明日はちゃんとあげますから、お許しください。
今回はアルセウスのし過ぎが原因ですが、先日図鑑が完成したので、もう大丈夫です。
多分……
-SHIPPAIDESEIKOU-
今日はクエストを受けるためギルドに来ている。
今は三人にクエストを探して貰っている所だ。
俺も探していたのだが、知り合いに声を掛けられて話してる間に今日のクエストは俺以外で探すと言う話になったらしい。
何でも俺が良しとするクエストを持ってきたやつに二人で奢るのだとか。
俺は奢って貰えないのかと聞いたら、審判に報酬はないと言われて、賃金要求したら、デザート一個だけとなった。
因みにこの勝負は始まる前から勝者は決まっているのだが、それはまた後の話として、第一走者はどうやらダクネスらしい。
「このクエストなのだが…」
何故か息の上がってるダクネス。
手にはなんだか見た事のあるクエストの依頼書。
絶対にろくなクエストじゃない。
「却下だ」
「まだ内容を言ってないぞ?」
「どうせ、俺やめぐみんなんかがワンパンされる魔物だろ。危険なヤツは受けない。もっと安全なの持ってこい」
前に一撃熊討伐とか言う名前からしてヤバそうなクエストを受けたそうに見てたのを俺は知ってる。
加えて、昨日もそのクエストは張り出されたままであったことも。
次は誰がどんなクエスト持ってくるだろうかと待ってると、アクアがやって来た。
リズミカルな足取りで近付いてくるあたり、機嫌が良さそうだ。
つまり、俺にとってはあまり良い状況とは言えないってことだな。
依頼書を戻しに行ったダクネスの方に視線を変えておこう。
「カズマ、一石二鳥なこれなんかどう?」
「却下だ」
この駄女神はいつもハイリターンハイリスクのクエスト見ながら、ダクネスの守りとめぐみんの爆裂魔法があれば余裕じゃないかしらとか、言ってるからな。
他人任せで危険なクエスト受けようとするなって話だ。
あと、俺の名前が出てこないのにはそれはそれで腹が立った。
「こっち見てすらないじゃない!」
「高収入の上級者向けクエスト持ってきたのは分かってる。お手頃なやつを持ってこい」
図星だったのか、紙を掲示板に戻しに行った。
高難易度のクエスト受けて死んでたら意味ないからな。
もっとまともなの持ってきて欲しい。
二人ともめぐみんの番を待つためなのか、次のクエストを探すのではなく俺と一緒に待機してる。
「カズマカズマ」
「採用だ」
「「名前呼んだだけなのに!?」」
二人揃って体揺らしに来るのはやめてもらいたい。
頭がクラクラする。
「ギルド来るまでに受けるクエストについて話していたのですよ」
めぐみんの話を聞いて、アクアから更に手に力強く揺さぶられた。
「ちょっと!こんなの八百長よ!不正もいい所じゃない!」
「何が不正だ。お前らが先に俺が納得するクエスト持ってくれば良かっただけだろ?そもそも俺に伺いたてちゃいけないなんてルールないんだから、どんなクエスト受けたいと思ってるか聞くのもありだったし、二回目に行く前にヒントは出したぞ」
「いいわ。めぐみんの勝ちはそれでいいけど、カズマのデザートはなしよ」
「分かったから離してくれ。めぐみん、クエストの内容を教えてくれ」
「えっと、内容は繁殖期に入ってるジャイアントトードの討伐です。目標は五匹で、それ以上の討伐は単価アップらしいですよ」
「ギルドで出てくるカエル肉ね」
「ああ、ジャイアントトードをギルドで回収するとその分報酬が上がるぞ」
冒険者の狩ったカエルをギルドが回収して、食堂に売り払うのか。
よく出来た社会システムだな。
「それを食べることもできますよ。我が爆裂魔法にかかれば灰燼に帰しますがね」
「ようし、クエスト中は爆裂魔法禁止な。報酬は少しでも多くする」
「なぜですか!爆裂道を共に歩むと言っていたではないですか!」
アクアとダクネスに続いてめぐみんにも肩を掴まれて揺らされてる。
この世界での抗議方法はこれなのか?
