この平行世界《パラレルワールド》にも祝福を!   作:めむみん

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お久しぶりです!
忙しくなってきましたが、何とか作れました。
今回もカズマさんが翻弄されますので、お楽しみください。


一方通行な以心伝心

-IPPOUTSUUKOUNAISHINDENSHIN-

 

めぐみんが俺をからかうの飽きないかなとか、早くクリス戻ってこないかなとか考える今日この頃。

全くそんな予兆は見られない。

めぐみんと付き合ってることになってからはもう四六時中一緒に居る。

別行動は風呂とトイレくらいだろうか。もちろん他にも多少はあるけど、イメージとしてはこんな感じだ。

もちろん偽装に必要なことだってのは分かるけども、これはやり過ぎな気もする。

なお、今はめぐみんとダクネスのトイレ待ち。

 

「ぼぉーっとしてどうしたの?」

「考え事だ」

「めぐみんのことでしょ?」

 

多分、事情知ってるアクアとダクネスなら普通に分かると思う。

俺が今悩むことはめぐみん関係が主だし、よく愚痴ってるし。

 

「その通り、俺は早く一人の時間が欲しい」

「別にいいじゃない楽しいし」

「それはお前らが楽しんでるだけだろうが」

 

他人事だと思ってお気楽なもんだ。

俺がどれだけ悩んでるかも分かってるくせに。

 

「カズマだって楽しんでるでしょう?仮初でも彼女出来たんだから」

「否定はできねえけど、それはそれ、これはこれでだなあ」

「その内めぐみんも飽きるでしょ、私とダクネスが最近あまりいじらなくなったみたいに」

 

言われてみれば最近は俺らのことでからかわなくなってる。

・・・もう飽きたのか。

結構早いな。

てかそれなら俺に多少普通にしていいとか何かフォロー入れてくれよ。

 

「お前らもう飽きてたのかよ。じゃあ、四人だけの時は止めてくれよ」

「それはそれ、これはこれなのよね。面白いのに変わりないし」

「いじめだって訴えてやる」

「何処に訴えるの?」

 

こいつにしては結構まともな事を言う。

そう、訴えを起こすにしても、それを所管する機関などここには無い。

企業で言うところ内部通報もギルドには無い。主に不正のしようがないのも大きいだろうけど。

犯罪であれば警察が動く故に、存在しないと言った所か。

で、パーティー内のいざこざは違法行為じゃなければ特に何の介入もされない。

つまり暴力的ないじめじゃないと訴える先など存在しないのだった……

 

「日本に帰りたい」

「日本だったら多分、めぐみんがカズマの家に毎日通って、外堀埋められると思うのよね」

「そうなる所が容易に浮かぶんだが……」

 

あまり思い出したくもないが幼馴染が遊びに来ていた時の両親の反応からして、めぐみんが毎日遊びに来るようになったら家族のように扱うだろうし、あの二人ならウチの息子をよろしくとか言いかねないし、めぐみんはめぐみんで、俺の方見ながらニヤニヤして、こちらこそよろしくお願いしますとか言いそう。

 

「あっ、全然話変わるんだけど、昨日覗きの犯人捕まったらしいのよね。カズマが冤罪かけられてたってやつ」

「ほう。そりゃよかった。被害者の女の子今何処に居るか知ってるか?多分日本人だと思うんだけども」

「そうなの?話によると犯人捕まえてからは、隣町に向かったらしいわよ」

 

わざわざ追うほどでもないし、それこそ隣町行ってクリスに会ったら理不尽にブチギレる自信あるから行かない方がいいな。

・・・冷静に考えてクリスは今の状況について何の責任もないし、偶発的な事故だからな。

強いて言うなら俺とクリスの窃盗スキル使用時の運が無さすぎたって話なんだけども。

 

「そうか。アクアに会わせたら仲間になってくれるんじゃないかなとか考えてたけど無理か」

「その内何処かでまた会うでしょ。それよりも、もしかしてその子に一目惚れしたの?」

 

