この平行世界《パラレルワールド》にも祝福を!   作:めむみん

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先週は投稿を忘れてしまいすみませんでした。
今日は二回投稿するのでお許しください!
クリスさんの盗賊スキル講座はじまるよ!


スキルの功罪

-SKILLNOKOUZAI-

 

めぐみんの常識講座を受けるべくギルドの食堂に来ていた俺は今、ギルドの裏路地にて、クリスのスキル講習を受けている。

アクアがまだ来ていなかったから、めぐみんに財布を託してから来た。

スキル講習を受けるだけなら素直に喜べたのだが、昨日のヤバいお姉さんが仲間になってしまったから、あまり喜べない。

 

「今日は『敵感知』と『潜伏』スキルをいってみようか。『罠解除』とかはまた今度ダンジョンに行く時に誘ってくれたら教えるよ」

「ウッス。クリス先輩お願いします」

 

こう言うイベントって如何にも冒険者って感じがして楽しい。

俺が楽しみにしてた異世界ライフはこう言うのだ!

 

「じゃあ、ダクネスちょっと向こう向いてね」

「分かった」

 

ダクネスが言わた通りに反対へ向く。

するとクリスは石を集め始めた。

何をするのか分からないけど、あの石が大事なのかもしれない。

と石拾いを眺めているとめぐみんがやって来た。

どうやらアクアがギルドに着いたらしい。

朝食代を渡してこっちに戻って来たのだろう。

今は俺と一緒にクリスの石拾いを見ている。

クリスは石を集め終わったのか、立ち上がるとそのまま近くにあった樽の中に入っていった。

そして、何を思ったのか拾った石をダクネスの後頭部目掛けて投げた。

それは素晴らしい投球で、野球やったら強そうだと思わせる動きだった。

投げ終わるとクリスは樽の中に入り、隠れた。

・・・まさかこれが潜伏スキルなのか?

 

「・・・」

 

石を当てられたダクネスが振り返り、辺りを見渡す。

俺とめぐみんの視線が樽とダクネスを行き来していたから、クリスの位置はバレバレで、ダクネスは樽へと近づいて行く。

 

「・・・敵感知!・・・敵感知!ダクネスが怒ってるのが分かるよ!」

 

なるほど、バレバレなのもワザとか。

でも、一つクリスにとって誤算だったのは樽に入ると自由が奪われると言うことだ。

 

「ダクネス、もういいよ。協力あり、ちょっ、ちょっと待って!ダクネス何してうわああああああ!!や、やめてええええええ!!」

 

樽をゴロゴロと転がされて、悲鳴を上げるクリスを見つつ俺は思った。

こんなお笑い番組みたいなの見ててスキルを覚えられるのかと。

 

「スキルが覚えられるか心配なら冒険者カードを見てみるといいですよ」

「そうか。助かる」

 

めぐみんから受けた説明の通り、冒険者カードに潜伏と敵感知のスキルが表示されていた。

あと、花鳥風月なるものが書かれていた。

なんだこれ?

 

「それは昨日アクアが披露していた宴会芸ですね」

「宴会芸なのに、潜伏とか敵感知よりもポイント高いのかよ。・・・ってちょっと待て、俺さっきから何も話してないと思うんだが」

「見ていれば分かりますよ。それより、二人が和解したようですよ」

 

見ていれば分かるって、俺そんなに顔に出るタイプの人間なのか?

前にも心読まれてるような時があったような気がする。

 

「えっと、お待たせ。それじゃあ最後にあたし一押しの窃盗スキルをやってみようか。これは相手の持ち物をランダムに一つ何でも奪い取れるスキルだよ。成功確率は幸運値に依存するよ。このスキルは相手の武器を奪って戦えなくしたり、必要な物だけ盗んで逃げるのに適してるから覚えて損は無いと思うよ」

 

武器を奪って戦闘能力下げるのは最弱職の冒険者にはありがたいスキルだな。

それに、幸運値だけは高いから使えそう。

でもアクアみたいに幸運値低い人は使えないってことか。

 

「今から見せるよ。『スティール』!?」

 

クリスはこちらに手を翳して言った、

あれ、何だろう。

下半身がスースーする。

何が起こったのか分からず、クリスを見るとその手には俺のパンツが握られていた。

パンツを握るクリスは真っ赤に顔を染めてパンツと俺の顔を交互に見ている。

そんな中俺はパンツを盗られたら言うべきセリフを言った。

 

「きゃああああああ!クリスのエッチいいいいい!パンツ返してえええええ!」

「いや待って!これは違うから!ほら、返すから!って言うかその声何処から出してるのさ!」

 

何処からって、普通に出してるんだけど?

