「俺ガイル」お疲れ様会会場にて   作:さすらいガードマン

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最初は続けるつもりは無かったんですが、いろいろ思いついたので書いてしまいました。

前回に続きまして、ネタバレ及び筆者の独自解釈があります。苦手な方はブラウザバック推奨です。
 
 



本物って?

 

い「ではでは、前回に引き続きまして、『やはり俺の青春ラブコメは間違っている。』お疲れ様会、場外特設スタジオから、『お疲れ様座談会、第二回』をお送りしま~す」

 

雪「はあ……またやるのね……」

 

八「一回限りのネタ話じゃなかったのかよ……。それにさらっと言ってるが、ここのどこが特設スタジオなんだ?」

 

結「海岸沿いの公園の、ただのベンチだし……」

 

い「まーまー、細かいことはいいじゃないですかー。スマホひとつあればそこがスタジオ。撮影・編集から配信までその場でできちゃうんですよ。もう第1巻当初とは時代が違うんです!」

 

八「言われてみれば……。そういえば、初めは由比ヶ浜はガラケーポチポチいじってたよな。今考えると、人と関わりたがらない俺がスマホで、スクールカーストトップの由比ヶ浜がガラケーって違和感があるな」

 

結「うーん、あたしだけじゃなくて優美子とかもガラケーだったから、やっぱ時代的なあれなんじゃない? ゆきのんはどっちだったっけ」

 

雪「たしか最初からスマートフォンだったと思うけれど……」

 

八「『たしか』って……」

 

雪「貴方視点での描写が無いのよ。私は由比ヶ浜さんと違ってずっと本ばかり読んでいたし……。それにほら、あなたの事はゾンビだとか奉仕部の備品だとか思っていたから、連絡先の交換をつい最近までしなかったでしょう」

 

八「お前な……」

 

雪「ふふ、冗談よ。本当は改めて言い出すのも照れくさくて……きっかけが掴めなかっただけ、よ。ごめんなさい」テレテレ

 

八「う……お、おう」カオマッカ

 

い「わたしたちは何を見せられてるんでしょうね……」(遠い目)

 

結「あはは……」

 

 

 

 

八「結局、最終巻近くだと、いつの間にかみんなスマホになって、LINEとか普通に使ってたよな」

 

雪「長く続くシリーズだと、どうしてもそういった時代の変化による齟齬は出てきてしまうものよ」

 

八「まあ、俺らも八年以上高校二年生やってたからなぁ。最後の最後で進級できてよかったわ」シミジミ

 

雪「そうね。でも、予想していたよりも時間が進まなかったわ」

 

結「んん? どゆこと?」

 

雪「私はてっきり、最後には『何年後』みたいにエピローグ的なお話が入るのではないかと思っていたから」

 

い「それってどういう……」

 

雪「例えば、その……私と比企谷君が、結婚した後の話とか……」

 

結・い「!」

 

八「ちょ……それは気が早すぎなんじゃねえの」

 

雪「あら、私に全部くれるんでしょう? 貴方、あんな言葉をなんの覚悟も無く言ったの?それとも……まさか忘れてしまったというわけでは無いでしょうね」(八幡の太ももをつねる)

 

八「痛い痛い! 言った、確かに言ったから。ただずっと先の話だと思ってただけで」

 

い「そうですよー。わたしたちまだ高校生ですし。そーゆーの、もっとおとなになってからというかですねー」(その間にワンチャン逆転を……)

 

結「うんうん、もう少し先で良いんじゃないかなー」(もうこうなったらゆきのんの方を攻めていっそ三人でラブラブな関係に……)

 

雪「そういうものかしら……」

 

八「エピローグ的なのは……そのうち短編集とかでやるだろ。……あれ、最終巻の後に出る場合でも『14.5巻』みたいな巻数表示になるのか?」

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

 

い「ではここで、前回の予告通りゲストをお呼びしたいと思いまーす」

 

八「マジか……」

 

雪「暇な人もいるのね」

 

結「ねぇいろはちゃん、誰?誰?」

 

い「今回は豪華に、せんぱいが大好きなお二方(ふたかた)をお呼びしました~」

 

八「む、俺が大好きな相手と言えば当然……」

 

雪「普通に考えて一人目は小町さんよね……」

 

結「あとは……彩ちゃん、かな?」

 

い「正解は……CMの後でーす」

 

結「CMって何だし……」

 

 

――CM中

 

アニメ「ヤハリオレノセイシュンラブコメハマチガッテイル(カン)」4ガツ ホウソウカイシ!

