この平行世界《パラレルワールド》にも祝福を!   作:めむみん

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お久しぶりです。
心の中のめぐみんの暴走を止められずに時間だけが過ぎてしまいました。
次はちゃんと週一投稿に出来るように頑張ります!


散歩がデートに変わる時

-SANPOGADATENIKAWARUTOKI-

 

突如現れた魔王軍幹部は去った。

みんな撃退出来たことに喜び帰ってしまった。

残された俺とめぐみん。

二人きりの帰り道。

これ自体はいつもしている爆裂散歩と大して変わらない。

いつもと異なるのは、俺たちがおんぶではなく恋人繋ぎをしていること。

恋人繋ぎもいつもしてるだろうとか言うツッコミはなしで頼む。

今の恋人繋ぎといつもの恋人繋ぎは明確に意味が違うのだから。

 

「あの、これからの事について話したいのですが、いいですか?」

「俺の告白に期限を設けるとかじゃなければ大丈夫だ」

「そんなこと言いませんよ。期限なんて設けたらムードもへったくれもないじゃないですか。私達の関係を何処まで話すかです。」

「・・・少なくともアクアには聞かれてると思うけど、そこら辺はどうするんだ?」

 

もし仮に周りには伏せるとしてもあのお喋りな駄女神様が言いふらしたら秘密にする必要性がなくなる。

逆に隠したりしたらからかわれるし、そうなるといっそ公然とイチャイチャする方がいいと思う。

そんな勇気俺にはないけど、めぐみんは俺の気持ちなんて気にせずやってくるだろう。

いや、気持ちを分かった上でからかってくるな。うん。

 

「戦いが終わったらの部分は声を抑えてたじゃないですか。そこは聞かれてないはずなので、私があの時に言った大切な人と言うのは仲間としてだと言い張れば、私が照れ隠ししてるくらいに思われて終わるでしょう」

「そういうもんか?俺としてはダクネスには話しとこうかなって思ってたんだけど」

 

もし付き合うなら協力するとか言ってたし、実際、めぐみんと恋人に近い関係になったから色々と相談したい。

めぐみんと付き合うにあたってのアドバイスとかを貰いたい。

主にからかわれないようになるための方法を聞くために。

 

「すぐバレるとは思いますが、付き合うことになって、それを二人だけの秘密として共有してみたいと思ってるのですよ」

「二人だけの秘密か。そう言うの俺も憧れてたことあるし、話さない方向でいこう」

 

と今後の方針が決まった。

二人だけの秘密とダクネスの支援あり。

どっちが良かったんだろうか。

好奇心唆られるのは秘密の方で、こっちの方が楽しいと言うかドキドキ出来ると思う。

でもダクネスに話していれば、プレゼントしたいとか喧嘩とかの時にどうすればいいのか聞けるから楽と言えば楽になる。

・・・正直、めぐみん相手だと後者の方が俺は良かった気がする。

でもまあ、これまで色々と世話になってるし、ここはめぐみんに合わせるしかない。

憧れがあるってのは嘘じゃないし、それを活力に頑張ろう。

 

「カズマ、今日は抱き合って寝ませんか?」

「嬉しい誘いだけどそう言うのは、正式に返事してからな」

 

めぐみんの気持ちが分かって思ったことはただ一つ。

コイツは常に全力で自分のやりたいこととか言いたいことを俺に全力でぶつけてきてたという事。

そして、今やそのお誘いを受け取ってもなんら問題ない状況に俺たちはある。

でも、俺としてはまだすべきじゃないと思ってる。

なんと言うか、このまま行くと順序が逆になるようなことが多くなりそうだからな。

 

「分かりました。カズマはホントお堅いですね」

「お堅いんじゃなくて、理性で抑えられるうちに止めてるだけだ」

「もうその必要なくないですか?」

 

た、耐えろサトウカズマ。

上目遣いでめちゃくちゃ可愛くて、魅力的なお誘いでもここで乗ったらそのまま際限なく、やる事やってからお付き合いなんてことも有り得る。

それだけはごめんだ。

 

「・・・まだ付き合ってないだろ?」

「そういう所を言ってるんですよ。私としては早くハグとかキスとかしたいです」

「一応言っとくとが、そこから先止まりそうにない気がしてるからやらないんだ」

「・・・分かりました」

 