とまあ、一悶着あったが俺のパンツも返ってきたし、まあ、問題は無いかな。

 

「その、さっきはごめんね。でもこれで冒険者カードから覚えられるはずだよ。習得したいスキルを選択してここを押すと覚えられるよ」

「こうか。なんかワクワクする」

「スキルを覚えたら実践してみようか」

 

実践か。

つまり俺はクリスに窃盗スキルを使うということ。

ならば、やられたらやり返すしかないな。

 

「私から取ってみてください。多分当たりはこの財布ですし、そもそもカズマの物ですから当たりではないような気もしますが」

「分かった。クリスからパンツ取り返そうとも思ってたけど、それで行こう」

「サラッと凄いこと言うねキミ。名乗りでてくれて助かったよ」

 

自分がやったことをやられないとでも思っていたのだろうか?

まあ、俺が盗るのとクリスが盗るのでは周囲の目が全く違うものになるだろうけど。

めぐみんの言った通り、一番価値のある物は俺とめぐみんのお金が入った俺の財布。

幸運値に依存するなら取れるだろう。

 

「よし、めぐみんいくぞ。『スティール』ッ!!」

 

スキルの発動は上手くいったようで手元には布地の物が握られている。

でもあまり触りなれてない材質と形状だ。

盗った物を確認する前にめぐみんの方を見ると、めぐみんがプルプル震えていた。

 

「・・・なんですか。このスキルは窃盗スキルじゃなくてパンツ盗りスキルなんですか。カズマ、パンツ返してください」

「ご、ごめん!」

「ち、違うよ!たまたま二回連続で盗れただけだから!」

 

等とクリス氏は供述しているがどうなのだろう。

俺もめぐみんと同じ感想を抱いた。

 

「では、返す前にもう一度私にかけてみてください。これで財布とかが取れれば普通の窃盗スキルだと認めます」

「お、おう。『スティール』ッ!?」

 

俺の手元にあったのは黒くて二つの丸い部分が紐で繋げられた物、すなわち、ブラジャーである。

真面目にこの窃盗スキルは下着泥棒スキルに名前を変更してもいいんじゃないか?

自分の豪運が恨めしい。

こんなの絶対嫌われたな。

 

「本当に違うからな!狙ってやったわけじゃないからな!」

「そ、そうだよ!このスキルはランダムに物を盗るスキルだからカズマくんは悪くないよ!」

 

クリスのフォローはありがたいけど、フォローを受けてる俺自身が信用出来ないから問題大ありだと思う。

 

「ではスキルをカズマに教えたクリスを訴えればいいんですね?」

「えっと、それも違うと言うか、その」

 

クリスが口どもる中、俺は姿勢を低くして叫んだ。

 

「すみませんでした!」

 

盗った物を差し上げながら土下座をする。

俺に続くようにクリスも土下座を敢行した。

 

「はぁ、顔をあげてください。そこまで怒ってませんから。二人の反応から事故なのはわかりましたし、クリスはお詫びに何か奢ってくれればいいです」

「・・・俺は?」

 

やっぱり俺は許さないとかいうパターンじゃなかろうか。

もしかしたらパーティーから抜けてくれとか言われるかもしれない。

 

「こんなことされたらお嫁に行けないので、責任とってください」

「・・・え?」

 

突拍子もない発言に俺は混乱していた。

お嫁に行けないから責任を取るってなんだ?

急にこの子は何を言ってるんだ?

って言うか、めぐみんは俺の事好きなのか?

