この平行世界《パラレルワールド》にも祝福を!   作:めむみん

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手直しとかしてたらこんな時間になりました。
もしかしたら矛盾してる所あるかもですが、感想とかコメントとかで報告してもらえると幸いです。


コンボ魔法

-COMBOMAGIC-

 

お暑いねえとか何とか言われて、からかわれながら爆裂散歩に向かい、無事に戻って来た。

帰りはいつも通りのおんぶだから大して絡まれなかった。

手を繋ぐのより、おんぶの方が本来上だと思うのに。

なんにせよ。爆裂散歩も終わり、やっと落ち着いたと思ったのが悪かったのか、ギルドに着くなり駄女神が意味ありげな顔をしてこちらに向かってくる。

嫌な予感しかしない。

 

「カズマさん?ちょっと十万程くれないかしら?」

「断る」

「十万くれたらいいモノ見せてあげるからね?」

「いらんわ!」

 

いかがわしさ満点の言い方してるが、どうせとっておきの宴会芸だろう。

お捻りは貰わない癖に俺からは金取るのはどう言う了見なんだ?

 

「お願いよ!まだ誰にも見せてない大技を見せるから!」

「だからお前の宴会芸はいらねえって!てかそんなに金欲しいならお捻り貰っとけよ」

「カズマから巻き上げ、じゃなくて貰うのはいいけど、誰かから貰うのは私のポリシーに反するわ」

 

こいつとは一度じっくり話さないといけないと思ってたが、ここは話し合いなんて野蛮な手段じゃなくて、穏便に暴力で行こう。

 

「おいこら、あまり調子乗ってると初級魔法コンボ食らわせるぞ」

「初級魔法なんかで、アークプリーストであるこの私が負ける訳ないでしょ?やれるものならやってみなさい」

「よし、表出ろ。一つの攻撃も通さずに圧勝してやる」

「それは私のセリフよ」

 

とまあ、駄女神にどちらが格上か分からせてやることにした。

俺が初級魔法コンボと言ったことで、ギャラリーも随分な数になった。

これで負けたら俺、恥ずかしくて引きこもるぞ。

 

「先に地面に倒れた方もしくはリタイアした方の負けな」

「ええ、それでいきましょう」

「ダクネス、試合開始の合図頼む」

 

めぐみんをルナさんに預けて、俺は戦闘の準備を整える。

ダクネスは自分に振られると思ってなかったのか反応が遅れてる。

 

「えっ、私が?・・・始め!」

 

アクアのことだから、初っ端から突っ込んで来るだろうから、ここはカウンターで倒そう。

 

「先手必勝!『ゴッド・ブロー』ッ!」

「そう来ると思ってた。『クリエイト・アース』ッ!からの『ウィンド』ッ!」

「何をしようたっ、ぎゃああああああ!めがああああああ!」

 

目に砂が入った事で倒れてのたうち回るアクア。

これで勝敗はついた。

 

「えっと、カズマの勝ちだ」

「凄い。確かにこれなら使えそう」

「近距離なら当たりやすいのか」

「初級魔法も捨てたもんじゃないね」

「こんな技編み出せるなんて、ただものじゃない」

 

なるほど、駄女神倒すのが、俺にとってのチュートリアルだったのか。

このイベントで俺の悪評は初級魔法を使いこなす冒険者に上書きされる。

 

「ま、まだよ。三回勝負!」

 

面倒だけど、ここで戦わないとこいつの事だから勝ち逃げされただけで次戦えば私が勝つとか言いそうだから付き合おう。

 

「分かった。次増やすのはなしな」

「カズマ、目潰しは酷いからなしにしましょう」

「分かったよ。目潰しはなしな」

「二人とも距離を取ってくれ・・・始め!」

 

目潰しはなしとなれば、俺に打つ手なしと踏んだのだろうが甘い。

アクアは体術戦なら勝てると思ってるだろう。

悲しいかなカンストしてるアイツに俺が力勝負で勝てるわけがないからな。

さっきみたく突っ込んでくるかと思って構えていたが、アクアがやってこない。

 

「来ないのか?」

「お先にどうぞ」

 

さっきカウンターでやられたから、今度はカウンターしようってか。

俺が体術勝負に出ると考えてるのなら、大間違いだ。

 

「じゃあ、失礼して、『クリエイト・ウォーター』ッ!」

「私は水なんて効かないわよ?万策尽きたわねカズマ?」

 

水の女神に水をかけても意味は無い。

とアクアは思ってることだろう。

そうやって避けないこと前提にしたコンボ技をお見舞いしてやる。

 

「『ティンダー』ッ!」

 

放った水目掛けて炎を飛ばして、お湯を作る。

アクア含め周りの冒険者は、水に火を当てて消して何してんだって感じで見てる。

この状況を理解してるのは恐らく、めぐみんと一部の勘のいい魔法使いくらいだろう。

この作戦は、前にアクアが俺のスープに酔っ払って手を突っ込んで、俺のスープを水に変えてくれた時の事から着想を得た。

アイツは水には強くても熱さ耐性はない!