まだ心の準備出来てないから助かった。

それに流れのままってのも良くない。

今はいつもの雰囲気に戻した方がいいかもしれない。

何故ならめぐみんの眼が赤く輝いているから。

正直、宿屋に着いて強引に迫られたら跳ね除けられる自信はない。

他にめぐみんの興味を移さなければ……

 

「街帰るのやめて、爆裂散歩しないか?今日はまだだろ?」

「行きましょう!カズマと手を繋いだままやりたいです。あと、詠唱前にキスするのもありですね」

「・・・手を繋いだままって所だけはやってやる」

 

俺の考えが甘かった。

爆裂散歩には俺と言う要素が最初から入ってることを失念していた。

そうだよな。

採点あっての爆裂散歩だっていつも言ってるもんな。

しかも俺じゃないと満足出来ない身体にとか、公衆の面前でモジモジしながら言ってたし……

 

「じゃあ、今からしましょう」

「まあ、これはいつも通りと言えばいつも通りだからな」

「そう言われるといつも通り以上のことしたくなります」

 

言ってめぐみんは恋人繋ぎを止めて右腕にしがみついて来た。

アニメとかドラマのバカップルでしか見たことなかったけど、まさか自分がされる側になるとは……

 

「・・・めぐみんさん、歩き難いのですが」

「ハグもダメ、キスもダメ、腕組みもダメ、何だったらいいんですか?」

「普通のハグならやってもいいって言ったしりからやるのなお前」

 

目を爛々と輝かせているめぐみんは、アニメとか漫画だったら目がハートになってるんじゃないかってくらいに、煌々と眼を紅く光らせて抱き着いて来た。

なんつーか。

俺の言っためぐみんのこと好きとめぐみんの言う俺の事好きとの間に物凄い質の差があると思う。

・・・めぐみん基準で言ったら、俺まだめぐみんのこと気になってる程度な気がする。

もちろん、めぐみんのことが好きだって気持ちは間違いないけども。

 

「許可が出ましたからね!カズマとハグ!最高です!」

 

とぬいぐるみを貰った子供みたいにめぐみんは今はしゃいでいる。

いや、もっと適切な表現があるな。

爆裂魔法放ったあとみたいだ。

今は、胸元に顔をグリグリと押し当てて、スーハースーハーしてやがる。

・・・彼氏の布団の匂い嗅ぐとかならまだしも直接ハグ中に嗅ぐやつがあるか?

しかも、これが初めてだぞ?

「えへへ、カズマの匂いがします」

 

俺の体に顔埋めてたらそりゃ俺の匂いするだろうよ。

めぐみんは匂いフェチだったか。

まあ、おんぶしてる時にめぐみんの匂いいいなあとか、偶に顔に当たって香る髪の匂いもいいから、もうちょっと近くで嗅いでみたいとか思ってる俺が言うのもなんだけども。

 

「なあ、くすぐったいから吸うのやめてくんねえか?」

「嫌です。カズマ成分を補充仕切るまでは!」

「・・・俺が言うのも変だけど、俺の事好き過ぎじゃないか?」

 

なんと言うか。

こういうのってもっとこう。

表現がすごく雑だけど、散々イチャイチャして、ラブラブになってからするものだと思うのだが……

別にされて嫌って訳じゃないし、めぐみんの思いがひしひしと伝わってきて、嬉しいくらいだけど。

疑問と同時にこんなにもハグだのキスだの添い寝だのと要求してくるめぐみんを見てると、よく今まで耐えてたなとは思う。

だって、添い寝は毎日してたしな。

押し倒すのとかやろうと思えば出来たわけだし。

クエスト中に勝手に爆裂することのあるめぐみんだからな。

不思議だ。

 

「カズマは分かってませんね。私が爆裂魔法に一途で全力なの知ってますよね?」

「爆裂魔法をこよなく愛する魔法使いさんは、意中の相手もこよなく愛していて、全力でくる訳ですか。そうですかってそうはならないだろ!」

「なってますよ?」

 

言って俺に何を言ってるんだこの人はと言う視線を向けてくるめぐみん。

不思議そうな目で見られてるけど、おかしいの絶対コイツの方だよな?

俺が恋愛経験ゼロだからとかじゃないよな?

