「痛てて…。は、エボルトは!」
和覇は目を覚ますと、開口一番によく分からない事を言った。
「やっと起きた〜、もう起きないかと思ったよ」
笑いながら、頬突く。
「え?あれ、エボルトは?主様、エボルトは?」
まだ少し夢うつつなのか、変わらず不思議なことを言う。何だか長引きそうなだったから、
「えい!」
おでこにデコピンをする。パチンと音がなり、意外と効いたのかようやく、
「主様、痛い……」
ちゃんと目が覚めたのだった。
「何で僕、寝てたんですか?」
「え、え〜と…。まぁ、そんな事よりあこのバンドのメンバーの紹介をするね」
「……?何かしました?」
ジト目で見てくる和覇の視線が苦しいが、必死に誤魔化す。
「してない、してない。本当にしてないよ。て、主を疑うってどうなの」
思わず、またヘッドロックで首を締める。
「苦しい……、ちょ、ごめんなさい……」
まったく、主様であるあこを疑うなんて。でも、ちゃんと謝ったから許してあげよう。力を緩めて、離してあげた。
「はぁ……、げほっ……。それで…、何でしたっけ?」
少しばかりむせ返るも、まだ話せるので主様に尋ねる。
「あ、そうだった。あこが所属しているバンドのメンバーの紹介だよ!」
拗ねた顔で言う主様…、そんな顔見て元気が出てきた。
「ごほん、それじゃあRoseliaボーカル担当の湊友希那さん」
「よろしく……」
先程主様を怒っていた人の一人だ、銀色に輝く長い髪をしていて、ちょっと無愛想だけどカッコいいと思える人だった。
「友希那さんは、とっても歌が上手ですっごくカッコいいんだよ!」
あ、照れてる。主様の褒め言葉を聞いて、顔真っ赤にして照れてる。
「そしてこちら、友希那さんの幼馴染でありRoseliaベース担当の」
「今井リサだよ〜、まぁさっき少し話したもんね」
リサさん、ベース弾いてるんだ。ならさっきの話で、ベースの話をしておけば良かった……。
「ちょ、どうしたの」
「いえ、さっきはすみませんでした…。ベースとは知らず、ギターの話をしてしまって」
「大丈夫だよ、てかそんな事で謝らなくて良いから」
本当に優しいな、リサさん。
「リサ姉のクッキーは、Roseliaの定番のお菓子なんだよ」
でしょうね、あんな美味しいクッキーは他に無いもん。
「続いては、Roseliaのギター担当の氷川紗夜さん」
「よろしくお願いします」
湊さんと一緒に怒っていた人だ……、それはそうと……。
「主様、僕何かしました?氷川さんがめっちゃ怖い顔で見てくるんですけど?」
主様に耳打ちで話しかけると、キッ!と睨んでくるような気がした。
「そんな事無いよ、ただいきなり現れたから緊張してるだけだよ」
「そうかな……?」
「そうだよ」
主様の満面の笑顔、天使すら超える魔王の微笑みが心に染みる……。
「分かりました……」
信じるしか在りませんでした。
「そして、あこの大親友であるRoseliaのキーボード担当の『りんりん』こと白金燐子」
「そんな、あこちゃん……。大親友だなんて……」
「え〜だって、りんりんはあこのとっても大切な友達なんだよ」
「あこちゃん……」
主様と白金さんの中には特別深い関係があるらしい、見ていて一目瞭然だった。それにしても、白金さん主様に抱きつかれて今に倒れそうなんだけど。
「あ、よろしく…お願いします……」
慌てて思い出したように、挨拶をしてきた。
「最後に、Roselia最強の闇のドラマー、宇田川あこだよ」
バーン!、自分で効果音を付けてドラムスティック手に持ち掲げていた。
「おー、主様。ドラム叩くんですね」
関心して手を叩く。
「そうだよ、あこのドラムは世界で二番目にカッコいいんだよ」
「二番目?じゃあ一番目は?」
「私のお姉ちゃんだよ!」
主様、お姉ちゃんが居るんだ……。何かこう、主様に似てるかトコトン違うかの二択っぽそう。
「はい、それじゃあ。和覇も自己紹介いってみよう!」
「え、いきなりですか……。黒崎和覇です、趣味は特撮ヒーローを見たりすることです。あ、あと好きな特撮ヒーローの変身は全部できます。それと、イラストと料理が多少出来ます」
突然の主様の無茶振りに対応し、乗り切った。
「へ〜、料理できるんだ。じゃあ今度何か作ってよ、折角だからさ」
リサさんが楽しそうに言ってくる。
「機会があれば、作らせて貰います」
「じゃあその時は、あこも食べる」
主様も、リサさんに負けんじと食いついてきた。
すると、以外にもこの人が質問してきた。
「貴方、イラストって何を描いているのかしら?」
湊さんだっけ?が、僕の描くイラストに興味を持ってきた。
