この世界って醜くありませんこと?   作:青川トーン

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第二話「知らないアニメ」

 前回までのあらすじ!ちょっと原作主人公達の様子を見に行ったらなんか知らない怪人が出て来て知らない展開が始まった!以上!

 

 いやまあ、あのさ……確かに平行世界だったりだとかの可能性は考えたましたわよ?でも原作前に起きている主要な事件……そう「祝福」の力を持った人間が関わってる事件調べたのですよ!ちゃんとね!

 だから原作通りに始まると確信してたわけなのですわ!

 

 特に4ヶ月前に起きた大規模火災で100人近くが犠牲になった事件の犯人が敵の一人として出てくるしね?

 

 そもそもあの蜘蛛女が謎過ぎた、異形系の異能も居るのはわかるけどなんでヒロインである翔子に襲い掛かったのかがまったくわかりませんわ……

 

 なので私は今、本来の原作の知識を纏めたノートを読み返している。

 まるでアテにはならんだろうが無いよりは精神的にマシという奴でありますわ。

 

「祝福のエターナル」

 第一話「再会」

・ユウは幼い頃に意図せず異能を発動してしまい、翔子を傷つける

・翔子はその事を大人達には黙っていてケガの理由はわからないととぼけた

・治療の為に翔子一家引越し

・ユウは引き篭もりがちになる

・医者に通学するように言われ、ユウは高校に進学

・一ヵ月後翔子が転入

・放課後、翔子が公園に向かう

・ユウが公園に向かうと「変身」した翔子がユウに襲い掛かる

・翔子はユウを「試し」、ユウの「変身」を引き出す。

・二人は激突、しかしユウは相手が翔子だと「気付き」攻撃をやめる

・翔子はその結果に満足して変身を解き、自分がユウと同じ異能を「持っていた」事を話す。

・そして事故の事は最初から気にしてないといってその手を取り、仲直り

 

 おおまかな流れだけを纏めたメモだが、翔子が公園に向かうまでしか合ってない……なんだあの蜘蛛女!?

 何の前振りも無しに出てきて……外見だけじゃなくて存在も醜くなくて!?

 

 

 しかし物語は始まっちまった以上、どうにもならない。

 とにかく私の「行動指針」は「ヤバそうな時に介入して主人公達を生かす事」と「最低限度世界を滅ぼさせない」事。

 できれば世界平和とか色々考えたけど、私じゃどうしようもありませんこと?なので早々に諦めましたわ!

 

 

 態々、全部のイベントに首を突っ込む気もないですし、無理に関わる積もりもない……ベンチに座って少しぎこちない様子でやりとりをする少年少女を覗き見するのも悪趣味、別に今日はもうイベントもないでしょうし私も帰り……帰……いや本当に帰って大丈夫かな……?

 

 「無印」で出てくる「敵」は人間の異能者で、どれもただの犯罪者、特に組織的でもない。

 全13話で5人、行間というか本編で出てない分だと少し増えるが誤差の範囲。

 

 ぶちのめした後はやってくる警察に引き渡して終わり!かそもそも自爆したり、ユウの攻撃で吹き飛んだりもする。

 

 そう、ユウは作中で何度か暴走した異能者を殺める事がある、それが原因で苦悩する事も。

 しょっぱなから蜘蛛女を爆☆殺!していたがアレはもう完全にバケモノだったので恐らく気にはならないだろうが、もっと人間らしい相手を倒したらどうなるか、その時にちゃんと翔子や周りの人間が支えてやれるか。

 

 そこもまた未来の分岐点となりうる。

 

 

 さてはて、私はどこでどこまで介入するべきやら……。

 

 

「ねぇ……キミ、もう暗いよ?帰りなよ?」

 

 ……あ、巻き込まれたわ。

 

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『祝福のエターナル』

 第二話「未知」

 

「翔子……俺は」

「いいんだよ、ユウくん。私もビックリしたし、ケガしちゃったけど……あの時嫌がるユウくんを無理矢理引っ張っていったのは私なんだから」

「……俺は、ずっと後悔していた。それに怖かった、お前が来た時……ようやくお前が俺に復讐に来たんだと安心するぐらいに」

 

 一人の少年と少女が向き合う、四年越しの再会、それは劇的なものだった。

 

「復讐なんてしないよ、あえていうなら……ユウくんはもう罰は受けたと思う。四年も許してあげられなくてごめんね……それに私も黙ってたところがあるから」

 

 翔子の姿が変わる、それは赤い目をした金色の竜人の姿、直ぐに元の少女の姿には戻ったがユウは驚きを隠せなかった。

 

 「私もユウくんと同じ様に「力」を持ってたの、だから本当はもっと早くケガを治して復帰もできたし、さっきだって本気でやればまあその……すぐ勝てたんだけど、ユウくんが今どういう気持ちでいるのか知りたくて、手を抜いてたんだ」

 

 怪我も本当は命に関わるほどではなかった、だけど偶然通りかかった人に見つかっており、全部を治すにはあまりに目立ちすぎた、だから4年という時間をかける必要があった。

 

 先ほどの蜘蛛女の襲撃は完全にイレギュラーだった、本当なら翔子自身がユウに戦いを挑む積もりだった。

 

 翔子は色々な事をユウに伝えた。

 

