更にこちら側のミスで投稿が遅れてしまい申し訳ないです。
まさか書いてたメモが消えるとは思ってなかったんです。
いつもと違うことしたらダメだと学びました。
-KYOUYOUKOUZA-
転生先での教養のなさから勉強することになった俺は、今凄く落ち込んでいる。
何故なら年下の女の子に教養を教わり、更には、生活費まで出してもらっている。
親のスネを齧ってきたとは言え、見ず知らずの年下の女の子にあれやこれやとやってもらうのは気が引ける。
何とかヒモ状態を脱却する為にバイトを始めたら躓き、勉強をする今に至る。
でも、秋刀魚が畑で取れるのは絶対におかしいと思う。
他にはキャベツは空を飛ぶとか、柑橘類は目潰しをしてくるやら、あの駄女神を崇める宗教はアクシズ教と呼ばれてるやら、国名はベルゼルグだとか色々教わった。
その後めぐみんの友人に会い、話していると色々あって、更に落ち込むこととなった。
今は再度宿屋での勉強会をしている所。
勉強方法はめぐみんが持ってる本を読んで、理解の及ばない所を質問する形式。
読み始めて十数ページだが、もう一時間経ってる。
この世界は俺に優しくない。
そう思うのであった。
「カズマ?もう疲れましたか?」
「疲れてないけど惨めに思えてきてさ」
「何言ってるんですか。私がついてるんですから大丈夫です」
めぐみんはどうしてこうも男らしいのだろうか。
俺にもその男らしさ分けて欲しい。
はぁ、余計に惨めに思えてきた。
と言うかめぐみんがついてたとしても惨めなことに変わりはない気がする。
「落ち込んでいるカズマにプレゼントをあげましょう」
「プレゼントってなんだよ」
「勉強のご褒美です。ジャージだと目立ちますからね。これ着てください」
そう言って、冒険者っぽい緑を基調とした服を渡された。
流石にもう現物がある以上断れずに、受け取った。
俺このまま行くとめぐみんに何も言えなくなる気がする。
「ありがとう。これ着替えるからアクアの様子でも見に行ってくれないか?」
隣の部屋へめぐみんは向かった。
にしても俺の好みよく知ってるな。
まあ、ジャージ緑だから緑のイメージはあっただろうけども。
うん。悪くないな。
サイズもピッタリだ。
・・・ピッタリ?
なんでサイズが分かるんだ?
もしかしてデートと称した日課とやらの時に確認したのだろうか?
でもこっちの世界で英語読めるのか?
まさかおんぶされてる時の感覚で割り出したのだろうか?
「カズマ、着替え終わりましたか?」
「ああ、開けていいぞ」
俺の了承を得て、扉を開けためぐみんは何故か中に入ってこなかった。
不思議に思いジャージを畳むのをやめて、めぐみんを見ると何故か涙を流していた。
「・・・えっと、めぐみん?どうしたんだ?」
「へっ?な、何がですか?」
「何がって涙流してるし」
「こ、これは違いますよ。ゴミが入ったんですよ。あと、服がピッタリだったので驚いてただけです」
などと供述しているが、絶対何かあるだろう。
この服に何か思い入れがあるのか?
元の持ち主と俺が被って見えたとか?
・・・こう言うのは詮索しない方がいいよな。
黙っとこう。
「そうか。どうだ?似合ってるか?変じゃないよな?」
「ええ、凄く似合ってますよ。アクアにも見せましょう!」
「ちょっと待ってくれジャージ片付けるから」
「先に行ってます」
「ああ・・・」
何だったんだ?
涙してると思ったら今度はハイテンション?
