鬼滅の刃~花と桜~   作:舞翼

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展開が早すぎかなぁ。


桜柱

 ~産屋敷邸。とある一室~

 

 初任務から数日後。俺は手紙で産屋敷邸に呼ばれ、屋敷の一室で片膝をつき頭を垂れていた。

 お館様は寄り添う双子に手伝ってもらい、対面に座った所で、お館様が口を開く。

 

「楓。召集に応じてくれて感謝するよ」

 

 俺は顔を上げ、

 

「はっ。お館様におかれましても、ご壮健でなによりです。益々の御多幸を切にお祈り申し上げます」

 

「ありがとう、楓」

 

 そう言って、お館様は微笑んだ。

 

「――今日はお話があると聞いて参上しましたが、どのような内容でしょうか?」

 

「そうだね。今日付けで、楓を――()に任命したいんだ」

 

 お館様は「条件も揃ってるからね」と呟く。

 そして――柱。鬼殺隊の幹部、組織の中枢()になる人間。でも俺が、柱に相応しい人間か?と聞かれたら、素直に『はい』とは答えられない。

 

「……柱、ですか。なぜ、自分なんでしょう?」

 

 お館様は微笑んだ。

 

「要因としては沢山あるけど、強いて言えば、楓の中に眠る、心の強さ(護りたい心)、かな」

 

「……心の強さ(護りたい心)、ですか。自分に、そんなのあるとは思えませんが」

 

「楓は持ってるよ。そしてその筆頭は――真菰(・・)カナエ(・・・)。じゃないかな」

 

 お館様は、そう断言する。……いや、お館様。何で俺の友好関係を知ってるの?俺の個人情報が筒抜けとかないよね?

 

 ――閑話休題。

 

 でも柱か……。俺には荷が重い気がする。

 

「……お館様。考える時間を戴いても宜しいですか?」

 

「そうだね。良い返事を期待してるよ、楓」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~蝶屋敷、道場~

 

 俺は裸足で道場に立ち、真剣で素振りをしている。

 俺にとって刀を握っている時間は、無に近い状態になれるからだ。考えごとも、一時的になら頭の隅に追いやることができる。ちなみに、今日は非番な為着物姿である。

 

「あ、楓。自主練?」

 

 道場にひょっこり顔を覗かせたのは、花柄の着物に、肩まで伸びた黒髪。蒼みを帯びた水晶のような瞳であり、側頭部には花柄の狐の面。つまり、真菰だ。真菰も今日は非番の為、着物姿。

 

「まあな。ちょっと無心になりたくて、刀を振ってた」

 

「無心に?」

 

 真菰は、俺の隣に座り呟く。

 俺も刀を鞘に戻し、その場で座り、刀を自身の隣に置く。

 

「ああ。お館様の誘いに、ちょっと迷っててな」

 

 俺が“柱”の件を真菰に話すと、真菰は「……凄い」と言って目を丸くしていた。

 それにしても、蝶屋敷は魔狂の巣窟か?って言いたくなる。元柱、現柱、柱候補、水の剣士、花の剣士。……一箇所に戦力が固まり過ぎだろ。

 

「鬼殺隊の“柱”は、俺には重いんだよ」

 

 柱となれば、下の隊士の命を預かる立場にもなる、俺にそんな度量があるとは思えない。

 

「……それに初任務で、何が正しいことなのか解らなくなったんだ」

 

 今でも子供たちの“人殺しッ!”という言葉が、耳に残っている。

 俺が溜息を吐くと、真菰がゆっくり話し始める。

 

「――楓は、立ち止まったままでいいの?楓の望むことはなに?」

 

「……俺の望みは、鬼も人間も静かに暮らせる世界(・・・・・・・・・・・・・・)を創りたい」

 

 「でも、夢物語だろ」と言って、俺は苦笑する。

 すると真菰は「ふふ。答えは出てるじゃん」と笑った。

 

「夢物語でもいいじゃん。――でも、その道を貫き進むのは、想像以上に辛いことだと思う。壁にぶつかったり、手を汚す覚悟を伴うかもしれない……それでも、進むしかないんだよ、楓」

 

 「それ、カナエたちとの夢なんでしょ?」と、真菰は首を傾げる。

 俺は頷き、呟く。

 

「…………そうだな」

 

「そっか。なら、そこに私も入れてよ。でも、責任はとってね、楓」

 

 そういう真菰の瞳には、強い意思の炎が灯っているように見えた。真菰は、揺るがない信念を持って鬼狩りとして活動しているのだろう。きっと今の俺には、それが欠落していたものかも知れない。

 

「……あと私は、どんなことがあっても楓の味方だから。それだけは覚えといて」

 

 真菰は、花の笑みを浮かべた。

 

「あ、ああ」

 

 俺は戸惑うような声を上げる。

 そして俺は真菰に、男ならウジウジするな。って、間接的に言われた気もするんだが。後、若干横暴だよね。とも思った。――でもそうだな、俺は自分の信じた道を進む。

 

「――ありがとうな、真菰。俺は望みを叶える為に進むよ、お館様の話を受ける」

 

「それでこそ楓だねっ。“柱”になった報告は、一番最初にお願い」

 

 俺は苦笑した。

 

「わかったよ。じゃ、俺は席を外すな」

 

 俺は刀を手に取り、靴を履き道場を後にした。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~夕方、産屋敷邸~

 

 俺は隠の方に目隠しをしてもらい、再び産屋敷邸の一室に訪れていた。

 片膝をつけた俺と対面で座るお館様は、俺の表情見て「吹っ切れたんだね」と言って微笑んだ。

 

「――お館様。先程の話ですが、お受けすることに決めました」

 

 俺は「柱になります」と言って頷く。

 

「しっかり聴き届けたよ、楓。それじゃあ、近い内に臨時会議(・・・・)を開こう。そこで『新たな柱』として楓を紹介する。それでいいかい?」

 

 え?会議で紹介するの?俺、“柱たち”と対面するのは、胃痛案件なんですが……。

 まあでも、俺は頷き、

 

「わかりました、お館様」

 

「うん。それでね、楓は――『桜柱』に任命する。これからは、この名を胸に刻んで精進するように」

 

「御意」

 

 俺は頭を下げた。

 ――このようにして、新たな“柱”である『桜柱』が誕生したのだ。




柱になることで楓君、夢の一歩を踏み出しましたね。てか、約二ヵ月で柱になってるんですよね、楓君(笑)
後、ヒロインを絡ませるの難しい……。マジで文才が欲しいです(願望)

ではでは、次回(@^^)/~~~

追記。
楓君の望む世界の鬼は、善良の鬼のみです。
ちなみに、柱になった最初の報告は、真菰ちゃんですね。
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