 

「カズマ、火遊びはよくなあづああああああ!!」

「・・・また、カズマの勝ち。ストレート勝ちだな」

「こんなもんだろ。ダクネス、アクアを頼む」

 

相手を見くびって警戒してないやつは隙だらけだからな。

勝てて当然の相手に勝っただけだ。

 

「容赦ねえな」

「でも初級魔法であんなに戦えるとは」

「私も初級魔法覚えようかなあ」

「さっきは疑って悪かったな」

「カズマくん今度初級魔法の使い方教えてね」

「俺も頼む!」

 

こうして、俺はギルドでの高評価を勝ち取ったのであった。

そして同時に俺の噂がまた広まることとなった。

この後に起こるある事によって。

 

「ほら、私の言った通りでしょう?カズマはカッコイイのです。ぱっとしないとか弱っちいとかは今後言わせませんよ!」

「分かったって、めぐみんの彼氏が強いのはよく分かったから」

「パッとしないのは変わらないけ・・・なんでもないです」

「おい、私の男を悪く言うのはやめてもらおうか」

 

めぐみんさんや。

あんた何言ってんだ。

と心の中で思ったけど、もう遅い。

今ので俺らが付き合ってるのを認めたと思われた。

めぐみん的にはウチの仲間を悪く言うな程度の感覚なんだうけど、言葉のチョイスが悪かった。

いや、確かに恋人のフリするって話だったけども、ここまでするとは思ってなかった。

 

「もう言わないから、アレは勘弁してくれ!」

「次言ったら分かってますね?」

 

コイツは、いつも報復に何やってんだ?

すげえ恐れられてるんだが。

 

「とりあえず、俺の技は証明できたし今日は帰っていいか?」

 

アクアとダクネスと合流して、明日のクエストについて決めてから俺たち三人は宿屋へと向かった。

 

「にしても、あの時のめぐみんカッコよかったわよね」

「カズマじゃなくて私ですか?」

「私の男を悪く言うな!ってやつ。凄く男らしくて良かったわ」

 

確かにカッコよかった。

カッコよかったけど、それ以上に何口走ってんだって思いの方が大きかった。

アクアとしてはやられた側だから、俺をカッコイイとか言うはずがない。

 

「アレはカッとなって言ってしまったんですよ。カズマ、すみません」

「いや、謝ることねえって、ある意味では都合いいし」

 

めぐみんもあの発言は不味かったと自覚してるようだし、まあ、いいか。

次から気を付けてくれればそれで。

 

「でなんだけど、二人が付き合ってるって噂あるでしょ?あれって本当なの?私の曇りなき眼にはそう見えないんだけど」

「お前の曇りなき眼が正しい。仲間には理解してもらえてるのが唯一の救いだな。あと、お前にも一応言っておくと、俺とめぐみんが付き合ってるように偽装するから、そこの協力頼む」

 

アクアは偶に鋭い所がある。

今はそれに助けられてるな。

てっきり、勘違いしてる口かと思ってたけど違った。

 

「だって、もし二人が付き合ってたら昨日の夜、お楽しみしてるはずだもんね。それに話はダクネスから聞いてるわ。クリスも大変ね。こんなヒキニートにフラれたとか言われるなんて」

「・・・」

 

いつもなら言い返してるけど、協力してもらう側だからヒキニートと言ったところは見逃そう。

初々しく添い寝だけで、終わる可能性など考慮してないってか。

まあ、もちろん俺がめぐみんと仮に付き合ってるなら途中で我慢できなくなるだろうし、めぐみんが現状でも間違いが起こったとしても責任を取るならよしと言ってるからなあ。

アクアの判断は当然と言えば当然なのかもしれない。

 

「私は昨日楽しかったですよ」

「俺は全然楽しくなかったけどな」

「女の子に抱きつかれながら寝るなんて男のロマンじゃないの?」

 

確かに日本にいた頃の俺ならば羨ましがるシチュエーションだ。

でも、寝不足気味になるくらいには疲れるイベントだったのは言うまでもない。

 

「理想と現実は全然違う。中々眠りに付けないし、理性との戦いだからな」

「別に我慢しなくてもいいんですよ?前にも言いましたが責任さえ取ってもらえれば」

「一旦黙ろうかめぐみん」

 

コイツはどうして毎度毎度話をややこしくする方に持っていくのだろうか。

やっぱり、恋人って言うか結婚したら、半強制的に俺を爆裂道に参加させられるからなのか?