第一印象が、勘違いとは言え冤罪吹っ掛けて来た子だからまず無い。

まあ、見た目が好みかどうかと言われると好みに近いけども、一旦そこは置くとして、あの子に特別な感情は全くない。

あるのは海外で日本人を見つけて、日本語で話したくなるあの感じだと思う。

こっちでは、日本語じゃなくて、日本でのこととか、この世界の常識どうなってんだよとか色々話したい。

 

「してねえよ。こちとらファーストコンタクトで取り押さえられかけてんだぞ?めぐみんが逆に絞めてたけどさ。ここに居る日本人ってチート持ちなんだろ?だったら仲間に入れない手はないだろうって思ってさ」

「そうだったわ!カズマと違ってチート持ちの日本人が仲間にいたらちゃんと魔王討伐できるじゃない」

 

言いたい放題だなこいつ。

てか特大ブーメラン刺さってることに気付いてんのかな?

 

「お前、自分がチートじゃなくてお荷物だって認めたな」

「ちっ、違うから!そういう意味じゃないわよ!」

 

ここから毎度の言い争いが始まろうとしていた中で、めぐみんとダクネスが戻ってきた。

 

「また何を揉めてるのですか?」

「まだ揉めてない。これから始める所だった」

「・・・何でもいいですけど、仲良くしてください」

 

いつもめぐみんが年長ムーブするんだよな。

不甲斐ないばかりだ。

いや、毎回アクアが変な事言うからなんだけども。

 

「まあ、二人が揉めるのは仲がいいからでは無いか?」

「「それは無い!」」

「息までピッタリで、本当に仲良いですね」

「「だから!違うって!」」

 

ダクネスもめぐみんもニヤニヤしててムカつく。

今ほどアクアと考えが同じ時はないよな。

 

「一つ聞きたいのだが、いつもハモるのはワザとやってるのか?」

「「何でそんなことをしな、今こっちが喋って……」」

 

ちくしょう!

なんでここまで被るんだよ!

ダクネスは失笑してるし、めぐみんはずっとニヤニヤしてる。

 

「こう言うやり取り見てると妬いてしまいますね」

「「めぐみんちょっ……」」

「何ですか?アレですか?実は付き合ってるんですか?」

 

めぐみんの演技モード入って、ニヤニヤは無くなったけど、アクアととか絶対ありえない。

とは言えここで否定が被ると二人の思う壷だから黙るか。

 

「「・・・」」

「沈黙は肯定と言えるな」

 

何で沈黙のタイミングまで合っちまうんだよ!

アクアもグルでワザと俺に合わせてたりしないよな?

もしそうなら全員絞めあげる。

 

「嘘発見器持ってきてくれれば俺らがただの腐れ縁って分かる」

「嘘発見器?」

「カズマ、ここにそんなものないわよ?」

 

日本のやつもそこまでの高性能じゃないけど、魔法の世界なら何かしらあると思うんだけど、この世界ないの?

中世世界で嘘発見器ないと、冤罪ふっかけとか余裕で通りそうで怖いからあって欲しい。

 

「な、何かあるだろ?嘘ついたら分かる魔道具とか」

「ふふっ、やっぱりカズマはカズマですね」

 

言って、めぐみんは俺を後ろから包み込み、頭を撫でて来た。

めちゃくちゃドキドキさせられてるけど、何が起こってるのか分からない。

俺は俺ってどう言う意味?

魔道具の質問しただけだよな?

