勉強って大変ですよね。
早く解放されたいです笑
今回も駄文ですが、最後まで読んで頂けると幸いです。
めぐみんの常識講座が今始まる・・・
-HONMONONOMAHOUTSUKAI-
宿に着くとアクアの泣き声が廊下から聞こえた。
だが、聞かなかった事にして部屋に戻った。
めぐみんはアクアと同じ部屋に泊まっているが、急遽決まった常識講座は俺の部屋でする事となった。
「カズマ、今のこの状況理解してますか?」
「何の事だ?俺が馬鹿だって言いたいならその口引っ張るぞ」
「違いますよ。普通男女が同じ宿に入ったら結婚しなきゃいけないんですよ」
何言い出すんだこの子。
昨日のデートといい、朝の付き合ってくれといい、俺の事本当は好きなの?
「・・・は?てかお前はそれで何普通に入ったんだよ!」
「カズマが好きだから、です」
自分で考えときながらいざ言われると怯む。
それにモジモジしてるのが可愛い。
だがしかし、これとて講義の一つな気がする。
「・・・これ本当だったら洒落にならないから、嘘だよな?」
「勿論、嘘ですよ。まさかこのレベルとは思いませんでした」
ちょっとでも可愛いとか思った自分をしばきたい。
笑われるでもなく、溜息つかれたのが一番辛い。
「では色々と確認していきますね。柑橘類の保存はどうしますか?」
「どうも何も、食べやすい机の上とかに置いとけば、それで良いだろ?」
「そんな事したら目潰し所じゃすみませんよ?柑橘類は檻の中です」
目潰しって何?
もしかして野菜と果実ってみんな自我あんの?
もう嫌だこの世界。
「リンゴは何処で採れるでしょう?」
「どうせ冒険者が収穫するんだろ?」
「街の木から採れます」
基準が分からねえ。
もうちょっと分かりやすくしてくれよ。
「機動要塞デストロイヤーはどんな形をしてますか?」
「何だそれ?機動要塞?対魔王軍兵器か?」
「・・・元対魔王軍兵器です。今は暴走して、前方にある物を破壊しながら進んでいます。因みに形は蜘蛛のような物で、わしゃわしゃ動きます」
まんま
命名したの日本人だ絶対。
あと、わしゃわしゃって何?
「女神アクアと女神エリスの関係はどの様なものでしょう?」
あの駄女神から推察するに、女神エリスってのも相当変な奴だろうな。
間違いない。
そういやどっかで聞いた事あるよなエリスって、何処だろ?
「姉妹とか?」
「先輩後輩の間です。・・・この国の国教は知ってますか?」
そんな事聴かれてもな、この国の名前も知らないってのに分かるわけないじゃん。
はあ、この国の通貨単位がエリスって事とこの街がアクセルって事しか社会情報ないぞ今の俺には。
・・・通貨単位エリス?
「女神エリスを崇める教会」
「正解ですが、何故エリス教と言わないのですか?一応聴きますが女神アクアの宗派名は?」
女神エリスがエリス教なら答えは決まってる。
「アクア教」
「・・・アクシズ教です。子供でも知ってる常識ですよ?」
しょうがないじゃん。
俺日本人だし、無宗教だし、宗教興味ないから。
初詣とか慣習的な行事とか旅行先の神社仏閣にちょっと寄るくらいで、他には信仰してる訳でもない宗教における神的存在の誕生日にパーティーする一般的な日本人なのだから。
「じゃあアクアはアクシズ教のプリーストなのか」
「そうですね。残念な事に信仰する神と同じ名前で自身を神だと思っちゃってますけど」
「それについては放置でいいから」
これで俺があいつは本物だって言ったら更に可哀想な奴認定されるって断言出来る。
アクアには悪いが痛い子として認識されたままで居てもらおう。
「・・・カズマ、もし疑問に思う事があれば随時確認してくださいね?」
「お前教えるの諦めただろ」
「・・・だって国教を知らないとか言われたら、もう何処から教えていいのか分かりませんよ」
それもそうか。
これならいっその事、外に出て確認する方が早いか。
「そういやこの国の名前って何?」
「ベルゼルグですよ。流石に冗談ですよね?」
言ってめぐみんは微笑みかける。
真剣に聴いたんだけどな。
「俺が嘘ついてるように見えるか?」
「・・・」
先程の笑みは消え、めぐみんは深刻そうに考え始めた。
「如何した?俺のあまりの無知ぶりにパーティー抜けたくなったか?」
「違いますよ。今後の方針を考えていただけです。それに私はカズマが追い出そうとしてもこのパーティーを抜ける気はありません」
何故この子は俺たちに固執するのだろう?