子供って感情の起伏激しいし、ロリっ子なめぐみんが情緒不安定でもおかしくないか。
多分これだ。
あまりにも似合ってる俺を見て、感動のあまり涙し、それをアクアに見せようとした。
うん。これなら何の違和感もない。・・・はず。
「おーい、入るぞ」
「いいわよ」
「めぐみんから貰ったんだが、どうだ?」
「・・・そこはかとなくいい感じね。それに、あれよ。ジャージじゃファンタジー感ないしこっちの方が断然いいわよ」
全然褒めてねえだろ。
褒めるところないなら適当に似合ってるって言っとけ。
まあ、後半の部分には激しく同意するけども。
「にしても、服まで買ってもらうなんて、カズマってばヒキニートからヒモニートにジョブチェンジしたの?」
「してねえわ!こっち来てから働いてるからニートじゃねえし、それにお前もめぐみんに寝食養ってもらってるだろうが!」
「私は女神なのよ?この待遇は当然よ!」
金もなければ、現地情報も知らないやつが何を言ってるのだろうか。
俺が言えた質ではないが、女神ならそれくらい知っておけよ。
「・・・女神ってのはな。最低限の金や装備を整えてくれてるめぐみんみたいな人のことを言うんだ。間違ってもろくにバイトも出来ない駄女神じゃない」
「誰が駄女神ですって!それにどうしてめぐみんが女神なのよ!」
アクアが突っかかって来たが、俺は何も間違ったことは言ってないと思う。
もっと言うなら魔王を封印するとかそういう類のことしてくれてもいいと思う。
そして話題に上がっためぐみんはと言うと、女神と呼ばれて恥ずかしかったのか、モジモジしながらこちらをチラチラ見ている。
「こっち来てからのチュートリアル全部めぐみんがやってくれてるからだ!お前、こっち来てから俺にここの生態系は日本と違うとか教えてくれたか?秋刀魚が畑で採れるとか、キャベツは空飛ぶとか!」
「え、えっと・・・」
言い忘れてたみたいな顔してる。
何故俺はこいつを選んでしまったのだろうか。
と言うか転生前にステータス確認出来れば絶対に能力系のチート選択してたのに。
「あれだ。ゲームとかで言うメインヒロインの役割果たしたか?」
「・・・」
反論出来ずに涙目のまま、拳を作り、無言で近付くアクアであったが、めぐみんに制止された。
これで一先ず安心だ。
「カズマそのくらいでやめてあげてください。アクアもカズマに謝ってください」
・・・割とガチでめぐみんって女神様じゃなかろうか。
この世界に飛ばされて、右も左も分からなく金もない所を助けてくれたし、こうやって何か起これば止めてくれる。
めぐみんが年上のお姉さんなら一目惚れしてたな。
間違いない。
と考えているとアクアが謝ってきたので、こちらも言い過ぎたと謝っておいた。
・・・年下の女の子に仲裁される俺たちって本当に大丈夫なのだろうか?
異世界転生って、楽じゃない。
改めて認識させられた。
「仲直りも済んだことですし、夕飯食べに行きましょう!」
こうして俺たちは夕食へと向かうため宿を出たのであった。
「なあアクア、お前バイトはどうするんだ?」
「謎の巨大クレーターを埋める土木作業が臨時で出てたからそこに入ることにしたわ」
「・・・そ、そうか。頑張れよ」
絶対爆裂魔法で出来たクレーターだ。
めぐみんに視線を送るもひょいと明後日の方向を向いた。
間違いないな。
こいつ迷惑にならない場所でしかやってないとか言いつつ、やってるな。
「カズマはここで働き続けるの?」
「ああ、こっちの教養学びつつ、出来ることやって行く感じだな」
「ヒキニートの発言とは思えないくらい、勤勉なこと言ってるわね」
「俺をなんだと思ってんだお前は」
そりゃあ日本じゃ引きこもりやってたけど、理由はあったし、働かなきゃいけないなら働いてただろう。
ただ、引きこもりを許してくれる環境が整っていただけ。
人間誰しも必要に迫られれば、勤勉になるものだと思う。
