歌姫と強すぎるリディアンの清掃員(ヒーロー)   作:龍狐

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オーバーキル

ここは夜の公園。

 

ここに、ノイズが出現していた。

それにいち早く向かった響。

 

 

「…見たかった。流れ星、見たかった!」

 

「未来と一緒にッ!流れ星、見たかったー!」

 

 

響は我武者羅にノイズに向かって拳を振るう。

それでも増え続けるノイズ。

 

 

「あんたたちが、誰かの約束を侵し、嘘のない言葉を、争いのない世界を……何でもない日常を!略奪すると、言うのなら!」

 

 

そんな中、一匹のノイズが逃げ出した。

 

 

「待て――あ、流れ、星……?」

 

 

親友と見たかった流れ星。

それを見てしまった。だが、流れ星はこちらに向かってくる。

 

 

「翼……さん……」

 

 

流れ星の正体は、翼だった。

 

 

『翼と合流したな!二人でノイズの対処をしてくれ!』

 

「わかりました!」

 

 

響はノイズを追いかけようとするが、

 

 

「はぁあああああ!!」

 

 

翼がいち早く逃げたノイズを追いかけ、ノイズを倒した

 

 

「(私だってやれるのに……わたしだって!)」

 

「私だってッ!守りたいものがあるんです!」

 

「……………」

 

「だからッ!」

 

「……………」

 

「(言葉が出ない。私、怖いの…?翼さんに、拒まれるのが……)」

 

 

そのとき、暗闇の方から声が聞こえた。

 

 

「『だから』?で、どうすんだよ?」

 

「え……?」

 

「誰だ……!………ッ!?」

 

 

二人はそれを見て驚愕した。

暗闇から歩いてきている少女。

 

その少女が纏っていたのは……

 

 

「ネフシュタンの、鎧……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おい、フィーネ」

 

「何かしら?クリス?」

 

 

 

これは、ネフシュタンの鎧の少女の記憶。

 

 

 

「このハゲ…こいつがどうかしたのか?」

 

「いい?その人間の名は【イバラキ】。私が知る限り最も危険な存在よ」

 

「このハゲがぁ?」

 

「見た目で侮ってはいけないわ。いい?こいつが来たらすぐに逃げなさい。でないと一撃で終わるわ」

 

「一撃だぁ!?フィーネ!アタシを低評価しすぎだろ!こんなハゲ、アタシの手にかかりゃぁすぐに終わらせられる!」

 

 

クリスと呼ばれた少女は自信満々に言う。

 

 

「………見たらすぐにわかるわ。あれは異常よ。とにかく、私の言う通りにしなさい」

 

「…わーったよ…(フィーネ…なんでこんな明らかに雑魚そうなやつを警戒してんだ?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(今のところあいつは来てねぇ。あんな雑魚が来たところで戦況が変わるわけがねぇ!楽勝だ!)」

 

 

クリスは自身満々になっている。

 

現に彼女は現在、翼を追い込み、響をほぼ無力化している。

 

 

「はっ!とんだ出来損ないだ!」

 

「そうだ…私は出来損ないだ。だから!今、この場でその汚名を注がせてもらう!」

 

 

『翼!まさか歌うつもりか!』

 

『翼、やめろぉ!』

 

 

通信機越しから奏たちが叫ぶが、翼はもう聞いていない。

 

 

 

「はぁ!」

 

「なにするつもりか知らねぇが、させるかよぉ!」

 

 

 

ネフシュタンの少女が翼へと急接近しようとする。

だが、その時に現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー間に合った」

 

「「!!?」」

 

 

 

急に聞こえた第三者の声に驚く一同だったが、すぐにその声の主を理解する。

 

 

「イバラキさん!」

 

 

響がその名を呼ぶ。

そこにいたのは、ヒーロー着姿のイバラキだった。

しかも、白菜を三個ほど持っていた。

 

 

 

「貴様!今まで何をしていた!?」

 

