前の話と同様にこちらも変なところなどが有れば報告して頂けると幸いです。
俺がセシリアと話をした翌日。
俺は朝の5時という普通なら大体の人が寝ている時間に、理事長室という部屋に来ていた。
ちなみに何故かというと、昨日の夜中に織斑先生が部屋を訪ねて来て、この時間にこの部屋に来いと言い残していったからだ。
おそらく織斑先生が、外部に情報が漏れない様に工夫してくれた結果だと思われる。
そして、今俺の目の前には、ビシッと立った織斑先生と首をコクリコクリしながら立っている山田先生、そして俺の正面で腰を下ろしている、何処かあの世であったご老人を思わせる雰囲気のおじ様、轡木理事長と俺の斜め右で腰を下ろしている、水色の髪という前の人生でもなかなか見かけない髪色の女性、更織楯無先輩の4人がいる。
しかし山田先生、眠いなら無理して来なくても良かったのに…………
すると、そんな事を思っていた俺に織斑先生が声をかけて来た。
「熊耳、お前の話を聴くのはこの4人で全員だ」
「よろしくね熊耳君」
織斑先生に続いて更織先輩が手を振りながら俺に声をかける。
俺はそれに対して、よろしくお願いします。と呟いて軽く頭を下げる。
そして頭を上げると同時に死ぬ気の炎について話を始めた。
「まず、今回皆さんに集まって頂いたのは、先のイギリス代表候補生セシリア・オルコットさんとの試合中に起こった現象についてです。まず、先に申し上げておきますが、あの現象は私の意思で起こした現象です」
俺は、ここまで一気に言い切ると、一旦周りの様子を確認するが、ここまでで特に驚いた表情をした人はおらず、山田先生もうつらうつらしたままだった。
その様子に俺は思わず軽く口から息を吐くと、そのまま話を続けた。
「ですがあの時、俺のISがどういう状態だったのかについて俺は何も知りません。よって織斑先生、山田先生には先にあの時俺のISがどういう状態だったについて教えて頂きたいのですが、よろしいですか?」
そう俺が2人に問いかけると、織斑先生はうつらうつらしている山田先生の方を軽く見て、から
「私が話そう」
と説明を開始した。
おそらく山田先生に気を使ったのだろう。
「あの時、こちらからの観測によると、熊耳のISラファール・リバイブはシールドエネルギーを全快以上に回復し、IS自体の出力を5倍近くに上昇させていた」
うわぁ、予想の数値を遥かに超えてるわ。
すると、ここで更織先輩が会話に参加して来た。
「一つ質問してもよろしいですか?」
「なんだ更織」
「いくらISとはいえ、急にそこまでの出力変化が起きれば、機体自体が大破してもおかしくないのではありませんか? しかし、昨日私が見た映像と整備の様子ではその様な節は見られなかったのですが……」
ここで俺が更織先輩に聞き返す。
「その状態で機体を動かした時間が短かったからなのでは?」
「だとしても、出力が5倍近くに跳ね上がっているなら少ない時間でも機体に多少の異常が生じると思うけど?」
言われてみたらそうだな…………ん、って事は。
「あの状態の時限定で、機体自体が強化されていた?」
「おそらくね。そこに関してはいかがですか織斑先生」
「私も貴様らと同じ意見だ。さて熊耳、以上が私達が観測しそこから予想した貴様のISの状態だ。そろそろあの現象について聴かせて貰うぞ」
「……了解です。まず、結論から申し上げますと、あの状態はとある高エネルギー物質をISに注入した事により起こった現象です」
ここまで話すと、まず織斑先生が質問してきた。
「その高エネルギー物質とは一体なんだ?」
この質問に俺は少し間を置いてから
「……『死ぬ気の炎』俺はそう呼んでいます」
ゆっくり答えた。
すると織斑先生は、さらに質問を重ねて来た。
「死ぬ気の炎?聞いた事がないのだが」
俺はその質問にリングを着けた右手を前に伸ばして、
「見てもらった方が早いでしょう」
