月曜にあげるとか言いながらもう数分で次の月曜です。
遅くなってすみません。
-DATENOKOUZAI-
めぐみんにデートへ誘われて、現在昼食を取っている最中なのだが、入ったレストランが本当にカップルだらけの如何にもデートしてますといった感じのする店だった。
窓側の席なこともあり、知り合いの冒険者が通り掛かると見てはいけないものを見たみたいな感じで去って行く。
俺は今、これが真のデートなのか、それとも教養を調べる為の一貫なのかで凄く悩まされている。
加えてさっきの話だ。
このままだと、俺とめぐみんがデートしてたって話が広まって、また俺の評判が落ちるんじゃないか?普通にデートしてたって内容だけなら評判は落ちないだろうけど、外堀が埋まると言うかなんと言うか。ともかく心配だ。
それに比べてめぐみんはと言うと楽しそうにスパゲティを頬張っている。
何故こんなにも堂々としていられるのだろうか。
こっちがこんなにも悩んでるってのに。
やっぱり、俺を試す目的と捉えた方が正しそうだな。
「カズマ?難しい顔してどうかしたのですか?」
「いや、何か普通にデートしてるから、何でだろうって考えてた」
「もしこれが教養講座だと思ってるなら間違ってはないですけど、普通のデートだと思って行動してもらわないと困ります」
やはりテストされてたのか。
普通のデートとか言われてもデートなんてしたことないし、どうすればいいか分からん。
めぐみんは知ってるみたいだけど、やっぱり異世界の性事情は早いのか?
中学一年の頃なんて、大した知識持ってなかったからな。
「俺の認識のズレが分からないからか?」
「そうですよ。あと、二人の時間は二人で楽しみたいですから」
満面の笑みでそんなこと言われてもなあ。
絶対面白がってるだけじゃねえか。
ああ、やっぱりデートと聞いて期待して着いてこなければ良かった。
「そろそろデザート頼みましょう。何が食べたいですか?」
「めぐみんのオススメで」
「ではいちごパフェですね」
いちごパフェか。
何だかんだで日本でも食べたこと無かったな。
母さんとかは食べてたっけ。
・・・皆元気にしてるだろうか?
「カズマ?どうかしましたか?」
「いや、何でも。ちょっと考え事をな」
「デート中に考え事とは、非常識ですよ?」
そりゃあこれが本当のデートなら失礼極まりない態度だけども、これは違うしなあ。
めぐみんはちゃんと俺の対応みたいだろうけど、正直に言って友達と遊んでる感覚になってる。
「それは知ってるけど、ふと思い出したんだよ」
「何をですか?」
「家族のことだ。もう会えないからさ」
・・・俺何言ってんだろう。
こんな重たい話デート中にするとかそれこそ非常識だと思う。
それにこの言い方だと、家族が死んだみたいに聞こえるし、俺が魔王討伐を目指してるって言ってる流れからして、魔王軍とかに殺られたって思うんじゃなかろうか。
「・・・ごめんなさい」
「謝ることないって」
「ですが、その」
やっぱり、気を遣わさてしまった。
聞いてきた時のお姉さん感のある表情から一変して、今は何かしでかした子供みたいに青くなってる。
俺としては何の問題もないし、何か安心させること言わないと。
「えっと、あれだ。今じゃお前らが家族みたいなもんだからな。気にするな」
「・・・カズマ、それはズルいです」
「何がズルいんだよ」
「ズルいからズルいのですよ。それよりもデザート頼みますよ。すみません!」
とデザートの注文で一旦話を流すことにした。
流したとは言え、二人ともあまり話さなくなっている間にパフェが到着した。
「ここのパフェ美味しいですね!」
「・・・えっと、めぐみんここ来たことなかったのか?」
めぐみんの反応を見ているとスパゲティを食べてる時からそうだったけど、初見のそれだった。
おすすめのお店と聞いていたけど、初めて来たとなるとこの店はどうやって知ったんだ?