 

「・・・なんで俺、めぐみんに抱きしめられて頭撫でられてんの?後こいつが何言ってるかさっぱりなんだが?」

「カズマが相変わらず訳の分からないことを言ってるから哀れんでるんじゃない?」

「・・・」

 

ぐうの音もでねえ。

そうだったよ。

こっちの常識ないから、また変なこと言ってると思われてんのかこれ。

 

「全然違うので安心してください」

「じゃあなんだよ」

 

どうやら違うらしい。

未だに抱擁は続いていて、アクアとダクネスは毎度の事ながらニヤついてる。

殴りたい、この笑顔。

とそんなことはさておき、めぐみんの行動理由が、何だろうかと考えてる間に、めぐみんの言葉に俺は思考回路を全て奪われた。

 

「愛おしいなと思ってます。それよりもそろそろクエストしましょう。ギルドの職員もみんな完治したみたいですから」

「うむ。最近は休みが多かったからな。本業を疎かにしてはならない」

「ねえねえ、簡単そうなやつにしましょう」

「・・・」

 

めぐみんの言葉に固まる俺をよそに、三人とも掲示板へと歩いて行った。

え?

何でみんな普通に会話してんの?

愛おしいとかめぐみん言ってなかったか?

演技の一環だとしても、何か反応するだろ普通。

一人で惚けているとマスターが近付いてきた。

 

「おい、大丈夫か?三人とも向こう行ったぞ?」

「それが、めぐみんが俺の事愛おしいって。痛っ!?何すんだよマスター!」

「ここは現実だ。惚気はいいから早く行け。心配して損した。まあ、クエスト頑張れよ」

「・・・」

 

俺にもう心休まる場所はないのかもしれない。

 

 

 

掲示板に辿り着くと三人はまだクエストを選んでいる所だった。

ある意味クエスト中が一番気楽かもしれないと思い始める俺だった。

 

「カズマ何してたの?」

「ちょっとマスターと話してた。いいのあったか?」

「私はこの一撃熊の依頼がいいと思うのだが」

 

ダクネスが見せてきた依頼を見てみる。

一撃熊ってことは、一撃の攻撃で相手を倒す強力な熊ってことだよな?

ダクネスは普通に耐えられるだろうし、アクアも何だかんだでカンストしてるから耐えはするだろうが、ステータス的に大丈夫じゃない耐久戦不向きな奴がウチには二人いる。

 

「どれどれ・・・俺とめぐみんが即死級のやつは却下」

「カズマ、これなんてどう?」

 

アクアが見せてきたのは、縄張り争いをするマンティコアとグリフォンの討伐。

どちらも超上級向けな相手なのに、二体倒しても五十万エリスと大して高くない報酬でとにかく割にあってないクエストだった。

 

「明らかに報酬と仕事が噛み合ってないから却下」

「これはどうでしょう」

 

最後にめぐみんが見せてきたのは、ジャイアントードが異常発生してるエリアの殲滅だった。

爆裂魔法でまとめて倒したいとか考えてるんだろうけど、魔法放った後の事に逃げる事が想定されてないと思う。

 

「討伐漏れが出た時にお前背負って逃げられるとは思えないから却下」

「じゃあ、何を受けるのだ?」

「他にもジャイアント・トードのクエストはあるし、討伐数も少なめだし、これでいいだろ。初心者級のこいつに負けてたら、他のに勝てねえからな」

 

無難とも言えないけど、一番適切なのはジャイアント・トード五匹とかその程度なら前回もギリギリなんとかって感じではあったけども一応倒せてるからな。

 

「カズマにしてはまともなこと言うわね」

「一言余計だ。ともかく、これで行くからな」

 

変なクエスト受けずに済んで良かった。

ここで反論されたら面倒だったし、これで何とかなるだろうと思っていた時期が俺にもあった。

 

「カズマ助けぐぷぷぷ……」

「カズマヤバいです!このままだと飲み込まれます!」

「か、カズマ、どうして私は狙われないんだ!」

 

アクアは既に呑まれてしまい、めぐみんは咥えられて上半身だけ出ている。

そして、ダクネスは自分だけ狙われないことを嘆いていた。

ツッコミたい所ではあるが、早くしないとアクアが完全に呑まれそうだから急がないとな。

 

「・・・ダクネス、めぐみんの方のカエル頼む。近付いて突き刺すくらいならお前でも出来るだろ」

「ああ、わかった」

 