これ首が痛いからやめて欲しい。
「クエストの後に付き合うから揺さぶるのやめてくれ。クエスト中にめぐみんが動けなくなる状態は避けたいんだよ」
報酬を増やしたいのが第一の理由だけど、それはこの際黙っといた方が得策だろう。
嘘は言ってないからな。
「最後の一匹仕留めるのもダメですか?」
「音で周辺の魔物やってきたらどうする?」
ゆんゆんと一緒に爆裂散歩した時は結構な数が湧いてきた。
アレだけは避けたい。
「ジャイアントトードがいるのは平原ですから、大丈夫ですよ」
「そうなのか?」
「うむ。仮に音で反応した魔物がいても、見える範囲に居なければ、こちらに辿り着くことはないだろう」
「ならいいんだが」
めぐみんがおかしなこと言ったら、ダクネスに振れば何とかなるし、逆も然り。
相互補完されてるのが助かる。
アクアは、まあ、みんなから見られてるってことでいいや。昨日みたいに助けられることもあるし。
「帰る前に一回だけな」
「そもそも一度しか放てませんよ?」
そういやそうだった。
いざ、クエストへと言うことで、今、まさに冒険者やってるって実感からワクワクしてる。
朝起こった出来事なんてどこへやら。
父さん、母さん、俺は異世界でちゃんと活躍するから見ててくれよ。
「ねえ、カズマ。さっきから何ソワソワしてるの?美女三人に囲まれて浮かれてるの?」
「ちげえよ!クエストが楽しみなんだよ!」
「高々カエルの討伐なんかで浮かれてちゃあ、カズマもまだまだね」
自分もクエスト受けたことない癖によく言う。
上級職だから難なくこなせる相手なんだろう。
ここは駄女神様じゃない頼れる女神様として戦って貰おう。
「そこまで言うなら一人で五匹くらい倒してみろよ」
「あんな雑魚余裕よ。よ・ゆ・う」
扱いやすい性格で助かった。
これで楽出来るといいんだが……。
「じゃあ、一匹目は一人でやってくれ。見てるから」
「私の見せ場ね」
と話してると前方に物凄くデカいカエルが現れた。
デカすぎるだろあれは。
アクアはカエル目掛けて全速前進している。
魔法攻撃じゃなくて、物理攻撃らしい。
・・・あれ、何か忘れてる気がする。
「ゴッドブローッ!ゴッドブローとは神の怒りを乗せた聖なる拳!神に楯突いたことをあの世で懺悔なさい!」
凄い説明口調で語ってくれた。
見ためは強そうな感じで、確かにアイツはアレでも女神だ。
始まりの街の雑魚相手に負ける訳ないよな。
これで、まずは一匹討ば・・・
えっ、バウンドしたんだが。
ぷよんって効果音つけたいくらいに綺麗に跳ね返されてアクアが尻もち着いてる。
「ええっと、カエルってよく見たらかわいいと思うの・・・くぷっ」
最後のヨイショも虚しく、アクアはパクッといかれた。
神の力ってのはカエルに負けるレベルって事がよく分かった。
あっ、そう言えば受付のお姉さんが打撃技は効かないから気を付けてと教えてくれてたな。
基本知ってる風だったから伝えてなかったけど、注意しとけば良かったと思うものの、アイツなら知ってもも後先考えずに突っ込んだ可能性があるからなんとも言えない。
「・・・食われてんじゃねえええええ!!」
アクアを食ってる間、カエルが動かなかったから案外簡単に倒すことが出来た。
飲み込まれていたアクアは粘液まみれで、近付きたくない。
ちょっと離れた所から安否確認を取ってみる。
「おーい。大丈夫か?」
アクアは、泣きじゃくっていて、俺の声が聞こえてないらしい。
めぐみんは心配そうにこちらを見ながら辺りの警戒をしてくれている。
ダクネスは心配というより羨ましそうに見ながら周囲を確認してくれてる。
気付かないなら仕方ないと近付くと、こちらに気付いたのか顔をバッと上げた。
「あ、ありがとね。がじゅましゃんうわあああああ」
泣きながらこちらに倒れて来た。
美女からの抱擁って普通嬉しいはずなのに嬉しい所か凄く不快だ。
カエルの粘液は生臭く、引っ付かれたことで、俺の服にも付着してるし、これ絶対洗うの大変だ。
「お、おい。離せ。ぬめぬめがつくから。慰めて欲しかったら風呂で粘液を洗い流してからにしてくれ」
言ってみたが離れてくれない。
ぬめぬめがつくって言ったあたりから引っ付き度合いが増したのは気の所為だろうか?