「そんなことより、仲間増やしましょう!」
「急にどうしたんだ?仲間が増えるのはいい事だけどもさ」
「二人が一回部屋出た後に、ギルドに行ったんだけど、どこも四人とか五人パーティーだったから私達も増やしたいなあって思ったのよ」
駄女神にしては建設的な話を始めたと思ったら、大したこと無かった。
夕飯が華やかになるとかそういう類。
それが悪いかと聞かれれば否だけども。
「仲間増やしたいのは分かるけど、俺はまだ武器持ってないし、クエスト経験者はめぐみんだけだぞ?こんなパーティーに人なんて来ないだろ」
「そんなことないわ。この私が募集をかければ我こそはって勇者候補がやってくるに違いないわ」
「・・・めぐみんはどう思う?」
さっきから会話に参加しないめぐみんに伺いを立ててみた。
クレーターの話が出てからずっと静かだったからな。
「私もいいと思いますよ仲間の募集。三人だと厳しい所が多いですし」
「まあ、そうなるよな。とりあえず募集の張り紙作るか」
「決まりね!実はもう張り紙作ってあるのよ!見て!」
どんと机に叩きつけられた紙を受け取り、めぐみんと内容を読んだのだが、期せずして俺たちの感想はハモった。
「「舐めてる」」
「何が舐めてるの?」
「上級者限定って所もだし、このパーティーに入ったら宝くじに当たったとか、結婚出来たとか他にも色々あるけど、胡散臭過ぎるだろう」
「カズマの扱いが雑ですよ。みんなカッコよく紹介しないと意味がありません!」
そうだそうだ!
めぐみんもっと言ってやれ!
最弱職ヒキニートを引き連れる美人アークプリーストとか舐めたこと書いてるこいつをもっと攻めろ!
「このカズマをカッコよくしたりしたら、誇大広告になるじゃないの」
「お前が誇大広告言うな。書き直してこい」
「嫌よ!紙代結構高いんだから!」
「・・・はあ、明日一日出して無理だったら諦めろよ?」
「わかったわ。まあ、心配なんていらないけどね」
俺、この街来てから日本人に会ってないし、絶対勇者候補とやらは来ないと思う。
仮に居てもあんな胡散臭い募集には来ないだろう。
「そろそろお風呂にしませんか?」
ほとんど空気と化していためぐみんの提案にアクアはついて行った。
俺はと言うと、給料を貰ってから自分で行くために給料の受け渡し時間までギルドに残ることとなった。
アクア作の募集用紙の掲示許可を貰った俺は、掲示板に募集用紙を張った。
その後は、特にやることも無く、ウェイターの仕事を手伝っていた。
受け渡し時間になると、二人分の給料を貰った。
本当に今日一日働いたのと同じ額を貰えて驚いていた。
この世界の労働環境は案外ホワイトで優しいのかもしれない。
「カズマさん、少しいいですか?」
「はい。なんでしょう?」
声を掛けてきたのは美人な受付お姉さん。
初めてギルドに入った時はわざわざこの人のところに並んで冒険者登録しようとしたが失敗した。
アクアが金さえ持っていれば・・・
「実はパーティー募集についてあの方から話があるそうです」
「本当ですか!」
「はい。それでは私はこれで」
まさかあの募集に反応があるとは。
来ないと思っていたとは言え、これは何だか心弾むな。
しかも、遠目だが相手は聖騎士で超絶美人。
ワクワクしてきた。
「お待たせしました。パーティー募集の件で話があると聞いてきたんですけど・・・」
近付くと予想以上に美人過ぎて緊張してきた。
金髪碧眼で、巨乳で、美人。
身長も高いお姉さん。
やばい、心拍数が上がってる。
声も少し上擦ってしまった。
「やはり、あなたのいるパーティーか」
「えっと、何処かで会いましたか?」
ウェイターの時に持って行ったのだろうか?
でもこんな美人がいたら覚えてるよな?
「いや、私が一方的に知っているだけだ」
「・・・それで話というのは?」
一方的に?
登録料払えずにとぼとぼギルドから出ていった所なら多くの人に見られてるし、多分その時か?