めぐみんをダクネスに任せて、アクアを呑み込んだカエルに近付いて安否を確かめて声をかけてみる。

後ろを振り返りダクネスの方を確認すると、もう少しで到着しそうだから向こうは大丈夫だろう。

 

「アクア、大丈夫か?って話せないか」

 

よく考えたら完全に呑まれてるから返事が聞こえるわけがなかった。

ということで、カエルに斬りかかり、アクアを救い出すことにした。

これでカエルに呑まれた神を救うのは三度目か。

ここだけ切り取ったら、俺はこの後金銀財宝が貰えるよな絶対。

 

「ぷはぁ!カズマ、ありがとね。うぐっ、こんなのあんまりよおおおお」

「お前が勝手に突っ込んでいくからだぞ」

 

避けられないパターンで呑まれるならしょうがないで済むけど、馬鹿みたいに突っ込んで行って呑まれて戦況悪化させるのはやめて欲しい。

もうちょっとカエルの数が少なければその行動も身を呈した時間稼ぎと評価できたんだろうけど今は違う。

そう思ってアクアにもうちょっと注意をしようと思っているとアクアが何かを言いたそうにしていた。

 

「ねえカズマ」

「なんだ?」

「このままだとめぐみんが呑まれると言うか、もうダメかも」

 

話してる内容的には緊迫しててもおかしくないのに、結構冷静にアクアはそんなことを言った。

まあ、さっきまで自分も同じ状況だったからなんだろうけど。

ダクネスならとっくにカエルの元についてるから、めぐみんは無事なはずだよな?

 

「え?ダクネスが向こうに……」

「カズマ!こっちに来てくれ!刺しても刺しても剣先がズレて刺さらなくてめぐみんを助けられない!」

「何か動き出したので本格的に飲まれそうです!助けてくだぷっ……」

「めぐみん待ってろ!すぐ助ける!」

 

何でこんなことになってるんだろう。

一応スライムレベルだよなこのカエル。

そんなの相手にこの体たらくで魔王討伐とか出来るか?

無理だと思う。

とか考えてカエルに切りかかろうと構えたタイミングで、ダクネスの攻撃が当たった。

突きより切り付ける方が良かったらしい。

とりあえず、ダクネスがカエルを倒したから、俺は呑まれためぐみんを引き抜くことにした。

 

「無事か?」

「何とか。カズマなら助けてくれると信じてましたよ」

「悪い、まさかダクネスが至近距離で刺すことも出来ないとか予想外で」

 

クリスから縛った魔物なら倒せるって聞いてたから安心してたのに……

相手が悪かったのか?

皮膚がツルんとしてたから刺さらなかったとか?

切り付けなら攻撃は当たってたから、方法間違えてただけだろうけども。

とりあえず、ダクネスを戦力としては下方修正するしかないか……

 

「すまない、私が剣を扱えればめぐみんが呑まれるようなうらや、事態にはならなかったはずだ」

「今羨ましいって言いかけなかったか?」

「言ってない」

「いや言ったろ」

「言ってない!」

 

お馴染みとなりつつあるこの問答……

こう言うのは否定するからダクネスは何処まで隠して、何処までさらけ出していいのかの基準がよく分からない。

 

「私は無事ですから気にしないでください。二人が私とアクアを助けようとしたことは変わらないですし」

「そうね。カズマがめぐみんじゃなくて私の方に来たの意外だったけど、助けて貰ったもんね」

「お前の方が先に呑まれてたからな」

 

全身呑まれるとさすがに消化されそうで怖いからな。

それこそダクネスが直ぐにカエルを倒せるとは思ってなかったから、時間がある程度かかっても問題ないと判断しためぐみんを頼んだんだが、この結果だからな。

後で詳しく話聞くしかないか。

 

「彼女優先しなくて良かったの?」

「実際はそうじゃないの知ってるよな?てかそうだったとして俺が先にアクアを助けることは変わらねえよ」

「ふーん。逆にめぐみんはこの場合どうするの?」

 

