~あれから数日後~
「コーヒーうめぇ」
「だ、な……」
イバラキは珍しく二課に来ていた。
と言っても、弦十郎に来てくれと頼まれたからだ。
イバラキは暇だったので、それを一つ返事で承諾した。
現在は後藤さんとコーヒーを飲んでいる。
「ていうか、ここに来るのも久々だな…」
「それはお前が来る気なかったからだろ」
「その通りだ。だが、なんでおっさんは俺を呼んだんだ…?」
「お前に紹介したい人がいるんだよ。そろそろ来るから」
「…………来ねぇじゃん。さっきっから」
「いや、もうそろそろ来るからよ…」
ちなみにだが、後藤さんはもうすぐ来ると言いながら30分も来ていない。
そろそろイバラキも限界が近くなってきている。
「帰るわ」
「いやちょっと待てぇ!」
「いや、だって来ないじゃん。冷やかしなら帰るぞ」
「いや来るからッ!絶対来るからッ!だから待って!」
「そう言いながらもう30分も来てないじゃねぇか」
二人が口論に入ったそのとき、イバラキに声が掛かった。
「あれ?イバラキさん?どうしてここに…?」
「?」
イバラキはその声を聴いて後ろを振り向く。
この声は聞き覚えがあった。
「あ、響じゃねぇか」
「やっぱりイバラキさんだッ!どうしてここにいるんですかッ!?」
響はイバラキがここにいたことの驚きの声を上げる。
ちなみにそこには奏と翼、了子と弦十郎も一緒にいた。
「……紹介しよう。イバラキ君。新しいシンフォギア装者の、立花「いや知ってるからいいよ」……そうか」
「それにしても、響。お前がシンフォギア装者か……」
「あはは……私の場合は少し違うんですけどね」
「?どういう意味?」
「それに関しては私から説明するわ」
そこに了子が説明をする。
・数日前に響の心臓にあったガングニールが覚醒した
・響は聖遺物と人間が融合した『融合症例』
・それで響は二課の協力者になった
簡単に説明するとこんな感じである
「お前…どんだけデンジャラスな日常送ってんだよ」
「それ…お前が言う?」
「あはは……。?それどういうことですか?」
後藤さんの言葉に反応した響。
「あ、ところで弦十郎さん!どうしてイバラキさんがここにいるんですか!?」
「実はだな――――」
弦十郎はイバラキのことをある程度説明した。
「それ……本当ですかッ!?」
響もこの余りの事実に驚愕した。
「どうしてそんなことができるんですか!?」
「それがね……分からないのよ。皮膚が注射器を通さずに逆に折れるし、機械も起動した途端エラーを起こして使えなくなるのよね……」
またありえないことを聞いた響は思わずイバラキに顔を向ける。
「いや……できるんだからそれでいいんじゃね?」
「と…本人はこれを全く重要視していないから、分からずじまいなのよ」
「さて、呼び出して悪かったなイバラキ君。あとは自由にしていいぞ」
「じゃあ帰るわ」
「「ちょっと待てぇ!!」」
帰ろうとするイバラキだったが、奏と翼に止められる。
「なんだよ?」
「一つ聞くぞ……どうして響の名前を間違えてないんだ?」
「え、人の名前普通は間違えないだろ?」
「「いやお前がそれ言うか!!」」
イバラキのあまりの発言にここにいる全員が驚いてしまった。
ちなみに全員『お前がそれを言うのか』と思考が一致していた。
「てめぇ今まで一回もアタシの名前をちゃんと呼んだことないだろうがぁ!」
「そうだッ!いつになったらちゃんと呼ぶんだッ!いつもいつも名前を間違えられて……もうストレス案件だ!」
「いや……覚えようとはしてるんだが……覚える価値がないって言うか……すぐ記憶から抜け落ちるんだよな」
「お前病気なんじゃないのかッ!?」
「それに覚える価値がないとはどういうことだッ!貴様は私より遥かに強い……。戦士として覚える価値がないと言いうのは、悔しいが……認めざる負えない。だが!歌女として!アーティストとして覚えろッ!」
「いや俺アーティストとか興味ないし」
「~~~~!!!」
じゃあどうすればいいのだと考え頭を掻きむしる翼。
「翼さん落ち着いてくださいッ!」
「あわわ……翼さんがおかしく……」
もはや行事と化しているこの行動。
もう一部の人間は慣れていた。
「そうだ、後藤さん。今日の夜に近くのデパートで特売日あるから手伝ってくんね?」
「別にいいが……。お前なら全部ひとりで持てるだろ」
「そうなんだけどさ、でも一人で行くのも暇だし」
「つまり、話し相手になれと…」
「そういうこと。それじゃあ行こうぜ」
二人は席から立って、歩き出す。
「待て!まだ話は終わってないぞ!」
それを翼が静止するが…
「今日はよ、久しぶりに鍋でも食おうと思うんだ。最近収入がいいからよ。いやぁ~鍋食うのなんて何年振りだろうな?」
