Fate/staynight ~彼方へとルーンを刻む者~   作:レイノート

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なんか筆がのったので、久しぶりにFateの方を書いてみました。
異端者の方はおいおい進めて行きますのでご了承ください。


第一話「遠坂の才女」

日曜日。自身が通う学校が休みということもあり、少し油断していたのかもしれない。

少女・遠坂凛は焦っていた。体をあずけていたベットからバッと効果音が着きそうな勢いで体を起こす。眠気が頭から完全に抜け、目が冴え過ぎる程に。

凛は今日予定があることを思い出したのだ。三日くらい前に電話で訪問の旨を伝えられていることを今の今まで忘れていた。その日は魔術の鍛錬で疲れていたので雑に空返事を返していたのを薄らと思い出していた。焦りの色が見える顔は、遠坂の家訓「常に余裕を持って優雅たれ」を実践できるとは思えないほど不安を抱えているといった印象を受ける。

 

凛は恐る恐る時計の方へと目を向ける。

時刻は午後一時。日の出はとうに迎え、太陽は既に完全に登りきっている。

約束を取り付けた時間は一時半。

無情にも時計の秒針は止まることなく、カチッカチッと音を立てながら時間を刻んでいく。

 

 

「や、やっちゃったァァァァァァァァァァァァ!!」

 

 

自身の愚かさに凛は頭を抱えて思わず発狂する。

その姿は彼女を知る者が見れば、余りのギャップで驚くこと間違いないだろう。

それほどまでに今の彼女には余裕などはなく、ただひたすらに焦り慌てふためく。

髪も派手な寝癖が付いており、解かすには幾分か時間が無い。それに加えて客人をもてなす準備さえも出来ていない。

 

 

「(と、とりあえず落ち着きましょう!遠坂たる者、常に余裕を持って優雅たれ!)」

 

 

深呼吸して一旦落ち着く凛。

今はとにかくやるべきことを一つ一つやっていかなくてはならない。

両手で頬を叩き喝を入れ、準備に取り掛かる。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

20分後。

 

急いで自身の身なりを整え、魔術を使って客間を隅々まで綺麗にする。窓ガラスもフローリング、更には本棚の上までも新築の部屋のような真新しいさが輝きを放つ。全体的に古い歴史を持つ遠坂の屋敷の中でも、この部屋だけ不気味さ感じるぐらいに。

たかだか掃除程度の些細な事に魔術用の宝石を一つ使ってしまったが問題ない。魔術の名家として、この冬木を治める管理者(セカンドオーナー)としての体裁を保つためなら、宝石の一つや二つ等安いもの。

内心そう思ってはいるが、宝石の出費が増えることに凛は涙するのは別の話。

 

 

『ピンポーン』

 

 

家中に響きわたるインターホンの音。

時計は予定している時間から一分前の時刻となっている。どうやら客人が来たようだ。

鏡で髪に寝癖が着いていないかを確認し、玄関口へと向かう。

ガチャと扉を開ける。目の前には客人と思わしき、男性が静かに佇んでいた。

灰色を基調としたコートを着込み、整った顔立ちに全てを見透すかのような水色の瞳が特徴だった。

 

 

「貴方が先日連絡をなされた()()()()()()()()()()()氏でしょうか?」

 

 

「いかにも。私がアルフ・イグナイテッドだ。よろしくお願いします、ミス遠坂。」

 

 

アルフは会釈をする。

どうやら礼儀に欠ける人物ではないと凛はほっとする。外来の魔術師が訪れると知った際には、少し心配になったがそれは杞憂だったようだ。

 

 

「それでは中へ。」

 

 

「これは失礼。ではお邪魔します。」

 

 

アルフは玄関でスリッパへと履き替え、凛に追従する形で屋敷の奥へと進んでいく。

 

 


 

凛から見たアルフ・イグナイテッドという魔術師は間違いなく自身の上を行くものだと直感していた。

凛自身、五大元素使い(アベレージワン)という魔術師として最高と言っても過言ではない才能をもちわせていることは自覚している。

魔術師としてはまだまだ未熟ということも分かっていた。魔術というモノに触れた時から今日にかけて研鑽を怠った事は決してない。

 

だが、あの男の得体の知れないナニカを感じる。

魔力の質だとか雰囲気等のそんなチャチなモノではなく、凛の中にある魔術師としての本能が警告を発しているのだ。

 

 

 

「(こいつ…間違いなくやばい…)」

 

 

 

平静を装っている凛も心の中では、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべて悔しさを感じている。

自身の尊敬していた父「遠坂時臣」すらも超える魔術師を目の当たりしてしまった。

彼は間違いなく今回の聖杯戦争で恐らく勝ち残る実力者。

 

 

 

「今回このような機会を頂き、誠にありがとうございます

 

先日送った文書の通り、私「アルフ・イグナイテッド」は聖杯戦争への参加を表明します」

 

 

 

「分かりました

 

この地を治める管理者として、貴方の聖杯戦争への参加を承認します

 

後は教会の方にもお立ち寄りください」

 

 

 

正直に言えば、これからこの男と戦うことを想像すれば、参加など認めたくは無い凛。

しかし、この冬木の管理者であり、こうして正面から礼節を持って来てる相手に対して無骨に扱う等、遠坂に生まれたものとしてだけではなく、己のプライドが許すことができない。

故に相手が自身を上回る実力者だとしても、関係はない。勝てばいいだけなのだから。

 

 

 

「分かりました

 

それでは、失礼します」

 

 

 

そう一言挨拶をし、アルフは屋敷から出ていく。

軽いお辞儀をし、彼の姿が見えなくなったのを確認してから屋敷へと戻る。

 

 

 

「はぁ…なんなのよあいつ……」

 

 

 

糸が切れた人形にフラフラと壁の方へともたれ掛かる凛。

普段から猫をかぶっている彼女も、あの得体の知れない者(アルフ)を相手してとても疲れていた。

これからの事を考えると本当に頭が痛くなる。

目標のセイバーを召喚して、あの男に勝てるように準備を整えなれければいけない。

疲れた体に鞭を打って、凛は自分の魔術工房へと籠る。

 

 

 

 


 

 

 

「あんな若い子がこの冬木の管理者か……あれほどの才能の塊を目の当たりにすると納得しちゃうなぁ……いやぁ……相手にしたくないよぉ……本当に……」

 

 

 

先程の会談から少し経ったあと、アルフもまた凛の才能について驚嘆していた。時計塔や彷徨海の魔術師とは何度か戦ったことがある彼も、彼女のような才能の塊は初めて見る。

今まであった魔術師が弱いという訳では無い。才能こそないが技術や経験でそれらを補う者も致し、才能に溺れず研鑽する者もいた。

このままいけば、遠坂凛という魔術師は間違いなく大物になるだろうとアルフは直感している。

 

故に彼女と聖杯戦争で戦うことに消極的になっているのだ。

それはアルフはネガティブ思考という訳では無いが、あれ程の才能を詰んでしまうのを勿体ないと思っているため。

無駄に殺し合う事は望まないし、出来ることなら争いたくはないが……また彼も聖杯に願いを託したい者の一人。

 

 

 

「まあ、彼女なら何とか生き残ると思うけどね」

 

 

 

そういうと懐から新たなポップキャンディーを口に含み、彼は教会の方へと足を進める。

 

アルフ・イグナイテッドと遠坂凛の初会合は、両者とも警戒するものとなった。

 




更新するかどうかは分かりませんが、見てくださった方には大変感謝しております。
私が現在メインで書いてる戦姫絶唱シンフォギア 祝福を告げる異端者の方も見ていただけると幸いです。
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