Fate/Grand Order 案①『間桐桜に転生したら』 作:ら・ま・ミュウ
「――これは、廃棄された街ですか。」
「いや、破棄と言うより住む人間が居なくなったんだ。皆殺しだよ」
「スンスン………?」
「何はともあれ僕らにとっては好都合だ。早く工房造りに取りかかりたいな」
「………………」「おーいマスター大丈夫?」
「「我々は周囲を見張ろう」」
………………ハッ!?
目を覚ますと魔獣の唸り声が聞こえない。
あの変な黒い部屋でもない。傍らには快楽殺人鬼…林檎の皮を剥くペルセウスとバーサーカー状態で寡黙なヤンキーみたいな装いになったマックスウェルさんが静かに椅子に腰かけていました。
「――あの、」
「おや、目覚めたかい。丁度林檎を切っていた所だ。お一つどうぞ」
「ありがとうございます…あの私が気絶した後、魔獣の群れはどうなったんでしょうか?」
「セイバーの宝具で木っ端微塵、ランサーに急所を付かれて殆どが死滅したさ」
―――ハハハハハと、こう言う事を真顔でいうペルセウスは少し怖いと思う。
てか、プロトのキャラって少し尖りすぎだと思うの。
そもそも、何で桜なのにメデューサじゃないの?
第七特異点はゴルゴーンとアナがいるからダメなの?
だからってペルセウスはあんまりじゃありませんか?
「マスター?」
「っ!何でもないのライダー」
「なら、外に出てみるといい………きっと驚くよ」
爽やかすぎて逆に裏があるように感じてしまうペルセウスに促され桜は表に出る。
「ふははは、素晴らしい、素晴らしいよ!神代の土はこれ程までにゴーレム造りに最適とは!」
ガジャガジャ ガジャガジャ ガジャガジャ
ギギギ ギギギ ギギギガッシャン ギギギギギギギギギ
右を見ても左を見てもゴーレム、ゴーレム、ゴーレム。あの時の魔獣より多くないですか。
何か、Apocryphaで裏切った時みたいにテンション高めなアヴィケブロンさんが狂ったようにゴーレム大量生産してるんですけど…あれ、アヴィケブロンの皮を被ったエジソンじゃありません?
と言うかこんなゴーレムの大軍を造る魔力なんて何処から供給してるんですか。
トントン
「ん?」
私の魔力は全く減ってないし一体何処から?魔獣に魂喰いでも仕掛けたのだろうか?
その疑問に答えるように肩を優しく叩かれ、後ろを振り向けば羅針盤みたいなのを纏うマックスウェルさんが親指を立ててグッチョブサインを………………はっ!?
「もしかして、一睡もせずに魔力供給を!?」
コクりと頷く。
この時、桜はマックスウェルを一生呼び捨てに出来ないと思ったのだった。