 

「ふふっ、冗談ですよ。そうですね。カズマにはダクネスを快く受け入れて貰います」

「・・・そんなのでいいのか?もっとあるだろ?」

 

・・・動揺してたのが恥ずかしい。

そりゃあそうだよな。

冗談だよな。

でも、ダクネスを快く受け入れるか。

隙あらば追い出そうと考えてたけど無理か。

 

「現状カズマに金銭の要求なんて出来ませんし、爆裂道を共に歩むことはこの前約束しましたからね。カズマに頼みたいことはそんなにないですよ。一緒にいてくれればそれでいいので」

「そ、そうか?」

 

一緒にいてくれればそれでいいってなんかプロポーズみたいだなあと思いつつ、めぐみんが意図してるのは多分、爆裂散歩に付き添ってくれればそれでいいって意味だろう。

だがしかし、この場にいる他の二人は俺とめぐみんに暖かい視線を送っていた。

外堀がどんどん埋まっていってる気がする。

 

「えっと、あたし達お邪魔みたいだから今日は帰るね。奢るのはまた今度ということで」

「うむ。私はギルドで待っているから、戻ったら声をかけてくれ」

「お邪魔ってなんだよ」

 

クリスに関してはこの場から逃走する為の口実でしかないだろうけど、ダクネスも言ってるし、俺たちの関係性が誤解されてるのは間違いない。

 

「カズマの言ってた通り、私達が男女の仲にあると思われてるようですね」

「訂正しなくてよかったのか?」

 

昨日あんなに恋バナに興味津々だった割には、自らの話が事実と異なっても訂正しなかったのが不思議だ。

こう言う話は一度広まると中々収まらないし。

好きでもない人との関係が噂されるのは嫌だろう。

しかも相手はついさっき自分の下着を盗った人物。

俺なら全力で否定しに行くけどな。

 

「少なくともダクネスは仲間になるのですから行動を共にすれば、誤解も解けると思いますよ」

「そういうもんか?」

「ええ、それに、もしかしたら訂正の必要が無くなるかもしれませんからね」

「おう。ってそれどう言う意味だ?」

「そのままの意味ですよ。ダクネスが待ってますし、早くギルドに戻りましょう」

 

めぐみんが何を言いたかったのかがよくわらなかった。

でも一つ確かなのは、下着を盗られてもなお、いつもと変わらない接し方でいてくれるめぐみんの寛大さはやはり女神級だと言うことだ。

これがアクアなら拳が何回飛んでくるか分からない。

 

 

 

ギルドに戻るとダクネスがアクアと話して待っていた。

クリスも一緒にいるから、昼食を奢るつもりかもしれない。

 

「お待たせしました。もう話は済んでるようですね」

「あんたこんなに優秀な人材を断るなんてバカなの?」

「こいつを優秀な人材と言うお前はバカなの?」

 

上級職かどうかは判断基準ではあったが、中身の方がもっと大事だ。

バカと言われて殴りかかろうとするアクアを収めつつ、今後の話を始めようとした矢先に警報が鳴り響いた。

 

「何事だ!?」

「アナウンスがあるからもう少し待てば分かるわよ」

 

警報が鳴っているってのにみんな慌てることなく、冷静そのものだった。

一人だけ騒いでたのが恥ずかしい。

 

『緊急クエスト!緊急クエスト!冒険者各位、正門前に集まってください!』

「緊急クエストってことは魔王軍か何かが攻めてきたのか?」

「いや、この時期ならキャベツだろう」

 

そんなことをダクネスが言った。

 

「・・・キャベツ?」

 

キャベツごときで緊急クエストってどういうことだよ。

時たま見えるギルドの外は慌ただしく人が動いてるんだけども、本当にキャベツなのか?

 

「この前話していた収穫ですよ」

「ああ、あれか」

 

めぐみんが言うからには、キャベツで間違いないんだろうけど、キャベツってそんなに強いのか?

 

「キャベツの報酬は完全出来高制にしましょう!」

「急にどうした?」

 

突然報酬の話を始めたってことは何か企んでるなコイツ。

 

「一番多く捕まえた人が不利になるじゃない」

 

なるほど、確かに、捕まえた数報酬が貰えるなら不公平にならないように完全出来高制にするのもありか。

いつもは均等に割り振ってるけど、たまにはこういうのもありだな。

ここで儲けてめぐみんにいい所と言うかお金を返して、今日の事件の分を取り返さなければ。

 

「まあ、俺はそれでいいけど、二人はどうだ」

「私は構わないぞ」

「私もそれでいいです」

 

と全会一致で、今回のクエストは完全出来高制となった。

 

 

 

正門前に到着すると、辺り一面にキャベツが飛んでいた。

本当にキャベツが空飛んでるよ。

自分の目がおかしくなったんじゃないかと思う。

隣ではアクアがマヨネーズ持ってこいと叫んだり、めぐみんが嵐が来るとか中二病みたいなこと言ってたり、ダクネスがハアハア言ってたりして、こんなので大丈夫なんだろうかと思っていると、クリスに声をかけられた。

