隻腕の師匠と捨て子の弟子   作:銀髪っ娘にTS転生したいおじさん

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なんだこれはたまげたなぁ…結局何がしたかったのかわからなくなってしまった…


番外編 筋肉 後半

筋肉大爆発(マッスルボンバー)爽やかな風が吹き、モンスターにさえ気をつければ散歩やピクニックにぴったりな遺跡平原に、二つの筋肉が居た。

片方は3メートルはあろうかという人間(?)。一応ハンターではあるらしい武器も防具もないステゴロ野郎である。

もう片方は金獅子ラージャンである。その危険度は古龍にも匹敵するとの話だ。

 

「ふん!ふんふんふんふんりゃぁぁぁ!」

 

筋肉人間ことアレックスが連打を浴びせる。その度にズドンドコンという爆発音にも似た音が響き、当たらなかった一部の攻撃が壁に炸裂し、その部分が粉砕される。人間とは思えない攻撃力に見学者のリーフとレオンの師弟は呆れるしかない。

 

「師匠、ハンターってなんですかね?」

 

「さぁ?まあ、少なくともラージャンと殴りあう愚行を犯すバカはハンターじゃないね」

 

その間にも戦いは進んでいく。

 

「師匠、どっちが勝つと思います?僕はアレックスさんに1500z賭けます」

 

「私はアレックスに5000zだな」

 

「賭けにならないですよそれ」

 

「だってねぇ…」

 

そう、優勢なのはアレックスであった。速度は互角なのだが、火力と耐久が違かったのだ。

そしてその差がついに決定的な結末を引き寄せる。

 

「おらおらおらおらおら!隙ありぃぃぃ!!おらぁ!」

 

圧倒的連打にバランスを崩したラージャンの顔面に強烈な蹴りが入る。

 

「グォォァ!?」

 

防御すら出来ずまともに蹴りをもらったラージャンは弾丸の如く吹き飛び壁に衝突、その衝撃で壁が崩れラージャンは瓦礫に埋まった。

 

「ふぅ…なかなかいい筋肉だったぞ…やはりハンター職は素晴らしい…」

 

瓦礫の山に投げかけて背を向けるアレックス。しかしーー

 

「っ!まだ生きてるぞ!伏せろ!」

 

リーフの叫び声の直後、瓦礫から黄金の気功ブレスがアレックスを襲った。

 

「なに!?ぐぁぁぁあ!!!」

 

完全に意識外であったにもかかわらず防御姿勢を取れたとこは奇跡であっただろう。しかしブレスを食らったアレックスはそのまま吹き飛ばされてしまった。

 

「グオオオオオ!!!」

 

勝利の雄叫びを上げるラージャン。

そしてひとしきり叫んだ後、その双眼がこちらを捉えた。

 

「まずい…!逃げるぞレオン!」

 

即座に逃亡を決めるリーフ。しかしレオンはそれに反応しない。

 

「レオン!?おい!くそ!」

 

見ればその場にへたり込んでいしまったようだ。歯の根が合わず口からはガチガチと音がなり、目には涙が浮いている。レオンは恐怖に囚われてしまった。

だが下位のハンターが金獅子に睨まれたのだ、むしろ失禁しなかっただけ良いと言えよう。

 

「くそ!ここでこいつを仕留める?いや、武器が貧弱すぎる…」

 

リーフは反射的に鉄刀【楔】を構える。しかしこんな武器で金獅子を仕留めることなど到底出来ないであろう。そもそも武器が弟子の持っている【神楽】の強化前なのだ。

 

「なんでラージャンに行くってなった時に武器を変えてこなかったんだ私は…!」

 

強敵に挑むのだから武器や防具はまともなものを装備すべきだったのだ。悔やんでも悔やみきれない。

 

「詰みって奴か…」

 

僅かな諦念が含まれた呟きを小声でこぼしつつ、ラージャンに立ち向かおうとしたその時ーーー

 

「待ちな、お前の相手はこの俺だろう!」

 

土煙が晴れたそこには、血を流しつつもいまだ健在のアレックスがいた。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「しかしギルドマスター、本当に金獅子の狩猟を許可してよかったのか?今からでも我らのハンターを派遣した方がいいのではないか?」

 

援軍を提案したのは我らの団の団長である。一応見送ったものの、今回は流石に不安なようだ。

 

「いんや、彼ならやってくれるじゃろう。それに彼女がいる。大惨事になることはないじゃろうて」

 

「ふむ…わかった。彼らを信じよう」

 

