隻腕の師匠と捨て子の弟子 作:銀髪っ娘にTS転生したいおじさん
しかし文章書くのって難しいっすね…私ではこれが限界じゃけぇ…
「お願いです師匠!僕がハンターになる事を認めてください!」
時刻は夕方。既に日は落ちており、そろそろ帰ってきたハンターたちで酒場が賑やかになる頃合いで、バルバレの端っこにある小さな家の中で、大きな声が響く。
声の主はレオンであり、リーフに自分がハンターになる事の許可を求めているようだが…
「…とりあえず外に飯食いに行こうか。そこで話そう。はぁ…」
あまり表情を出さないリーフだが、今回は結構なしかめっ面である。本人はあまり乗り気ではないようだ。
「わかりました。でも絶対認めてもらいますからね!」
だがレオンは、そんなリーフの心情など御構い無しと言わんばかりに叫ぶ。一体何が彼をそこまで言わせるのだろうか。原因は1週間まで遡る。
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レオンはいつも通り荷物を受け取り、いつもの分の回復薬と解毒薬を調合していた。「その時は」彼はハンターではなかったが、備えあればなんとやらということで作っているのだ。ちなみに余った分はよくギルドにおすそ分けしている。回復薬と解毒薬はあって困るものでもないので、ギルドも受け取ってくれている。
荷物を置き終え、とりあえず朝の分は終わった…そう思ってバルバレをぶらぶらしていると、珍しい人をみた。
キャラバン「我らの団」の団長である。
「おはようございます。団長さん!」
だが挨拶はコミュニケーションの基本。同じバルバレに居る人ならば挨拶するのは当たり前である、という事で話しかけたのだが…
「おう!おはよう!君は確か…リーフィールの弟子だったかな?」
想像していた以上に豪快で大きな声が帰ってきた。多少面食らったが、まあキャラバン団長なのだ、それくらい元気でないとやっていけない部分もあるのだろう。
だがそれにしても…
「なんか嬉しそうですね。笑いが溢れていますよ」
レオンの記憶にある限り、ここまで上機嫌の時はなかった。
「お!?分かっちまうか!そうかそうか!はっはっは!」
そう言いつつ、なお嬉しそうにしながらバシバシとレオンの背中を叩く。なかなかの力であったが不思議と痛くなく、大きな手はどこか安心感を与えてくれるような気がした。
「ええ、それだけニコニコしていればわかりますよ。何がそんなに嬉しかったんです?」
単刀直入、別にやましい事があるわけでもない…と思うので直球で聞いてしまう。
「はっは!そのいきなり本命を聞いてくる感じは師匠譲りだな?そして良くぞ聞いてくれた!なんと、我らの団に新しいハンターが来るのだ!」
それを聞いたレオンは内心首を傾げた。確かにこのキャラバンは小規模である。新たなハンターが来るだけで嬉しいものがあるのだろう。しかしそれにしても喜びすぎてはないか…
そんな事を考えていると…
「そいつはな、他のハンターとは違うんだ」
心を読まれたのか、或いは偶然か。ともかくレオンの疑問は解消された。しかし新たな疑問が浮かぶ。もちろん当然な疑問であるが。
「何がすごいんですか?素手でジャギィ程度なら立ち向かえるとか?」
自分で言ってて、「こりゃないな」ともかく思いつつも聞いてみる。ステゴロでジャギィとやりあえる新米ハンターなど何処にいるのだろうか。筋肉モリモリマッチョマンの変態くらいしかできなそうである。
が、帰ってきた答えは想像を遥か彼方上空を通過ものだった。
「そいつはな、インナーだけでダレン・モーランに挑んだんだ」
「はい?」
バカなのだろうか。いやバカなのだろう。聞けばこのままダレンが進むとバルバレが壊滅してしまう、しかし止められるのは自分しかいない。そこで迷わず奴に大砲打ち込んだりし始めたらしい。インナー一丁でダレンの体当たりなど食らって仕舞えば良くて大怪我、悪ければ即死だと言うのに…
しかもさらに話を聞くと、団長の帽子のために奴の背中に乗り込んだそうだ。
「なんていうか…ものすごい行動力ですね…普通はできませんよ…」
「だな、しかもそんな事をやった理由がまたすごいんだ」
「理由?」
「ああ、なんでそこまでしてくれたのか聞いたんだよ。そしたらあいつ、『困ってたからっすよ』だってよ!」
「ええ…すごいお人好しというか…」
呆れてしまった。見ず知らずの他人のためにそこまでの危険をわざわざ冒したのだ。だが…その話を聞いて、なぜかとてもハンターというものが輝いて見えた。
「一応その後に『ハンターは体が資本だからな?無茶をするなよ』とは言っておいたが…アレは同じことが起きたら同じことをするだろうな…」
「へぇ…ちなみにその方の特徴とかってあります?」
そんなハンターなら一目見てみたいものだ。そんな事を考えつつ聞いてみると…
「ん?ほれ、これが似顔絵だ。うちの受付嬢が描いたやつだぞ。」
ーーーそこには、極太眉毛のハンターが描かれていたーーー
