◇◇◇ふぉーらっぱっぱぱぱー♪◇◇◇
これはこれは、よくぞいらっしゃいました。
プレイヤーの神様でございますね。分かっておりますよ。
この度も我が
すでにご承知の事とは存じますが、わたくしは佐竹家家臣の
我が殿、佐竹
ええ、ええ、分かっておりますとも。
佐竹家我慢プレイでございますね。
SFC版天翔記、シナリオは信長初陣(1547年)ですからな。
殿の義昭が子、
いえいえ、お気になさらずともよろしゅうございます。
神様の皆様方は、そうやって義昭に愛着がわいて可愛がってくださることも存じ上げております。
この天翔記は義昭の寿命が50までありますからな。
今の義昭は17、50まで30年以上楽しめる仕様になっております。
もちろん、義昭は早々に隠居させて義重を楽しんでくださっても結構でございますよ。
どちらもご存分にお可愛がりくださいますよう、お願い致します。
はい? ええ、はい。なるほど内政がお好きと。
覇王伝では感状プレイをなさっていたと。家臣の勲功には感状を発行して答えるやつですな。
承知しておりますよ、朝廷の官位を上げて感状の効果が高まるのが楽しいのでございましょう?
感状で賄えない勲功には銭で払うと伺っております。
ほうほう、感状プレイであちこちの城の規模を最大にまで上げて行ったと。
流石にございますな。
天翔記の内政はあっさりしておりますが、
かえって広い地域を内政出来ると言うものですものから、ええ。
ご存分にお楽しみくださいませ。
おや? ご友人がいらしたようで。
ご友人がドラマを持ってきたので一緒に見るのですね。
あ、いや、ご無理でなければ電源はそのままに。
同じ画面であれば、こちらからも見えておりますので、我らにもドラマをなにとぞ。
よろしゅうございますか? ありがとうございます。
◇◇◇せれれってーせれれってーせれれーれー♪◇◇◇
佐竹家の有る常陸の国は、茨城県の大部分にして東海道の最東端である。
信長の野望天翔記、1547年の開始時点において常陸の大名の居城は太田城。
この城は、当主佐竹義昭と配下の岡本禅哲の二人によって治められている。
歴史上の佐竹義昭は、常陸統一目前まで行った一端の大名と言っていい。
冗談の類の話の主人公に使われるような人物ではない。
しかし、
三十代前半で亡くなってしまうので、活躍期間が短い。
さらに息子の義重が、一時は一国の大名から一地方の雄となる活躍を見せる。
結果、義昭は影が薄くなってしまいがちだ。
では、二人の能力を確認してみよう。
佐竹義昭、17歳
政治48/142、戦闘44/136、智謀27/86
魅力81、野望68
足軽D、騎馬C、鉄砲E、水軍E
岡本禅哲、34歳、僧侶
政治65/148、戦闘14/36、智謀59/134
魅力63、野望42
足軽E、騎馬E、鉄砲E、水軍E
特技、弁舌
政治、戦闘、智謀は現在値と最大値が表示されている。
それぞれの満点は200だ。
最大値は武将の戦歴や伝記、地域のバランスなどによって評価されている。
義昭は活躍期間の短さが智謀の低評価に現れ、
禅哲は主に外交面での活動をしていたので戦闘が低い。
互いに弱い所を補いあえる良いコンビとも言えるが、物足りなさ感は否めない。
しかし、そこがなんとも愛らしい。
禅哲は戦場に立たせる武将ではない。
出来ない子に出来ない事をさせても精神衛生上よろしくない。
義昭はやればできる子だ。
智謀が足りないので、戦場に出すと混乱のハラハラ感を楽しむことが出来る。
物足りないにせよ、ハラハラを楽しむ程度の能力はあると言っていい。
能力の現在値は行動によって変化する。
政治を使えば政治が伸びて戦闘と智謀が減少する。他もまた然り。
行動の種類によっては、政治と智謀が伸びて戦闘が減少、
戦闘と智謀が伸びて政治が減少などもある。