「初めてですよ?この店は受付のお姉さんから聞きました」
「ルナさんか?」
ルナさんにとっての俺とアクアへの第一印象はあまりいいものではないと思う。
他の空いてる窓口に行かずに、わざわざ並んでいたもののいざ順番がやってくると登録手数料も持ってない一文無しが二人。
俺なら関わりたくない相手だ。
「いえ、ルナさんにこの手の話はご法度ですから、別の人です」
「それはどう言う意味なんだ?」
受付のお姉さんと言われると常勤のルナさんがどうしても思い付く。
違うとなると誰か分からない。
あと、ご法度ってどういうことだろうか。
「ルナさんは今もなおフリーとだけ言っておきます」
「・・・何となく分かった。そういえばめぐみんってデートしたのこれで何回目なんだ?」
ルナさんって美人なのに、配偶者なしなのか。
しかも今もなおって言う表現からして恋愛経験なしか。
なるほど、相手がいないこと気にしてる人に対してデートにオススメの店はないかとか聞ける訳ないか。
「カズマが初めてですよ?」
「・・・それにしては随分慣れてるような気がするんだが」
「こんなことで嘘ついてどうするんですか?」
めぐみんの言う通りだな。
俺達が付き合ってるとかならメリットもあるかもしれないけど、ハッキリ言って今の状況だと何のメリットもない。
「それもそうか。斯く言う俺も初めてなんだけどな」
「知ってますよ。アクアからカズマはどう」
「それ以上は言うな」
アイツなんてことめぐみんに教えてんだ。
根も葉もある話だけども、勝手なこと言ってくれてるなあのアマ。
今すぐにでもヤツをしばきたい。
「えっと、すみません。配慮が足りなかったです」
「気にするな。お前に吹き込んだあの馬鹿が悪い」
めぐみんが気に負う必要なんて何一つない。
全ては話をしたアクアが悪い。
「・・・あのう。ずっと気になっていたのですが、カズマとアクアはどう言う関係なんですか?」
「俺らの関係か。まあ、行きずりからの腐れ縁って所かな?」
「と言うと?」
普通に考えて抽象的な話を聞きたい訳じゃないよな。
とは言え転生して来たなんて言えるわけもないし、失言しないように気をつけないとな。
「この街に来る時の案内役がアクアだったって話はしてたよな?」
「ええ」
「それでここに着いたはいいものの俺もアクアも戻れなくなったから協力してるって所だ」
転生だから俺は日本に帰れない。
アクアは天界に魔王を討伐するまで帰れない。
この点において嘘は言ってない。
協力してるってのは、まあ、一応あってるとは思う。
「・・・なんと言うかアクアらしい事の顛末ですね。本当はアクアは一緒に来てはいけない状態だったのでしょう?」
「まあ、そうなるな。ある意味では俺も悪いんだが、八割方アイツ自身のせいだ」
俺が選んだからアクアがミスした訳では無いけど、アイツが俺をバカにしなければ多分普通に能力なり武器なりのチートを選んでいただろう。
多少の期待があったのも事実だけど、それはそれだ。
でも、そうなるとめぐみんに会えてない可能性もあるのか。
「アクアは何をしたんですか?」
「それは言えないな。そこまで話すのは悪い」
アクアのプライバシーを盾にこれ以上は言えないように持っていこう。
ここから先は転生に至る経緯を話す他なくなる。
「無理にとは言いません。二人の関係がずっと気になっていたんですよ」
「これが俺を詳しく知りたいってやつか」
「内の一つです。逆にカズマが私に何か聞きたいこととかありますか?」
思ってた通りか。
確かに二人きりじゃないと聞けない話だな。
逆に俺が聞きたい話か。
色々あるけど、めぐみんが聞いた話の時系列的に言うとこれしかないな。
「どうして俺達とパーティーになりたかったんだ?」
「簡単に言えば一目惚れでしょうか?」
「一目惚れ?」
簡単に言えばってことは例えとしての表現か。
しかし、どういうことだろう。
謎は深まるばかりだな。
これから明かされる訳だが。
「カズマの変わった服に興味を惹かれまして」
「まさかジャージで近付いたのか?」
紅魔族の感性なら有り得なくもない。
でもそんな理由だけってのは理解出来ない。
「初めはそうですね。加えて私のことを知らない人だったからです」
「めぐみんを知らない?」
「私が爆裂魔法しか使えないと二人は知らなかった」
なるほど。
爆裂魔法しか使えない魔法使いは不要とされていたのか。
そこに何も知らないよそ者が現れたと。
しかも恩を売って仲間入りできそうなケースだった。
これで納得がいった。
「まあ、そんなことより何よりもカズマを好きになったのが一番の理由ですけどね」
「そうか。今まで不思議に思ってたのが・・・ちょっ、ちょっと待て今なんて言った?」
俺を好きになったのが理由?
簡単に言うとってのは例示じゃなくて、単的にって意味だったのか?