アクアは面白くなさそうに反応を示して、めぐみんに話を振った。

また何か変なこと言わないかちょっと心配してる。

いや、ちょっと所かかなり心配してる。

アクアもそれを分かってて聞いてるだろうけど。

 

「私ですか?多分迷うことなくカズマの方に突撃します」

「やっぱりね」

「その方がアクアを助けるの早いですし、新手が来た時に私達三人じゃ厳しいですからね。アクアの期待してるような意味じゃないですよ」

 

悪ノリするかと思ったのに、普通に返してるのを見て、決め付けてたことにちょっと罪悪感を覚えた。

とは言え、めぐみんの日頃の行いだからそこまでじゃない。

ジュース一杯奢るとかで良いくらいのレベル。

 

「そういうことにしといてあげる。とりあえず今日もクエスト完了出来たし帰ったら宴よ!」

「宴ですか。いいですね。今日は私もお酒飲みますよ!」

「ダメだ。めぐみんにはまだ早い」

 

とダクネスが止める。

ウィズと会った時にめぐみんに酒は飲ませないって話になったからな。

しかし、止められて黙ってるめぐみんではなく、俺の背中から先頭を歩くダクネスに向かって吠えた。

 

「ダクネスのケチ!カズマ!みんなで飲んだ方が楽しいですよね!」

「いや、俺もダクネスに賛成だけど?」

「カズマの裏切り者!」

 

と言ってめぐみんは俺をポカポカと叩き始めた。

裏切るも何もこのメンバーの中だったら俺は基本中立だと思う。

何ならめぐみんと一緒にいる時間長い分、甘く見てる所あるくらいなんだけどもな。

 

「なんでそうなんだよ」

「アクアは分かってくれますよね?」

「めぐみんごめんね。私お小遣い減らされたくないの」

 

とアクアは俺の方を見ながら言った。

確かにアクアは何だかんだ言って飲ませてしまいそうだから、小遣い減らすと脅したのは俺だけども、発案者じゃないのにこれは困る。

まあ、俺も同じこと考えてはいたけど。

 

「カズマ計りましたね!」

「何をだよ。この前みたくなられると困るからめぐみんに酒は当分飲ませないって話になったんだよ。お前の為だからな?」

「そうだぞ。カズマの想いをしっかり受け取るのも彼女として大事ではないか」

 

めぐみんに真剣な眼差しで語った後、こちらを見てニヤつくダクネス。

コイツはSなんだろうか?Mなんだろうか?よく分からん。

どっちもとかだったらもう手に負えないぞ?

めぐみんはそんな事には気付かず、気恥しそうに了承した。

そして、そんな状況を黙って過ごす俺では無い。

 

「とか言ってるけど最初に案だしたのダクネスだけどな」

「ほう……」

「それは言わない約束だっただろう!」

「俺の想いだとか、彼女とか言う方が悪い。まあ、賛成したのはめぐみんが心配だったからだし、お前だって記憶ないのに初めてが終わってるとか嫌だろ?」

 

ダクネスが拳を上げようとしてたから、すかさずフォローを入れといた。

俺が物理最弱なのは分かってるから、戦闘は避けないと。

 

「・・・はぁ、分かりました。飲みまないことにします。醜態晒したのは事実ですから。でも何時になったら飲んでいいんですか?あと、カズマとなら別に構いませんよ?その後もう一回しますから」

 

納得して貰えたようで一安心。

と言いたい所だが、何か最後の方に変なこと言ってたな。

流石にこの発言は、アクアとダクネスも驚き隠せてないぞ。

 

「俺の国だと二十歳だな。めぐみん、この場でそれ言うの洒落にならないからやめろ」

「カズマも二十歳になってないじゃないですか。洒落って何ですか?私は本気ですよ?」

 

俺はもう何も言わないことにした。

コイツに話させたらどんどんペースを持ってかれる。

て言うか何か最近めぐみんのことが今まで以上に可愛く見えることがあるし、ちょっと危ない気がする。

まさかめぐみんのこと好きになってたりしないよな?