・・・あまりいい印象とは言えないな。
「募集は明日からとあるが、私をパーティーに入れて貰えないだろうか?」
「・・・どうしてウチのパーティーに?」
俺としては美人のお姉さん。
しかも見た目からして聖騎士だろうし、こう言う人は大抵強者だ。
故に、なんの実績もないウチに来る理由が気になる。
「うむ。実は少女に貢がせ、引きこもり生活を送っている男がいると聞いて放っては置けないと思ってな」
・・・甘酸っぱい展開などなかった。
ちょっと待ってくれ!
貢がせてる訳じゃないし引きこもってもないのにどうしてそんな話が出るんだ!
あの駄女神が変な噂広げたのか?
もしそうなら全力でシバキに行く。
「・・・いや、あの。確かにヒモだとか言われたら言い返せませんけども、引きこもりじゃないですから!」
「しかし、今日もバイトを二人揃って抜け出し、宿屋へ入っていったと聞いたのだが」
事実ではあるけども、お姉さんが考えてるのとは絶対に違う。
勉強してただけだってのに、こんな言われ方する羽目になるとは……
「間違ってないけど、間違ってますって!」
「ともかくかよわい少女が食いものにされているのは騎士として許せない、それにうらやま・・・それに守らないといけない」
「・・・今羨ましいって言いかけませんでしたか?」
「言ってない」
少し挙動不審になってきた。
これは言いかけてたな。
・・・嫌な予感がする。
主にアクアを連れてきた時のあの感覚が・・・
ここは勿体ないが、断っておこう。
仮に言おうとしてなかったとしても、変な噂を聞いたからって理由で監視されても困る。
「・・・ともかく俺は今働いてこうやって給料も貰ってます。監視目的で入ろうとしてるならお断りします」
「なるほど。仲間に加わりたければ金を出し、更には身体を差し出せと?」
「・・・え?」
お姉さんが何言ってるか分からないし、分かりたくない。
嫌な予感はどうやら的中したようだ。
それと顔が近い、こんな変なこと言ってても美人だからドキドキする。
「そして、少女に手を出すのをやめろと言うと、代わりが必要だと私にさらなる要求を!!」
周囲の目がクズを見る目になってるからやめてくれ!
ここ職場なんだよ!
悪評広められたらクビになるかもしれないってのに!
分かったこの人ドMだ。
俺を監視じゃなくて、俺のクズい噂を聞いて飛んで来ただけだ。
こういう奴は話通じないから逃げよう。
「・・・悪いけど、酒を飲みすぎてしんどいから今日は帰らせてくれないか?」
「はっ、す、すまない。気付けなくて。ではまた」
何だったんだ今のは。
絶対危ない奴だ。
見てくれに騙される所だった。
それに、あの話を聞くと俺の評判悪いんだろうなあ。
まあ、めぐみんに養ってもらってるのは事実だけど。
今後の行動は、気を付けないといけないな。
宿屋に着くと部屋に何故かめぐみんがいた。
しかも布団で寝ていた。
部屋を間違えたのかとも思ったが、鍵の番号は合っている。
俺が鍵閉め忘れたから待っててくれたのか?
