※ご都合主義満載です。
楓が杏寿郎に迫る猗窩座の右腕を斬り飛ばすには、自身と距離が開き過ぎている為“乱舞一閃――極。”以上の速度が必要であり、右腕を正確に斬り落とす必要がある。
楓は猗窩座の右腕を斬り落とすことだけに集中し、
すると、猗窩座と杏寿郎の姿が――
楓は、刀を左腰方向に回す。
――桜の呼吸 壱ノ型 乱舞一閃――終。
この技の速度は“乱舞一閃――極。”の速度の6倍であり、遠心力を利用し一閃の威力は2倍だ。――だが、片足の
そして楓は爆発的に加速し、杏寿郎の腹部に迫る猗窩座の右腕を斬り落とす。
――花の呼吸 肆ノ型 紅花衣。
楓はそのまま刀を下から上に斬り上げ、花の斬撃で猗窩座の頸を狙うが、猗窩座はそれを寸前の所で後退し回避。そして猗窩座は「チッ」と舌打ちし、内心で冷汗を流した。
猗窩座の雪の羅針盤は、相手の闘気を察知し、攻撃の予測、回避に応用しているのだ。だが最初の一閃だけ、楓からは闘気が感じられなかった。もし最初に頸を狙われていたら、闘気を察知することが出来ずに頸を刎ねられていたのかも知れない。
その時、猗窩座の表情から焦りが見て取れた。――夜明けの気配だ。列車の向こう側から、徐々に日が昇り始めているのだ。
だが、猗窩座自身の再生はほぼ完了しているし、現在の楓と杏寿郎は満身創痍だ。何かしらの攻撃を与えられれば殺せるだろう。
でも、殺すことに固執しすぎると己の身を滅ぼす。楓と杏寿郎が、まだ何かを企んでいるかも知れないのだ。
猗窩座は苦渋の決断の据え、口を開く。
「……杏寿郎、楓。次は殺す」
猗窩座は毒付き、体を翻した。――猗窩座は、森の奥へ、奥へと姿を消して行く。
完全に朝日が昇った所で、戦闘は終わりを告げた。
杏寿郎、楓は満身創痍な姿だが、命は繋げていた。
楓は右手で携えていた『亞鬼滅殺』と描かれた日輪刀を地に落とすと、グサ、と言う音と共に、刀が地に突き刺さった。
「……煉獄さん。生きてますか?」
杏寿郎は納刀し、口を開く。
「ああ、生きてるとも!先程は、死を覚悟したんだがな!」
わははは!と笑う杏寿郎。
楓は「元気だなぁ、煉獄さん」と内心で呟く。てか、杏寿郎も楓と同様重傷なんだが。
「俺も死を覚悟しましたよ」
そう言ってから楓は苦笑し、折れてない手で右脇腹を抑え、両膝を地に突け背からゆっくりと仰向けに倒れる。先の一閃で折れた右足が悲鳴を上げ、肋骨が折れた右脇腹から激痛が走ったのだ。
「しかし、栗花落。栗花落は柱の中で、上弦と対峙する経験が二度もあるとはな!」
「……本当ですよ」
楓は内心で「もう、上弦と対峙するのは勘弁してくれ」と愚痴を吐く。
その時、「楓さんんんんっ!煉獄さんんんんっ!死んだらダメええぇぇええっ!」「死ぬなよっ!蝶羽織りっ!目ん玉ギョロギョロっ!」と叫び声が上がる。
善逸が炭治郎を背負い、伊之助が禰豆子の入った箱の紐を両肩から下げながら、楓たちの方へ走り寄る。
「良かった、善逸たちも無事か」
「黄色い少年、猪頭少年、竈門少年、よくやった。君たちのお陰で、オレたちが心置きなく戦えたんだからな」
善逸は顔を青くし「そ、そんな重傷でも普通に喋れるって、柱って怖ッ!普通、喋るのは辛いはずだよねっ!」と、小言を呟いていた。
杏寿郎は、善逸の背に乗っている炭治郎を見た。
「――竈門少年。オレは君の妹を信じる、鬼殺隊の一員として認める。オレは、汽車の中であの少女が血を流しながら人間を守るのを見た。命をかけて鬼と戦い人を守る者は、誰が何と言おうと鬼殺隊の一員だ」
炭治郎は嬉しかった。認めてもらえたことが、本当に嬉しかった。禰豆子の頸を斬ろうとしていた筈の杏寿郎は、しっかりと炭治郎たちの行動を見てくれたのだ。
「……あ、ありがとうございます」
炭治郎はそう呟き、両瞳から涙を流す。
その時、遠くから黒い服に身を包んだ集団がこちらに走り寄る。――隠の人々だ。彼らの頭上には二羽の鴉が飛んでいた、楓と杏寿郎の鴉だ。
鴉たちは産屋敷邸に飛び、報告を上げていたらしい。お陰で、乗客の人々も怪我の治療が受けられるはずだ。
「隠の者たちが来てくれたようだ。我らも治療の為蝶屋敷に向かおう!」
杏寿郎がそう呟く。
ともあれ、隠の人々は楓を背に乗せ運び、杏寿郎には肩を貸し、善逸は炭治郎を背負い、伊之助が禰豆子が入った箱の紐を両肩に掛け直し、歩みを始めたのだった。
楓君、透き通る世界の門を叩きましたね。猗窩座戦で完全に入れたのは最初の一閃だけだったので、紅羽衣の時は闘気が出てしまい避けられちゃいました。でも、その結果猗窩座を退けたんですけど。
技の早さ的には、朧>炎雷神>乱舞(終)
大雑把にこんな感じです。
ではでは、次回(@^^)/~~~
大正のコソコソ噂話。
乱舞一閃――終。は、カナエと真菰に禁止されていた技でもあるんだ。