死ぬ気の炎を灯して答えた。
すると、突如リングから現れたオレンジ色炎に織斑先生と更織先輩、轡木理事長そして、炎を見て眠気が吹き飛んだ山田先生までもがその炎に注目した。
俺は、全員の視線が炎に集まっているのを確認すると、そのまま話を続けた。
「これが死ぬ気の炎です。まず第一にこれは人間の生体エネルギーを凝縮した様なものなので、これを出し続けるとかなり疲労してしまいます」
そう言って俺リングの炎を消す。
すると、全員の視線が炎から俺に移った。
「次に教えなければならない事は、死ぬ気の炎を灯す方法ですが、その方法は現在このリングを使う方法しかわかりません」
事実、この世界で俺が知っている方法はリングに灯す事だけだ。
一応原作なら、死ぬ気弾や死ぬ気丸なんかがあるけど、この世界にあるなんて聞いてないしな。
「それじゃあ熊耳君、ひとつ聞いて良いかな?」
「はい、なんでしょうか轡木理事長」
「君が身につけているそのリング以外にも、死ぬ気の炎を灯す事ができるリングは存在しているかい?」
「はい、存在しています。そして、これがそのリングです」
そう言って俺は制服のポケットから大空以外のCランクリングを取り出し、目の前の机の上に広げた。
「ちなみにですが、これらのリングはここに広げた物以外にも、同じ物を複数所持しておりますので、宜しければこちらのリングは学園に献上しようと考えています。勿論、それ相応の対価は頂くつもりですが……」
「ほう、それはそれは、それではお言葉に甘えて、そちらの品はありがたく受け取らせて頂きましょう」
そう言って轡木理事長は織斑先生に回収する様に指示を出し、織斑先生はその指示に従ってリングを回収した。
「それで、貴方は我々に何をお望みなのですか?」
「私が学園側に要求する事は2つです。1つは学園に通っている3年間、私の安全を保証していただく事。2つ目は死ぬ気の炎に関する情報を夏休みまで外部に漏らさない様にして貰う事です」
この発言に更織先輩が反応した。
「夏休みまで? どうして夏休みまでなの熊耳君?」
「ええっと……そこに関して、今はお話出来ません」
だってなんも考えて無いもん。
けど、いくらIS学園でも3年間死ぬ気の炎について隠すのは不可能に近いだろう。
ましてや、その副作用で俺が3年間死ぬ気の炎を自由に使えないっていうのは原作を見た限り、かなりキツい。
となると、最低限の期限を設けて置いてその間に打開策を考えるっていうのが一番現実的な気がする。
「ですが、代わりとして死ぬ気の炎の注意事項を1つ説明しましょう。いかがですか、夏休みまでの理由を聞くか、死ぬ気の炎についての注意事項を聞くか、皆さんで選択してください」
この俺の持ち出した2択に真っ先に轡木理事長が反応した。
「わかりました。それでは注意事項についてお聞きしましょう」
その言葉に俺は周りの様子を伺うと、特に異論は無さそうな反応だったので、俺はそのまま注意事項を説明し始めた。
「では、死ぬ気の炎の注意事項、それは炎には種類が存在することです」
「種類、ですか?」
「そうです山田先生。何故その事が注意事項になるのか、それはその種類について知らなければ、死ぬ気の炎を一生灯せない可能性があるからです」
ここまで話すと、俺は織斑先生の方を見て、
「先程、織斑先生が回収したリングを確認してみてください」
と促す。
すると、織斑先生は全員が見やすい様に中央の机にリングを広げる。
俺はそこまで確認すると、説明を再開した。
「このリングを見ていただけると、お分かりになると思いますが、リングについている石が全て違う事が分かりますよね。これは、それぞれの石が灯す事ができる炎の種類を表しています」
「種類って、それじゃあ炎は6種類、いえ、7種類あるって事かしら?」
「……?!! よく解りましたね更織先輩。ここに広げられたリングは6つだったのに……」