 

「カズマくん、キャベツ相手にも窃盗スキルは有効だから活躍できると思うよ」

「へぇー、キャベツも下着つけてるのか」

「どうしてそうなるのさ!キャベツを捕まえられるんだよ!」

「だってなあ?」

 

めぐみんに共感を求めて見ると、頷いてからめぐみんは言った。

 

「ええ、私もカズマと同じこと考えてました」

「めぐみんまで言う?ともかく、ほら、キャベツに向かってスキル使ってみてよ」

「分かった。『スティール』ッ!」

 

手元にはしっかりとキャベツが居た。

よかった。

これでこのスキルが変なスキルじゃないと思えるようになった。

 

「ちゃんと使えてますね。もう一度私に使ってみてください。仮にまた下着が取れても気にしませんから」

「お、おう。流石にもう大丈夫だと思いたい。『スティール』ッ!」

 

結論。

窃盗スキルは下着泥棒スキルでした。

これあれだ。

対人だとパンツしか取れないスキルなんじゃないか?

 

「クリス、このスキルは人相手には下着しか盗れないんですか?」

「そんなことないよ。『スティール』ッ!」

「あっ、俺の財布」

 

クリスが財布を、盗ったってことは普通に窃盗スキルなのか?

いや、逆にクリスが運良く財布盗っただけかもしれない。

 

「ほらね?今度はあたしにやってみてよ」

「下着盗ったとしてもお相子だからな?『スティール』ッ!」

 

何も驚きはないが同じく、パンツが盗れた。

今後このスキルは対人には使わないと心に誓った。

 

「なんでキミはパンツしか盗れないのさ!」

「俺が知りたいわ!つかクリスさん白パンなんですね」

「変な感想要らないから早く返して!」

 

めぐみんが大人な黒パンで、クリスが純潔な白パン。

イメージ的には逆な気もしなくはないけど、何と言うか、役得です。

 

「俺のはあんなにニギニギしてたのに、自分のはスグに返せっておかしくないか?」

「いや、あれは何が起こったのか分かってなかったからで、それにニギニギなんてしてないから!」

「二人ともみんな見てますよ?」

「「・・・」」

 

めぐみんに言われて、自分たちが如何にアホなことしてたのかに気付いた。

速やかにパンツを返却して、キャベツ狩りに戻る。

しかし、時既に遅し、ギルドに戻ると俺とクリスはパンツを取り合う変態盗賊コンビと呼ばれるようになるのであった。

 

 

 

第二次パンツ騒動が起こったものの、キャベツ狩り自体は上手くいった。

ダクネスが他の冒険者を守り騎士として憧れるとか言われてたが、実際はドMを発揮して興奮してただけなんだけども、仲間の評判を下げると回り回って自分の評判に繋がるから訂正はやめておいた。

 

「なあクリスはダクネスの親友なんだよな?」

「うん。そうだよ?」

「クリスってドSなのか?」

 

ダクネスと上手くやってるってことはかなり有り得る話。

こんなこと聞くなんてデリカシーがないとか言われても困る。

だって相手はパンツ盗りあった人物なんだから。

 

「そう思うのも仕方ないけど、あたしは普通だよ」

「じゃあ、ダクネスの扱い方とかどうしてるんだ?」

「基本は常識的と言うか、お堅い所あるから問題ないんだけど、クエストとかそういう話になるとダメだね。仲間として活動する以上は適当に流すしかないよ」

「マジか」

 

親友が諦めてるあたり、修正は不可能なようだ。

仲間としての活動がメインなのにそこで問題があるって厄介過ぎるだろ。

 

「マジだよ。そうだ。これめぐみんに渡して貰えるかな?この額あれば夕飯お釣りくるよね?」

「普通に足りないけど?」

 

俺ならこの額で足りるけど、めぐみんはもっと食べてる。

めぐみんの体型から推測するとこのくらいの額でも多いくらいだと考えるのが普通だろうけど。

 

「・・・あの体型で大食いなの?」

「そう。俺もあんなに食べてよくあの体型維持出来てるなって、出会ってからずっと思ってる」

「今度直接奢った方が良さそうだね」

 

一緒に食べて、その時に奢るのが一番だな。

めぐみんとて、食欲のない日もあるだろうし。

 

「今日は無理なのか?」

「今から用事があるからね。ダクネスにはよろしく言っといて」

「分かった。他の盗賊スキルとかまた頼む」

 

