かつての第三Alvis『海神島』のコアで『アトランティス』と呼ばれていた存在『マレスペロ』
彼は現状に憂いでいた。
(…ようやく奴らから脱出出来たけど、『器』の覚醒にはまだ時間がかかるし、マリスは暫く『島』に身を置くことになる…どうしたものか)
自分の替わりとしていた『ベイグラント』は第一Alvis『竜宮島』との決戦で消滅し、器とするはずだった『ミツヒロ・バートランド』も決戦で再起不能となり、彼の『駒』不足は深刻であった。
(しかし、僕は何故あいつらを倒せないんだ。何が足りない、どうすれば…純粋な憎しみに勝るものはないはず。だがそれ以外にも経験すべきことがあるのか…)
(経験…僕は目覚めてから、まだ何も学べていないのか、だがどうやって学ぶ。奴らはどこにいるかわからない。ヘスターとバーンズから学ぶことなど何もない…どうすれば)
(アグニカ・カイエルの名のもとに集え同志達)
(…寝てたのか。なんだ今のイメージは、見たことのない場所だったぞ。…そうか今のこの世界から学ぶことが出来ないなら、『別の世界』に行けばいいんだ。そこで学んだことをこの世界で活かせばいいんだ。まだ二人は戻らないし、暇つぶしにちょうどいい。…さっきのイメージを探りあてるんだ…)
(さて、私の計算はどこで狂ってしまったか、『バエル』を手にし刃向かう者を消せれば私の目指す世界は完成出来たはずなのに、まさかラスタルにここまで粘られるとは…先の決戦で我らの同志も『鉄華団』のメンバーも随分被害を受けた。今や逆賊の汚名は我々有志連合に向けられている。他からの支援は受けられない。『鉄華団』はどこまで動ける…)
(苦しいかい。この世界が)
(誰だ、頭に直接声が響くだと)
(その苦しみから、僕が解放して挙げる)
(苦しい…とは少し違うな私は楽しんでいるのだよ今の現状を)
(僕に嘘をついも無駄だけど…まあいいや、どうだい僕の力を使わないかい)
(先程から一方的に何のつもりだ、お前は誰だ)
(僕はマレスペロ。この世界を救いに来た救世主さ)
(大層な物言いだな、生憎間に合っている他を当たってくれ)
(僕なら君の望む世界を完璧に体現出来る。どうだい僕と一緒に世界の王に…)
(すまないが、私は他者の力を借りて成し遂げる気は全くない。他を当たりたまえ、マレスペロと名乗る者よ)
(…めんどくさいな君は)
(なに)
(もういいや、まどろっこしいから僕が君になることにするよ)
(どういうこと…なんだ心に何かが入ってくる…)
(君の替わりに僕がこの世界を征服して挙げる)
(私が私で無くなっていく…私の大義はだれにもじ・ゃ・ま・さ・せ…)
「…さぁ君の名は…そうかマクギリスそれが君の名なんだね、ありがとう。今日から僕が『マクギリス・ファリド』だ」
こうして『絶望』の名を持つコアによる異世界侵略が始まった。