いつもめぐみんはサラッと言うからな。

もうちょっと、恥ずかしがるとかしてくれてたら、好意があるって確信が持てるのに。

 

「仮に二人が恋人になったら私は祝福するわよ?」

「恋人とか言ってられる暇はねえよ。明日からクエスト受けて越冬の準備だぞ?」

「ふーん。カズマは春の訪れと共に春を迎えるつもりなのね」

「誰が上手く言えって言った。どうせ俺なんかにはやってこねえよ」

 

少なくともギルドの連中は俺とめぐみんが恋仲だと思ってる。

略奪愛が好きとか彼氏を寝取るのが好きなんて言うヤバいやつがいない限り、俺に告白してくるようなやつはいないと思う。

・・・自分で言ってて悲しくなってきた。

 

「その内カズマにも来ますよ。私が保証します」

「その根拠の無い説は何処から湧いてきたんだ?はぁ、ダクネスがいたらなあ」

「ダクネスがどうかしたのですか?」

「もしかしてダクネスが好みなの?」

 

俺と周りのことを色恋沙汰にしようとするのは勘弁して欲しい。

 

「ちげえよ。この話から離脱して、別の話出来るだろ?」

「恋バナは嫌なのですか?」

「そうだよ。ってもう宿着いたな」

 

俺に関わらない恋バナなら全然聞くんだけどなあ。

例えば他の冒険者で、中々付き合わないもどかしいカップルがいるとかそう言うの。

 

「この時間だとうるさいって怒られるから、話はここまでね」

「・・・お前、前に怒られたのか?」

「・・・ち、違うわよ。廊下歩いてた人が怒られてたのよ」

 

凄く怪しいが、ここで言い争っても無駄な体力使うだけだし、さっさと部屋に帰ろう。

 

「ならいい。おやすみ」

「二人ともおやすみ」

「アクア、おやすみなさい」

 

今日はゆっくり寝れるな。

明日に備えて早く寝よう。

・・・あっ、そういやアクアが十万を欲してた理由を聞くの忘れてた。

 

「ただいま」

「誰もいませんよ?」

「いなくても別にいいだろ?こう言うのは雰囲気が大事なんだ」

 

布団と言う嫁さんに挨拶する癖は中々抜けないものだな。

と言うかここの部屋でかいから、声届いてないだろうけど。

 

「そういうものでしょうか?」

「俺先に着替えていいか?」

「ええ、アクアとの戦いで疲れてるでしょうし」

「助かる」

 

部屋に荷物をおいて、パジャマを取ろうとした時、俺はあることに気付いた。

そして、昨日の嫌な予感がまた過ぎってくる。

まだ玄関で何かを片付けてるめぐみんの元に行って確認を取る。

 

「なあ、ベッドはいつツインに戻るんだ?」

「ダブルの方が部屋代安いそうなので、これからずっとです」

「・・・本気で言ってんのか?」

 

アクアがお金返済するまでの間は、俺と添い寝になるのに大丈夫なのか?

やっぱり、俺はめぐみんから異性として全く意識されてないのかもしれない。

別に悔しいことは無い。

相手はロリっ娘だからな。

 

「本気ですよ?」

「帰り道での会話覚えてるか?」

「カズマこそ覚えてないのですか?責任を取るのなら我慢の必要は無いと私は言いましたよ?」

 

一生、爆裂道を支えて貰うためだろう。

好きでもない相手となんてのは結局長続きしないもんだ。

ここはダクネスに言われた通り、ビシッと言っておこう。

 

「・・・いくら爆裂魔法好きだからってそこまでしなくてもいいと思うぞ?もうちょっと自分を大切にしないとダメだぞ」

 

これでどうだと思い、めぐみんを見るも不思議そうに小首を傾げながらめぐみんは言った。

 

「何度も言ってますが、私はカズマのこと好きですよ?」

 

・・・このタイミングで言うのは仲間としてじゃないよな普通。

俺をからかうつもりかもしれないけど、それにしてはいつものイタズラっ子みたいな顔じゃない。

こうなったら今日こそ聞いてやる。

 

「この際だから聞くけど、その好きって言うのは『ドンッ』」

「カズマ!大変よ!私の買ったお酒が誰かに盗まれて・・・」

 

どうして俺が聞こうとするタイミングで、何度も何度も邪魔が入るんだ!