それだったら悪いことしたな。
「おーい。めぐみん起きろ。帰ったぞ」
「ふわぁ〜。おかえりなさい。帰りを待っていたら寝てしまいました」
やっぱり鍵の閉め忘れかな。
眠そうにベッドから出てきためぐみんは少しふらつき危うげな足取りで近付いて来た。
「悪い。ちょっと色々あって・・・」
お約束と言うかなんと言うか、バランスを取れなくなっためぐみんが倒れてきた。
覚醒するまで、ゆっくりしていってもいいのに。
「大丈夫か?」
「はい・・・女性の匂いがしますね?」
「ああ、さっきお姉さんと話してたからな」
出来れば思い出したくないが、気付かれては仕方ない。
めぐみんは浮気されたらすぐ気付くタイプのようだ。
「でも匂いが移るのは相当近付いてますよね?」
あのお姉さん最後の方興奮して距離が近かったからな。
あれでまともなら心地よかっただろうな。
「だから色々あったんだよ。ちょっと疲れてるから話は明日に・・・めぐみん?」
布団に入ろうとしたが、引き止められた。
振り返るとアニメとかなら疑問符がついてるだろうと言える程に不思議そうな表情でめぐみんはこちらを見ていた。
「お姉さんって誰ですか?」
「めぐみんは知らなくていいって、いや、知らない方がいい」
ああいうやばい人とは関わらない方がいい。
間違いない。
めぐみんには世話になってるし、年長者として守らないと。
「・・・カズマの好きな人ですか?」
「いや、全然。まあ、タイプの女性像には近いけどあれは無い」
「・・・カズマの好みはどんな人ですか?」
何だか尋問されてる気分になってきた。
このくらいの年齢の子は恋バナに興味を示すってやつか。
全く、ギルドで俺らが噂されてるなんて知らないんだろうな。
「そうだなあ。髪はロングのストレートで、巨乳な俺を甘やかしてくれる美人なお姉さんかな」
「そんな人居るんですか?」
「そう思っても好みは好みだろ?」
理想は高くあるべきだ。
まあ、タイプと好きになる人は違うとか違わないとかって聞くしどうなんだろう?
「今日あってた人は何処がダメでしたか?」
「常識人であるってとこが抜けてたからダメだった」
変態はお断りだ。
アクアみたいな浪費家も困る。
めぐみんは・・・ロリっ子だからないか。
三歳下は守備範囲外だからな。
「常識人・・・それをカズマが言いますか?」
「・・・ともかく何でもねえよ。俺に彼女とかが出来て抜けるとかはないから安心しろ。抜けるとしてもちゃんと借りを返してからだ」
「・・・分かりました」
もしかしたら恋人が出来てパーティーを抜ける事を危惧しているのかもと思って確認したら、予想は当たっていた。
恋バナにしては興味津々で楽しそうと言うより、少し心配そうに話を聞いていた。
「そうだ。あと、今後の話なんだけど、俺がめぐみんに貢がせて引きこもってるなんて言う噂がたってるらしいから、勉強は外でしないか?」
「そんな話があるんですか。服のプレゼントが原因かも知れませんね。気をつけます」
「悪いな。俺の為にくれたのに、金が貯まったらちゃんと返すからな」
色々やってもらってるのに、更に気を遣わせてしまってる。
めぐみんには苦労かけてばっかりだな。
「別にいりませんよ。プレゼントですから。カズマのそういう所好きです。おやすみなさい」
「おやすみ。・・・え?」
今めぐみんが好きって言ったような。
いやでも、異性として好きって言うより、仲間としてここが好きみたいな感じもする。
相手はロリっ子。
特に考えもなしに言ったに決まってる。
明日もバイトだし、早く寝よう。
翌朝。
朝食の時にめぐみんと話したが向こうは普通に話してきた。
やっぱり深い意味はなかったのだろう。
こちらはその所為で寝不足気味だと言うのに、呑気なものだ。
今も何食わぬ顔で目の前にいる。
「今日も勉強するように言われました。昨日言ってた誤解を避けるためにここで勉強しましょう」
「分かった。そうだ。昨日渡しそびれてためぐみんの分これな 」
「私は要らないです。カズマが使ってください」
めぐみんから爆裂魔法への欲を取ったら聖人になれるのではなかろうか?
