機動戦士ガンダムIS(インサイド・ザ・ストラトス) 作:見知らぬとまと
世界があった。
「貴様ほど急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!」
世界があった。
「しかしこの暖かさをもった人間が地球さえ破壊するんだ。」
世界があった。
「わかっているよ!だから!世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだろ!!」
世界があった。
「νガンダムは伊達じゃない!」
世界があった。
「父さん・・・・母さん、ごめん。
俺は・・・・、行くよ!」
世界があった。
「ここが知っている。自分で自分を決められるたった一つの部品だ。なくすなよ。」
世界があった。
「チャンスは必ず来る。その時は迷わず、ガンダムに乗れ。」
世界があった。
「ユニコォォォオオオオオオオン!!!」
そして・・・・
IS学園。これがこの学園の名前だ。
彼はこの学園特有の女子だらけの教室内で注目を集める三人のうち一人だった。
彼はそれを望んでいたわけではなかったが、特に何ができるわけでもなかった。
「特別研修生アムロ・レイだ。これからよろしく頼む」
「「「「「「キャーーーーーーーーーッ!!!」」」」」」
彼はある世界の「一年戦争」と呼ばれた戦いの英雄にして伝説のパイロット、アムロ・レイ。
後にアクシズ・ショックと呼ばれるアクシズ攻防戦にてサイコフレームの共振で小惑星を弾き返し・・・・
宇宙に消えていった。
しかし何の因果か、彼はこの異世界に、半壊した愛機、νガンダムと共に流れ着いてきてしまったのだ。
「ねぇ、あの人、すごくダンディでカッコイイと思わない!?」
「なんか大人の余裕のようなものを感じるわよね!」
「キャー素敵ー!」
そして女性にしか動かせないといわれている超兵器(MSも十分超兵器だが)、「インフィニット・ストラトス」を動かしてしまい、このような事態に陥っているのだ。
最も、哀れな被害者は彼だけではないのだが。
「織斑一夏です」
「えぇ・・っと、ほかには・・・?」
「以上です!」
すると、どこからともなく現れた黒髪の麗人が、持っていた出席簿でおもむろに
スパァン!!
叩いた。後に出席簿アタックと呼ばれることになったのは言うまでもない。
「挨拶もろくに出来んのか、馬鹿者」
「ち、千冬姉!」
スパァン!
「織斑先生と呼べ」
いま教師(ISの伝説的パイロット、しかも彼の姉)と姉弟漫才をしているのが織斑一夏。彼は元からこの世界の住人であったそうだが、似たような境遇には親近感が湧く。
「「「「「「「「「キャーーーーーーーーーッ!!!!!!!!!!!」」」」」」」」
しかし、そこで先刻に倍する絶叫が教室を揺るがした。
「ねぇ、あれ本物の千冬様よね!」
「そのために九州から来ました!」
「弟さんもイケメン・・・!」
「しかもISが動かせるなんて!」
もっとも、アムロと真に似たような境遇であるのは彼ではない。
もう一人、ここには場違いな男子生徒がいる。
「バナージ・リンクスです。これからよろしくお願いします。」
「「「「キャーーーーーーーーーッ!!」」」」
(以下略
そう、彼――バナージ・リンクスは宇宙世紀において『ユニコーンガンダム』に乗り戦った、即ちアムロと同じ境遇の人物である。
尤も、アムロが宇宙に消えた後の話のために、アムロは聞いただけであるが。
しかし、アムロとバナージはとある山の中に機体とともにやってきたのだが、なぜかタイミングは殆ど同じだった。
時系列は曖昧なのかもしれない。
しかもバナージは『ユニコーンガンダム』――彼本来の愛機ではなく、『シルヴァ・バレト・サプレッサー』という機体とともに流れ着いた。
話を聞くにサイコ・フレームは封印されようとしているらしい。
嘗ての好敵手、赤い彗星との戦いにおいてその『可能性』を垣間見たアムロにとっては当然と思う一方、少し寂しくも思うのが本音だ。
初日ということもあり、これでおよそ授業は終わった。
あのあとクラス問わず女子生徒たちに追い掛け回されたときはどうなるかと思ったが、一先ずは落ち着けそうだ。
アムロとバナージは同じ学生寮の部屋だ。
0079というルームナンバーの掛けられた部屋の中が、彼らの新しい私室だった。
「お疲れ様でした、アムロさん」
バナージが声をかけた。
アムロは窓際でコーヒーを飲みながら答えた。
「異世界に来たと思ったらこの様だ。人生分からないもんだな。」
「ニュータイプにだって未来は分かりませんよ。解っていいものじゃない。」
その言葉には、かつてサイコシャードによって垣間見た未来・・・
あるいは、『虹の彼方』を見た者としての重みが込められている。
「・・・そうだな。」
そうして彼らは学寮の窓から夜空を見上げた。
かつて彼らの生活圏であった宇宙は、今はまだここでは手の届きがたいものとして星々を輝かせている。
こうして、彼らのIS学園での生活が始まったのだった。
主は機械知識ほぼ皆無です。
ほぼにわかガンダム知識のみで機体関係は書き上げていきます。