いや、これが一年以上の付き合いでとかなら、正直この論法でも分かる所はある。

しかしだ、出会って数ヶ月と経ってない現状では、はいそうですかと納得出来ない所がある。

俺が戸惑っているとめぐみんはカズマ成分とやらを満タンに補充できたのかハグを止めて、恋人繋ぎをしてきた。

そして歩き出して妙なことを言い出した。

 

「そんなに気になるなら、ほら、カズマの言ってた嘘ついたら分かる魔道具でも持ってくるといいですよ」

「それ存在しないんだよな。・・・ああ、あの時のハグも愛おしいとかも本気だったのか」

「父に依頼すれば作れるかもですよ。それとあの時のハグも愛してるも、もちろん本気です。演技じゃないですからね」

 

ああ、そりゃそうか。

あの段階で愛してるなんて表現出てくるんだから、好感度のゲージがあるとしたらもう振り切ってる訳か。

・・・俺がいつその好感度を上げたのかは未だに謎だけども。

 

「ひょいざぶろーさんって魔道具職人だったのか。そこまでする必要はないと言うか、めぐみんが嘘ついてるとは思ってないと言うか、俺が単純に納得いってないだけと言うか……やっぱりアレ、マジだったのか」

「マジです。あそこまでやったのに、普通と言うかいつも通りだったので、カズマが超鈍感なのかと疑いましたよ」

「こちとら何が起こったのか分からずに固まってたんだよ。もうからかわれただけと思って処理するしかなくてだな」

「はぁ、私の積極策が尽く失敗するわけですよ」

 

お互いに勘違いして、相手の出方を伺ってた訳か。

しかも、めぐみんからは俺は鈍感系主人公と同じように思われてたと。

そりゃあ、直接好きだの愛してますだの言ってくるわけだ。

だって、鈍感系主人公って直接的に言わないと分からないやつが多いもんな。

直接言っても難聴系も入ったら聞こえないし。

・・・思い返せば普通出来ないと思うけど、めぐみんのやってたことって当然と言えば当然のアタックの仕方だな。

 

「いや、失敗はしてないと思う。だってめぐみんのこと意識せざるを得なくなったし……」

「・・・でも、あのデュラハンが来なければ多分この平行線が続いていたと思いますよ?」

「いや、来てなかったらあの場で聞けてたはずだ」

「あの時に聞かれてたらはぐらかしてたと思います。カズマはお酒飲んでましたし、こういうのは素面の時にと思ってましたから」

 

めぐみんなりの考えもあっての事か。

添い寝以上に強制発展しなかったのもこう言うめぐみんなりの線引きが理由か。

そして、お互い好き同士と分かった今、めぐみんからすればトリガーはもう引かれたという訳か。

 

「そっか、やっぱり酒に任せてはダメか」

「ダメですよ。お酒臭い状態でハグとかキスとかしたくないです」

「それもそうか」

 

信念とかより、単に不快な思い出を初めてにしたくないと言う話だった。

言われてみれば、俺も酔っ払っためぐみんからのキスは嫌だったもんな。

うん。

酒臭い相手とのキスは、いくら好きな人でも御免こうむる。

 

「カズマ」

「なんだ?」

「呼んでみただけです」

 

これまたベタなことやってくるめぐみん。

そして、俺はやる時やる男。

今俺が抱いた感情をそのままめぐみんへぶつけることにした。

 

「・・・めぐみん」

「なんですか?」

「頬っぺた引っ張っていいか?」

「どうしてそこでそんな話になるんですか!」

「なんかイラッとしたから」

 

話の流れ的に次にどんな話が来るだろうとか、色々考えてたのに、呼んでみただけとか言われるとちょっと腹が立った。

もっとこう、お互い話してない時とかなら可愛げあるけど、まだ話続きそうな時にされても何だか調子が狂わされて嫌だ。

 

「普通そこは俺も呼んでみただけとか言う所ですよ!」

「俺はそんなお約束には乗らない」

 

毅然とした対応取ったら拗ねられてしまった。

どうしよう。

とりあえずご機嫌取りにめぐみんご所望の呼んでみただけをやらないとな。

 

「・・・」

「めぐみん」

「ふん!」

 

相当ご立腹のようで、目を合わせくれない。

その割には恋人繋ぎは継続中である。

そこまで機嫌を損ねた訳じゃなさそうだ。

拗ねてるめぐみんも可愛いな。

 