俺達の正体知ってる訳でも無さそうだし、意図が分からない。
そんな事を考えて居ると。
ギュルギュルギューー。
「・・・お腹空いたのか?」
「・・・はい」
こうして講義は一時中断し、昼食となった。
「・・・カズマはニホン出身なんですよね?」
残すはデザートだけと言う時にめぐみんはそんなことを聴いてきた。
「そうだけど。それがどうした?」
「ニホンと言う国名を初めて聞いたので、どのような国なのかなと思いまして」
そりゃあ、この世に存在しない国だもんな。
当たり障りの無い説明しておこう。
「四季があって、森や水が綺麗で自然豊かな島国だ」
「シマグニ?それはつまり一つの島が一つの国家という事ですか?」
まだ航海時代を迎えてないのだろうか?
「まあ大体合ってるけどちょっと違う。日本は主な四つの島と諸島があるんだ」
地球は丸いなんて言ったらどんな反応するんだろう。
やっぱ、変な奴扱いで終わりそうだからやめよ。
「・・・カズマって海の向こうから来たのですか?」
ありえないと思いながらの質問のように見える。
「俺はアクアに連れられてここに転移させられたんだ。そこら辺はよく知らないな」
「そうですか。カズマは海の果てに何があるか知ってますか?」
物凄く返答に困る質問だ。
適当に工業国とだけ伝えればよかったか。
「え、えっと、あれだろ。奈落の淵があるんだよな?」
「違いますよ。知らないなら素直に言ってください」
何が正解なんだ?
シッタカだと思って貰えたのは良かった。
「海の果てにあるのはこの国の真北です」
「ですよね」
球体論があるならあるって言ってくれよ。
「まあ、私の信じてる説がこれってだけで間違ってはないんですけどね」
「は?」
「カズマは可笑しいと思わないのですね。いや、初めからこの説を知ってましたよね?」
なんと鋭い子だろう。
「恥ずかしいから定説言いましたね?」
「定説って事は正解じゃねえか!球体説の方がマイナーなんだろ!」
「でもカズマは球体説の方を信じているのでしょう?」
なんでこの子さっきから俺の考え分かんの?
ちょっと怖い。
「まあ、な。平坦な道でもある程度離れりゃ見えなくなるんだ。丸い証拠だろ?」
「ふふっ、その通りです。カズマは賢いのですね」
何故か自分の事のように嬉しそうにしているめぐみん。
ガリレオもこんな風に理解者を欲していたのだろうか?
「さっきまで無知な奴として哀れまれてたんだが」
「・・・それはそれです。知識があるのと常識があるのは別です」
痛いとこ突かれるな。
日本にも旧帝国大学受かったのに、道のど真ん中で炬燵広げて捕まってる奴らも居るから、常識の大切さはよく分かる。
そしてここにも一人。
「そうだよな。頭良くても爆裂魔法しか使わないバカもいるもんな」
「おい、そのバカとは誰の事か聞こうじゃないか!」
臨戦態勢をとる俺達。
少しの間を取り、少し経つと俺らは自然と笑いだした。
引き篭ってたらこんな会話、弟とすら出来てなかったってのに楽しい。
親のスネ齧ってきた俺と爆裂魔法しか愛せないめぐみん。
お互いバカどうし、気が合うのかもしれない。
アクアも・・・いや、あいつは全体的にバカだ。
まあ、バカの集まりに変わりねえか。
「カズマ?どうかしましたか?」
「いや、何でも。俺達仲良くやってけそうだなって思っただけだ」
「そうですか。これからもよろしくお願いしますね」
早く武器手に入れて、こいつらと冒険者ライフ楽しもうか。
「嗚呼、そろそろ爆裂魔法撃ちに行くか」
「はい、と言いたい所なのですが少しいいですか?」
ある一点を見ながらめぐみんはそんな事を言った。
さっきの店の方角を。
「どうした?忘れ物か?」
「いえ、さっきから覗き見してるぼっちに声を掛けようかと」
言うと家の角からめぐみんと同じ紅い目の黒髪で、大人しそうな女の子が出てきた。
恐らくめぐみんの同級生だろう。
めぐみんよりも発育がよく。
よく育っている。
何がとは言わないが。
「だ、誰がぼっちよ!」
「用があるなら手短にお願いします。今からこの人とデートなので」
こいつマジで何考えてんだ?