やっぱりめぐみんってば俺の事好きなの?
「カズマを好きになったのが一番の理由です。好きだとは何度も言ってると思うのですが」
「・・・そ、そうだったな。変に騒いで悪かった」
なんだ仲間としてか。
めぐみんの言う爆裂道に必要な存在だからって話か。
ここ最近このパターンで動揺しすぎだな。
今後はめぐみんがこの手の反応しても気にしないようにしよう。
「カズマ?」
「何でもない。そろそろ他の場所行かないか?」
「いいですよ。食事マナーについては普通以上に常識があると分かりましたし」
・・・ちゃんとテーブルマナーやっといて良かった。
そんな所まで見られてるとは思ってなかった。
この後は何処に行く予定なんだろうか。
商店街をぶらぶらするって話だったけど、どんな店だろう。
商店街に到着し、ショッピングが始まった。
とは言えまだウィンドウショッピングの域を出ていないのだが。
「カズマは何か買いたいものとかないのですか?」
「めぐみんこそ何かあったから商店街に来たんじゃないのか?」
「私はこの杖をカズマに貰って特に欲しいものはもうありませんよ?」
「・・・食べ歩きするか?」
「それですね。食べ物屋さん探しましょう」
なんという無計画。
正に初めてデートする二人って感じのゴタゴタ感だな。
この時俺は、後は楽にしていられるとそう考えていた。
しかし、相手がめぐみんであることを俺は忘れていたのであった。
ある唐揚げ店では、
「いらっしゃい!そこのお二人さん!ウチの唐揚げとポテトどうだい?仲のいい兄妹さんみたいだから安くしとくよ」
「では、私たちが兄妹ではなく、デート中の二人だとしたらどうなりますか?」
「あれ?兄妹じゃなくてカップルだったのね?ごめんなさい。更に安くして破格の百エリスで二人分にしておくわ」
「ありがとうございます」
またあるクレープ店では
「いらっしゃい!今なら兄妹割もあるよ?どうかなあ?」
「私たちデート中で、兄妹じゃないです」
「ごめんね。お詫びと言うとあれだけどカップル割引もあるよ?」
「じゃあ二人分お願いします」
「はーい」
またまたあるアイス店では
「いらっしゃい!嬢ちゃん達、兄妹かい?」
「いえ、違います。デート中です」
「そうかいそうかい。青春だねえ」
「バニラとチョコ味をお願いします」
「はいよ」
とまあこのように、割引だとかサービス目的を抜きにしても、めぐみんが尽く、兄妹認定を覆してデートだと告げている。
初めはカップル割引目当てだろうと思ってたけど、そう言うの関係なく言ってるのがどんどんわかってきた。
こいつは商店街で兄妹みたいなカップルとして、認知されたいのだろうか?
俺このままだと、めぐみんの彼氏とか呼ばれる日が来るんじゃないか?
「私たちってそんなに似てますかね?一度もカップルだと言われませんでしたよ?ちょっと恋人繋ぎとかしてみますか?」
「お前まさかその実験の為にこれやってたのか?」
「途中から気になってやってました」
こいつは自身のことより、興味心を取るタイプの人間だとよく分かった。
ジャージに惹かれたってのも見たことない不思議な奴がいるって感じで、興味心をそそられたとかだろうし、今こうやって俺に構ってるのも俺が変だから気になってるとかなんじゃなかろうか。
「・・・今日のデートで俺達有名なカップルになったと思うぞ」
「私はそれでも構いませんよ?」
「絶対アクア辺りにネタにされるぞ?」
「それはそれです。私はそんなことよりも、どうすればカズマとカップルに見えるのかが気になって仕方ないのですよ」
アクアに煽られるよりも、知的探求の方が勝ってるらしい。
めぐみんが科学者してたら、パソコンとかテレビとかをこの世界で作り出しそう。
「・・・はあ、わかったよ。恋人繋ぎしてみよう。俺も何か気になってきた」
「では失礼して」
凄く自然な流れで、スルッとめぐみんの手が入って来た。
俺、生まれて初めて恋人繋ぎしてるなあ。
でも一つ言いたいことがある。
「・・・それ俺のセリフじゃないか?」
めぐみんさんや。
男らし過ぎやしないか?