このままだと動けないし、何とかしないと。
「分かったって、俺らにはまだ早かったんだよ。もう五匹倒せとか言わねえから離してくれ。元何たらのお前は頑張った」
「カズマ、そこまでよ」
「なんだ?」
「元じゃなくて現役の女神よ私は!今度こそってカズマ何するのよ!」
またグーパンしに行きそうだったので、手首を掴んで止めた。
同じ事の繰り返しだけは勘弁して欲しい。
「お前この次何するつもりだ?」
「強化魔法かけてぶっ飛ばすのよ」
やはり脳筋女神だったか。
止めて正解だったな。
「ジャイアントトードは打撃攻撃が効かないからお前は俺達に支援魔法かけて、待機しててくれ」
「このままカエル如きに負けたなんて事になったら信者達の信仰心もダダ下がりよ!」
「またカエルにパックリ行かれる方が、二回も負けたことになって余計評判落ちると思うんだが?」
「・・・わ、分かったわ。みんなに支援魔法かければいいのね?」
「ああ、基本はダクネスの近くにいろよ」
何とか二度目の面倒事は避けられた。
アクアが戦力外になった今、攻撃が当たらないダクネスと魔法を使ったらお荷物なめぐみん、そして、最弱職の俺。
聞いた話だとスライムレベルの魔物なのに、打つ手なしか。
このままじゃだめだ。
一旦落ち着いてから作戦立てないと。
「めぐみん!今日は一旦撤収するから向こうの二体を狙って放ってくれ」
「了解です!行きますよ!『エクスプロージョン』ッ!」
いつ見ても凄い魔法だけども、カエル二匹に使う魔法じゃねえなこれ。
まあ、岩相手に放つのも違う気がするけど。
「すげえオーバーキルだなこれ」
「ふっ、我にかかればこれくらい造作もないことでうわっ!?」
「「「え?」」」
めぐみんの叫び声と共にめぐみんが宙に舞った。
何が起こってるのか分からないまま、俺達はただ見ているだけだった。
「真下からカエルが出てくるとか予想外です。カズマ、あとは頼みまクックパッ……」
「・・・こんなことってあんのか?」
「滅多にないはずだが……」
ダクネス曰く、滅多にないらしい。
カエルは土の中で眠るのもいるって教育系の公共放送で見た気がするけど、普通起きる瞬間なんて見ることないもんな。
「それより早く助けてあげないと」
考察してる場合じゃなかった。
呆気に取られて助けるの忘れてた。
こう言う不意をつかれた状況だとアクアは役に立つらしい。
「めぐみん今助けるからな!お前らは警戒頼む」
「任せておけ」
ダクネスが居ればアクアは大丈夫だよな。
今はめぐみん救出だ。
「おーい。大丈夫か?」
「な、なんとか。ありがとうございます」
アクアの時とは異なり今度はおんぶしないとだから離れさせることが出来ない・・・。
アクアは既に粘液まみれでヌルヌルとヌルヌルだから滑ってしまうって頼めないし、ダクネスに任せて変なスイッチ入られると困るからな。
ここは我慢するしかないか。
「一旦戻って作戦立ててから明日また来よう」
「ですね。所詮カエルだと侮ってました」
スライム級のモンスターに苦戦するなんて思わないよな普通。
側だけ見たら上級職三人だもんな。
傍から見れば俺が足引っ張ったみたいじゃねえかこれ。
俺が半分倒してるのに。
「カズマあああああ!」
アクアの悲鳴を聞き、見てみるとまたアクアが捕食されていた。
ダクネスから離れるなって言ったのに何やってんだ。
「ダクネスがいるだろ!」
「ダクネスの攻撃が当たらないのよ!」
見ると動かないカエルに対して振った剣が何故か全て外れてる。
見てくれだけで言えばすごい大技決まったみたいに見えるのに不思議だ。
「・・・めぐみん、悪いけど、木陰に置いて行ってもいいか?」
「仕方ないですよ。アクアを助けてあげてください」
「アクア待ってろ!すぐ助けるからな!」
「あっ、ヤバい!カズマさ〜ん!何か飲み込まれ始めたんですけど!」
「あとちょっと耐えろよ!」
とまあこんな風に俺達の初クエストは失敗に終わった。
ただ、結果的にはクエストクリアにはなってる。
これならバイトしてる方がマシだと思える酷さだ。
アクアにまた泣きつかれて、生臭さとの戦いがあの後少し続いたがそれも終わり、今は帰り道。
みんな疲れてる中、一人だけ幸せそうな顔してるやつが俺の背中にいる。
「かずみゃ・・・」
「・・・この状況でよく寝られるな」
あんなことあった後でよく寝られるよな。
