援魔法が適正関係なく使えるっていう代物だぜ?」

 

だろうね礼装だし

この場合使えるのは

 

応急手当

瞬間強化

緊急回避

 

この3つだと思うけど、どうなんだろうか

ちゃんと使えるのか、そもそも効果が一緒だとは考えづらいし

 

「まぁ、貰い手が居なくてずっと仕舞ってたモンだ。気兼ねなく貰っていってくれ」

 

え?今、なんと?

これが、無料?

多分だけど普通に貴重品だと思うよ?

 

「何でってぇ顔をしてるな。そこの嬢ちゃんには昔に色々、今でもだが世話になっててな」

 

「色々?まさか、変態か?」

 

「ちっげぇよッ!!そういう意味じゃねぇ」

 

「デスヨネー」

 

こっわ、スゲェ怖い。あの、顔面からの圧力は体が震えるものがあるな

 

「なら、また懐が暖かくなった頃に」

 

「お?気前が良いな?そんときは利用を待ってるぜ?」

 

「はいっ!」

 

そう言って店を出る

顔面の割には案外好い人だ、ああいう人は好ましい

 

本当にまた今度利用させてもらおうかな

 

 

 

 

 

 

 

<≧>≦

 

場所は変わり国の外 草原

 

「さてと、早速戦闘の練習を…しようと思ったけど色々と試したいことがあるんだけど良い?」

 

「セツはカミキさまの指示に従いますっ」

 

うぐぅ、一つ一つの造作があざと可愛いんだよなぁ

 

「うん、ありがとう。それじゃ早速…」

 

礼装を通して魔術を行使する、イメージは

自身のパイプに更に補強して長さを加え目的の場所まで繋げる感じ

 

何とかコツを掴み、1つの魔術をセツに向けて扱う

 

【瞬間強化】

 

魔術を行使した相手、セツに視線を向けると少し肩をピクッと震わせて、手を握ったりしてる

 

「何というか、力が上がった気がします。これはカミキさまが?」

 

何時もとは違う、真剣な眼差しで射ぬかれたので、少し恐縮してしまう

 

「あぁうん。一応ね、どんな感じ?違和感とかはない?」

 

「違和感は、ないです。少しだけ席を外しても?」

 

「あ、うん。はい良いです」

 

「それでは」

 

一言だけを残して一瞬にしてその場から消え去るセツ

 

「えぇ、何アレ怖ぁ!!戦闘とかのことになるとあんな感じになるの!?

いや、それもギャップ萌えなのでは?

ふむ、そう考えると…………アリだな」

 

変態ではないから決して

 

 

それから数十分経った頃にセツが歩いて戻ってきた。

雰囲気は刺々しいもので、それはそれは大変な殺意です

自分には向いてはいないのは分かるけど、殺意とかが垂れ流し状態なのは些かというか、大分怖い

 

「カミキさま……」

 

「ハイッ!?」

 

「何でそんなに怖がっているんですか?」

 

そりゃ貴女、そんなのビビりますとも

ギャップ萌えとかバカなことを考えてたのは自分でした、怖いです

 

「そ、それで何をしに行ってたの?」

 

何とか話を反らそうと何をしていたか聞く

 

「少しだけ戦闘を、どれだけ出来るのか試してました」

 

「そ、そう」

 

ま、まぁそうだよね、支援系の魔術を使ったの俺だし、悪いのは自分だよな

 

勝手に事故完結しておいた

 

「ふぅ、それでこのあとはどうするんですっ」

 

あっ、雰囲気が戻った

スイッチを切り替えたのか、何時も通りのセツの雰囲気に戻る

 

「このあとは、そうだなぁ。俺、今戦える手段が無いしなぁ。う~ん、戻るか」

 

今日は、結局王国に何もしないで帰ることになった

 

戦果は無し

 

知れたことはセツが戦闘になると怖いってこと

 

 

 

 

 


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