「なんで……なんで翔子はそうまでして俺に気をかけてくれるんだよ」

「……私もね、この力を手に入れた時は怖くてしかたなかった。自分が怪物みたいで、いつか誰かに悪者みたいに倒されちゃうんじゃないかって……ユウくんはきっとおぼえてるよね、私達が始めて出会った日の事」

 

 小学二年生だった頃、ユウと同じ様に内気だった翔子はいじめを受けていた。

 それを助けたのは当時転校生だったユウだった。

 

「ユウくんはそんな私を助けてくれた優しいヒーローだった」

「俺が……ヒーロー?」

 

 翔子がいつも内向的なユウをどこかに連れ出そうとしたのは彼女なりの恩返しであり、自分を変えようという意志。

 

「ユウくんが私に変わろうという勇気をくれたんだから、私にとってはヒーローだよ!それにさっきも助けてくれたし」

「……そうだ、さっきのアレは何か知らないか?あの蜘蛛の怪物!」

「うーん……なんか病院に居た頃の噂で聞いた程度だけど、怪物に襲われたって患者さんが居たらしいよ?」

 

 過去の謎はいくつか解けた、けれど新たに増える謎。

 

「まあでも今日はもう遅いし、帰ろっか!ほら電話番号とアドレス交換しよ?」

「ほ……本当にいいのか、それで」

「だって一日で全部元通り!なんて初めから期待してないもん、最悪一年ぐらい時間かけてユウくんをボコボコにしつつ仲直りするプランもあったんだから」

 

 互いの連絡先を交換しながら、さらっと恐ろしい事を言う幼馴染に思わずユウが絶句する。

 

「ぷっ面白い表情だね、冗談だよ。でもユウくんがその力を悪い事に使っていたならそうなってたかもしれないから、私はユウくんが変わらず優しくて本当嬉しかったよ……じゃ、また明日ね!」

 

 遠ざかっていく翔子を見送り、手を振る。

 

「変わらないのは……翔子もか」

 ユウは、安堵と困惑の気持ちが渦巻く胸に手を当てる。

 

 翔子を傷つけた力で、今度は助ける事が出来た。

 それは嬉しい事だった。

 

 でも傷つけた過去、奪った時間と自由は変わらない。

 

「俺は、何かを返せるかな……」

 

 一人、その場を背にして去ろうとするユウの目に一人の少女が映った。

 いつから居たのか、気配すらも感じさせないが、木にもたれかかり、分厚い本を読んでいる。

 

 もうとっくに日は落ちている、そんな時間に小学生高学年ぐらいの子供がこんな所にいるのはよくない。

 普段なら声をかけようとも思わない、だけどさっきの「蜘蛛女」を思い出すとまたあんなバケモノが襲ってくるかもしれないという不安が勝った。

 

「ねぇ……キミ、もう暗いよ?帰りなよ?」

 

 少女は輝く「紫色」の瞳でユウを見据える。

 

「何から話しましょうか……いえ、まだその時ではありませんわね……空雅ユウ、あなたには……」

「なんで、俺の名前を……」

「それも今はまだ知る必要はありませんわ」

 

 不思議な少女だった、敵意も警戒心もない、それにまるで大人の様な落ち着き方だ。

 ユウが真っ先に考えたのは自らと同じ異能者である事、それに「今はまだ」という言葉。

 

「今は、話せないって事なら、いつか話してくれるんだな」

「その必要が出来たなら。ああそれと……お気遣いは感謝します。そういったところはやはり貴方の美徳……変わりませんね……」

 

 フフと儚げで含みを持たせた笑みを少女が浮かべる。

 

「これ以上はお母様に怒られそうなので、ご忠告どおりに帰らせていただきますわ……では、また」

 

 まるで「闇」の様な何かに包まれ、少女の姿が掻き消え、静寂だけが残る。

 

「俺を、知っているみたいだったが……なんだったんだ……」

 

 次々と増える謎、そして手に入れた力に、翔子の事。

 あまりに多くの事が起きた日だった。

 

 

--------

 

 町外れの古びた教会に一人の男と一人の女が居た。

 

「アラクネを倒すか、まあ少なくとも並以上には強いな」

「どういたしますか?」

「手駒を作る為の素材も有限だ、今はまだ捨て置く……それよりもだ……「無」の力の調査はどうなっている?」

「アラクネの戦闘の少し前に一度、それとつい先ほどもう一度感知されています」

「やはりこの街にいるようだな……」

 

 男は満足げに表情を歪ませる。

 

「『虚無』……俺をして知らない力、ああ……本当にたのしめそうだ」

 

 まるで子供じみて笑う男に、女は静かに付き従う。

 

「さて、楽しい狩りにしようか……お前達は俺をどこまで楽しませられるかな?」

 

 今、邪悪が動き出す。

 

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 主人公に声掛けられちまったよ。

 お嬢様RPは上手く行ったかしら?

 とりあえずとしては、ユウと翔子に味方をする方針ではあるので、とりあえず情報を小出しにしつつ、敵対する気はないというアピールも欠かさない。

 

 とはいえ、あんな怪しさ満載の私によく話しかけますわね、敵かもしれないのに。

 

 盗み聞きした分では翔子もあの敵の事はしらないようだし、一体なんだアレ。

 

 本当に「祝エタ」は原作知識がまったく役に立たねぇな!




・ユウ
困っている相手は放っておけない主人公

・翔子
金竜の戦士、力をまだまだ隠している、愛が重すぎる

・謎の少女
想定外しか起きなくてもう泣きそう

・謎の組織
エンジョイしたい
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