あれか?
友達に彼氏出来ましたって見栄張りたい盛りなのか?
「え?で、デート?めぐみんが?」
「昨日も行きましたよね?」
嘘は言ってない。
この子の反応見るにこいつ恋バナとかしない系の奴だな。
マウント取りたいだけだろうけど、一応俺は事実を伝える事にした。
「・・・お前、昨日はすぐ寝て終わっただろ」
・・・あれ?
何か不味い気がする。
この言い方、変な誤解受けそう。
「え、・・・ぇぇぇぇぇええええええ!?」
どっちだ?
これはどっちの反応だ?
めぐみんにデート相手!?なのかそれとも・・・
「・・・そう言えばあなた誰ですか?私の友人に自己紹介をしない人はいません」
「ちょっと待って!ぼっちだとか言った相手にそれはおかしいでしょ!」
全くその通り。
紅魔の子頑張れ!
このバカにもっと言ってやれ!
「いえ、物陰から人の会話をコソコソ聞くのはぼっちだろうと思いまして」
「あぁ、もう。恥ずかしいから人前で名乗りしたくないのに・・・」
言ってぼっちと呼ばれた紅魔族の少女は決心したのか大きく息を吸った。
「我が名はゆんゆん!アークウィザードにして、中級魔法を操る者!・・・やがて紅魔族族長となる者!」
恥ずかしがりながらもポーズを決めて、不安そうに俺を見るゆんゆん。
そして、恐らくこれが目的だったのであろう、俺の名乗りに期待して目を輝かせためぐみん。
「ゆんゆんよろしく。それじゃ俺も」
ゆんゆんは何が起こっているのか理解が及んでいないらしい。
口をぽかんと開けて固まっている。
多分、俺がめぐみんと初めて会った時みたいな反応すると思ってたんだろう。
「我が名はカズマ!最弱職冒険者にして、その日暮らしをする者!・・・やがて魔王を屠らんとしていた者!」
この爽快感いい。
何よりめぐみんの畏敬の眼差しが心地いい。
やばい。
何か癖になりそう。
俺の封印したはずの中二心が。
「やっぱりカズマの名乗りはカッコイイです!付き合ってください!」
「はいはい、そう言うのいいからちゃんと友達の相手してやれ」
俺が名乗りをあげてからずっとゆんゆんは固まっていた。
めぐみんはと言うと俺にスルーされたストレスをゆんゆんにチョップして発散している。
「はっ!えっとカズマさんよろしくお願いします。めぐみんいい仲間を持ったわね。あとチョップするのやめて」
「カズマの顔に免じてやめてあげます。で今日は何の用ですか?」
「そろそろ他の街でまた修行しようかなって思って、それを伝えに来たの」
またって事は一度アクセルから離れてたのか?
「そんなの勝手にすればいいでしょう。何故そんな、」
めぐみんは思い当たる節があるのか黙った。
「めぐみんに仲間が出来たなら私が居なくても大丈夫でしょう?」
「別にあなたを頼った事はありません。ただ用事があって呼び戻しただけです」
嘘はついてないみたいだけど何かありそうだ。
下手に突っ込まない方がいいだろうし黙っておこう。
「「「・・・」」」
しかし、この雰囲気重たい。
こうなったら。
「なあ、ゆんゆん。デートもといこいつの爆裂魔法撃ちに行くの一緒に見に行かないか?魔物に見つかったら、俺は武器持ってないから対抗手段がなくてな」
「あっ!何バラしてるんですか!折角自称私のライバルに女としても私が上だと思わせようとしていたのに!」
やっぱりか。
「え?って事はカズマさんって恋人じゃ」
「ない。そもそも俺はロリコンじゃない」
大事な事だもう一度、心の中だけど言おう。
俺はロリコンじゃない!
「なにをおおおおお!誰がロリッ娘か聞こうじゃないか!」
「誰もそんな事言ってない!それに怒るって事は認めたも同然だろ。っておい、お前何する気だ」
めぐみんは戦闘態勢を取り、怪しげな手の動きをさせている。
体術勝負なんかしたらステータスの弱い俺が負ける。
「気にする事はありませんちょっとキツめのハグをするだけです」
「や、やめろおおお!!」
そして路地裏に俺の悲痛の叫びが、叫びが・・・叫びは?
「カズマ、今ドキドキしてるでしょう?」
何言ってんのこいつ?
めっちゃかわいい。
鼓動が早くなって、それこそ心臓がめぐみんに爆裂されそうなんですけど!
