ガンダムSEED Destiny 白き流星の双子   作:紅乃 晴@小説アカ

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第60.5話 ブリーフィング

 

 

 

 

 

各員、揃っているな?

 

これより、ミッションの概要を説明する。

 

我々は今、オーストラリアのヨーク岬半島とアーネムランド半島にまたがるカーペンタリア湾に位置するザフトの軍事基地にいる。

 

昨日、ザフト軍ならびにプラント最高評議会からの正式な任務依頼が発行された。

 

ひとつは、我々が提供した暗号文データをもとに指定された、ユーラシア連合の軍トップ、デュエイン・ハルバートン閣下の救出任務であり、さらにもうひとつが、アメリカ大陸で身を隠しているはずのムルタ・アズラエル理事の救出である。

 

両名とも意表を突かれたこともあり、安否は不明。

 

だが、アズラエル理事は彼の派閥である組織が管理する医療施設に身を隠しているとのことだ。緊急性を要することに変わりはないが、手を急がさなければならない相手はハルバートン閣下の方であると言えるな。

 

よって、この作戦で我々の部隊は二方面に分かれることになる。

 

ハルバートン閣下から送られた宙域ポイント、L23であるラグランジュポイントへは、ドミニオンに向かってもらう。宇宙へはカーペンタリア基地のマスドライバーを使用する。ザフト軍もプラントも、その件は承認済みだ。

 

バーフォード艦長、貴官に宇宙の指揮を一任したい。パイロットの選別はバーデンラウス殿、カルバヤン大尉以下2名の4名とする。

 

地上の任務は、アメリカ大陸にいるアズラエル理事の救出となるが、その経路はミネルバと同行することなる。

 

ミネルバにも、同様にヨーロッパへと侵攻するザフト軍の援護が要請されている。我々はアメリカ大陸を目指しながらミネルバと協力してザフト軍進軍の足掛かりを築いていくことになる。

 

複雑な心境ではあろうが、相手もビジネスだ。宇宙に上がる手伝いをしてくれた分、地上に残るアークエンジェルにはそれなりに働いてほしいとのことだ。

 

地上の進路として、太平洋はすでに地球軍によっていくつもの防衛線が展開されている状態だ。よってアークエンジェルとミネルバは、インド洋を北上し、スエズ運河、中東、ヨーロッパを経由して、アメリカ大陸を目指すこととなる。

 

スエズ運河や中東では、地球軍の強行ともいえる軍施設の整備が進んでいるようだ。現地の勢力との衝動もあるだろう。そして、我々のオーダーはそれらをミネルバと協力して撃破することにある。

 

アズラエル理事のこともある。ミネルバへの協力はしつつ、手早くアメリカ大陸を目指すのがアークエンジェルの目標だ。

 

厳しい戦いになる。

 

それに、例のゲテモノMSや、アーモリーワンやユニウスセブンで襲撃してきた敵もいる。我々の行く先には障害が多い。

 

だが、我々はやり遂げなければならない。

 

ハルバートン閣下とアズラエル理事、この両名を救出することで、大西洋連邦一強である地球の勢力図を塗り替える可能性が出てくる。

 

戦争を早期に収束させるためには、彼らと合流しなければならない。

 

ドミニオンの撃ち上げは、明日の夜。アークエンジェルはミネルバに随伴し、その明朝に出発だ。選抜された各員は艦を移動し、持ち場へ就いてくれ。

 

諸君、しばしの別れだ。だが、我々は必ず再会する。それまで、存分に自身の使命を果たせ。

 

各員の健闘を祈る。

 

 

 

 




フォースの深淵から帰ってきたのでボチボチ再開します。

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