この世界って醜くありませんこと?   作:青川トーン

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第五話「動き出している未来を止められない(絶望)」

第五話「戦士」

 

-A part-

 

 燃え盛る教会の中、銀の騎士と蝙蝠怪人の戦いを奈々は見下ろしていた。

 

 おそらく超常の素材で作られた鎧は同じく超常の素材で作られているであろう矢を容易く弾きながら、騎士は怪人との距離をつめ、拳で圧倒していた。

 

 怪人は主人の命令に従い、邪魔者の始末を遂行する為に超音波による攻撃や、弓矢を使った攻撃を繰り出し続けるが、そのどれもが決定打に至らず、逆に騎士の反撃によりダメージを受け続けるだけ。

 

「決着を!」

 

 そして騎士が腰から下げていた剣を手にすると、刀身が稲妻を放ち始める。

 まずいと思った怪人は逃げ出そうとしたが、時既に遅し、必殺の一突きが怪人を貫き爆散させた。

 

 同時に教会の崩壊が始まり、騎士は直ぐに外へと出た。

 

「こちら「シルバーソード」目標を撃破しました」

『了解、こちらの映像でも確認しました。お疲れ様です』

 

 その騎士の肩には「スペード」と日本政府所属の「魔術機関」のシンボルが描かれていた。

 

「すみません、そこの方」

「へっ!?女の子!?」

 

 騎士は驚きと共に声のした方を向く、そこには紫の目の少女。

 

「あっ、その色々と聞きたい事があったりするのですが……日本政府の所属の方で間違いないですよね?」

「……そうだ」

 

 ちょっと戸惑い気味の表情でつかず離れずの距離を保つ少女、それは対話を求める姿勢であった。

 

「えーっと……私は紅奈々と申します、私自身はどこにも属してないのですが、父は警察に属してて……よくにた装備を使っているので少し気になりまして」

「紅……?もしかして君はあの武さんの娘さんなのか!?」

「え、まあそうですけど……」

「俺は木切(きぎり)ツルギ、武さんの弟子だ!」

 

 ああ、なるほどと奈々は納得がいったように頷く。

 

「そうですか、それなら間違いないですね。少しお願いがあるのです、この街には多くの異能者がいるのは当然ご存知だと思うのですが、どうやら異能者を狙って「狩る」などといった事を目的としている人物がいる様なのです、さっきの蝙蝠の怪人もその人物の手下の様で……」

「……さっきの男……いや、待て君はさっきの戦いを見てたのか!?」

「いえ……むしろ私とその男とのやりとりの際に突然ツルギさんが突っ込んできたので……それに私にも力はあるので、あまりお気になさらず……」

「いやいやいや、危ないだろ!そもそも最近は物騒なんだからこんな時間に出歩くのもよくない」

「あー……まあ……その通りなんですけど、とにかく……あなたが何者か知れたので今日はもういいです、それでは」

 

 気まずそうに笑い、奈々はその姿を消す。

 残されたツルギは鎧を着たまま困惑を浮かべた。

 

「なんだったんだ、あの子」

 

 

 

 翌朝、学校に通うユウ達の姿があった。

 タクミはまだ療養との事で診療所に残っているが、翔子とユウには学生としての生活もある。

 

「ねーねー、阿木都さんと空雅さん、今日一緒に登校してきてたよね」

「借りてたマンションで崩落があって危ないからユウくんの所に居候させてもらってるんだよ」

「えっ!?いきなり同居!?」

「元々幼馴染で私が怪我の治療の為に大きな病院に移されるまではよく泊まってたよ」

「すごい……そこいらの敗北者幼馴染とは格が違う……」

「まてい、アタシを敗北者だと!?」

「よせ!乗るなカズミ!」

 

 元より他人とのコミュニケーションを得意とする翔子には既に多くの友人が出来ていた、一方でユウはといえば。

 