しかもアクアに邪魔されるのが多い。

今回は邪魔されただけじゃなくて、勢いよくアクアが扉を開けた拍子にめぐみんの頭に直撃して、気を失うって言う実害まで出てる。

 

「こっちの方が大変だわ!めぐみん!おい!しっかりしろ!」

「め、めぐみんっ!?ええっと、『ヒール』ッ!」

「扉開ける時は気を付けろよ」

 

アクアが回復魔法使えたのは不幸中の幸いか。

脳検査が出来る世界じゃないし、大丈夫なのかが分からない。

でもアクアの回復魔法なら大丈夫だろうと思える所がある。

 

「だ、だって、帰ったらゆっくり飲むつもりだったお酒がなかったから」

「それめぐみんに渡してなかったか?荷物多いからって」

「あっ」

 

めぐみんの倒れ損じゃねえか。

完全に伸びてるし、今日も聞けずじまいだなこれ。

 

「あっ、じゃねえよ。これどうすんだよ」

「回復魔法かけたから怪我とかそういうのは問題ないと思う。着替えとか私がやっとくからカズマは私の部屋で待ってて」

 

問題はなしか。

一先ず安心だな。

明日、無事に起きてくれるといいんだけどな。

でもまあ、今日は意識することなく眠れるだろうし、不謹慎だけど、ある意味助かった。

 

「分かった。着替え終わったら運ぶの手伝うから呼んでくれ」

 

アクアが着替えを終わらせてもめぐみんは目覚めなかった。

二人でベッドまで運ぶと何か寝言を言っていたけど、起きなかった。

昨日とは違う意味で眠れない夜となった。

 

 

 

翌朝、俺は強い衝撃を受けて目が覚めた。

主にベッドから落ちるような衝撃を・・・

 

「いたたた。朝からこれだと今日は不幸だ」

「何が不幸なのですか?」

「ベッドから落ちたんだ」

 

寝相が悪くて落ちるなんて何時ぶりだろうか?

しかも見られてるのが恥ずかしい。

 

「それは私が追い出したからです」

「何でそんなことすんだ?」

 

事故ではなく、まさかの事件だった。

めぐみんがこんな酷いことするなんて、やっぱり好きってのは仲間としてなんだろうな。

好きな人を何もなくベッドから落とすとかドSにも程がある。

予想だにしない事態に怒るでもなく、単に疑問形の質問になった。

 

「言わせないでください。恥ずかしい」

「いや、ちょっと待て!何があった?昨日お前が気絶してから何もなかったはずだぞ?」

「ええ、私は気絶しました。それでこの服装ですよ!」

 

まさか俺が着替えさせたと思って、俺をベッドから落としたのか?

 

「いや、待て!冤罪だ!着替えさせたのはアクアだから!」

「・・・そうなのですか?」

「俺待ってるから聞いてこいよ」

 

俺が呼んできたら、買収しただろうとかさらに疑われる可能性もある。

ここは、めぐみんに確かめに行ってもらうしかないだろうと思っていたのだが、案外早く、めぐみんは俺の主張を認めてくれた。

 

「・・・ご、ごめんなさい」

「まあ、気絶させられてから、初めて目覚めたんだから混乱してたとしてもしょうがないって」

 

今まで見たことないレベルでめぐみんが凹んでる。

こういう時はどうすればいいんだ?

 

「カズマ」

「どうした?」

「カズマはツインの方がいいですか?」

「その方が助かるかな。今日のは抜きにしてだぞ?」

 

シングルで寝られるならゆっくり出来る。

初めてこの部屋に泊めてもらった時はツインでも緊張してたけど、抱き枕とか添い寝とかの後だと、そこまで焦るようなことじゃないって認識になってる。

 

「じゃあ、元に戻してもらいます」

「ありがとう。でも急にどうしたんだ?」

「私の我儘でダブルにしていたのに、カズマに酷いことしてしまいましたから」

 

めぐみんが今にも泣きそうな暗い顔でそんなこと言った。

俺を間違って落としたのがそんなにも罪悪感を抱かせるものなのだろうか?

 

「あの、そこまで思い詰めることはないし、そんなに暗くなられるとこっちが悪いことしたみたいになってくるから、その、今日のことは忘れような?」

「・・・」

 

・・・凄く重たい雰囲気だ。

どうしよう。

この後、クエストなのに、こんな状態で行ったらミスとかも起きやすいし、危ない。

 

「カズマ」

「今度はなんだ?」

「一人部屋の方が、いい、ですか?」

 

話が途切れ出して、表情を確認すると涙が頬を伝っていた。

明らかにめぐみんの様子がおかしい。

 

「えっと、めぐみん?さっきからどうしたんだ?」

「うぐっ、かずまは、ううぅ」

 

遂に泣き出してしまった。

泣き出す理由が全く分からない。

そんなに俺を落としたこと気に病んでるのか?

