『織斑一夏』と出会った入学式から早3年、入学式に知り合った一夏を含めた数人の友人達とバカな事やったり、下らない口論をしたりと、そこそこに楽しい中学校生活を過ごす傍ら、色々なトレーニングや修行をして過ごしてきた俺は、現在、雪降り積もる街中で一夏と遭難しかけていた。
「ゆーきやこんこん♪あーられやこんこん♪降っては降ってはいい加減やめよ!!」
「そんな歌、歌っても雪は一向にやまなそうだぞ。蒼」
「そうか! 歌詞にあられが入っているからいけないんだな!」
そう確信をついたような顔で力説する俺に一夏は冷たく
「それ、本気で言ってるか?」
と聞き返す。
「んなわけないだろ」
「だよな……すまん」
「いや、こっちこそすまん」
そもそも、こんな事になったのは、受験生の日頃の行いとは関係なくやってきた試験日の大雪が原因である。
おかげ様で電車やバス、タクシーなんかの交通手段は全部ストップ。
まぁ、ヘリや自家用ジェットを使えばワンチャン……ないな。
ともかく、そんなこんなで俺達は歩いて試験会場まで向かっているのである。
「なぁ、それより試験会場まで後どれくらいだ?」
俺のふとした疑問に一夏は足を止めて
「……多分あと少し」
と答えた。
「そうか少しか、なら一夏、後どれくらいか全力ダッシュで見てきてくれ」
「……すまん、慰めてやろうと思ったんだ」
「……気にするな、俺も少しイライラしてた。すまん」
「とりあえず、歩こうぜ」
「だな」
そう話して、俺達は再び雪の降り積もる道を進み始めた。
「なぁ、蒼」
「なんだ一夏?」
「これで大雪の為、試験はちゅう「あーあー聞こえない聞こえない」すまん」
この野郎、こんな状況でそんな事考えさせるなっての!
その後、15分近く雪道を歩いて俺達はようやく試験会場に到着する事ができた。
いや、マジで疲れた。
俺、しばらく雪は見たく無いな。
あっ、よく考えたら帰りに絶対見るわ……一旦、雪の事は忘れよう。
「ふぅー、どうにか着くには着いたけど、何処が試験会場なんだ? わかるか、一夏?」
「悪い、俺も知らないんだ」
そりゃそうか。
そもそも試験をやってるのかすら怪しいしな。
「いや、謝るな。とりあえず適当に歩き回って出会った大人にでも聞いてみようぜ」
「そうだな」
そうこうして、俺達は、会場内を散策し始めたのだが……
「なんで、誰も居ないんだよ!! 普通1人くらい歩いてるだろ、あれか、ドッキリかなんかか? だったらそう言うのいいからさっさと出てこいや!!!」
何故か一向に大人に出会わない。
ちなみに、部屋の中を覗かないのは試験をしてたら申し訳ないからだ。
「お、落ち着けよ、蒼。ほ、ほら、あの部屋の中に誰かいるかもしれないだろ」
そう言って一夏は小走りで近くの部屋の扉の前まで移動した。
それを見て、俺も少しの間その場で落ち着きを取り戻してから、一夏の後を追う様にその部屋の前まで移動した。
「どうだ一夏、誰かいたか?」
そう言いながら、俺が部屋の中を除くと、そこには、甲冑の様な鉄の塊《IS》に触れている一夏とその一夏を見て驚きの表情を見せている30歳くらいの女性。
俺はどうゆう状況なのか、理解しようと一夏に近づくと、
「なにこれ? どうゆう状況? なんかあったの?」
と連続で疑問をぶつけた。
すると一夏は、よくわからないと言わんばかりの表情のまま、
「俺にもよくわからないんだ? ただ、このISどうやら男も動かせる新型みたいだぞ」
「はぁ? 新型?」
妙だな?