ヌルヌルの眠った人をおんぶするのは結構疲れた。
ダクネスが手伝ってくれたけど、ぬるぬる滑るから手間取った。
「あれだけの魔法を放ったのだ無理もない」
「そういうもんか?所で、アクアはどうして食われてたんだ?」
「私はカズマの言った通りダクネスのそばに居たら、カエルがやって来てダクネスが庇ってくれたんだけど、カエルがダクネスをスルーしてこっちに来たのよ。気付いた時には、もう逃げられなかったわ」
また勝手に突っ込んで行ったのかと思ってたことを心の中で謝っておこう。
ダクネスを素通りしてアクアが狙われるとはな。
「恐らく、鎧を着ているから食べにくいと判断されたのだろうな」
「ダクネスは硬いから狙われなかったのか」
「ちょっ、ちょっと待てカズマ。その言い方だと私が硬いみたいではないか。硬いのは鎧だからな?」
そこまで訂正しなくてもみんな分かってるのに。
ダクネスは硬いと言われるのを相当気にしてるらしい。
いつもドMの方が恥ずかしいと思うんだが……。
「分かってるって、でもダクネスはダクネスでなんで攻撃当たらないんだ?」
「不器用で剣術が苦手でな。でも守ることならば不器用でも出来ると思っていたのだが、こんなことになるとは。アクアがうらやま、いや、アクアに申し訳ない」
「おい今羨ましいって言いかけたよな?」
帰り道、落ち込んでるのは攻撃が当たらなかったからだと思ってたけど、それに加えて捕食されなかったこともありそうだな。
「言ってない」
「言ったろ」
「言ってない」
「・・・」
一応ドMな所は隠したいのだろうか?
その割には結構オープンに欲望垂れ流してる時あるよな。
「一応クエストクリアしたんだから何でもいいじゃない。早く帰ってお風呂入ってご飯食べましょう」
確かにアクアの言う通り。
アクアのポジティブ思考に乗っかろう。
「だな。ダクネス、悪いけど報告頼んでいいか?俺らヌルヌル落としてから行くから」
「うむ。ゆっくり休んで来てくれ」
普段は良い奴なんだよなあ。
ドMでさえなければ、完璧なのに。
美人だし、巨乳だし、常識的だし。
「私の顔に何かついているのか?」
「いや、何も。ちょっと考え事をな」
「そうか。悩み事なら何時でも相談にのるぞ?」
うん。
本当に、いい人だ。
モンスターに襲われてるのを羨ましいとか思ってる人には思えない。
と言うか思いたくない……。
「ストレスが溜まっているなら私を罵ってくれても構わない」
「相談はありがたいけど、最後のは要らない」
こういう所だよなあ。
これが全てを台無しにしてる。
要らないって言われたのにも興奮したのかはぁはぁ言ってる。
仲間じゃなかったら絶対に関わりたくない人だ。
「カズマ、お風呂こっちよ?」
「そうだった。ダクネス、後は頼んだ」
「食堂で待ってる」
アクアと眠っためぐみんを連れて浴場に向かう間、凄く注目されてた。
この状況は俺の評判が落ちる方向に話が進む気がする。
帰ったら仲良い冒険者巻き込んで宴会してクエストの愚痴と言う体で事情を説明しないと。
「ねえ知ってる?」
某社の豆キャラが出てくるCMをふと思い浮かべて笑ってしまった。
声似せて言ってたから狙ってるし、俺が笑ったの見て嬉しそうにしてるから確信犯だなこれ。
「なんだ?」
「あの大衆浴場に家族風呂があるのよ」
「家族風呂?」
何故この単語が今出てくるんだ?
全く意図が掴めない。
汚れ過ぎてると入れてもらえないとかはないと思うけどなあ。
前にスカンク系のモンスターにやられた人が入って来てたし。
あの時はみんな直ぐに上がってたけど。
「そう。家族全員で入れる貸切のお風呂」
「それがどうしたんだ?」
「そこ借りてめぐみんをカズマが洗ってあげてよ」
めぐみんを俺が洗う?
さては、面倒だから俺に押し付けようとしてるな?
俺が男ってこと忘れてないか?
「なんで俺がやらなきゃいけないんだ」
「だってめぐみんまだ起きそうにないじゃない」
「お前が洗ってやればいいだろうが」
ダメだこいつと言わんばかりの溜息と共に顔を横に振るジェスチャー。
え?
この状況で俺とめぐみんが混浴するのが普通の流れなのか?
そんなはずないと思うんだが、この世界の常識とか?
「あんた達恋人のフリするんでしょ?だったら二人で入って混浴しとけば誰も疑わないカップルよ」
あっ、そう言えば恋人のフリするって話だっけ。
だとしても混浴までするか普通?
