迅雷の軌跡Ⅱ   作:カオスカラミティ

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閃Ⅳでは内戦終戦直後にミルディーヌがコンタクトを取ったとオーレリアは言っていましたが、この小説では独自のルートでコンタクトを取るのでご了承下さいm(__)m


〈迅雷〉VS〈黄金の羅刹〉

レイ「〈黄金の羅刹〉オーレリア・ルグウィン将軍と〈黒旋風〉ウォレス・バルディアス准将ですね。自分は帝国正規軍・鉄道憲兵隊所属〈迅雷(サンダー・クラップ)〉のレイ・リーヴェルトです。」

 

オーレリア「ほう~、あの〈氷の乙女(アイス・メイデン)〉の義弟か。確か鉄血宰相直属の部下である〈鉄血の子供達(アイアン・ブリード)〉に仮とはいえ、所属していると聞いている。」

 

レイ「ええ、その通りです。」

 

ウォレス「それで、将軍と戦いというのはどう言った理由かな?」

 

レイ「理由も何も……武を学ぶ者なら将軍とは一度は対戦したいと思うもの。それ以上の理由が必要でしょうか?」

 

するとレイの言葉を聞いたオーレリアはフッと笑い、黄金の大剣〈宝剣アーケディア〉を取り出し、レイに向ける。

 

オーレリア「そのような建前の理由を聞いているのではない。本当の理由を述べよ。」

 

レイ「アハハ。さすが〈アルゼイド流〉と〈ヴァンダール流〉を修めたお方だ。そうですね、本当の理由は貴方達の力が必要なんですよ……『ある計画』の為にね。」

 

レイがそう言うとミルディーヌが前に出てくる。

 

ミルディーヌ「私達が勝てば、『ある計画』に協力してもらう。貴方達が勝てば……そうですね、レイ兄様を貴族連合に加えても構いませんよ。」

 

ウォレス「ほう。」

 

オーレリア「なかなか良い条件だな。」

 

レイ「では戦っていただけますね。」

 

そう言ってレイはカイザークローを両腕に装着するが……

 

オーレリア「ああ。だがその武器はいただけぬな、私は我が家に伝わる宝剣で挑むのにそなたは本当の武器で挑まぬのは失礼ではないか?」

 

レイ「っ!!……フッ、まさか俺の本当の武器の事を見抜くとは……。なら、ご希望通りにしましょう!!」

 

オーレリアに自身の本当の武器の事を見抜かれたレイは〈カイザークロー〉を外し、両手を目の前にかざすと空間にヒビが入り、穴が開く。

そしてその中に両手を入れて引き抜くとレイの手には漆黒の魔剣〈カイザーブロード〉と魔槍〈カイザートライデント〉が握られていた。

 

オーレリア「ほう、それがそなたの本当の武器か。禍々しいオーラを感じる。」

 

レイ「それだけじゃありませんよ。フウゥゥゥ、〈邪竜吼〉!!」

 

オーレリア「そんな技も隠していたのか、なら私も本気で行こう。ハアァァァァッ!!」

 

魔剣と魔槍だけでなく、邪神竜の力を自身に付与して力を上げる〈邪竜吼〉を発動したレイ。それを見たオーレリアも自身の黄金の闘気を爆発させる。

 

レイ「さあ、始めましょうか。〈黄金の羅刹〉オーレリア・ルグウィン将軍!!」

 

オーレリア「来るがよい。〈迅雷〉のレイ・リーヴェルト!!」

 

2人「ハアァァァァァッ!!」

 

―ガギィィィンッ!!

