隻腕の師匠と捨て子の弟子   作:銀髪っ娘にTS転生したいおじさん

8 / 30
マジで勢いで思いついたやつです。しかも初投稿。この時点でお察しクオリティなので読んで不快になったら即ブラバをお勧めします。ちなみに4にジャギィは出てこないような気がしたけどめんどくさいんで知ってる作品のモンスターやステージを混ぜると思います。基本路線は4ですが…
追加:ちょっと編集しました


1章
1話


「ふっ!」

 

真横に振られる太刀。その太刀筋は容赦なくジャギィを両断する。

 

「ギャン!」

 

恐ろしく綺麗な振りにジャギィが反応できるはずもなく、内臓まで切られた哀れは獲物はあっけなく生き絶える。しかし彼女その刀の勢いを止める事なく、返す刃で後ろから迫っていたもう一頭のジャギィの首を斬る。

 

「ギャイ!」

 

無駄のない最低側の動きだったが、その刃は動脈まで達したのか、ジャギィは首から血を壊れた蛇口のように流しながら転がっていった。

 

「これで最後か…多かったな…」

 

そう呟きながら自身の武器、鉄刀【楔】、に纏わり付いている血を払い脂をぬぐい落として背にしまう。8匹のジャギィの死体に囲まれながら、斬った少女…に見えるが彼女は天人族であり、実際はそれなりに歳を重ねている…は微塵も疲れた気配を見せずそう独り言ちる。

 

死体のパーティー会場と化したその場所にはあまりに場違いな雰囲気、そして容姿であった。

肩までの長に切り揃えてある髪は高級な絹のような白く、瞳は深海を思わせる群青。

一目ではとてもではないがハンターと思えぬ外見で、静かにしているとまるでまるで精巧に作られた人形なのではないかと思わせる。儚さすら漂わせる美しさ故に、異物の存在が余計に目立つ。

 

 

彼女の左腕は、銀の義手であった。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

この世界にはハンターという職業が存在する。する事は多岐にわたるが、覚えておくべきことが一つ。

 

「自然と人の調和」

 

ハンターは常にそれを念頭に置いておかなければならない。

 

ハンター職とはこの世界の華である。多くの人が憧れ、志望する。強敵を打ち倒し、英雄になる事を夢見て。もちろん、他に仕事なく食べていくためや、何かやむを得ない事情があってハンターになる者もいるだろう。しかし、ハンター志望者の大半が強いモンスターを倒し、その名誉を享受することが目的あった。

 

だが、実際に英雄となる者はごく僅かであり、正しく一握りと言った表現が適切だろう。

ほとんどは「それなり」止まりである。上位ハンターもそこそこな数しかおらず、下位で立ち止まるハンターも多い。G級ハンターともなればその数はぐっと減り、貴重な戦力故に自由に居場所を変えることすらギルドから止められる事もある。

ハンターになっても、体の一部を欠損してしまい直ぐに引退してしまう例も多いどころか死ぬ事だって何も珍しくない。

それでもハンターになる事を希望するが多いのはそれだけ英雄になるのが魅力的なのだろう。

 

かく言う彼女もハンターである。しかし今は左腕の欠損により一線を引いている。採集クエストとたまに小型モンスターの討伐クエストをしつつ、アイテムの改良に取り組みながら細々と暮らしている。

今回も採集クエストで適当に特産キノコを集めるだけだ。その予定だったのだが、途中で聞こえてたのだ。この場所にふさわしくない、非力な赤ん坊の鳴く声が。

 

ここは密林であり、常識的に考えてこんな場所で聞こえるはずがない。はずがないのだがどうしても放っておけず、探し回っていたと言うわけだ。

 

「頼むから空耳であってくれ…」

 

密林に捨て子、そんな嫌な可能性に顔をしかめつつ進んでいく。そして…

 

「はぁ…やはり空耳ではなかったか…」

 

そこにはぐずる赤子とそれに群がるジャギィ達。盛大に舌打ちしつつ、赤子を救出するべくジャギィ達を掃除する。

かくして、話は冒頭に戻る。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「さて…どうするか…」

 

彼女は現在、自分の住居、つまりマイハウスに例の赤子を連れて戻っていた。

採集クエストしかしないハンターに2等マイハウスが与えられているようだ。かなりの待遇である。

 