そうまで言われては仕方がない。今は待つしかないようだ。

 

「そうじゃ、信じるのじゃよ。根拠のない自信ほど頼りになるものはないのじゃろう?」

 

いつだったか、自分で言ったことをそのまま返されてしまった。

 

「はは…!彼は一本取られたな!」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「遅いじゃないか君…もう少し遅かったら二人揃ってラージャンのおもちゃになるとこだったよ…」

 

安堵の表情で文句を言うリーフ。

 

「すまんすまん、まさかアレがブレスを放つとは思わなくてな!だがもう大丈夫だ!後は俺に任せておけ!」

 

ニカッと笑い、金獅子と向き合うアレックス。

対する金獅子は仕留めたはずの敵が復活したことに少なからず混乱をしているのか威嚇をするだけだ。

 

「さあレオン、後は彼に任せて私たちは下がろう」

 

未だ惚けているレオンに優しく語りかけるリーフ。しかし彼の返答はーーー

 

「しゅ、しゅみませんししょ、腰が抜けて…」

 

噛み噛みの上に腰が抜けて歩けないときた。

 

「全く君は…でもこれはしょうがないか。よし、しっかり掴まってなよ!」

 

そういうと彼女はレオンを背負い戦線を離脱する。

残ったのはラージャンとアレックスだけであった。

 

「金獅子よ…お前は想像以上だった。初めは所詮は猿と侮っていたが本当に素晴らしい筋肉だよお前は。鍛えた末にブレスを放てる様になるとは感服した」

 

一部勘違いをしながらも相手を讃えるアレックス。そして彼は全身に力を入れ、震え始めた。

 

「故に俺は!お前に!奥義を見せよう!」

 

アレックスの震えが加速する。振動は大気を震わせるせ加熱させる。

 

「おおおおおおおお!!!」

 

止まらないアレックスに金獅子は動くことすらできない。

あの金獅子が、恐怖に竦んでいるのだ。

 

そして、アレックスの震えが頂点へと達する。

 

「おおおおおおおおおおおおおお!!!これが!筋肉の!究極だ!

奥義、筋肉大爆発(マッスルボンバー)!」

 

ーーー白い光と衝撃波、遅れてやってきた轟音があたり一帯が破壊したーーー

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

場所は変わり、此処はギルド内部の奥にある会議室。本来なら静かであるその場所には1つの声が響いていた。

 

「君は!君ってやつは!なんでそうむちゃくちゃなんだい!?」

 

声の主はリーフであり、怒鳴られているのはアレックスのようだ。

 

「な、何かまずかったか?」

 

「まずいもクソもあるかい!そもそもなんなんだアレは!あんな兵器を持ってきてるなら先に申告してくれ!」

 

先程の大爆発について問いただしているようだが…

 

「兵器?そんなもの持ってきてないぞ?俺の武器は、この鍛え上げた肉体だけだぜ!」

 

「ポーズを決めるな!というか兵器じゃないって…?」

 

「うむ、アレはな、筋肉を超高速で振動させる事により熱を生み出す奥義だ。振動と熱で周りを融解させる技なのだが俺がやるとなぜか爆発するのだ」

 

おそらく筋肉の加護だろうな!と意味のわからない事を言ってあるアレックス。しかしリーフの耳には入ってこない。

 

「はい…?振動…?あれが体術?」

 

信じられないようなものを見るリーフ。しかし仕方ないだろう。あんなものを人間がやらかしたというのは、俄かには信じられない。

だが実際にこの目で見ているのだ、信じるしかあるまい。

 

「わかった…もういいです…私は戻るよ…頭がいたい…」

 

ようやく立てるようになった弟子を連れて家に向かうリーフ。明日は休みにしようと思いながらギルドを出ようとした瞬間、後ろから悪魔の声が聞こえた。

 

「あ、そうじゃリーフや。お主とそこの筋肉ダルマにギルド本部からの命令が下っておるぞ。なんでも遺跡平原破壊、それに伴うパワーバランスの崩壊が起きて軽く地獄になってるそうじゃ」

 

ギギギ、と油が切れた人形のように首を回す。

 

「つまりそれは…」

 

「後始末じゃな。報酬はなしじゃよ」

 

ーーー筋肉なんて大っ嫌いだー!!!!という怨嗟の声がバルバレ中に木霊したーーー

 




おまけの番外編なんでここでアンケートとろうかな。モガの村を個人的には出したいんですけどどうかなって

レオン君の武器

  • 片手剣
  • 太刀
  • 双剣
  • その他※作者はその他は初心者です
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