そうして、真意の通りに間違える   作:かんきつ

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そうして、真意の通りに間違える2

何を話せばいいかわからない。

彼女はずっと話そうとも、顔をあげようともしない。ただひたすらに悲しそうにうなだれている。

だが、このままでは何も進まない。

「さなちゃん、ちょっといいかな」

「……弟の、ことですか?」

今まで彼女は様々な仕打ちを家族から受けてきた。消えてしまいたいと願うほどに。

「うん、それなんだけど……」

言葉が詰まる。でも。

「さなちゃんの弟が、さなちゃんを探してるって…」

言ったものの、続かない。次の言葉を探さないと。

「……でも、私は魔法少女にしか見えない体になちゃってますよ。いろはさん、どうしましょうか?」

予想と少しずれた言葉が返ってきた。しかしなにがどうずれたのかを考えている暇はない。

「そう、なんだよね。どうしたらいいかな……」

「……そういえば、弟はなんでスケッチブックを持ってたんですか?」

あまり上手じゃなかったはず、と付け加える。

「なんか、さなちゃんのことを一瞬思い出したらしく、それで絵に描いて忘れないようにしたらしいよ」

名前を言った後に言っていたのを思い出しながら言う。

「そう、ですか……」

そのあと弟の以来の解決はみかづき荘のみんなと話し合うことに決め、話もせずに足早にみかづき荘へ戻った。

 

「さなは固有魔法使って相手を羽交い締めにして、そんでオレが真正面からハンマーでドーン!うまーく忘却魔法使って相手から情報を引き出す!どうよこれ!」

「それ、私も巻き込まれませんか?」

「あー……」

「……あまり変わった様子はないから本人はあまり気にしていないのかしら」

帰って真っ先にやちよに相談した。あまり本人の前で話したくなかったのでフェリシアには助かった。などと思っていると、

ピコンッ!

「うわっ!」

頭に届いた軽い衝撃とともに軽快な音がみかづき荘に鳴り響く。

「あれ……えっと……何をしようとしたんだっけ……?」

「ほら!見たかさな!これなら相手も傷つけないぞ!」

「だからって今実演しなくても……あぁ、いろはさん大丈夫ですか?」

「う、うん、何が大丈夫なのかわからないけど多分大丈夫だよ。」

「フェリシア……!」

「うげっ、やちよ、そんなに怖い顔するなよ……わ、悪かったって!ごめん!いろは!」

「う、うん。とりあえだいじょうぶだよ?で、やちよさん、私は何をしようとしたんでしたっけ」

さなの弟云々。

「さて、困ったものね……一般人が魔法で消えている二葉さんと会うのは魔女の結界とかでしかできないだろうし、写真でも見えなくなっちゃうのよね……」

「あのねむってやつに安全なウワサをつくってもらうんじゃダメなのか?」

「ねむちゃんは今魔法の制限にかかってるからむりだよ、」

「なんか……皆さんすみません……」

さなは申し訳なさそうな顔をする

「いいのよ。今までさなさんをいじめておいて今更思い出しただなんて都合が良すぎるわよ」

ははは、とさなは苦笑する。

「だったらさー、絵はどうなんだ?」

「……フェリシアちゃん、今日はなんだかやけに冴えてるね」

「かこと今日は作戦会議をしたからな!」

頭が回ってる、という旨だろうか。

「でも絵を描ける魔法少女なんていたかしら。」

「それはオレも知らねーぞ」

「……………………」

「…………………………」

「……………………………………」

4人とも頭を悩ます。

「……だれか、魔法少女との繋がりが多い人っていたかしら。その人に聞いてみましょう」

「みたまさん、ですかね。」

「あいつはあてになんねーし、むしろ自分で描き始めるんじゃねーの?」

今日のフェリシアはリスクヘッジもしっかりとできている。素晴らしい。

「……そういえばいろはさん、相談所、とかしてる人いませんでしたっけ?」

「さなちゃん、それだ!」

「.あぁ、あの商店街にいる女の子たちのこと?」

「あー、なんかいたなぁ……あんまり知らねーけど」

「さなちゃん、明日も外に出るかもしれないけど、大丈夫かな?なんなら私1人で行ってくるけど……」

「い、いえ!そんな、全然大丈夫なので行きましょう!ぜひ!」

 

 

「手、繋ご?」

「あ、はい!」

前回と同じ轍は踏まない。

週末。例の相談所へ向かうべく商店街へ来ていた。

「ん、あそこかな?」

「……あ!ろっはー!久しぶりー!」

「衣美里ちゃん!久しぶり!」

「おっと、そっちの人は?」

「えっと……二葉……さなです……よろしくおねがいします……」

「二葉さなちゃんだね!そうだねー、うーん……」

衣美里は手を頭に当て、なにかを生み出そうとしている。

「うーん……あっ!さーちゃん!さーちゃんだ!うん!さーちゃんに決定!」

「えっと……?」

「あぁ、衣美里ちゃんはね……」

ニックネーム云々

「なるほど……」

「これからよろしくね!さーちゃん!」

「よ、よろしくお願いします……」

「で、今日はどんな悩み事かな?」

「えっと、……悩み事とは少し違うんだけどね。」

「うんうん。なんでもカモーン!」

「絵を描ける魔法少女を探してるんだ」

「絵を描ける魔法少女……」

「いないですかね?」

少し悲しそうにさなは見つめる。

「うーん、そうだね、絵を専門的に描いている人は聞いたことないかな……」

「あぁ、そうなんだ……」

魔法少女は全員友達と言わんばかりの衣美里であればと思ったのだけど。

「でも絵日記を描いている人なら知ってるよ!」

流石魔法少女は全員友達と言わんばかりの衣美里だ。

「絵日記と肖像画って結構違うと思うんですけど大丈夫なんですかね?」

さなが耳打ちする

「よくわかんないけど、私たちよりかは上手く描けるんじゃないかな?」

「それもそうですね」

さなは笑顔をもらす。

 

その後衣美里の紹介によって絵日記を描いていると言う『五十鈴れん』なる人の元へ向かう。なんでも今お家デート中だそうだ。そんな、デート中にお邪魔していいとはどういうことだろうか。疑問を抱きつつ、教えられた住所へ向かう。

「ほ、本当にいっちゃうんですか……?」

「そりゃあ紹介されたらいくしかないよ……ちょっと怖いけど」

無理もない。まだ中学生に彼氏など早すぎる。

「あ!来たよれんちゃん!」

扉が開き、2人の女の子が出てくる。キラリと指輪は光り、それは清純さと健気さを思わせた。

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