・・・とりあえず、質問に答えるか。

 

「その、なんだ。俺としてはめぐみんとの同室も楽しいって言うか、女の子と泊まるなんてのは幼少期を除けば、初めてだから、嫌じゃないぞ?」

「・・・」

 

一瞬嬉しそうに笑ったけど、直ぐに疑いの目を向けられた。

安心させる為の嘘だと思われたか。

 

「嫌じゃないって言うか、この状況結構好きだ」

 

これでどうだ?

凄い恥ずかしい。

めぐみんってばこんな恥ずかしいこと毎回言ってるのか?

 

「・・・いえ、そこではなく、幼少期を除けばと言う所が気になったのですよ。でもそうですか。好きですか」

「・・・え?」

 

最後にめぐみんがニコッと笑ったのが凄く可愛かった。

えっ、何この緩み切った表情。

ずっと見てたい。

と思うと同時に、幼少期の話が何故ジト目に繋がるのか聞きたい。

 

「カズマの幼少期の話を聞きたいです」

「その、女の子と泊まった話だよな?」

「はい」

 

めぐみんの恋バナモードが始まった。

めちゃくちゃ見られてる。

 

「親戚の葬儀で、両親が家空ける時があってな。学校があるからついてく訳にもいかずに、その時は弟と二人で幼馴染の家に預けられて、その幼馴染が女の子だったんだよ」

 

トラウマ思い出すからアイツの話は出来ればしたくなかったのに、仕方ない。

 

「その幼馴染がアクアですか?」

「いいや、アイツはアクアのこと知らねえよ」

「その幼馴染とはどう言う仲ですか?」

 

一番気になるのは、恋仲かどうかだよな。

俺もこんな話出たら真っ先に聞く。

聞かれる方は、複雑だが。

 

「・・・話さなきゃダメか?」

「えっと、話したくないなら別にその、無理はしなくても」

 

なんだろうな。

ここで話さなかったら、今は楽だろうけど、めぐみんに変な気遣いさせるだろうし、後を考えると話した方がいいかもな。

何となくだけどさっき葬儀の話したから、影響を受けて亡くなったとか思ってるだろうし。

実際死んだのは、俺なんだけど、そこはおいておこう。

 

「やっぱり、話す。幼い頃に結婚の約束してたけど、ある日歩いてたら街で有名なヤンキーと一緒にいる所見てな」

「カズマはその子のこと好きだったんですね」

「うーん。どうなんだろう。学校行ってからは話してなかったからな。でも見た時はやっぱりショックは受けた。だから出来れば思い出したくないんだよ」

 

今になってはアイツのことどう思ってたのかよく分からない。

ただ、結婚の約束してたことだけ、覚えていて、その約束が崩れたってショックだけが記憶に残ってる。

まあ、ショック受けてる時点で、好きだったんだろうけど、それは遊んでた頃のアイツだからな・・・

 

「何故、話してくれたのですか?」

「アイツと俺が死別したって思ってたろ?」

「ええ」

 

思った通りめぐみんはアイツが亡くなったと思ってか。

死人の話はツラいもんだからな。

死人の転生者が話してるだろうって話は聞きたくないぞ?

 

「変に気を遣わせたくなかったから」

「カズマは優しいですね」

「そうか?めぐみんの方が優しいと思うけど」

 

こうやって泊めてくれてるし、俺の教養講座にも付き合ってくれてるし、世話になりっぱなしだ。

普通、他人にここまで出来ないと思う。

めぐみんにも、パーティーを組むって目的があるにしても、教養講座なんて、やらなくてもいいからな。

 

「そんなことないですよ。だって私はカズマを突き落としましたし」

「あれは事故だから。そんなの言ったら俺はめぐみんの下着盗ってるから」

 

ベッドから落とすよりも下着盗る方が酷い仕打ちだと思う。

それに両方事故だ。

気にしたら負けってのは意味が違う気がするけど、気にしないのが一番だ。

 

「カズマの優しい所はこういう所ですよ。そろそろ着替えましょう」

「お、おう」

 

俺がパンツ盗った事がどう優しさに繋がるのか分からん。

でもまあ、めぐみんの表情が晴れたしいいか。




次の更新は未定ですが、●●を進めたいとは思ってます。
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