 

 

「ソシテツルミルミハ」ハーメルン ニテ コウヒョウレンサイチュウ

 

 

――CM明け

 

い「いよいよ発表でーす。では、どうぞお入りくださーい」

 

陽「ひゃっはろーん」

 

静「やあ、久しぶり……でもないか。どうやら皆うまくやれているようだな」

 

八・雪・結「!!」ガタッ

 

八「一色お前……どこが『俺の好きな』ゲストなんだよ」

 

い「だからぁ~『先輩(のこと)が大好きなゲストさん』ですよう」

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

い「では、先生がゲストということで、原作読者・アニメ視聴者両方の人気が高かったエピソードの話から」

 

い「平塚先生と言えば、作品中でも屈指の名台詞・名場面、美浜大橋のこのシーンですよね」

 

結「ん? このシーンって言われても……」

 

い「これでーす。VTR、すたーとっ」ポチット

 

 

 

**VTR再生中**

 

――――

 

――かっこつけてるからな……

 

――問題の根っこは一つなんだよ。……心だ。

 

――誰かを大切に思うということは、その人を傷つける覚悟をすることだよ。

 

――今だよ、比企谷。……今なんだ。

 

――考えてもがき苦しみ、あがいて悩め。――そうでなくては、本物じゃない。

 

――――

 

**再生終了**

 

 

 

 

結「……か、かっこいい……」

 

雪「こんなやり取りがあったのね」

 

い「で、これがせんぱいの『本物』の発言に繋がる……と」

 

結「作品ファンの中では、ヒッキーの『本物が欲しい』がすごい話題になってたけど、先生の言葉も大きかったんだねー」

 

陽「静ちゃんがずっと大事にしてる言葉だよね、()()って。わたしも高校生の時に、『陽乃、お前にとっての本物が必ずある。今はまだそれを見つけられていないだけなんだ』なんて言われたことあったし」

 

静「あの頃の陽乃は――何でも上手く出来るくせに、笑顔の裏で自分の空虚さに苛立ちを抱えてるようなやつだったからな。……今は幾分ましになったか」

 

雪「……それで腑に落ちたわ。ずっと後で、姉さんは『それが比企谷くんのいう本物?』とか『本物なんて、あるのかな』とか、何度もその本物という言葉を使っていたでしょう。

比企谷君の部室での独白は知らないはずなのに、何故か特別な(こだわ)りがあるように思えて、少し不思議に思っていたから」

 

陽「拘り? うーん、それは……あるかも。わたし、折本ちゃんの話の時、比企谷くんから電話で『本物じゃない』って聞いた時、なんだかそれがすごく印象に残ったんだよねぇ……。きっと静ちゃんのせいだ、うん。部室での話は知らなかったし」

 

雪「作品全体を通しても、平塚先生は印象に残る言葉が多いものね」

 

陽「いい先生だよねー。私はこんな風だけど、ちゃんと感謝もしてるからね?」

 

八「……俺も、あの時先生に背中を押されてなければ、その後の行動は無かったと思う。本当にありがとうございました」(深々と頭を下げる)

 

静「へっ、ああいやうん。……改めてそんな風に感謝されると照れるじゃないか///」モジモシ

 

生徒皆(……かわいい)

 

 

 

八「こうして改めて見ると……本当に格好良いな。これで何でモテないのか……」

 

静「比企谷お前……言ってはならんことを……」

 

雪「格好()()()()ことが問題なのかもしれないわね」

 

結「え、どゆこと?カッコ悪いよりカッコイイほうがいいじゃん」

 

雪「男性は、自分がコンプレックスを感じている部分で自分より秀でている女性を敬遠しがちだと聞いたことがあるわ。例えば、自分の身長が低いことにコンプレックスを持っている男性は背が高い女性を苦手としやすい……とか」

 

陽「あはは、つまり今の静ちゃんよりイケメンな男じゃないと駄目ってこと? そんな人、滅多に居ないんじゃない」

 

静「ぐはぁっ」(膝をつく)

 

い「でもでも先生、お嫁さんじゃなくてお婿さんの貰い手なら引く手数多なんじゃないですかー?」

 

静「げほぉっ」(吐血)

 

八「割とマジな話なんだよなぁ……」

 

結「あとね、やっぱり暴力的なのは良くないんじゃないかなーって思うんだ。

ほらヒッキーに『正月(しょうがつ)のファーストブリトーっ』とかやってるやつ」(可愛いらしくグーにした手をつき出す)

 