相手は三歳下で守備範囲外。

そうだ、相手はロリっ子。

危ない危ない。

日々のめぐみん疲れから変な思考にたどり着いてしまってる。

 

「次の誕生日とかでいいんじゃない?」

「めぐみんの成人に合わせるのはいいかもしれないな」

「十二月なのでもうすぐですよ?」

 

めぐみんってもうすぐ誕生日なのか。

・・・え?

来月誕生日ってことは俺とめぐみんって二歳差?

高一と中二?

あれ?

これってヤバいやつな気がする。

今まで恩師ではあるものの、変な所もあるけど出来のいい妹的な感じで見てたからある程度問題なかったけど、二歳差で、後輩って見方になったらこれどうすんの?

今後俺はどうめぐみんと接していけばいいの?

一人の女性おして認識しちゃったんだけども。

しかもそんな認識の変化が起こった上にめぐみんが酔っ払って前みたいに迫って来たら多分我慢できない気がする。

・・・めぐみんがいつも責任取ればとか言ってるからそのままとか普通にありそうで怖い。

 

「それは早すぎるな。来年の誕生日にするのはどうだろうか?」

「そうします。その時に何かあってもカズマが責任とってくれればそれでいいです」

「やっぱりめぐみんは金輪際飲まない方がいいと思う。仮にめぐみんが飲むなら俺は別に宿取るからな」

「私の誕生日なのに、一緒に寝てくれないんですか?」

 

やめろよ。

そんなことを寂しそうに言うなよ。

勘違いしちまうだろうが!

騙されないぞ!

耐えろ!

めぐみんとの実年齢差の認識が変わったことで混乱してるだけだ。

今ここでめぐみん超可愛いとか本当に付き合いたいとか思ったら負けだ。

落ち着け、相手は爆裂爆裂言って、杖に頬擦りしてたヤバいやつだ。

 

「誤解されそうな言い方やめろ。てかその頃にはもうアクアも返済出来てるだろさすがに」

「めぐみん、まだカズマには話していなかったのか?実は」

「ダクネスやめろ。聞きたくない。言いたいことは分かったからこの話は終わりだ」

 

部屋を分ける時は自然消滅の流れを作るための手段にするとかそういう話だろうな。

付き合ってる設定なら同じ部屋に泊まってる方が普通だし。

てかどうして当事者の俺無しで話進んでるんだ?

ダクネスの言い方的にめぐみんが俺へ伝える役だったんだろけど、昨日決まって話すタイミングがなかったとかか?

いや、めぐみんのことだ。

アクアの返済が終わって一安心した俺を驚かそうとかそういう意図で伝えてなかったに違いない。

 

「私がわざと伝えてなかったとか思ってますね?全然違いますよ。最初に考えてた方が正解です」

「・・・アクアとダクネスに聞きたいんだけど、俺ってそんなに分かりやすいか?」

 

今更、思考を読まれたくらいで狼狽えはしないけど、ずっと不思議に思ってたことを聞いてみる。

これで二人とも俺の考え分かってたら、俺が分かりやすい人間ってだけで済むんだが、小首傾げてるから絶対期待する返事は来なさそう。

 

「いや、普通だと思うぞ。さっきはカズマをずっと見ていたがめぐみんが言ってるようなことは読み取れなかったからな」

「私も全く分からないから、これはアレね。めぐみんの愛の力よ」

「・・・でめぐみんは何で分かるんだ?」

 

確かに俺に説明しようとしてたダクネスは俺の顔を確実に見てたし、それでも分からないなら、アクアの案は捨て置くとしても、やっぱりめぐみんが第六感的な何か持ってると考える他ないけども。

 

「誰でもある程度は分かりますよ?単に一緒にいる時間の問題だと思います。カズマの考えてることがより詳しく読めるのは」

「じゃあ私が今何考えてるか分かる?」

 

絶対に分からないだろうと高を括って、ドヤってるあたりこっちには無い、日本にある何かだろうな。

俺でも分かる。

ダクネスは分からないだろうけど。

 