「え、え〜と。主にヒーローとか、アイテムとか、怪人とか」
「それはどんな物なのかしら?」
「あれ、友希那?ヒーロー物とか好きだっけ?」
「違うけれど、気になっただけよ」
リサさんが不思議そうに友希那さんを見ている間に、自分の携帯を探す。偶然にも、ズボンのポケットに入っていたらしく。
「あ、こんなの描いてます」
携帯から写真のファイルを見せると、
「これかしら?」
「え、どれどれ?」
「湊さんが、興味を示すだなんて。珍しい……」
氷川さんが、そう呟きながら見てくる。
「あこも見る」
「あ、私もみたいです」
結局、Roselia全員が僕の携帯に向かってくるので、主様に携帯を預けみんなで見てもらうことにした。
「これは……、すごいは……」
預けてすぐに、イラストを見て驚いた声が聞こえてきた。
「え、凄いんだけど!」
「これが、本当にあの人が」
「これ、あこの好みなんだけど」
「カッコいい……」
次々と簡単の声が聞こえて来て、少しだけ優越感に浸る。
「ねぇ、貴方?本当にこれを描いたの?」
湊さんが、一枚のイラストの写真を出しながら携帯を見せてきた。
「あ、それですか。それは『仮面ライダーキバ・エンペラーフォーム』と言って、キバの最終形態でして」
「そうじゃなくて、これを貴方が描いたか聞いているの」
少し調子にのって、説明しようと思ったら怒られた。
「僕が描きましたけど…」
「そうなの……」
答え得ると今度は、静かに主様達の方へ戻ってしまった。
「和覇、これも和覇の作品?」
「それは、『仮面ライダーNEW電王・ストライクフォームですね』『仮面ライダー電王』に変身する野上良太郎の孫である、野上幸太郎が」
「そうなんだ……」
リサさんも、イラストの写真を見せるだけ見せて帰ってしまった。
「黒崎さん、この絵もそうなんですか?」
今度は氷川さんまで見せに来た、
「え〜と、って!『仮面ライダー3号』じゃないですか!劇場版に一度だけ出てきて、歴史に葬られた伝説の戦士と言われたあの……。氷川さん、あなた」
「そうなんですか……」
説明を終える前にまたも、戻ってしまった。
「和覇〜、和覇!これは、これも和覇が描いたの?」
三度有るってことは、まだ続くかな?
「主様は、どれを持ってきたのかな?」
写真をみると、
「『仮面ライダーオーズ/OOO・プトティラコンボ』ですね、これは『仮面ライダーオーズ/OOO』自信が体内に宿したメダルで、他のどのコアメダルよりも強力で魔王的な力を発揮するんですよ!」
「そうなの!じゃあ、あこが選んだのは強いんだ…」
嬉しそうに笑いながら、戻ってしまった。でも、初めてちゃんと説明聞いてくれた……。
「あ、あの……。この絵もそうなんですか……」
来るとは思っていたけれど、白金さんも携帯を持ってやって来た。
「どれですか?」
「コレなんですけど……?」
白金さんから携帯に写し出された、イラストを見てみた……。
「あの…黒崎さん…?」
「白金さん…、何でこのイラストを…?」
「あ、いえ、その…。その絵だけ、唯一色がついて無くて…。それに他のどの絵とも違うなって……」
恥ずかしそうに、俯きながら言葉を紡ぐ白金さん。
でもまさか、仮面ライダーを知らない人なのに…何で……。
「このイラストの仮面ライダーは、僕のオリジナルです……」
小さな声で、白金さんだけに聞こえる様に言う。
「そうなんですか…」
驚いたようで、顔を上げて見つめてきた。
「これは…、その…、沢山の仮面ライダーを見ている内に…自分でも作りたくて…」
恥ずかしくて、白金さんの方を見れない…。
「そうなんですか…、それで名前って…あるんですか…」
「名前ですか……。『仮面ライダーヴェルト』とって言って、ドイツ語で世界を表すんです」
「世界……」
「まぁ、本当に自己満足の産物ですよ……」
恥ずかしい……、自分専用で作っていたから……。本当は今にも顔から、火が吹き出しそうなのだ……。
「でも、私はこれが…。カッコいいと思います……」
僕の耳に聞こえるか、聞こえないかの声でそう言って、同じ様に戻っていってしまった。
それからまた順番に絵について聞かれ、最終的には、
「和覇、今ここで、私達の前で変身をやって見せて頂戴」
と言われるまでになった。
Roseliaの皆さんとちゃんと、主人公が交わるという。
これから皆さんと仲良く出来たら良いですね…。
それから、黒崎君にイラストの才能と言う新たな一面と、
りんりんがまさかのオリジナルライダーを見破るという。
やっぱり魔王様と居る時間が長いと判るのかな?
今回も閲覧いただきありがとうございます。
感想など、お待ちしております。