閑話休題

 

とにかく、とりあえず彼女は依頼をクリアして本拠地、つまりバルバレに戻ったわけだが…

 

「孤児院…なんてないしなぁ…かといって預かってくれそうな場所もないし…」

 

捨て子を引き取ってくれそうな場所の代表格といえばやはり孤児院だ。ギルドや国が集めた税金が支給されるのと、心優しい者の寄付金で成り立っている。

しかしここは砂漠の貿易拠点であるバルバレだ。孤児院などあろうはずがない。

もちろんバルバレは良いところだ。が、流石に見ず知らずの赤ん坊を無償で見てくれるような人はいない。というか別にバルバレじゃなくてもそんな事をしてくれる人は聖人かシスターくらいしかいないのではないだろうか。

 

悩みに悩み、いろんな案を思いついては否定する。そんな事を続けた結果、たどり着いた答えは…

 

「いたしかたないな…ない…私が育てるか…」

 

自分で育てるという結論に至ったのだ。が…

 

「なんか早まった…?」

 

その後しばらくして実は他に選択肢があったのでは、と焦り始める彼女であった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「師匠!商人さんからいただいた竜の牙と爪は此処に置いておきますね!」

 

「うん、ありがとうね。でもその師匠ってのは…」

 

「それじゃあ次の荷物を取ってきますね!」

 

「話を聞いてくれ…」

 

月日は経ち、赤ん坊は少年となった。

今は自分を拾って育ててくれた隻腕の彼女のもとで手伝いをしている。

素直だが、話を聞かないのがたまにキズではあるが…。

 

「あらあらまあまあ、こんなに立派に育ってしまってねえ〜」

 

レオンが歩いていると、横から声をかけられた。

声をかけたのは彼らの家のすぐ近くに住んでいるご近所さんである。おっとりとしているが的確なアドバイスをしてくれることで少し有名だ。

実際に、育児経験など皆無な彼女がレオンを育てるときも何度もアドバイスをしてくれたそうだ。

 

「あ、おばさん!こんにちは!」

 

「はい、こんにちは〜レオン君」

 

栗色の短髪に同じ色の瞳を持ち、人懐っこい笑顔を浮かべるレオンと言われた少年は元気よく挨拶をする。彼はその後、レオンと名付けられたのだ。

ちなみに名付けたのは拾った本人ではなく、周りの人たちである。本人はジャギィの群れの中で見つけたから「ジャギィ丸」と名付けようとしたが、その適当かつ壊滅的なネーミングセンスを見かねて近所の人からいくつか名前の候補を出されたわけである。しかも最終的に決定したの方法はクジだったわけで…

 

「リーフちゃんは元気?」

 

「ええ、リーフィール師匠も元気ですよ。でも相変わらず研究メインでクエストは簡単なものをのんびりやってますね…」

 

リーフと呼ばれた彼女こそ、彼を拾った張本人である。

 

「かわいい名前してるのに乙女らしさがないのよねぇ…」

 

「はは…全くです。でもそれも師匠らしいといえばそうなんですけどね。まあもう少し可愛い格好とかしてもいいと思いますね。」

 

本人がいない事をいい事に2人とも好き放題である。いや、この2人なら居ても良いそうである。

 

「ふぇっくしょん!…ずず…風邪かな?天人族は風邪に強いはずなのだが…。まあ良いか、さて…この爪に細工をして粉末状のニトロダケを入れれば散弾の威力が増すはず……。そーっと、そーっと…って、まずい、はにゃにはい…ぶえっくしょい!ってああ!粉が!飛んでいく!やらかした!」

 

本人は全く気づいていないようである。彼女が乙女に目覚める日は来るのだろうか。

 

「ずび…仕方ない、次はこの溶かしたネムリ草を蒸留させて濃度を高めよう。これが何の役に立つか不明だが、実験とは古来よりそういうもの…だと思う…」

 

そんな事をぶつぶつと独り言を言うリーフ。側から見ればただの変人である。

 

「こりゃあ…ダメかな…?」

 

そんな師の様子を見ていた弟子は諦念のため息を悲しげにつくのであった…

モガ村、森について

  • 欲しい
  • 欲しくない
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。