「私にはよく分からない物を思い浮かべてますね」

「・・・紅魔族ってみんなこうなのかしら?」

「紅魔族は賢いですからね」

「考えてることが読めるのは賢さなのか?」

 

ダクネスの疑問も最もだ。

IQが高いと相手の心が読めるとか聞いたことないし、逆に人付き合いが難しい的なことはよくドラマとかの描写であるんだけどな。

賢さとの因果関係はない気がする。

 

「カズマが前に言ってた、めんたりすとなる人が学ぶことを知らず知らずのうちに修得してるんじゃないですかね?」

「確かにアレは学術的で訓練したら出来るもんな。それなら納得」

 

天然のメンタリストとか聞いたことない。

でもまあ、こうやって見せられると納得せざるを得ないよな。

他に考えてること読めるとしたらエンパスとかだろうけど、それだと俺に特化してるとかの説明付かないからやっぱり、めぐみんがメンタリストの技術持ってるって考えるのが妥当か。

 

「めぐみんがメンタリストねえ。カズマ、変なこと考えられなくなったわね」

「何でもかんでも見通されてる訳じゃないから大丈夫だろ」

「決めました」

「・・・何を?」

 

今この瞬間において何か決めること何てあるか?

 

「カズマの考えてることを完璧に読めるようになります!」

「是非ともやめてもらいたい」

「どうしてですか?あれ取って欲しいとか一々言わなくても動けるようになるんですよ?」

「それ以上に俺の内心の自由が脅かされるのが怖い」

 

めぐみんに思考を覗かれてるとか思いながら生活するのはやだ。

パノプティコンの囚人みたいな暮らしとか想像したくない。

 

「カズマが何を考えてたかを誰かに言うつもりはないですよ?それに私はカズマに何考えてるか分かってもらえる方が嬉しいですから、カズマが私の考えてること分かるようになったらお互い様ってことでいいじゃないですか」

 

とか笑顔で言ってくるこの子は本当に何を考えてんだろうか。

もう諦めるしかないな。

添い寝もなんだかんだで慣れてきたし、読まれるのもその内慣れるだろ。

・・・てか俺が修得するの時間かかって、結局めぐみんだけに見通される気がするのだが?

 

「大丈夫ですよ。ちゃんと教えますから」

「俺ポーカーフェイスのスキル探してくる」

「そんなスキルないわよ?」

「ですよね……」

 

めぐみんに悪意はない。

逆に自分だったら嬉しいと思ってるくらいだからな。

受け入れるしかないか。メリットのことだけ考えよう。

確かにめぐみんが言ってた何か取って欲しいとか言わずにやってくれたら痒い所に手が届くみたいなことも増えるだろうな。

で俺がめぐみんの考えを読めたら一々おんぶの時に確認したりせずともベストポジションが分かるだろうし、料理とかする時もお互い何も言わずに手伝うとかも……って、待てよ?これじゃあ何か夫婦みたいじゃないか?

と思いめぐみんを見るとニッコリと微笑んでいた。

・・・え?めぐみんが俺の考え読めてるとして、この状況で微笑む理由って何?

あの笑顔は何を意味してるんだ?

 

「今さっき何考えてたか分かるか?」

「お互い思考が読めるメリットを考えていて、その後は何かに引っかかって私を見たってことくらいですかね。何かは分かりませんが受け入れてもらえて嬉しいです」

「そうか」

 

夫婦みたいとか考えてるのがバレたら面倒なことになってただろうから、そこまでの精度じゃなくて良かった。

こうなったら、めぐみんがレクチャーしてくれるんだから俺も読めるようになってやろう。

そんでもってポーカーフェイス出来るように頑張るしかない。

と決意する帰路だった。




メンタリストめぐみんいかがでしたでしょうか。
カズマさんが年齢差に気付く回となりました。
次回の投稿時期、シリーズ共に未定です。
次の投稿はカズめぐだと思います。
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