天翔記を他家から始めて、この二人を主力に使う神などそうはおるまい。
二線級、三線級の内政要員に使われ、
いずれはどこかの軍団内に埋もれてしまうのが落ちであろう。
しかし、佐竹家で始めたならば話は別。
この二人が主役。それが我慢。
佐竹家を取り巻く周辺事情は悪くない。
そこそこ佐竹家と同じくらい弱小の国に囲まれているからだ。
そして、相性の良い大名もいる。相馬家、那須家、結城家だ。
相馬家からなかなかの武勇の相馬盛胤を奪い、那須家の者から足軽適正を学べば、
義昭と盛胤の二人で天下の半ばを取ったも同然だ。
序盤に状況を見ながら攻めてみれば、この連中は結構簡単に攻略できてしまう。
しかし、攻めない。これも我慢。
神々の世界は広い。
中には
などと意気込んで一条兼定の死体の山を作る神もいるやもしれない。
どこかの誰かがやるのを見る分には良いが、自分でやるのは面倒というもの。
佐竹家我慢プレイくらいがちょうど良い。
故に我慢。
我慢とは面白い技だ、との名言も有る。
義昭で我慢し、義重登場で喜ぶ。
我慢の間に育った他家を義重と苦労しながら攻略する。
SFC版天翔記の敵は弱い。これくらいのハンデが有った方が楽しめる。
これが我慢の真骨頂と言えるかもしれない。
◇◇◇茶菓子の準備が整いました◇◇◇
義昭と禅哲が居る謁見の間で、壁の一面が画面となってドラマが始まった。
音声は画面から出る仕様になっている。だが、余計な事を心配する必要はない。
信長の野望は全年齢対象、つまり、あられもない動画などは壁で再生されないからだ。
始まったのは名探偵ホームズを題材とした作品。
ホームズと名のついたドラマはよほど自信がないと付けられない。
このホームズも面白いようで、義昭などは壁に張り付くようにして見ていた。
「若、若! そのように壁にかじりつかなくても、
遠くから見た方が全体が見えると言うものですぞ」
「じい、うるさい! シャーロックホームズぞ!
名探偵ホームズ、これにかじりつかんでどうする!」
「ほれ、あそこに動きが。そこにもここにも」
「なに! どこじゃ、どこじゃ! じいが話しかけるから見逃してしまったではないか!」
信長の野望天翔記、もはや
飽きてはいるが、またやりたい。
飽きてはいるが、まだやりたい。
そういう奇特な神々たちが暇を見つけて時々訪れる世界。
奇特とはいえ、神々はこの世界に基本飽きている。
他に優先したいことが有るとそっちをやり始めてしまう。
今回のように世界を放置して他の事を楽しむ事も多々ある。
すると、この世界の住人達も神々たちの楽しみを垣間見られる、という寸法になっている。
「じい、じい!」
「これは二話連続の一気見ですな」
「祭りじゃ、ホームズ祭りじゃ!」
神のホームズ祭りは五話にも及び、若い義昭は影響を受けまくった。
「じい、わしは名探偵になるぞ!」
「若は戦国大名ですぞ、当主ではござりませぬか」
「それはそれでやるわい、名探偵は別腹じゃ」
「なにを阿呆なことを」
「どこぞの手先になるなどと申してるのではない。名探偵じゃぞ、なにが阿呆じゃ」
今回の神は律儀だったようで、ホームズ祭りの後、程なくして天翔記が再開された。
内政プレイと言っても軍備は重要である。
滅ぼされればゲームオーバー。義昭は兵を雇用し禅哲は治安回復のほどこしに回った。
村や町を回るほどこしの最中、僧籍にある禅哲には以下のような話も有ったかもしれない。
「禅哲様、良き行いとはどのようなものでしょう」
「良き行いか。仏門では
「どうすれば出来るようになりますか?」
「出来るものから学べば良い」
「なるほど、教育を受けるのでございますね。さすれば何かお教え願えますか?」
「それぞれ人の立場や役割によって必要なものが異なるからのう。