八「『衝撃のファーストブリット』な。ブリトーなら明太もちチーズ味がオススメだ。

あと……お前らは知らなかったのか。あれ、先生は俺のこと殴って無いぞ。モーションだけで寸止めしてる」

 

結「そうなの!?」

 

静「ほ、本当だぞ。このご時世、教師が生徒を殴るなど、さすがに冗談では済まされんからな」

 

い「え、でもせんぱいダメージ受けて崩れ落ちたりしてましたよね?」

 

八「それはほらアレだ。台詞の意味を知らない人間にとっては『え、この先生何言ってんの? 頭大丈夫かな』で済む話なんだが、元ネタのスクライドを知ってる人間が相手だと、雄叫びと同時に拳を抉りこむような動作をされただけで、魂にアルターのダメージを喰らってしまうという……自然の摂理だな」

 

雪「何が自然の摂理よ。要するに、いい大人が二人してアニメのごっこ遊びをしていた、という認識で合っているかしら」ジトー

 

八「そう言われると身も蓋もないが……その通りだな」

 

い「うわぁ。それは……暴力とは違う意味でやっぱり男性には引かれちゃうんじゃ……」

 

静「ごフッ……ここまでか……」(マットに沈む)

 

八「一色お前、何ラストブリット決めてくれちゃってんの……。ホント、早く誰か貰ってあげてッ」

 

結「先生がかっこいいという話をしてたはずなのに……」

 

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

 

い「では、お時間にも限りがありますから、ここらで最終巻あたりのお話もお願いします。

読者さんの中には、プロムのお話をわざわざ二回もやったことに批判的な方もいたようですけど……」

 

静「確かに、準備段階からだと13・14巻に渡って相当数のページを費やしているわけだしな」

 

結「14巻なんかページマシマシでちょー厚かったもんねー」

 

い「言われてみれば、プロムの話ばーっかりでしたよね。わたし的には有りでしたけど。雪乃先輩と一緒にお仕事したのとか、思ってたよりずっと楽しかったですし」

 

雪「一色さん……」

 

 

 

静「プロムと言えば……そういえば陽乃、結局お前はあの最後のプロムを見て満足できたということで良いのか?」

 

陽「んんー、まあ概ね?」

 

雪「私は……正直何が違ったのか良くわからなかったわ。達成感だけはあったけれど、実際問題として見てみれば、最初の総武高(うち)単独のプロムのほうが完成度は高かったもの」

 

結「だってそれはほら、予算とか会場とか使えるものが限られてたんだし、しょーがないじゃん」

 

陽「私は完成度なんてどうでもいいのよ。はっきり言えばプロムである必要もなかったし」

 

雪「え……?」

 

陽「でも、雪乃ちゃんにとっては、あえてもう一度同じ『プロム』をやることに意味があった。……そうでしょう、比企谷くん?」

 

八「……やっぱり俺、雪ノ下さんのこと苦手です」

 

陽「えー、おねーさんは君みたいな子けっこう好きだゾ」

 

八「そういうのいいですから……」

 

 

 

 

い「えーと? 結局どういうことです?」

 

陽「私はただ、雪乃ちゃんが何かを(あきら)めて、でも『自分にはちゃんと別のものがある。それを証明してみせる』みたいな気持ちで最初のプロムをやってたのが気に入らなかっただけ。だって、結局最後まで他の誰かの評価を気にしてて、様子を見に来たお母さんと私の顔色をずっと伺っているんだもの」

 

静「ふむ、つまり合同プロムの時はそうじゃなかった、と?」

 

陽「その答えを持っているのは雪乃ちゃんだけよ。 ……でも、今回は誰かの評価じゃなく、自分の中で納得できたんじゃない?」

 

雪「……確かに、不満点は山ほどあったけれど……。納得、そうね、合同プロムの結果には自分自身で納得できたから、姉さんたちの評価なんか気にならなかったわね」

 

陽「ふふーん、前回と同じ「プロム」だったから、その辺、雪乃ちゃん自身の気持ちとか、分かりやすかったんじゃない?」

 

雪「! だからもう一度プロム……。比企谷君、そうだったの?」

 

八「……まあ」

 

雪「……」

 

八「いや別に、最初から計算してたわけじゃ無いぞ、ただうちの学校のプロムの後、合同プロムの企画がまだ消えてないことに気がついてな。最初はどうやってバックレるか考えてたんだが……。ああいう状況になって――だったら勝負するならこれしかないだろ、と、まあ、そんな感じだ」

 

雪「……結局、貴方には敵わないのね」

 

八「敵うとか敵わないとか、そういうんじゃないだろ、これは。多分、知らんけど」

 