そう思う程に無欲だ。
報酬の分配方法につて話を前にした時は、食費と雑費を貰えればそれで十分と言っていた。
「・・・ますます俺がヒモって印象がつきそうなんだけど」
「では預かっといてください。必要な時に頼みます。あっ、これ今日の分です」
「・・・まあ、預かるだけなら」
出会ってからと言うものめぐみん株の高騰は勢いが凄い。
一方でアクア株は、大恐慌並に下落している。
因みに今はギルドの食堂にいる。
基本的には教養を学ぶのが目的だが、パーティーメンバー募集も兼ねている。
「予想通り、誰も来ないな」
「まあ、あの募集要項だとこの街に当てはまる人は少数ですし、内容が内容ですからね」
「そういや、昨日から聞きたかったんだけど、スキルってどうやって覚えるんだ?」
魔法が使えるのは理解しているし、冒険者は全職業のスキルが使えることも知っている。
でも一番重要な魔法とかの覚え方が分かっていない。
「冒険者なら冒険者カードのスキル欄に教わった魔法の名前が表示されるので、スキルポイントを使って表示されているスキルを覚えるんですよ」
「なるほど。つまりめぐみんに教われば爆裂魔法も覚えられる訳か」
「そうですよカズマ!カズマも爆裂魔法を覚えましょう!そして、我と共に爆裂道を歩むのです!」
・・・顔が近い。
キスしようと思えば不意打ちでできる近さだ。
もちろんしないけども。
でも昨日と違って、嫌な気はしない。
「落ち着けめぐみん。爆裂魔法って最強魔法なんだろう?俺みたいなのが覚えても使えないだろうし、そもそもスキルポイントとやらがすごい高いと思う」
「・・・それもそうですね。カズマには付き添い人として爆裂道を歩んで貰います」
分かりやすくへこむめぐみん。
何だか俺が悪いことしたみたいに見えるなこれ。
頼むからこれ以上悪評は広まらないでくれ。
「俺が爆裂道歩むのは決定事項なのか?」
「カズマが、嫌だと言うなら強要はしませんよ?でも私カズマと共に爆裂道を歩みたいのです」
「分かった。爆裂道とやらに付き合ってやるよ。色々世話になってるしな」
こうして、俺は爆裂散歩なる新たな日課を毎日のスケジュールに組まなくてはいけなくなった。
とは言え、出会ってから毎日付き合わされてたし、今までと何も変わらないか。
「ちょっといいかな?お邪魔じゃなければ話を聞いて欲しいんだけど」
言われてめぐみんから視線を動かすと銀髪の如何にも盗賊と言った感じのボーイッシュな子がそこに居た。
そして、その後ろには昨日のヤバいお姉さんが……
「別に大丈夫ですよ。もしかして募集の張り紙ですか?」
「そうそう。まあ、用があるのは私じゃないんだけどね」
「ああ、何となく分かった」
一人でダメだったから知り合いとか交渉のプロに、仲介を頼んだとかだろう。
「その前に一つ。スキルを教えて欲しいなら盗賊スキルを教えてあげるよ」
「いいのか?」
ここに来て俺の幸運値が仕事をしている。
スキルを教えてくれる人が現れるのは幸先がいい。
とは言え後ろにお姉さんがいるのが気がかりだ。
「その代わりって言っちゃなんだけどさ。パーティーにあの子を入れてくれないかな?」
「・・・あんたとあの人の関係は?」
この人は比較的まともそうだ。
恐らくめぐみんと同い年くらいだろうか。
・・・この世界来てから歳下の子しか、まともなのに会ってない気がする。
「親友だよ。あっ、自己紹介がまだだったね。私はクリス。ダクネスが入りたいパーティーがあるって聞いて手助けしてるのさ」
「じゃあ俺は他の人に教わり・・・」
俺はスキル講習の誘いを断ろうとしていたのだが、出来なくなった。
原因はめぐみんである。
「カズマカズマ!この人クルセイダーですよ!是非仲間にしましょう!断る理由なんてないです!」
俺がクリスと会話している間に、二人で話していたらしい。
職種で言うとめぐみんの反応からして、上級職か。
・・・これはもう断れないな。
「・・・やっぱり、教えてください」
「・・・キミあの子に弱いんだね」
「色々あるんだ」
「・・・それじゃあ。スキル研修行ってみよう!」
陽気な盗賊っ子クリスに連れられて、俺たちは路地裏に着いた。
マスターには一応報告して許可ももらってある。
何事も勉強だと了承してくれた。
この街の人は優しい人が多くて助かる。
まさかこの後、お宝を手に入れることになるとは予想だにもしていなかった。
次回の更新は水曜日の予定です。
遅れないように頑張ります。