迅雷の軌跡Ⅱ   作:カオスカラミティ

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第三機甲師団

レイによる射撃訓練が終わり、〈スペランザ〉に乗り込む2人。(邪神竜はレイの体の中にいます。)

 

ミルディーヌ「それでは当初の予定通り、第三機甲師団が駐屯しているノルド高原に向かいましょう。」

 

レイ「ああ。スペランザ、頼む。」

 

『了解した。』

 

そしてスペランザは飛翔し、ノルド高原に向かう。

 

 

―10分後

 

レイ「あまり霊力(マナ)を消費しないように速度を落として飛翔していたが、それでもこんなに早く到着するとは……。」

 

ミルディーヌ「騎神という存在はとことん規格外なんですね。」

 

『レイ、そろそろノルド高原に到着するがどこに降りる?』

 

レイ「第三機甲師団が駐屯している〈ゼンダー門〉の前で頼む。」

 

『了解した。――むっ?』

 

スペランザがゼンダー門に向かおうとした時、何かを感じ取ったようだ。

 

レイ「どうしたスペランザ?」

 

『これから向かうノルド高原で戦闘音が聞こえた。』

 

レイ「戦闘音だと?」

 

『うむ。砲撃音とローラー音が聞こえた。恐らく砲撃音は戦車の物で、ローラー音は帝都近郊で戦った〈機甲兵〉の物だろう。』

 

それを聞いたレイは驚く。

 

レイ「何だと!?もう〈貴族連合〉の手がノルド高原にまで来ているのか!?」

 

そしてノルド高原に到着すると、そこにはあの光景が――帝都で見たのと同じような光景が広がっていた。

 

ミルディーヌ「装甲車がいくつも破壊されていますね。ですが、戦車の方は何台か無事な様子。さすがゼクス・ヴァンダール中将率いる第三機甲師団と言ったところでしょうか。」

 

レイ「そうだな。まだ機甲兵に対する対策が無いのに被害を最小限にしている。」

 

すると戦闘は終了し戦車部隊はゼンダー門へ、機甲兵部隊は監視塔へと帰還していった。

 

レイ「どうやら戦闘が終わったようだな。」

 

戦闘部隊と機甲兵部隊の戦闘の一部始終を見た後、レイはゼンダー門へと向かう。

 

 

―ゼンダー門前

師団兵「っ!!空から何かが降りてくるぞ!!」

 

師団兵2「貴族連合の飛行艇か!?」

 

師団兵3「いや、機甲兵のような物体だ!!」

 

師団兵「総員戦闘――」

 

レイ『その必要はないぞ。俺は帝国正規軍・鉄道憲兵隊所属レイ・リーヴェルト大尉だ。ゼンダー門の責任者であるゼクス中将にお会いしたいのだが。』

 

いきなり空から現れた翡翠の騎士人形に驚く師団兵達だが、その騎士人形から聞こえたレイの声に別の意味で師団兵達は驚く。

 

師団兵「レイ大尉って確か……」

 

師団兵2「数ヶ月前にトールズの実習で来ていた……」

 

師団兵3「声もレイ大尉に間違いない。了解しました!少々お待ち下さい!」

 

 

―そして数分後、ゼクス中将が出てくるとレイもミルディーヌと共にスペランザから降りてくる。

 

レイ「お久しぶりですゼクス中将。」

 

ゼクス「久しぶりだな、レイ大尉。してこの騎士人形は?」

 

レイ「帝国に伝わる〈巨いなる騎士〉の内の1体。〈翡翠の騎神スペランザ〉です。ところで現在のノルド高原の状況を聞かせてもらっても良いでしょうか?」

 

ゼクス「うむ、部屋に来たまえ。」

 

その後、レイとミルディーヌは司令室でノルド高原の状況を聞く。

 

ゼクス「2日前の事だ。帝都が貴族連合に占領されたと聞いて我々も動こうとした時、共和国が大規模な領空侵犯を犯した。それに対処しようとした時に貴族連合の飛行艇が機甲兵を連れて奇襲を仕掛けてきたのだ。」

 

ミルディーヌ「つまり、貴族連合は一時的に共和国と手を結び、監視塔のメンバーが共和国の飛行艇に気を取られている隙に監視塔を――と言う事ですね?」

 

ゼクス「その通りだ。」

 

レイ「それで被害は?」

 

ゼクス「監視塔が貴族連合の手に落ちてからまだ2日しか経ってないのでそれほど被害は無い。だが、問題が1つあってな。奴らが監視塔を占領してから高原で通信が使えなくなったのだ。」

 

レイ「という事は補給や援軍要請が出来ないと?それはマズイですね。」

 

ミルディーヌ「それにプラスして貴族連合は恐らくアイゼンガルド方面の部隊も動かして両面から攻撃してくる可能性もありますね。」

 

ミルディーヌの言葉にゼクスとレイは頷く。そしてレイはしばらく考えて一言。

 

レイ「なら監視塔方面の部隊は自分に任せて下さい。しばらくは攻撃してこないように痛めつけます。ゼクス中将はアイゼンガルド方面の部隊をお願いします。」

 

ゼクス「うむ、分かった。くれぐれも無茶はせんようにな。それと言いそびれていたが、ガイウスが集落に戻っているぞ。」

 

ゼクスの言葉にレイの顔が喜びに満ちる。

 

レイ「そうですか!良かった……。他には誰かいましたか?」

 

ゼクス「少女を2人、連れていたな。1人は以前の実習で来ていたグエン老のお孫さんで、もう1人は君達と共に猟兵崩れを捕らえた少女だ。」

 

レイ「アリサとミリアムか。ありがたい情報です。」

 

ゼクス「そうか。それでは作戦は明日の正午に始めよう。作戦立案部屋へ来るといい。」

 

その後、レイとミルディーヌはゼクスと共に作戦立案部屋に向かい、明日はどう動くは話し合ってその日はお開きとなった。




なんかレイが監視塔を攻略するような流れに見えますが、ご安心を。レイは敵勢力を少し弱体化させるだけなんで。

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