わしの特技はお主らには役に立たぬであろう」
「なるほど、我ら農民とお武家様では違うのですね」
「武家であれば一喝、暗殺、流出、煽動、流言、弁舌、焼討、挑発であるからな」
(※特技、弁舌のみ)
「正道とは裏腹に恐ろし気な特技でございますね」
「正道とは立場によってかほどに違うものなのだよ。
戦えるものが戦わなければ、お主らも安んじて暮らせまい」
(※戦闘限界値36)
天翔記において最も恐ろしい特技、技能は何かと問われれば、それは弁舌と答えざるを得ない。
天翔記にて商人は値切られて喜び、吹っ掛けられて喜ぶ。
弁舌持ちを複数揃え、友好度をあげていけば相場の価値観が崩壊する。
米でも騎馬でも鉄砲でも買って売りさえすれば儲かるのだ。
それなりの
しかし、内政プレイにおいて内政放置の売買プレイは本末転倒だろう。
神もそこは制限をかけるかもしれない。
佐竹家一同は役割を終え、季節は巡る。
各地から噂が飛び交った。
四国にて一条家が細川家に攻め込んだ。
一条家は長宗我部家の援軍を得て徳島県南部の海部城を手にした。
続いて九州では相良家と島津家に攻め込んだ。
相良家は鹿児島県北部の一宇治城を手にし、
島津家当主の島津忠良は切られ、喜入末久が当主になったという。
「じい、じい! 事件じゃ!」
「何事ですかな?」
「
「遠国とはいえ戦国の世でございますのう」
「わしの手の者から一報が入った。相良には
「ほほう」
「ほほう、ではない! じい、そちは忠郎を調略してまいれ!」
禅哲は数度の
特技は無いものの、なかなか全般的に有能な男だ。有能すぎるかもしれない。
しかし、序盤の500金は痛い、許そう。許して。
まてまて、戦に使わせなければよいのだ。気にするほどの事ではない。
戦は佐竹家家中の者で行う。今は義昭だけでやれば良い。
駄目? ならばやり直させるか?
伊集院忠朗は無念であるがこれも我慢。
しまったー、神が伊集院忠朗の調略成功に当たり
そうだな、忠朗は使用の我慢で飼い殺し。これ位にさせるとしよう。
佐竹家には近国や遠国にも相性の良い家や家臣が居る。
近国では北条家、遠国では琵琶湖周辺の浅井家の者と薩摩は島津家臣の伊集院家の者が代表だ。
この辺りは注視して戦況を見守るのも楽しい。
しかし、やり過ぎると興がそがれるのも確か。
ほどほどに我慢が楽しい。500金払ったのだ、勉強料と見て欲しい。
義昭は兵の訓練、禅哲は治安、忠朗はお茶を飲み季節は廻る。
平穏に過行く季節の中で、結城家から同盟の誘いの来客が有った。
「同盟?」
「左様で、如何されますかな?」
「この天翔記に同盟など足かせでしかない。不要じゃ、引き抜きでもかけて追い返せ」
「では、そのように」
佐竹家のターンが来た。
「じい、じい! 分かったぞ!」
「何がに、ございますかな?」
「事件じゃ! 事件の原因じゃ!」
「ああ、戦が有りましたのう」
「良いか、よく聞け。相良と島津の戦はな、島津が国境に兵を集めたからだそうじゃ」
「ははぁ、やられる前にやったという訳にございますな」
「そうじゃ。それと一条と細川の戦じゃがな」
「ふむふむ」
「一条が仲の良い長宗我部を封じ込めるために囲んだと言う事じゃ」
「なるほど。しかし、一条に長宗我部を囲む余裕が有るのですかな?」
「知らぬわ、そんなこと。とにかく原因が分かったのじゃ、これで事件は万事解決」
「はぁ?」
「名探偵が事件の原因を突き止めたのだぞ、事件は解決じゃ」
「それに何の意味が」
「うるさい、解決じゃ! スタッフロールじゃ! 参ったか」
◇◇◇数年後◇◇◇
「若、家中の
「殿、和田昭為にございます。なにとぞ引き回しのほどを」
「うむ、よく来た。ちこう寄れ」
「はっ!」
義昭はおもむろに立ち上がった。
「行くぞワダサン君、事件の現場は日の本中じゃ!」