契約を交わしたものの、そもそも契約が何かお互いに理解していなかった。
「ねぇ、主様。契約って、結局は何するのもの?あ、後眷属も」
僕の元居た世界での眷属についての知識といえば、仮面ライダーウィザードのガルーダとかのイメージだし。契約は…何か命令に逆らったら、凄い痛みが体を駆け巡るとかそんなイメージだし。
「契約……、契約とは何をするもの……?え、え〜と……」
主様は額に手を当てたり、腕を組んだりして契約の意味を考え始めた。次第に考えが詰まってきたようで、頭の中が完全にパニック状態になり始めていた。
「契約は……こう、ドドーンって感じで……それで何かこう……。りんりん、もう分かんないよ〜」
遂に考える事の限界に達し、黒髪の少女に抱きつく主様。そんな姿を見て、やっぱり僕の主様可愛いと思ってしまった。
一方で抱きつかれた黒髪の少女こと、りんりんはあこを抱きしめながら頭を撫でていた。
「あこちゃん……、え〜と契約は……」
あこちゃんが召喚したあの人、本当に信用できるのかな…。今もこうしてあこちゃんを困らせてるし、あんまりあこちゃんに意地悪するのは許せない……。
でも、こうしてあこちゃんが私を頼ってくれるのは嬉しいな。本当に可愛い……。
「りんりん…?」
あこちゃんが上目遣いで、心配そうに見つめていた。
「え、あ、何でも無いよ…。契約はね……」
どうしよう、この状態のあこちゃんすっごく可愛い……、この瞬間を写真に収めたい……。
でも、今はあこちゃんの質問に答えてあげないと。契約だっけ、私も良くは知らないから、これでどうかな…。必死に考えた末に出てきた結論が、
「契約だから…、あこちゃんを悪いものから守ったり、あこちゃんに尽くしたりするのを約束することじゃないかな…?」
自分自身が、あこちゃんにしたい事を言ってしまった…。どうしよう、顔がすごく熱いし、今絶対に顔真っ赤だよ。
「あこを悪いものから守ったり、尽くしたり……。何となくだけど、わかった気がする」
どうやら、今のであこちゃんの中では納得のいくものだったらしい。良かった…、何とか答えられて…。
「じゃあ、眷属はそれを行うものなんだね」
あ、あれ?眷属の……?眷属の方も聞いてたの?
「け、眷属は、ち、違わないね…。そうだと思うよ…」
ここで否定することが心苦しくて、上手に眷属について思いつかなかったせいで言えなかった…。うぅ…、悔しい…。
「ありがとう、りんりん。これで答えられる」
満面の笑みを浮かべながら、召喚した眷属の方に行ってしまった。あこちゃん…、やっぱり可愛い……。
「和覇、我が眷属よ」
あ、主様が帰ってきた。何だか、さっきとは周りの空気が違う感じがする。
「は、はい…」
「そう緊張するでないぞ……、汝に契約の意味を教えてやろう……」
主様はそれでさっきあの黒髪の少女元へ、それで意味とは……。期待に胸が弾む。
あれ、何だかすごい楽しそうなんだけど我が眷属。すっごい期待の眼差しが熱いんだけど、もうこれは盛大にやるしかないね!
「よく聞くが良い、我が眷属……。我との契約とは……」
「主様との契約とは……」
「とは……、我を敵から守り抜き、我に尽くすことなのだ!」
両手を大きく振り上げながら広げて、ダイナミックに見せる。これで、更に迫力も上がる。
「お〜……」
クックク…、我が眷属め…、我の言葉に圧倒されているな。だが、まだ早い!
