今回、リィン達は所々でオリジナルなセリフを言いますが、ご了承下さいm(__)m
ガレリア要塞――ここはクロスベルひいては共和国のすぐ近くの為、どこより強固な要塞になっている。そんな場所に4つの人影と1匹の猫がいた
リィン「これは……」
エリオット「帝国時報で要塞が消滅したのは知っていたけど……」
マキアス「ああ、まさかここまでとはな……」
フィー「どうやったらこうなるんだろうね?」
彼らはリィン・シュバルツァー、エリオット・クレイグ、マキアス・レーグニッツ、フィー・クラウゼル。トールズ士官学院の特科クラス〈Ⅶ組〉に在籍していた者達だ。
リィン「あの奥に見えるのはクロスベルか。しかし、あの青白い障壁のような物は……?」
トヴァル「何でもギルド仲間からの情報だと、クロスベルは〈力〉を手に入れたらしい。」
リィン「〈力〉……ですか?」
リィンの問いに答えたのは帝国遊撃士協会所属のトヴァル・ランドナー。
セリーヌ「っていうか、ここに来たのは〈赤毛のクレイグ〉とかいう人に会う為でしょ?早く行きましょ。」
今喋ったのは紫色の美しい毛並みを持つ猫―セリーヌだ。実は彼女はエマの使い魔なのだ。
トヴァル「そうだな。あそこに見える橋を渡れば、第四機甲師団がいるキャンプに行けるはずだ。」
マキアス「そうと決まれば早く行こう。クレイグ中将がいらっしゃるといいが……」
そう言ってマキアスが一歩踏み出すと、足下で「カチッ!」と何かを踏んだ音がした。マキアスは「ん?」という顔をする。
フィー「マキアス、動かないで!」
マキアス「へっ?……ぐあっ!?」
フィーは地面を蹴って一瞬でマキアスへ突進し、そのままマキアスに体当たりして彼と共に音がした場所から離れる。するとその場所が爆発し、周囲は爆煙に包まれる。
マキアス「なあぁぁぁぁっ!?」
トヴァル「ゲホッ…ゲホッ…!何だこりゃ!?」
フィー「やっぱり改良型の
?「ははっ、やっぱり気づいとったか。」
?2「腕を上げたようだな。」
フィーが見上げた方を見るとガレリア要塞の入口の上に2人組の男がおり、細身の男がそう言うと筋肉質の男と共にリィン達の前に降りてくる。
リィン「フィーの知り合いか?」
フィー「知り合いも何も……士官学院に入るまでは仲間だったし。」
マキアス「仲間って……まさか!?」
?「いやぁ、久しぶりやな。あれからしばらく経つけど、背も伸びたんちゃうか?」
?2「筋力、反応速度、瞬発力……全てが以前を上回っている。これも、時の流れか。」
黄緑の髪を後ろで結んでサングラスをかけた男と全体的に筋肉質な体をし、重く低い声に同じくサングラスをかけている男がしみじみした感じでフィーに話しかける。
すると、トヴァルは男達の胸元に描かれているマークを見て〈
トヴァル「その紋章、〈西風の旅団〉か!!」
フィー「変わってないねゼノ。……レオも久しぶり。」
?2→レオ「ああ、1年程度ではお前ほど変わりはしない。大人と子供の違いというものだ。」
フィー「また子供扱いする……。」
先程の地雷は無かったかのように会話する3人だが、トヴァルの顔からは警戒の色は取れていなかった。
?→ゼノ「本当はもっと世間話したいんやけど、こっちも仕事で来てるんやわ。」
レオ「一応確認するが、退くつもりはないな?」
フィー「ん、今は敵同士だから。」
ゼノ「なら、しゃーないわな。」
フィーの否定の言葉にゼノとレオの2人は少し残念そうにしながらも自身の武器であるブレードライフルと
そして戦闘が開始されようとした時……
?「まさか大陸最強の猟兵団の片割れである〈西風の旅団〉がこんな所にいるとはな。」