そんな物が発明されたならニュースになるはずだが……って、待てよ。
もしかして、この状況って……
そう、俺はあの入学式の日に一夏と出会った事から、念の為っと、[インフィニットストラトス]の原作について、もう少し深く調べていたのだ。
その中に、確か一夏が
「そ、そうなのかー。そ、それより今は試験会場の場所を聞く方が大事じゃないか?」
取り敢えず、俺は逃げられるようにしておこう
「えっ、ああそれもそうだな」
「それで、お姉さん。藍越学園の入学試験の場所ってどこか知ってますか?」
俺がそう聞くと、目の前の女性はようやく我に帰ったようで
「えっ、藍越、学園?」
とポツリポツリと言葉を発し始めた。
しかし、直ぐにさっきの事を思い出したようで
「……じゃなくて、貴方今ISを動かしてたわよね!」
そう捲し立てる様に一夏に問いかける女性。
その勢いに思わず一夏が
「えっ、ええっとまぁ」
としどろもどろな返事を返す。
すると女性は目を見開かせて、急いで部屋を出て行った。
「……一夏、どうやらそのIS、男も動かせる新型って訳では無いみたいだぞ」
「えっ、でも俺、動かせたし、ほら試しに蒼も触ってみろよ!」
そう言って一夏は、俺の手首を掴んで無理矢理ISに触らせようとしてきた。
勿論、俺はそれに抵抗したよ。
「や、ヤメロー。俺を巻き込もうとするなー」
「い、いいから触ってみろよ!」
クソ、こうなったら力尽くで、
そう俺が考えたその時、さっき部屋を出て行った女性と一緒に同年齢くらいの女性が数人ぞろぞろとやって来た。
その瞬間、俺はうかつにも一瞬そっちに気がそれ腕の力を緩めてしまったのだ。
一夏はその隙を見逃さず、俺の手を無理矢理ISに触れさせた。
しまった!!
俺の手がISに触れると、妙な起動音と共に俺の頭の中に、このISの基本操作や操縦方法、機体の性能などの情報が流れて混んでくる様な感覚に襲われ、思わずISに触れていない方の手で頭を押さえる。
「なんだこれ? このISの情報か?」
その光景を目の当たりにした入り口の集団は、
「彼、今ISを動かしていたわよね」
「彼がISを動かした男なの?」
「いえ、私が動かしてるのを見たのは手前の彼です」
「って事は、もしかして2人目!?」
「もしかしたら偶然かも!」
「検査よ! 検査の準備をして!」
と、途端にざわつき始めた。
俺は、その光景をチラッと見ると一夏に近づいて、
「一夏お前、人を面倒に巻き込みやがって」
と軽く睨みつけた。
「悪い悪い」
その後、俺と一夏は女性の集団に捕まり、お互いに別室で別のISで検査された。
検査の結果、俺も一夏も別のISを動かせてしまった為、俺達2人はしばらく大変な生活を送る羽目になってしまった。
なんせ、世界初の男性のIS操作者だ。
マスコミなんかが黙っている筈がなく、俺達2人に取材が殺到した。
さらに、全国で他に男性でISを動かせる者が居ないか探す為の検査が行われたりもした。
その上、俺に至っては自宅に他国のお偉いさんが訪問してきて、良かったら家の養子ならないかと勧誘してくる始末だ。
これは多分あれだろう。
『貴重な男性操縦者が2人とも日本にいるのはズルイ!!』
って事なんだろ。
だから、親がいない俺を養子として引き取って自国の物にしようって考えたんだろうぜ。
まぁ、勿論断ったけど。
とまぁ、そんなこんなで自宅にいるんじゃ、おちおち眠る事が出来ないという事で、俺は現在、織斑邸に居候しています。
何故、織斑邸かって?
だってここなら、元世界最強の女『織斑千冬』の力により、マスコミなんかがほとんど来ないんだもん。
「なぁ、一夏さんや」
「なんだ、蒼?」
「静かに寝れるって素晴らしいな」
「えっ、あぁ、そうだな」
それにしても、こりゃ確実に例の場所、『IS学園』に入学する事になりそうだな。
後で、ISの勉強でもしておこう。
次の話は一応主人公の設定なんかをまとめてみようと思ってます。
それでは次も読んで頂けると嬉しいです。