「そして眷属とは、契約の名のもとに絶対的な忠誠で、我と共に覇道を進むものなのだ!」
最後にあこのキメポーズを決めて、盛大に幕を閉じた。
「これで分かったか…、我が眷属よ」
「は、はい!契約が如何に尊きもので、眷属が主様を支える重要なものと分かりました」
本当は、一生懸命に身振り手振りで現している主様が素敵だったからなんだけど。本当にカッコ可愛いかった。
「この黒崎和覇、主様に何処までもお供したいと思います」
再び膝立ちをし、主様の手をとった。
「うむ、我聖堕天使あこ・宇田川あこに付いてくるが良い」
再び膝立ちをした、眷属の手を握り返した。
「それじゃあ、まずはあこの大事なバンドメンバーについ…」
主様が、僕に大事なバンド?メンバーについて紹介しようとすると、部屋の扉が開き、
「あら、あこ。それに燐子まで、先に来ていたのね」
透き通るような声をした女の人、
「ごめんね〜、遅くなちゃった。これお詫びのクッキー」
見た目がギャルぽい何かを背負った女の人、
「委員会で遅くなりました」
端正な顔たちで真面目そうな女の人。この人も何かを背負っていた。
更に黒髪の少女以外の人が増えて着て、思わずフルボトルバスターを手に持ちながら主様の背後に隠れる。
「え、和覇?どうしたの?」
一瞬にして背後に移動した眷属の行動力と、手にしている大きな剣を見ながら、驚きを隠せず尋ねると。
「知らない人……、しかも女の人……。主様、僕一旦逃げて良いですか……」
割と運動には自身が在り、この場から逃げ出すことは可能だった。これも日々仮面ライダーに成るために鍛錬してきたからだ。
「大丈夫だよ、みんな良い人だから。ね、ほらそう怖がらない」
主様、体を向き直して、優しく頭を撫でてくれた。
「あこがちゃんと説明するから、安心して」
やっぱり僕は、この主様に付いていって正解だと、心のそこから思えた気がした。
「うん……、主様を信じる……」
「それでこそ、我が眷属よ」
怖いながらも、主様が側に居るので何とか冷静を保とうとする。
「あ、あのみんな……」
主様が、先程入ってきた人達に向かって声を掛ける。
「何かしらあこ……」
透き通る声の人は、まずこちらを確認し固まり。
「ちょっとどうしたのって……、え〜と〜……」
こちらと床に敷かれた紙の上に描かれた魔法陣を見て、固まりはしなかったが、口をパクパクさせ。
「宇田川さん、急に改まって……」
こちらを確認して、多分誰よりも早く『不審人物』といった目で、睨まれました。
さすがに睨まれたのは、僕の極細ポッキー以下のメンタルが簡単に折れました。
そして、三人はとても息が合うようで、
「その男の人は誰なのかしら?」
「その人、一体何者?それに、この魔法陣は……」
「その不信人物は、一体誰何ですか?」
ほぼ同じ様な事を言われた、不審人物は流石に心外だったけど……。
「主様……、僕不審人物って言われた……」
辛すぎて、その場に体育座りで座り込む。
「あ、紗夜さん。流石にそれは言いすぎですよ」
主様フォローに入って、
「確かにあこの後ろに皆の知らない人が居ますけど、せめて口に出さないであげて下さい」
フォローじゃなかった、ど正論だった。
「あ、あこ。その人だけど、多分今ので更にダメージ受けてると思うよ」
「リサ姉〜、そんなわけないよ。だって和覇は強いから……って、和覇」
振り返ると、体育座りをしながら小さく蹲っていた。
「不審人物……、不審人物って……。主様はほぼ肯定するし……」
小さく何かを呟きながら、燃え尽きた灰の様になっていた。
「あ、ごめん。和覇、悪気が合ったわけじゃないから」
聞こえているか、分からないけど話しかけてみる。
「うぅ……、大丈夫……。正論だから……、大丈夫……」
返事はするも、契約の前くらいに元気が無くなっていた。
そんな和覇を見ながら、
「それであこ、燐子……。この事にゆっくりと話を聞かせて貰おうじゃない」
友希那さんの全身から『練習場所で何をしてるのかしら』と言ってくるような、オーラが滲み出ていた。
「宇田川さん、白金さん……、あなた達にはゆっくりと説明を聞かせて貰う必要があるみたいね」
紗夜さんの全身からも『あなた達は……、全くこう問題を……』と言ってくるような、オーラが溢れ出ていた。
「りんりん、どうしよう……」
「あ、ああ、あこちゃん……」
りんりんと二人で友希那さんと紗夜さんに、たっぷりと説教されると覚悟して震え上がっていた。
一方でリサ姉は、
「あの〜、和覇君かな?クッキー有るけど食べる?」
蹲る和覇に話しかけていた。
「あ、あ……。はい……」
「そんな緊張しなくていいから、別に何かするわけじゃないから」
優しげな笑顔を見せながら、クッキーを一枚手渡してくれた。
「あ、ありがとうございます……」
クッキーを受け取ったが、今の自分の立場上、主様より先に食べて良いものかと悩んだが
「それであこ、燐子……。この事にゆっくりと話を聞かせて貰おうじゃない」
「宇田川さん、白金さん……、あなた達にはゆっくりと説明を聞かせて貰う必要があるみたいね」
と何だか、危ない空気が漂っていたので、
「頂きます……」
先に食べさせて貰いました。美味しいな、このクッキー。
書いている自分自身が、あまり契約とか眷属とかがわからないままで…
でも、あこ・主様との契約や眷属ならこんな感じかなと思いました。
今回はRoseliaの皆さんが、揃いに揃いまして……
確かに不審人物認定されますよね……。
今回もご閲覧ありがとうございました。
感想などお待ちしております。