何とか常識的な人物を知り合いに作れた。

とは言え、クリスはパーティーメンバーじゃない。

クエストを楽しむってことは出来そうにないな。

 

「あっ、やっと来たわね!カズマこっちよ!ダクネスの歓迎会始まってるわよ!」

「分かった。今行く」

 

でもまあ、こう言うのは悪くないな。

一応、ハーレムパーティーだし、中身は置いといてみんな美人だし、めぐみんは爆裂魔法のこと抜きにすれば常識人だし、悪い方に考えるのはやめよう。

 

「あれがパンツ脱がせ魔よ。気を付けないと私達もそのうちやられるかもしれない」

「しかも、あの紅魔族の子に貢がせてるらしいわよ。年下の女の子に養ってもらうなんて」

 

・・・仲間のことより、俺は自分の悪評を何とかしないといけないみたいだ。

女性冒険者から凄い睨まれてる。

 

「カズマ?どうかしましたか?」

「いや、なんでもない。ちょっと考え事をな」

「無理は良くないぞ?私のことはいい。ゆっくりしてくれ」

 

本当に基本は常識人なんだなこの人。

これでアクアみたく通常がダメならもっと困ってた。

 

「大丈夫だって。魔力切れかもな。ちょっと力が入りにくいだけだから」

「ならいいのですが、気分が悪くなったら直ぐに言ってくださいね?」

 

この優しさが、ある意味で俺の悩みの種になってるなんて考えもしてないだろうな。

 

「それじゃあ歓迎会再開するわよ!乾杯!」

「「「乾杯!」」」

 

こうして俺たちのパーティーが正式に結成された。

まさかこんなにも早く、こんなにもクセのあるメンツが揃うとは思いもしなかった。

まあ、ぼっちになるよりは幾分もましか。

 

「そうだ。ダクネスの守り、凄かったわよね。キャベツ達が攻めあぐねていたわ!」

「他の冒険者からも好評でしたからね。カズマも凄かったですよ!潜伏スキルで忍び寄り、窃盗スキルでキャベツを捕獲するさまはまるで、ベテランのキャベツハンターのようでした」

 

うんうん。

見てくれてる人はちゃんと見てくれてるんだな。

安心する。

 

「そうね。私の名のもとにカズマさんには華麗なるキャベツ泥棒の称号を授けるわ」

「要らんわ!せめてキャベツハンターだろ!」

「じゃあ華麗なるキャベツハンターの称号を授けるわ」

 

コイツ単に称号を授けるって言いたいだけだろ。

これで決まりだと言わんばかり人差し指をこちらに向けて、アクアはドヤ顔を決めている。

 

「・・・要らないことに変わりないしその称号で呼んだら引っ叩くぞ」

 

痛いのは嫌なのか、慌てて手を直して、食事に戻った。

こういう所は分かりやすくて助かる。

 

「華麗なるキャベツ泥棒」

 

突然口を開いたと思ったら、ダクネスが不名誉な称号を呟いた。

 

「ダクネス?急にどうした?」

「む、この称号で呼べば引っ叩くのではなかったのか?」

 

めんどくさいこと言い出した。

クリスの嘘つき!

日常会話でもドMスキル発動してるんだが?

 

「・・・華麗なるキャベツ泥棒!そこの唐揚げ痛っ!どうして私は叩くのよ!」

 

ダクネスが叩かれないのを見て、調子乗ったアクアにはしっかりと制裁を加える。

 

「お前に対して言ったことだからだ!」

「カズマ、怒りが収まらないなら、是非私を叩いてくれ!」

 

このドMどうしてくれようか。

普段からこの調子でいられると困る。

 

「いや、いい。それよりめぐみんも大活躍だったよな。一度に大量のキャベツを屠ってたし」

「この我にかかれば造作もないことです。華麗なるキャベツハンターには敵いませんよ。私は捕獲数ゼロですから」

 

ブルータスお前もか。

クスッとイタズラっ子みたいな笑みを浮かべてめぐみんは言った。

暫くこの名前で呼ばれそうだなこれ。

でもまあ、ハンターの方ならそこまで嫌じゃないな。




ワクチンの副作用により右腕が封印されてましたが、何とか投稿出来ました。
一回目に利き腕に打たれて地獄見ましたよ(笑)
皆さんワクチン接種の時は利き手じゃない方にしましょう!
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