「翔子が戻ってきてから随分と調子がよくなってるな?」

「……ああ、まあそうだな……」

「そうなのか?高校からの付き合いだから知らんのだが」

「こいつは翔子が怪我でいなくなったショックから完全に引き篭もってやがったからな」

「それよりもコイツにあんなかわいい彼女がいた事に俺はショックを隠せない」

「か、彼女ではない……まだ」

「つまり俺にもチャンスは」

「ないぞ、翔子はコイツしかみていない」

「クソァッ!」

 

 ユウはかなり内向的ではある、だが完全に話をしないわけでもない。

 付き合いの長い人間との関係はなかなか切れないものなのだ。

 

 

 

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 知らないオッサン(原作未登場)と父上の弟子(初登場)とか頭祝エタかよ!?

 今日も平和の為に頑張る物語はじまるよー。

 

 父上に確認を取ったらツルギなる人物はきちんと実在するお弟子さんでした。

 所属も装備しているパワードスーツもきちんと正規品、とはいえ夜に出歩いていた事に少々お叱りを受けてしまった。

 

 でも謎の敵キャラの親玉らしき人物と遭遇できたのは幸運だ、新しいデータ表に記入する。

 異能者狩りの異能者は珍しくもなんとも無い、なんならシリーズ内の設定でも書かれているぐらいに。

 

 生命エネルギーを「喰っていた」のも含めると、あれはおそらくただの人間ではなく魔術師だったり妖魔の部類だろう。

 後つれていた蝙蝠怪人が蜘蛛怪人ともデザインが似ていた事を考えると、おそらく翔子を襲ったあの蜘蛛怪人は生命エネルギーを回収しようとしていて翔子とぶちあたった可能性がある。

 

 そしてツルギさんの扱いは……まあ父上の弟子だし信用していいかも、「ボス」にぶつけるには少々耐性が不安だけど……逆にあの狩人気取りにぶつけるのはいいかもしれない。

 

 最後に私を見て言った「虚無」の力。

 まあ少しは予想がつく、この転移の力の本質は「無」を経由したもの。

 お母様はまあ「なるようになる」としか言ってなかったけれど、少なくとも「虚無」なんて名前でまともな能力というのは絶対にありえないので、詳しそうな人とかを自力で見つける必要もありそうだ。

 

 

 気配を消してヘイセニア付属高校に忍び込むと主人公達は無事に青春していた、私は通信制の授業を受けているので……もう学校に通うこともない。

 二回目の学園生活も興味がない事も無いけれど、それよりも私は私がやれる事をするべきなのです。

 

 

 とにかく学校では特に問題もないようd……校門が燃えてる?え?

 

 は?

 

 

 は?????????

 なんでボスキャラがここで沸いて出てくるのかな?

 え?シナリオは?

 

 

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-B part-

 

「ハハハ……匂いがする、「異形」の血の匂いだ……消さないとなぁ」

 

 その男は警備員達を「焼却」し、悠々と校舎へと足を運ぶ。

 目的は「汚らわしい怪物」を消し去る事。

 

 自分自身こそがもっとも恐ろしい怪物と化している事に気付かないまま、男は「二つの匂い」へ向かって歩を進める。

 

 

 

 

「……ユウ、翔子……あなた達の力が必要です」

 

 警報と共に避難する生徒達に紛れ、奈々が突然現れた。

「あなたはこの間の!」

「何が起きているんだ」

 

「敵です、戦えるのは……今ここで戦えるのは、あなた達しかいない」

 

 それだけ言うと奈々は再び姿を消す、だがその言葉だけで翔子とユウは互いに顔を合わせ、避難する生徒の波からそっと外れて、「変身」する。

 

 「感知」が広がり、校舎の中の人間の位置が手に取るようにわかるようになる。

 それは「一体」の異物と犠牲者の位置も。

 

「ユウくん、行くよ」

「……ああ!」

 