「いや、トイレで着替えてたんだよ」

 

「着替えている暇があったのなら何故もっと早くこなかった!?それになぜ白菜を持っている!?」

 

「ヒーローにはやっぱり姿が大事だろ?それに買い物終わった時に警報が鳴ったんだよ」

 

 

翼とイバラキが口論?している中、

クリスは心の中で怒っていた。

 

 

「(なんだあのふざけた野郎は!?フィーネはあんな奴を警戒しろってか!?あんな奴、アタシだけで充分だ!)おい!」

 

「まぁいい!貴様は手を出すな!これは私一人でなんとかする!」

 

「いやさ、それはないだろ【トング】。ここはかっこよくヒーロみたいに…」

 

「トングではない翼だ!ともかく!貴様は見ているだけにしろ!」

 

「話聞けやおらぁ!」

 

 

自分の言葉を無視されたことに怒ったクリスは持っている鞭でエネルギーの球体を生成。

そのエネルギー体を二人に向けて放った。

 

 

「しまった!」

 

「あ?」

 

 

翼はそれを避ける。だが、そのエネルギー弾はイバラキに直撃してしまった。

 

 

 

「イバラキさぁ―――――ん!!!!!」

 

 

 

衝撃の展開になったことで響は悲鳴を上げる。

 

 

「そんな…!」

 

「はっ!アタシをコケにした罰だ!」

 

 

誰もがその煙の中を見ていた。

そのとき…

 

 

 

「おい……」

 

 

 

「「「ッ!!!」」」

 

 

 

声が聞こえた。

その声は、誰もが知ってる声。

 

 

 

「嘘、だろ…!?」

 

「イバラキ…!」

 

「よかった!生きてた!………って、えぇえ!!?」

 

 

響が驚愕の声を上げる。

徐々に煙が晴れていき、誰もが今の彼の状態を見ることができた。

 

それを見て、二人も驚愕する。

 

 

「な、なな///…!」

 

「はぁ!?」

 

 

今のイバラキは…

 

 

 

 

 

「おい、こら…服、消滅しちまったじゃねぇか…!」

 

 

 

 

 

全裸、だった。

 

 

 

 

「ちょ、イバラキさん!前、前!」

 

「そのお粗末なものを隠せぇ!」

 

 

 

 

現在は煙で事なき?を得ているが、見えてしまうのも時間の問題。

クリスは、二人と同じ焦りを感じていると同時に、別の焦りも感じていた。

 

 

「(おかしいだろ!?なんでネフシュタンの攻撃を喰らって無事でいられてんだ!?いや、無事じゃないか…?てかそんなことはどうでもいい!)」

 

 

クリスが内心焦っているなか、イバラキは続ける。

 

 

 

「なにより…一番許せねぇのは、俺の……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――白菜を消滅させたことだあぁあああああああ!!!!」

 

 

 

 

そのとき、イバラキから謎の威圧感が発生される。

その恐怖でクリスどころか二人も怯んでしまう。

 

 

「(なんだ!?あいつから放たれる謎の力は!?白菜ごときでそこまでなのかよ!?)」

 

「クソっ!白菜を大事にするために持ってきていたのに!まさか逆に消し飛ばしてしまうとは…!すまない、白太郎。白次郎。白三郎」

 

「イバラキさん!?白菜に名前つけてるんですか!?」

 

「白菜はどうでもいいからまずそれを隠せ!」

 

「クソっ!白菜ごときで怒りやがって!やべぇ!逃げ――

 

 

クリスは本能的に危険だと察知した。

頭にフィーネの言うことを聞いていればよかったと後悔の念がよぎるが、今は逃げることに集中した方がいいと考える。

 

フィーネに頼まれた()()()()を達成できないことは、今の彼女にはどうてもよかった。

 

 

 

 

 

 

「逃がすかぁ!」

 

 

 

「グハァ!」

 

 

 

 

 

だが、そんなこともできない。

イバラキはクリスに急接近して地面に向かって彼女を殴る。

 