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あれから数日、未だ胸にあの話が引っかかる。自分は何がしたいのか?いや、わかっているはずである。自分は、ハンターになりたいんだ。もともとこの気持ちは前からあった。時々とはいえ、小さい頃から師の採集についていってたのだ。憧れないはずがない。だがーー
「師匠はダメって言うだろうなぁ…」
師が同行を許可するのは簡単な採集クエストだけであり、どのような小型モンスターであっても討伐クエストには連れていってくれなかった。
理由はなんとなく察しがつく。左腕だろう。
「自身が大怪我をしているからその恐ろしさ、危険さを良く知ってる…こりゃあこっちの説得材料が足りないなぁ…でも諦めたくないなぁ…」
だがレオンの気持ちは膨れ上がっていた。おもむろに懐から極太眉毛のハンターが描かれた紙を取り出す。
「かっけえよなぁ…」
途方にくれる。事態は進展の見込みがない。するとーー
「お隣いいかしら〜?」
「マーガレットおばさん…」
マーガレット。少し前、本人がいない事をいいことにレオンと好き放題言っていたご近所さんである。
「どうしたのかしらぁ?」
「僕、ハンターになりたいんです…でも……」
「リーフちゃんがそれを許さないと思うって?」
「…はい…」
「案外、そんなことないかもしれないわよ?」
「え?」
思いもよらぬ発言に、つい顔を向けてしまう。マーガレットは穏やかな笑みを浮かべ、黒い瞳でこちらを覗いていた。
「レオン君がハンターに昔から憧れてるのはリーフちゃんも知ってるはずだしね〜」
衝撃の事実。自分の思いはすでにバレていました。頑張って隠していたはずなのに!
「…マジで?」
「大マジよ〜。他のハンターさんのすれ違うときに羨ましそうに見てたりしてたじゃない〜」
「そんなぁ…でも言われてみればめっちゃガン見してましたね僕…」
うまく隠していたつもりだった故にダメージが大きい。レオンはがっくりとうなだれる。
「でも、リーフちゃんはレオン君が昔からハンターに憧れてるのを知っている。その思いが1日や2日でできた軽いものではない事を知っている。なら、本気で攻めて覚悟を見せれば意外となんとかなるんじゃないかしら〜?」
「覚悟を見せる…」
「まあ適当に頑張ってね〜」
言いたいことは言ったと、マーガレットは手をひらひらと振りながら帰る。随分と軽いが、今はその軽さが羨ましく思った。
「そうだよ…このままじゃ何も進まない。なら、やるしかないな!よし!なら早速明日にでもいってみよう!」
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「そんで?なんでまた急にハンターになるなんて言い出したんだい?」
「急じゃないです。わかってますよね師匠」
ごまかしは効かないと強気に攻める。ここで引くわけにはいかない。攻めて攻める前に出るのだ。そうでなければ負けてしまう。
お互いを見つめる。5秒か、10秒か。永遠とも思える沈黙は、リーフの発言により破られた。
「全く…こうなるとテコでも動かないんだよなあ君は…あー!わかったよ!どうせここで却下してもネンチャク草の如くしつこく来るんだろう!?よし、君がハンターになるのを認めよう」
意外や意外、もっと手こずるかと思ったがあっさり決まってしまった。あまりにあっさり決まったので、若干拍子抜けしつつもレオンは礼を言う。
「あ、ありがとうごz「でもいくつかの事は守ってほしい。」
浮かれていたレオンだが、その言葉で落ち着きを取り戻した。そうだ、ただで認められるはずがない。だがここで諦めるわけには絶対にいかない。
(さあどんなことでも来い!)
だが、意気込むレオンに言われた事は、またしても想像とは違うものだった。
「一つ.ハンターの基本理念を常に頭に置いておく事。ハンターはモンスターを殲滅する職業じゃあない。自然と人の調和を図る役目なのさ。
二つ.ハンターになるからには、武器は絶対に人に向けない事。ハンターは、傭兵ではない。だから何があっても武器を向けない事。例えギルドが軍の過激派に占領されたとしてもね」
そして一泊置いて
「三つ.必ず、必ず生きて戻る事」
強く、肩をつかまれながら言われた。
「…はい!絶対に守ります!ありがとうございます!師匠!」
これが師の指示、いや、最後の一つはもはや願いである。
レオンは、絶対に師の言葉を守ると誓った。
「本当に…誰に誑かされたんだが…大方、マーガレットさんだろうけど…あの人の言葉は妙に心に残るんだよ。凄い人だし根はいい人なんだけど、半分酔狂で人を誑かすのは勘弁して欲しいものだよ…」
レオンの覚悟に気圧されて、つい認めてしまった。だが彼女の顔は妙に清々しく、笑みがこぼれていた。
「でもまあ嬉しく思う自分がいるのも事実だ」
呟やかれたリーフの本音は、誰に聞かれることもなく酒場の喧騒に溶けていった。
のんびり進めていきます。レオン君の武器は何がいいかな。ちなみに師匠の相棒は太刀です。
モガ村、森について
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