やりすぎだと思う。
「にしても、流石に寝てる間に混浴させられてたら嫌だろ?」
「そういうことだから私は先に行って入ってくるわね!」
言って俺の話なんか聞かずに、アクアは走り出した。
やっぱりめぐみん洗うの面倒だっただけだろ。
振り返って駆けていく前にニヤリと笑みを浮かべた
のを俺は見逃さなかった。
「・・・これ、めぐみんが起きたらどうすんだよ。ダクネス連れてくれば良かった」
風呂上がってからみんなで報告に行けばダクネスがやってくれただろうに。
選択ミスだなこれは。
今からでもダクネスを呼びに行くのもありだなと考えてると後ろから声がした。
「ダクネスがどうかしましたか?」
「お、良かった。起きたか。動けそうか?」
「ええ。しゃがんでください」
混浴は何とか避けられた。
避けられたのだが、避けられたら避けられたで、少し残念な気がしてきた。
「お前がこのまま目覚めなかったら家族風呂に入る所だったんだぞ?」
「家族風呂ですか?何故貸切のお風呂に?あとアクアとダクネスはどこに?」
「アクアは一人先に風呂に向かった。ダクネスはクエストの報告だ」
話を聞いて、なるほどと手を打った。
家族風呂の話題が出た理由に察しが着いたらしい。
紅魔族の知力が高いのは本当らしい。
「それで、動けない私をカズマがお風呂に入れる話になって、ダクネスがここにいればと嘆いてたのですか」
「アクアが恋人のフリをするのにも役立つだろうって無責任なこと言っていなくなったんだよ」
「では、やりましょうか。家族風呂」
「おう。って今なんつった?」
やりましょうかと聞こえた気がする。
気の所為だと思いたいが、俺の聴覚が紛れもない事実だとこの後のめぐみんの言葉も含めて告げてくる。
「家族風呂を借りましょう」
「・・・本気で言ってんのか?」
「冗談ですよ。カズマは面白いですね」
男からかってクスクス笑うとか悪女になる素質あるぞこの子。
と言うか既に俺はめぐみんの手玉に取られてるようなことが何度も起こってるから、今度から魔性のめぐみんと呼ぶことにしよう。
「誰がここまで運んで来たと思ってんだよ」
「感謝してますよ?でもそれとこれとは別です」
どこがどう別なのか四百字程度の説明を受けたい。
感謝してたら、からかうか普通?
ここに来てめぐみんのSの部分に気付き始める。
多分、めぐみんとしては普通の戯れなんだろうなこれ。
「はぁ、ほら銭湯代だ。アクアによろしく伝えといてくれ」
「ありがとうございます。上がったらいつもの所ですね」
いつもなら牛乳屋の前で全員集まるの待っているけど、今日はそうもいかない。
ダクネスに一人で待たせるのは悪いしな。
加えて、一人だとからかわれない。
「ダクネスが食堂で待ってるから先にギルドに向かってくれ」
「では、アクアにそう伝えて私は待ってます」
「お前も待たなくていいんだぞ?」
俺の長風呂を一人で待ってもらうのは悪い。
いつも先に帰って構わないと言ってるけど、みんな待ってくれる。
まあ、目的は待たせて悪いからと奢ってるミルクとかコーヒー牛乳とかなのは分かってるんだが。
あと、めぐみんと二人とか絶対になんか仕掛けてくる。
アクアとダクネスが居ない時ほど要注意だからな。
「恋人が上がるのを待つ方が自然じゃないですか?」
「分かった。なるべく早めに上がるようにする」
確かにめぐみんの言う通りだ。
ここはめぐみんのからかいを耐えるしかないか。
まさか、異世界にきて付き合ってるフリなんか始めることになるとは……
何故こんなことになってしまったのか。
俺の運はいい方のはずなのに。
幸運値ってなんだよ。
あれか?
美少女と恋人のフリ出来るのが幸運だとかそういう話か?
だったらフリじゃなくて本当に恋人にしてくれよ。
まあ、右も左も分からず、その日を暮らすお金もない状況で、親切なめぐみんに助けて貰えたのはとても幸運だろうとか言われたら何も言い返せないんだが、それはそれとして、この国の国教にまでなってる幸運の女神とやらに会うことがあったら俺の幸運について問い詰めてやろう。
明日は幼馴染ちゃんの物語の予定ですが、最近夢にカズめぐがよく出てきて、カズめぐの波動を感じてるので、もしかしたら他のシリーズかもです…