「めぐみん」

「・・・」

「めぐみんさーん」

「・・・」

 

これは普通に呼んでも反応してくれそうにない。

何か普段とは違う呼び方しないとだな。

めぐみん様とか言っても多分、無視されて終わりだろう。

ここは思わず反応したくなるような愛称を考えて……

 

「めぐたん」

「・・・たんってなんですか?」

「何となく思いついた愛称」

 

脳裏にふとめぐたんがよぎった。

特に理由とかはない。

とりあえず会話を再開出来たことを喜ぼう。

ふと浮かんだにしてはめぐたんって結構アリだと思う。

二人きりの時は、めぐみんが嫌がらないならめぐたん呼びしとこう。

 

「・・・人前で呼んだら引っぱたきますからね」

「俺も二人の時しか言えねえから安心しろ」

「それは安心できますね」

 

人前でということは、二人きりの時は呼んでもいいってことだよな?

二人きりの時だけ使う愛称とか、正しく恋人同士ぽくていいな。

ちょっとおこみんも収まってきたし、もう一回呼んでみただけをやってみるか。

めぐたんバージョンで!

 

「めぐたん」

「なんですか?」

「呼んでみただけ」

 

さっきやられたことをやり返してみるとめぐみんはムスッとしていた。

多分、俺が味わった苛立ちを今感じてるのだろう。

意図せずに意趣返しになってしまった。

まあ、これでめぐみんに俺の気持ちが分かって貰えたのなら十分だ。

 

「・・・なんというかさっきカズマがイラッと来たのが分かった気がします」

「だろ?」

「話の続きは何かと考えて聞いてるのに、名前呼んだだけとか言われるとちょっと」

「俺もそんな感じ」

 

会話の途中には向いてないな。

プクッと頬を膨らませて怒ってためぐみんが可愛かったからまたやってみるのもありかもだけども、嫌われたらやだし、やめておこう。

 

「今度からは話が終わってちょっと経ってからにしましょう」

「そうだな。あっ、めぐみん」

「あの、話聞いてましたか?」

 

爆裂の対象にもってこいな岩を見つけたけど、言ったしりからやったと思われてしまった。

意図せず可愛く怒ってるめぐみんを見られたのは、不幸中の幸いだ。

 

「いや、ほら、あそこにお前好みの岩が」

「すみません。疑ってしまいました」

「流れ的にしょうがないって、でどうだ?」

「カズマの言った通り、私好みですよ。一撃では壊れなさそうな良さげな岩ですね」

 

良かった。

城の方がいいなんて言われたらどうしようかと思ってたけど、杞憂だった。

 

「じゃあ、今日はここだな。流石にもうあの廃城は無理だし」

「私としてはカズマに死の宣告かけたデュラハンにお礼参りしたい所ではありますが」

「やめろ、またアイツが来たら面倒だ」

「もうあんな思いはしたくないですからね。私もやるつもりはないですよ。・・・惜しいなとは思いますけど」

 

めぐみんは爆裂魔法のことには糸目をつけず最優先だと杖を買った時に思ってたのに、ある程度は現実的に考えてるのな。

 

「やる気がないなら良かった。デュラハンに無理ですとか言ってたからやるのかなって思ってたぞ。方向も近かったし」

「方向はたまたまですよ。カズマと一緒に居られなくかもしれない選択はとりませんよ」

 

・・・思い過ごしだと思うけど、めぐみんにとって爆裂魔法を放つことより俺の方が重要になってないか?

いやいや、流石に考え過ぎだな。

うん。

いくらめぐみんが出会った頃から俺の事気にかけてたとは言え、ずっと好きだった魔法より上にはならないだろう。

 

「そ、そうか」

「カズマが思っている以上に私はカズマのこと想ってますよ。それこそ爆裂魔法と同じくらいに。では行きます。『エクスプロージョン』ッ!」

 

やっぱり敵わないな。

めぐみんには俺の考えなんてお見通しか。

告白する頃にはもうちょっとカッコつくようになろうと決意する俺だった。




次回は、半お付き合い状態の二人がギルドでイチャイチャします。

次回の更新は●●な訳ですが、まためぐみんが暴走しないか心配であります。
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