 二人はヒトを超えた動きで向かう、そしてついに敵とぶつかる。

 

「……あっはぁ……出てきた、バケモノが……」

「バケモノは……お前だ」

 

 みすぼらしい格好をした、明らかに正気ではない人間の目。

 焼き尽くされた死体を見て、ユウは強く拳を握り締めて駆け出す。

 

 白い外骨格の様な人外の姿のユウは跳躍と共に蹴りを繰り出す、が男が手をかざした瞬間、爆発が起きた。

 

「ユウくん!」

 

 火達磨になりながら、ユウは転がり、立ち上がる。

 

「翔子、こいつはヤバい」

 

 変身によって強化された肉体であったが故に耐えられたが、生身の人間なら即死している威力の「炎」。

 それが敵の攻撃の正体だった。

 

「わかってる、それよりも……」

「ああ……どうやって戦うかだな」

 

 今の一瞬のやりとりでおそらく「範囲内」に入ったことにより相手の能力が発動したのだとユウは気付いた。

 でなければ今、この瞬間にも敵はあの攻撃を繰り出している筈だ。

 

「……一撃で死なないのは、はじめてだなぁ」

 

 警戒しているのは男も同じだった。

 これまで相手にしてきた異能者は皆「一撃」で葬ってきた。

 だからユウが耐えたのは想定外、もしもダメージを無視して突っ込んでくれば危険なのは自分だと男は理解していた。

 

 男は狂っていた、狂っていながらに判断する正確さも持っていた。

 

 

 だが新たにもう一人、その場に戦士が現れた。

 

「お前はァアアアッ!!!!」

 

 白き狼の姿となったタクミだ、コンクリートの壁をも粉砕する一撃を男は紙一重で回避。

 

 その隙を逃さずユウと翔子も動き出し、男に向けて攻撃を繰り出す。

 だが。

 

「獣が三体もか!やはりこの街は腐っているなああ!!」

 

 男を中心にまるで太陽がその場に落ちたかのような熱が発せられ、大爆発が起きた。

 校舎の一角は完全に吹き飛び、瓦礫が降り注ぐ。

 

「くく……生き汚い獣どもめが……これで仕留めきれんとは……」

 

 サイレンの音を聞き、男はその場から逃げ出す。

 その直後、溶融した瓦礫を退かし、タクミと翔子、そしてユウは這い出した。

 痛々しいダメージを負ったものの三人は無事だった。

 

「クソッ……!」

「何て強さだ」

 

 生き残りはした、得たものは無力感だけ。

 初めての「敵」との戦いは敗北だった。

 

 それを奈々は物影から静かに見つめていた。

 

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 ヤバイと思ってタクミをつれてきたおかげでユウと翔子は無事だった。

 いや……無事じゃないかも。

 

 いきなり学校が爆破されるのナンデ????

 

 なんで無印ラスボスがもう出てるの?何してるんですか「九場弾(くば だん)」さん???

 

 「九場弾」

 家族を能力者に殺され、自分も死の狭間にあった時に覚醒して能力者となった。

 それから復讐の為に能力者を狩る様になったが、そのやり方は見境がない。

 

 そしてそれは新たな復讐を生み出す、タクミの家族の仇でもある人物だ。

 

 能力は「発火」を基点とし「爆発」まで変化する。

 それはユウ達ぐらいに頑丈な変化タイプの能力者でないと致命的なダメージを負う事になるほどのもの。

 

 とても私では太刀打ちできない。

 

 原作では、最終的に九場の反応速度を超える事で倒したが……どうしたものか。

 

 




・ユウ/タクミ/翔子
ボロ負けしたが、生き残りは出来た
・蝙蝠怪人
南無
・木切ツルギ
「シルバーソード」と呼ばれるパワードスーツを着用、主人公の父である紅タケシの弟子
・九場弾
家族を能力者に殺され復讐鬼となってしまったもの、復讐の連鎖
・主人公
いそがしい
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