俺絶対に自分からは無理だぞ。
「どっちのセリフとかあるんですか?」
「・・・いや、まあ。なあ、ひとつ聞いていいか?」
「何でしょう?」
「本当に恋愛経験とかないのか?」
どうしても今日の行動を見てると攻め方知ってる人に見えると言うか、今日初めてで、さっきまでの全部出来てたら魔性にも程があると思う。
・・・めぐみんなら魔性説も有り得るからなんとも言えないけど。
「ええ、カズマが初めてです。カズマと手を繋ぐタイミングくらいはカズマを見てれば自然と分かりますよ」
「ごめん。ちょっと何言ってるか分からない。けど、分かった。お前よく俺の考え読んでるもんな」
俺を見てたらタイミングわかるのか?
めぐみん見ててもどのタイミングで、手を繋ぎにくるか全く分からなかったぞ?
「そういうことです」
「そもそも何で考えが分かるんだ?」
「何故と聞かれても何となく伝わってくるとしか言えないです」
ニュータイプか何かか?
俺だけまだ覚醒してないみたいな?
俺は金銭的にも精神的にもめぐみんに何も言えなくなるかもしれない。
「俺以外の人で同じような事は?」
「ないですよ。まあ、その理由は何となく分かってますけど」
「理由って言うと?」
俺だけか。
俺だけな理由として考えられるのは、波長が似てるとか?
めぐみんに何かしらの受信機的なものがついてるなら有り得る。
ここは異世界だ。
何があってもおかしくは無い。
「何度も言ってますが好きだからですよ」
理由は好きだからと来た。
いや、ここでの回答に持ってこられると好きの意味が恋愛的な意味になるんだが。
どうしよう。
これでもし、恋愛的な意味で好きだとずっと言ってたなんて言われたら俺はどうしたらいいのだろうか。
でもこの際だ。
勇気出して、聞いてみるか。
「・・・なあ、そのいつも言ってる『あっ!?二人ともこんなとこにいたのね!』」
「何してんだコラ」
この駄女神が!!
なんてタイミングでやってくるんだ!
せっかく勇気出して聞こうとしてたってのに。
「何でカズマ怒ってるの?」
「はぁ、で何のようだ?」
「何もないわよ?暇だったから誰かいないか探してたのよ」
コイツ、後で絞めよう。
何もなく、俺の勇気を踏みにじったバカを放っておく訳にはいかない。
「ダクネスはいなかったのか?」
「ダクネスなら実家に用事があるって言ってたわよ」
「そうでしたね。ですが、見ての通りデート中なので、他を当たってください。今から爆裂散歩です」
めぐみんさんや。
あんた何言ってんだ。
アクアにこの手の話はダメだろう。
しかも見せつけるように寄せて、更に引っ付いてくる。
アクアが凄いニヤニヤしてる。
嫌な予感がする。
「・・・じゃあ、私はギルドで宴会しておくわね」
「おい待て、暇ならついてこい」
「めぐみんがさっき他を当たってって言ってたじゃない。デート中なんでしょう?」
ひっぱたいてやろうと思ったものの、腕が固定されて可動域にアクアがいないから諦めた。
コイツだけは生かして帰らせたらダメだ。
「お前ギルドの宴会で何する気だ」
「そんなの広めるに決まってるじゃない」
「ここに十万エリスある。意味は分かるな?」
アクアの口止めは現金しかあるまいて。
全く、めぐみんがこんなことしなければ口止めなんて必要ないのに。
「もちろんよ。私はカズマとめぐみんなんて今日見かけてないわ」
「よし、それでいい」
「因みになんだけど、私がここに来たのは二人が商店街でデートしてるって話が広まってたからよ」
言ってアクアはギルドへと駆けて行った。
・・・口止めの意味ねえじゃん。
アクアが話しても噂が事実として補完されるだけじゃん。
「・・・めぐみん、今すぐこれやめるぞ。ギルドの奴らには認知されてるみたいだし」
「いえ、初対面の人でなければ意味がありません!次の店でカップル認定されればそれで終わりますから!」
めぐみんの実験はまだ続くらしい。
ああ、ここで突っぱねるべきなんだろうけど、今の俺には出来ないな。
「はあ、分かったよ。てか、今のでアクアから俺らデートする仲って思われたぞ」
「別に構わないですよ。そんなことよりもあの店行きましょう」
構わないとはどういうことだろうか。
めぐみんの考えは全く分からん。
ただ一つ確かなのは、俺とめぐみんはもうギルドで有名なカップルと言うことだろうか。
明日の投稿はカズマさんがめぐみんを攻略するアレです。