「ふふふ、図星のようですね。ロリコンではないカズマが、私相手に意識したのですから、私はロリッ娘ではありません。これで証明は完了しました。って事で、ここに居るロリッ娘はゆんゆんですね」
言い終わるとめぐみんは顔を隠しながら離れて行った。
今のは何だったんだ?
いや、あいつの事だ。
自分の名誉の為に恥ずい事でも我慢してやったのかもしれん。
意識したら負けだ。
そうあいつをよく見ろあれはただのロリッ娘で・・・
「・・・え?なんで私ロリッ娘扱いされてるの?それにめぐみんどうしたの?顔真っ赤だよ?」
「な、何でもないですよ!それより今日の爆裂に護衛としてついてきてください!」
あかん。
これダメなヤツや。
照れてるめぐみん可愛すぎ!
惚れてまうやろ!
ってネタがやれる位にはまだ大丈夫だ。
なんとかなるだろう。
「う、うん。良いけど本当に大丈夫?熱とかない?」
「仮に熱だったとして、爆裂魔法を放ち消し飛ばしてみせましょう!」
やっぱこいつはないわ。
いくら可愛くても中身がな。
それに俺のタイプは髪が長くて巨乳の優しいお姉さんだ。
「…カズマ。今失礼な事考えてませんでしたか?」
「別に何も考えてないぞ。強いて言うなら紅魔族って可愛い子が多いのかなって考えてた」
「「・・・」」
あからさま過ぎたか。
二人とも俺を凝視している。
一言だけで良かったなこれ。
「最後の冗談だから変な目で見るなって、ほら、爆裂しに行くぞ」
「・・・今日はゆんゆんもいますし、遠くの方まで行きませんか?」
「『エクスプロージョン』ッ!」
何もなかった平原から緑がなくなくり。
大きなクレーターが出来た。
これで土木業の人達に仕事が入る。
経済はこうやって回っていたりもする。
「今日もすげえな。なあ、上級魔法覚えるつもりは?」
「ないです」
こいつが上級魔法覚えたら、それこそ世界最強の魔法使いになれる気がする。
それ程の威力がある魔法なのだ。
「にしても、本物の魔法使いは違うな。ゆんゆん強いわ」
音に釣られて出てきた魔物を軽く倒している。
あの子がパーティーに居たらどれだけ楽だろうか。
「本物が居るって事は、偽物も居るという事ですよね。その偽物とは誰の事か聞こうじゃないか!」
言ってめぐみんは何とか動かせる手で俺の髪をぐしゃぐしゃとしていた。
俺に何かしてる時点で分かってるだろと言いたいが面倒だから黙っておこう。
「お待たせしました。すいません、ちょっと手間取ってしまいました」
「いやいや、気にする事はないって。ゆんゆんが居なかったら、こいつおぶって全速力で走るしかないから助かった」
真剣にこの子を引き入れたいと思えてきた。
気遣いの出来る良い子だ。
でもめぐみんが嫌がるだろうし、諦めよう。
「それじゃあ私はこれで」
「ゆんゆんまたな。修行頑張れよ」
「私に追い付けるよう、勝手に頑張っといてください」
何となく分かったきた。
こいつゆんゆんに対してはツンデレだな。
嫌いなのかと思ってたけど、どうやら違うらしい。
「うん。次会う時は絶対負けないからね!カズマさん今日はありがとうございました。めぐみんの事よろしくお願いします」
「何がよろしくお願いしますですか!あなたは私の保護者ではないでしょう!それにカズマを養ってるのは私です!」
うっ、改めて本人から養ってるとか言われると堪える。
偽物とか言ったの謝っとこ。
「そんな訳・・・え?本当にカズマさん養ってるの?」
この問いにめぐみんは、ただ頷き、ゆんゆんの視線が此方へと向く。
「・・・早くヒモ状態を抜け出そうと頑張ってます」
「・・・頑張ってください」
「はい・・・」
送り出す時と立場が逆転してしまった。
「さっきはごめん」
「何の事ですか?」
まるで何もなかったかのように振る舞うめぐみん。
髪をわしゃわしゃして気晴らしは済んでいたのだろうか?
「本物とか偽物って話」
「別に構いませんよ。そんな事より勉強です」
この時、俺の中でめぐみん株が急上昇した。
昨今の社会情勢で家から出られないという方は下記のリンクから私の最長シリーズをどうぞ!pixivの読了目安で十時間あるので暇潰しに丁度いいと思います笑
https://syosetu.org/novel/162652/