誰かの声が聞こえ、そちらを振り向くと3人の黒ローブを羽織った人物達が側の建物に立っていた。
リィン「い、いつの間に!?」
ゼノ「わいらにも気づかせんとは…」
レオ「なかなかやるな。」
?「トールズ士官学院・特科クラス〈Ⅶ組〉そして遊撃士トヴァル・ランドナーよ。我々も加勢しよう。」
そう言って3人の謎の人物は建物から飛び降り、リィン達の側に降り立つ。
トヴァル「お前ら、一体何が目的だ?」
?2「我々の目的はただ1つ。」
?3「この世界を救う。ただそれだけよ。」
それだけ言うと?2は導力仕掛けの黒いこん棒のような物を、?3は変わった形の黒い短剣のような物を取り出す。そして?は……
?「大陸最強の猟兵団の力……見せてもらうぞ。」
黒いオーラを纏い、武器も何も装備せずに徒手空拳で挑むようだ。
ゼノ「ほう~?見た事ない武器に、しかもリーダー格は徒手空拳でわいらに挑むんか。」
レオ「武器を使わない者との戦闘はガルシアさんとの模擬戦以来だが、面白い。」
ゼノとレオも武器をしっかりと持ち、戦闘の構えを取る。
リィン達がゼノとレオと戦闘を開始して数分後。
リィン「くっ……」
エリオット「強い……」
マキアス「これが大陸最強の猟兵団か……」
黒ローブの3人組とフィー、トヴァル以外は膝をついていた。
ゼノ「いや~、思ってたより粘ったからちょっとビビったで。」
レオ「だが、そちらの3人はもう立てないようだな。」
フィー「仕方ないか。トヴァル、それにそこの知らない人達、私が時間稼ぐからリィン達を回復して。そしてその後は私が
その言葉に仲間達は驚き、リィンが叫ぶ
リィン「何を言ってるんだフィー!?ここは皆で……」
フィー「その状態で戦ったら逆に足手まとい。大丈夫、2人の攻撃パターンは把握しているから。」
リィン「ダメだフィー!!」
しかしフィーはリィンの言葉を聞かずに双銃剣をギュッと握って臨戦態勢になる。
すると黒ローブのリーダーがフィーの前に手を出して進路を塞ぐ。
フィー「っ!?何のつもり?」
?「時間を稼ぐなら我らがやろう。」
?2「君は仲間達に危害が及ばないようにしろ。」
そう言って黒ローブ達はゼノとレオに向かっていく
フィー「ちょっ!?」
ゼノ「ははっ。今度はあんたらが前衛やな!!」
レオ「先程の戦いではサポートに徹していたが、これでお前達の力が存分に見れる!!」
ゼノはブレードライフルを振るい、レオは
?・?2「フッ!!」
―ガギィィィンッ!!
?3「ハアッ!」
なんと?2はこん棒でブレードライフルを、?にいたっては素手で
ゼノ「うおっ!?」
レオ「むっ!?」
しかし2人が間一髪のところで避けてしまい、投げた武器は外れてしまった。
ゼノ「なかなかええ作戦やったけど、おしかったなぁ。」
レオ「これでお前は武器を失った。」
?3「フフッ、それはどうかしら?」
レオ「なに?」
ゼノ「っ!!レオ、後ろや!!」
ゼノの言葉にレオが後ろを振り返ると?3の武器がこちらに向かってきていた。それを見た2人は慌てて回避する。
ゼノ「危な~、間一髪やったで。しかし、武器を回転させながら投げとったのは見たけど、まさかブーメランみたいに返ってくるとはな。」
レオ「ゼノの反応がもう少し遅れていたら、くらっていたな。だが妙な軌道だったな。」
?3「当然よ。だってこの武器を投げた後は、私の意志で自由自在に動いてくれるんだから。」
?「さて、もう少し楽しみたかったが……時間切れか。」
?がそう言うと、リィン達が入ってきた要塞入口から巨大な人型兵器―〈