「あら、正解だったのね。実はね、このリングの中に貴方の灯した炎と同じ色の石が無かったからカマをかけただけなのよ」
「あーそうゆう事ですか……」
しまった、油断してた。
少し警戒していかないと、余計な事口走りそうだな。
「更織先輩のおっしゃった様に、死ぬ気の炎は7種類あって、その見分け方は灯る炎の色で見分けます」
そう言って俺はそれぞれのリングを順番に指さしながら説明していった。
「まずこの赤い石のリングが灯す事が出来る赤い炎、これを『嵐の炎』、次の青い石のリングが灯す事が出来る青い炎を『雨の炎』」
ここまで説明すると、織斑先生が
「石の色と炎の色が同じ事は理解した。しかし、今はそんなことより何故その種類に注意しなければならないのか先に説明してもらえないか?」
と話題を切り替えてた。
それを聞いた俺は、わかりました。と呟いてからその事についての説明を開始した。
「まず、何故種類が大切なのかですが、死ぬ気の炎は人間の生体エネルギーを凝縮した物と説明しましたよね。それはつまり、1人1人が灯す事が出来る炎の種類が決まっている事を示しているんです」
「熊耳、悪いがもう少し詳しく説明してくれ」
「了解です。まず大前提として死ぬ気の炎は指紋や声紋の様に生まれつき決まっており、全く同じ物を灯せる人は存在しません。ですが、それらを大雑把に種類分けする事はできます。それが先にお話した7種類の炎です」
「一つ聞いても良いかしら、その同じ人はいないっていうのは具体的に何が違うのかしら?」
「それは波動ですね」
「波動?」
「はい、私達は皆産まれた時から決まったエネルギーの波動が身体を巡っているんです。その波動の強さや流れ方など1人1人違うんです。ちなみに、これ以上の詳しい事は私もよく知らないです。すみません」
するとここまでの会話を聞いていた織斑先生が
「つまり、DNAなどに近い性質といったところだな熊耳」
とわかりやすくまとめてくださった。
「そうです。そして、ここからが重要なのですが、その波動ひ産まれつき決まっている物なので変化する事がありません。よって、自身の波動に一致する種類のリングをつけなければ、そもそも炎を灯す事すら出来ないのです」
「成る程、確かにそれは注意すべき点だな」
その通りだ。
極端な話、自身の属性とリングの属性が違っているが為に炎を灯す事が出来ないなんて事が起こるって事だからな。
「さて、俺の話はここまでです。それで轡木理事長、俺の要求に対する返事をそろそろ聞かせて頂けますか?」
「おっと忘れかけていました。申し訳ありません。それで熊耳君の要求ですが、IS学園でお受けしましょう。それで、それに伴う具体的な案ですが、まず一つ目要求に関しては更織君を君の護衛に付けましょう。これで君の身の安全は大幅に上昇する。っという事でお願いしますよ更織君」
「了解しました。っという訳でよろしくね熊耳君」
そう言ってウィンクをしてくる更織先輩に、こちらこそ。と軽く礼を行うと、俺は再び轡木理事長のほうを向く。
「次に二つ目の要求ですが、夏休みまで学園側は、あの現象を原因不明の暴走として扱い、君のISの使用を担任又は副担任の許可がない限り使用禁止として扱わせて頂きましょう。勿論、公の場での使用も基本的には禁止させて貰いますよ」
「わかりました」
「それでは本日の話し合いはこれにて終了とさせてしましょうか。更織君、君は熊耳君と一緒にこのまま朝食を済ましてきなさい。織斑先生と山田先生には熊耳君のISの使用許可についてもう少し話し合えると助かるのですが……」
「……我々2人とも問題ありません」
「はい、それでは解散とします」
その轡木理事長の声と共に俺と更織先輩は学食へ向かい、織斑先生と山田先生は轡木理事長と理事長室で話合いを開始した。
死ぬ気の炎についての説明ですが、個人的な解釈になりますのでそこら辺は目をつぶって頂けると幸いです。