「お前が寿司以外の贅沢……なにかあったのか?」
「別に。ただ食いたいだけだ」
完全に無視されていた。
そして後藤さんもこれ以上面倒くさいことになりたくないのか無視している。
「……………」
そんな二人を、ただ翼は唖然としている見ることしかできなかった。
「ま、まぁ……。イバラキ君のあれは、今に始まったことじゃないし、気にしないで」
「そ、そうだぞ、翼。あれはもう…仕方ない」
「櫻井女史と、叔父様は……慣れるのが早すぎます。最初は【
「そんな間違いあります!?」
「いや、原型を留めているだけマシだと思うぞ?アタシなんてもはや別人だったからな?【高山 みなみ】さんなんて言われたときあったからな?それに何故かノッちまったし…」
そう、原型を留めているだけマシなのだ。
奏の方は完全に中の人のためかノってからツッコんでいたが、翼の名前の方は最初は原型を留めていたにも関わらず、徐々にかけ離れていっている。それでも、苗字を何故か間違えていない。
「それ…やっぱり病気なんじゃ……」
「それでも、分からないというのが現状分かっていることなのよねぇ~。あの強さの理由を聞いても、『あまりオススメはしない……あれは普通の人間がやるには過酷すぎる。不屈の精神でもないと、耐えられないぞ』って、あのイバラキ君からマジ顔されて言われたのよ?」
「…だが、あの男が強くなったように、私も同じ方法を使えば、あいつほどの力を手に入れられるはず。私は剣。不屈の精神などすでに手に入れている。それなのに、あの男は今だその方法を黙示している…!」
「翼、落ち着け。彼にも彼なりのペースというものがあるのだろう」
「っ!それならば!叔父様に教えていてもなんの不自然もありません!叔父様は私より遥かに強い!それなのに……!」
「逆に、イバラキ君は俺より遥かに強い。俺に教えないのは、俺がイバラキ君から見て力不足だからだろうな…」
「えっ、弦十郎さんより強いんですか!?」
響はこの前の
それゆえに、彼以上に強いなどまた信じられない。
「あの力さえあれば、ノイズの鎧を貫通させるほどの力が広まれば、守れる人の数が増えるというのに…!結局、あの男は、自分さえよければ…!」
「それは違うぞ、翼」
翼の言葉に反対意見を出したのは、弦十郎だった。
「これは俺の勝手な予測だが、彼は普段冷静を装っているが、本当は焦っているんじゃないか?」
「なぜそんなこと…」
「自慢ではないが、俺もそこそこ強いほうだ。二年前、イバラキ君の一撃で俺はまだまだ弱いと悟った。だが、そんな強くなる方法が露出してしまったら、イバラキ君と同じ強さを持った人間が大量に表れるとしても不思議ではない」
「……なるほど。彼は趣味がヒーローで、人助けをしているから、私たちの味方だけど、イバラキ君と同等レベルの力を持ってしまった人が悪人だったら、私たちの手に負えるはずもないしね」
「そういうことだ。翼、お前はイバラキ君を自分さえよければいい、などと言ったな。自分さえよければ、ヒーローを趣味としているわけがない。そこのとこを、お前はどう思う?」
「…ッ、申し訳ございません。頭に血が上りました…」
翼は二人に対して頭を下げる。
「大丈夫だ。気づいただけでも。俺たちは、全力で彼の味方をすればいいだけだ」
「そうね。ところで、ここで固まっていても仕方ないから、そろそろ解散しなヴゥ――――――!ヴゥ―――――――!!!!!ノイズ!!」
警報音に皆が反応した。
皆は急いで指令室に戻る。
「状況は!?」
「ただいま測定中です!」
「ノイズの発生ポイントの特定まで、もう少しかかります!」
二課はノイズの発生に戦場状態になった。
そのころ、イバラキと後藤さんはと言うと…
「あの警報音……ノイズじゃね?」
「またノイズが現れたのかよ!イバラキ、頼む!」
「ちょっと待った!まだ白菜が!」
「白菜なんてどうでもいいだろ!?」
「バカ野郎!白菜は鍋に欠かせない食材だろ!それに俺の好物だ!」
「人の命と白菜どっちが大事なんだ!」
「どっちもだ!よし、白菜持ったし行くぞ!」
「ていうか今思ったが、白菜買いすぎだろ!何個あんだよ!」
「3玉くらいあってもいいだろ!味が染みてうまいんだぞ!」
「いいからさっさと行け!」
「分かってるっての!」
「あ、せめて白菜は置いていけ!……って、行っちまった」
イバラキは、ノイズの発生現場に白菜を持ちながら行くのであった。
ちなみに、早く走ると白菜がヤバイことになるために、白菜が崩壊しないように走ったためにそれが原因でノイズの発生現場に響たちより少し遅れることになる。