 

2人は真正面から相手に向かっていき、オーレリアはアーケディアを振り下ろすがレイはそれを左手に持ったカイザートライデントで受け止める。

 

レイ「セイッ!」

オーレリア「フッ!」

 

オーレリアの攻撃を受け止めたレイはすかさず、右手に持ったカイザーブロードを振るうがオーレリアは後ろに下がった。

 

レイ「ヘルライジングショット!!」

オーレリア「四耀剣!!」

 

レイは後ろに下がったオーレリアに向けてカイザートライデントから雷を纏った赤黒い光弾―ヘルライジングショットを放つが、オーレリアはクラフトの1つ―四耀剣でレイの光弾を消し飛ばし、しかも斬撃はそのままレイに向かってくる。

 

レイ「チッ!ヘルライジングスラッシュ!!」

 

レイは咄嗟にカイザーブロードを振るい、雷を纏った赤黒い斬撃―ヘルライジングスラッシュを放ってオーレリアの四耀剣を相殺した。その後、2人はそのまま何合も打ち合いをする。

 

 

カレン「うわぁ~……さすがレイ大尉。あのオーレリア将軍と互角ですよ……。(汗)」

 

ザギ「考えてみたらレイ大尉も半分以上人間やめてたな。(汗)」

 

ウォレス「はは…。まぁ、私も昔は将軍は人間じゃないんじゃないかと思ったものだ……(苦笑)」

 

ミルディーヌ「あっ、どうやら決着をつけるみたいですね。」

 

ミルディーヌの言う通り、先程まで打ち合っていた2人は互いに距離を取り、必殺技の構えを取っていた。

 

 

レイ「さすが〈黄金の羅刹〉。俺の技も攻撃も全てさばいてくる。」

 

オーレリア「それはそなたにも言える事だがな。ここまで熱くなったのは〈アルゼイド流〉の師との対決以来よ。」

 

そして2人は必殺技を放つ為に武器を振るう。

 

レイ「デッド・スラッシャー!!」

オーレリア「王技・剣乱舞踏!!」

 

レイの魔剣と魔槍から放たれた斬撃が、オーレリアの宝剣から放たれた無数の剣が中央でぶつかり、大爆発を起こした。

 

そして爆煙が晴れると……

 

レイ「クッ……。」

 

オーレリア「フフッ。」

 

お互いが片ひざをついていた。

 

カレン・ザギ「レイ大尉!!」

 

レイ直属の部下である2人はレイの状態を見て慌てて駆けつける。

 

カレン「大丈夫ですか?」

 

ザギ「ケガなどは?」

 

レイ「ああ、大丈夫だ。やはり〈黄金の羅刹〉は強いな。」

 

オーレリア「フフッ、そなたも十分に強いぞ。なんせ私の服に傷をつけたのだからな。」

 

そう言うオーレリアのマントはレイのSクラフトによって少し切れていた。

 

オーレリア「よって対決は引き分け。だがここまで熱くさせてもらった礼だ。そなた達の『計画』とやらを聞こうか?」

 

ミルディーヌ「その事なのですが、今は内戦の真っ最中なので内戦が終わり次第、また迎えに上がります。」

 

ウォレス「我々は別に構わないが、それで大丈夫なのか?」

 

レイ「ええ。俺達の『計画』は内戦が終了してから始まりますから。」

 

オーレリア「分かった。どのような『計画』か、楽しみにしているぞ。」

 

それだけ言うと、オーレリアとウォレスは要塞内部に続く扉へと向かう。だがオーレリアはその足を止め、レイの方を振り返って一言。

 

オーレリア「ところで先ほどの〈邪竜吼〉という身体強化技だが、全て出しきっていなかったな?どれ程の出力だったのだ?」

 

レイ「そうですね。50%~60%と言った所でしょうか?」

 

それを聞いたオーレリアは軽く笑い一言

 

オーレリア「次は100%の力を纏ったそなたと戦ってみたいものだな。」

 

そう言ってオーレリアは要塞内へと帰っていった。

 

ミルディーヌ「さて、計画の始まりとしては上々の成果を得られましたし、帝国東部に戻りましょうか?」

 

レイ「そうだな。なら四大名門の1人であるアルバレア公が治める地―バリアハートへ向かうぞ。」




レイとオーレリアの対決は引き分けです。

さすがのレイもオーレリアには圧勝出来ませんね。(というかオーレリアの師匠であるヴィクターとも引き分けてるから勝ったら色々と、ね。)

そもそもオーレリアに勝ったら〈鋼〉にも勝てるという事になるから、ちゃんと調整しました。

設定にSクラフト・デッドスラッシャーの事を追記しました

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