迅雷の軌跡Ⅱ   作:カオスカラミティ

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しばらく更新してなくて申し訳ありませんm(__)m

ノートに下書きして色々考えていたら、物凄く時間が経ってしまいました。


第1章・翡翠の戦記
ガレリア要塞へ


――ノルド高原の戦闘から1ヶ月と少し経ったセントアークのホテルにて

 

レイ「そろそろかな?」

 

ミルディーヌ「何がですか、レイ兄様?」

 

邪神竜「灰の騎神の起動者(ライザー)が目覚める。」

 

ミルディーヌの疑問に邪神竜が答える。

 

レイ「カレンとザギの情報によると灰は〈蒼の騎神オルディーネ〉と戦闘した後、飛び去ったらしい。恐らくどこかへ落ち延びて機を伺う為にな。」

 

邪神竜「だがリィンはその戦いで初めて〈灰の騎神ヴァリマール〉を起動し、戦った。恐らくたどり着いた地でしばらくは動けないだろうな。」

 

ミルディーヌ「もしかして、その動けない期間が?」

 

レイ「約1ヶ月だ。」

 

その時、部屋の扉が開いてレイ直属の部下であるカレンとザギが入ってきた

 

カレン「レイ大尉、〈Ⅶ組〉及びリィン・シュバルツァーの情報が入りました。」

 

レイ「聞かせてくれ。」

 

ザギ「まず、リィン・シュバルツァーについてです。ユミルに潜伏させた仲間からの情報だと、リィン・シュバルツァーはアイゼンガルド連邦で巨大な人型兵器と戦闘後、遊撃士と皇女殿下、自分の妹、紫色の猫と共にシュバルツァー男爵邸に帰還しました。」

 

レイ「人型兵器か。潜伏していた者は姿は見たのか?それと遊撃士と言ったが、特徴は?」

 

ザギ「人型兵器の方は機甲兵より騎神に近い感じだったそうです。関節部分には怪しく光る球体があったと。そして遊撃士の方ですが、金髪に白い上着で上級魔法(アーツ)をあり得ない速度で放っていました。恐らく魔法(アーツ)に特化しているのではないかと。」

 

レイ「なるほど。人型兵器は暗黒時代の魔導ゴーレム〈魔煌兵〉だな。そして、金髪に白い上着で魔法(アーツ)に特化している……トヴァル・ランドナーか。それでカレンの方は?」

 

ザギの報告を聞き終えたレイは次にカレンの報告を聞く。

 

カレン「はっ。〈Ⅶ組〉のメンバーの行方ですが、帝都知事の息子マキアス・レーグニッツ、クレイグ中将の息子エリオット・クレイグ、西風の妖精(シルフィード)フィー・クラウゼルの3人が今、ケルディックの元締めの配慮で東ケルディック街道の風車小屋にいます。それとザギ中尉の報告に1つプラスさせていただきます。リィン・シュバルツァーが遊撃士及び紫の猫と共にユミルを出発したそうです。」

 

カレンの報告を聞いたレイはしばらく考え込む。そしてミルディーヌに一言。

 

レイ「ミルディーヌ。もしお前がケルディックにいる3人の内の1人ならこの後、どう動く?」

 

するとミルディーヌは「フフッ」と軽く笑う。

 

ミルディーヌ「レイ兄様、この程度で私の能力を試しているのですか?ですが、良いでしょう。私が彼らの内の1人ならリィンさんと極秘に―そうですね、かの怪盗Bのような挑戦状を作って自分の元へ来させて再会し、その後は……」

 

カレン・ザギ「その後は?」

 

ミルディーヌ「ガレリア要塞を目指します。ケルディックからガレリア要塞は少し遠いと行っても歩いていけない距離ではありません。それにガレリア要塞にはエリオットさんのお父上が指揮している正規軍最強の〈第四機甲師団〉がいます。その方に接触出来れば、内戦がどのようになっているか等の情報が手に入ります。」

 

カレン「でも確か、ケルディックとガレリア要塞の間にある〈双龍橋〉には貴族連合がいますよ?」

 

ミルディーヌ「大丈夫です。確かに貴族連合が陣を敷いていますが、それは人が通る道のみ。ならば人が通らない道―線路を使って〈双龍橋〉を突破すれば良いんです。恐らく彼らも何らかの手段でこの事に気づくでしょう。」

 

カレン「す、凄~い……(汗)」

ザギ「さすが数万手先を読む事が出来る〈指し手〉だ……(汗)」

 

邪神竜「それでレイ、我らはどう動くのだ?」

 

レイ「そうだな。〈灰の起動者(ライザー)〉が再び動くなら、〈翡翠の起動者(ライザー)〉である俺も動くか。それに俺の予想通りなら、導力演算器並みの頭脳の持ち主がガレリア要塞にいるばすだからな。」

 

そう言ってレイは立ち上がり、邪神竜はレイの中に戻り、ミルディーヌとカレンとザギはレイの後を追ってホテルを後にした。

 

 

―イストミア大森林にて

 

レイ「スペランザ、状態はどうだ?」

 

スペランザ『ああ、すこぶる良好だ。』

 

レイ「なら良かった。今からガレリア要塞に向かうぞ。〈灰の起動者(ライザー)〉であるリィンと〈Ⅶ組〉のメンバーに会う為にな。」

 

スペランザ『分かった。カレンとザギは先日と同じように私の手の上で良いか?』

 

カレン「ええ、大丈夫よ。」

ザギ「頼むぜ。」

 

そしてレイとミルディーヌはスペランザの中に、カレンは右手に、ザギは左手に乗って一同はガレリア要塞へと向かった。


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