 

 

結「あたし、あんまし良くわかんないんだけど……」

 

静「大事なのは、誰かからの評価ではなく、雪ノ下が自分自身で納得できる結果を出すことだった。ということか」

 

い「はぁ……。要するに、せんぱいが動いてたのって最初から最後まで雪ノ下先輩だけのためだったってことですよねー……」

 

八「……雪ノ下を助けるってのが、由比ヶ浜と雪ノ下自身、二人それぞれからの依頼で――それに、俺自身の依頼の答えでもあると思った」

 

雪「でも……私たちの依頼なら、総武高のプロムの時にもう終わっていたのじゃなくて?」

 

八「……いやな、うちの部長様が言うには、奉仕部のやり方は『餓えた人に魚を与えるのではなく、捕り方を教えて自立を促すの』だそうだからな」

 

雪「! ……そう……だったわね」(八幡の手をきゅっと握る)

 

八「!」(雪乃の手をそっと握り返す)

 

陽「……ふーん。それが君の見つけた『本物』ってわけ?」

 

八「さあ? 多分ですけど……本物かどうかなんてその時には分からないのかもしれません。ただ、そうであってくれたら良いなと思うだけで――願うだけで」

 

陽「へえ……」

 

い「はっきりさせないんですね。あれだけ本物であることに拘ってたのに……なんか、意外です」

 

八「いいんだよそれで。将来俺がじーさんになった時、小町の孫の孫町(まごまち)あたりと縁側で日向ぼっこしてる時に、『ああ、あれが本物だったのか』って気がつくんだ…………」(遠い目)

 

結「結果出るまで長すぎだし⁉」

 

 

 

 

 

陽「将来という話なら、比企谷くんの前途は安泰かもね」

 

八「安泰って……なんの事ですか?」

 

陽「あれぇ、聞いてないの? 雪乃ちゃんもお母さんの話聞いてたわよね?『彼、選挙事務所の職員と、雪ノ下建設の社員、どっちになってもらうのが良いかしらね』って」

 

雪「……そんな事も言っていたかしら」

 

八「本人が初耳なんですが」

 

陽「この前(うち)に食事に来たでしょう。あれでお母さん、ますます比企谷くんのこと気に入っちゃったのよねー」

 

八「なんでそこまで気に入られたのか全然わからん。最初なんかスゲー怖かったし」

 

陽「ばかねー。あの人あんなだけど私たち姉妹と血の繋がった母親だよ? なら、君のことも気に入って当然でしょ」

 

一同「!」(妙に納得)

 

陽「それこそ将来、雪乃ちゃんが市議でも県議でも目指すなら、その時は君に秘書をやってもらうのも良いとか、そんな事まで言ってたわよー」

 

静「良かったな比企谷。進路希望通り、奥さんに食べさせてもらえるじゃないか。あと、リア充はとっとと爆発しろ」

 

八「いやいや、俺の志望は専業主夫でしたから。だいたい、雪ノ下が上司で家族とか……それ、24時間超働かされるやつなんじゃ……」ガガーン

 

雪「大丈夫よ。貴方ならゾンビになってもちゃんと働いてくれるって信頼してるから」ニッコリ

 

八「それは大丈夫でも信頼でも無いからな!?」

 

 

 

い「はいはい。〆の夫婦漫才も出たことですし、今回はここらでお開きにしましょうか」

 

八「ぐ……」

雪「……」プイッ///

 

結「あはは」

 

 

 

い「コホン。――皆さん、本日はお忙しい中お時間をいただきありがとうございましたー。次回があればまたヨロシクでーす。

 

『みんなのアイドル』一色いろはの司会進行でお送りしましたーっ」

 

八「どこの那珂ちゃんだよ……一色のファンやめます」

 

い「なんでですかっ!」

 

 

 

 

 




 
なんだか良くわからないモノをお読みいただきありがとうございました。

先生と陽乃の高校時代についての話は元ネタ無しのオリジナルです。
原作中、先生が陽乃を「優秀ではあったが優等生ではなかった」と評しているのと、バレンタインイベントの時の二人の掛け合いなどから、こんな感じだったのかなー、と。

その他にも多々独自解釈が入ってますので、「これは違うだろ」と思われる読者さんもいるかとは思いますが、ただの一ファンが書いたSSだということでご了承下さいね。

もし次回があるなら……八幡抜きの女子会とかも面白そうですかね。

ご意見、ご感想お待ちしてます。

ではでは。

2月14日 誤字修正。 clpさん、報告ありがとうございます。



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