ガンダムSEED Destiny 白き流星の双子 作:紅乃 晴@小説アカ
第57話 冥界からの魔物
——unknown
64°08’0”N 21°56’0”E 2108hrs.
March 24, C.E.73
——過去データ。
衛星経由の通信データより閲覧。
今、大西洋側から報告があった。ザフトの新鋭艦は逃亡。その手助けに現れたものが、〝流星〟率いるアークエンジェルと、ドミニオンであるとのことだ。君のお気に入りだったMAも撃破されたようだな、銀翁。
あの虚栄を以下もなく落としたか。さすがは流星と言ったところだな。どうして、なかなかいるものだな。
あぁ、彼らの力は我々の予想を上回るものとなるだろう。時期が来れば、合見える事もあるだろう。
流星とは、落ちてこそ煌めくものだが…それでもいいがな?メルツェル。
案ずるな、ジュリアス。君の答えはすでに知っている。そして求めるものもな。その時が来れば、君には働いてもらう。我々の剣として、あるいは駒として、ね。
いやはや、デュランダル議長も賢しい男よ。プラントの世論は彼の言動によって大きく動いている。クラインとは違い、奴の語る言葉には相応の重みがある。薄っぺらい正義感と理想主義とは違ってな。故に、あの大戦を忘れられぬ民衆は、その重みを受け止めて、奴を迎え入れる。
それでこそ、だよ。ジブリールのお坊ちゃんもうまく駒を進めているようだ。ユーラシア連邦の上層部も大きく動いた。内通者の話では、彼らは戦意旺盛。〝腑抜けた者たちに代わって、我々が世界に意思を示すのだ〟と、勢いを持っているらしい。なんとも、滑稽なものさ。
すべては、青き清浄なる世界のため、か。思考停止をした、愚か者たちを釣る餌にはこれ以上ない口上と言えようか。それにしても、あの男はよくここまで準備をしたものだ。
だからこそ、だろう?
ああ、事の全て盤上に揃った。これで下準備は完了する。世界は、ようやくはじまりに戻ったわけだ。前の大戦。第一次ヤキンドゥーエ戦役で、大きなタネを撒いてくれた。そしてそれが、芽を出そうとしている。
まもなく〝マクシミリアン・テルミドール〟が我々の元へと戻る。彼が戻れば、我々の姿を世界に知らしめることが叶うだろう。誰もなし得なかった物が、現実となる。
さて。待たせてばかりで申し訳ないが、君たちにはもう少し大人しくしてもらうことになるが…時期もある。
これより、クローズプランを開始する。
コーディネーターとナチュラル。その垣根すら越えられず、溶けきれもしない人類には似合いの言葉だ。
取り戻そうではないか。
奪われた我々の世界を。