 

 

「これは、白三郎の分!」

 

 

 

地面に大激突した彼女は焦る。

それと同時に強烈な痛みが彼女を襲う。

 

 

 

「ウグゥ!(なんだこいつの攻撃は!?ネフシュタンの浸食が…!たったの一撃で!?)」

 

 

彼女の纏っているネフシュタンの鎧は自己再生機能がついている。

それで強制的に回復させられる。そのたびに強烈な痛みが押し寄せる。

 

 

 

「ふざけんなぁ!」

 

 

 

クリスは鞭でイバラキを攻撃する。

 

 

――パシッ

 

 

「なに!?」

 

 

だが、その攻撃もすぐ受け止められる。

 

 

 

 

「これは、白次郎の分!」

 

 

 

イバラキは鞭を思いっきり引っ張ってクリスを自分に近づける。

そして、上に向かって彼女を殴る。

 

 

 

「ガハァ!!!」

 

 

 

その勢いで口から体液が出てくる。

 

吹き飛ばされながら、あることを考えた。

 

 

 

「(あれ…?どこまで飛ぶんだ…?)」

 

 

クリスの疑問はすぐに解消された。

下を見ながらの急上昇だったが、そこがどこなのかすぐに分かった。

 

 

「(はぁ!?う、宇宙!?)」

 

 

彼女は見てしまった。

青く輝く星、地球を。

 

 

「(どこまで飛ばされるんだよこれ!?)」

 

 

その次の瞬間。

イバラキが目の前に現れた。

 

 

「(はぁ!?)」

 

 

イバラキはクリスを掴んで再び地球にぶん投げた。

 

大気圏に入り、彼女は大ダメージを追う。

 

 

 

「(熱ぃ!どこまでやるつもりだよこいつは!?)」

 

 

 

そして、やっとの思いで彼女は地面に大激突した。

 

 

 

「はぁ!はぁ!はぁ……嘘だろおい!?」

 

 

 

彼女が墜落した場所は先ほどと同じ場所。

打ち上げられた場所と全く同じだった。

 

 

「うわぁ…」

 

「…………」

 

 

響はあまりのオーバーキルに言葉が出ずにいた。

翼に至っては思考が停止している。

 

 

 

「今のは、白太郎の分だ…」

 

 

 

クリスは直観した。

やばいと。

 

 

 

「(こいつバカじゃねぇのか!?白菜でここまでするか!?ネフシュタンがなければ普通に死んでたぞ!?)」

 

「………」

 

 

イバラキはただクリスを見る。

そして徐々に近づいていく。

 

 

「ふざけんな………ふざけんなよ!お前のようなメチャクチャな力を持つ奴がいるから!この世界から戦争がなくならないんだぁああ!!!」

 

 

クリスは再び球体型エネルギーを発射する。

だが、それも無意味に終わる。イバラキはそれを無傷で突破した。

 

 

 

「そして、これが…!」

 

「やめろ!!来るなぁ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「一緒に鍋食おうって約束した、後藤さんの分だぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!」

 

 

「ぐわぁあああああああああああああ!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

クリスは、星になった。

 

 

―――――――――――――――――――

 

二課

 

 

 

「俺死んでねぇよ!!!?」

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「……………」

 

「イバラキさん…」

 

「イバラキ………」

 

 

 

 

「「まずそれを隠して/隠せ」」

 

 

 

 

さっきまでので忘れていると思うが、イバラキは今全裸である。

事情を知っている二人から見れば『白菜の恨みを晴らすため』と見えるかもしれないが、

端から見れば『変な恰好をした少女を全裸の男が襲っている』ようにしか見えない。

 

 

 

この後、弦十郎たちが来て終わったが、イバラキの服は戻ってこなかった。

そして、弦十郎から『やりすぎだ』と叱りを受けたのは言うまでもない。

 

 

 

(後日ヒーロー着は二課の方からもらえました)

 

 

 

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