鬼滅の刃~花と桜~   作:舞翼

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100,000 UP、だと(驚愕)
読者様、マジでありがとうございます。
今後も、鬼滅の刃~花と桜~。をよろしくお願いしますm(__)m


潜入

 ~ときと屋~

 

 女装をした、炭治郎、善逸、伊之助、楓、変装をした天元が店内に入り、暖簾下に座る女将さんの前で話しかける。

 

「悪ィな女将さん。この中から誰か貰ってくれねェか?」

 

 そう呟くのは、変装した天元だ。

 そして、女将の目が止まった場所には女装をした楓が立っていた。――そう、女将は即断即決をしたのだ。

 

「じゃあ、そこの美人さんを貰おうかしら」

 

 女将は楓を指差す。

 楓の内心は複雑だ。女装をしてるとはいえ楓は男性だ。こうも簡単に決められたら、男の威厳が皆無。と思ってしまうのだ。

 

「女将さん目がいいね。こいつはオレの一押しだ」

 

 天元がそう言うと、女将さんは袖口で口許を抑え「うふふ」と笑う。

 

「そりゃそうよ。きっとこの子は、京極屋(蕨姫花魁)と差を付ける切っ掛けになるもの」

 

 ときと屋には鯉夏(こいなつ)花魁という看板花魁がいるので、女将は、楓と鯉夏との魅了で他店を引き離そうと考えているのだ。

 ちなみに蕨姫(わらびひめ)花魁とは、ときと屋が利益の為に敵視している花魁である。

 

「お嬢さんの名前は?」

 

「楓。と申します」

 

 楓は鈴を転がしたような声で答える。

 女将は「声も合格ッ!」と気分が高揚している。そして楓は、内心でげんなりするのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~鯉夏花魁の部屋~

 

『鯉夏花魁、ご指名です』

 

「わかりました。すぐに向かいます」

 

 遊女の問いに、楓の隣に座る鯉夏が答えた。

 その声は凛々しく、男性を虜にする美声だ。

 鯉夏が、楓を見てから口を開く。

 

「楓。行きますよ」

 

「はい、わかりました」

 

 楓は鈴のような声で返事を返す。

 見習いから始まった楓だが、礼儀や作法、立ち振る舞いが(男性)から好評を得て、今では花魁の傍付きまで昇格したのだ。

 楓は「……もう辞めたい」と内心で泣きごとを呟くが、誰一人耳を傾ける者は居ない。

 ともあれ、楓と鯉夏は立ち上がってから障子を開け、客間に移動するのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~客間~

 

 客間に到着し襖を開けると、男性客が盃を啜りながら鯉夏を見る。

 

「鯉夏花魁っ!今日も別嬪さんだねぇっ!」

 

 楓は内心で「……うわっ。このオッサン酔ってるよ」と呟く。

 それから鯉夏の接待が始まったが、鯉夏の隣に座る楓にとっては最早拷問だ。……男性が男性を接待するなんて、拷問以外に無いだろう。

 

「鯉夏花魁の傍付きかい?」

 

「あ、はい。楓、と申します」

 

 楓は鈴のような声で対応するが、内心では「……もう無理。本当無理だから」と、涙ながらに呟いていた。

 挙句の果てには、男性客が「今度、楓ちゃんを指名しようかなぁ」と言う始末だ。……それを聞いた楓は、鳥肌を隠せない。

 

「まだ指名はダメですよ。楓は私の傍付きとして、まだまだ学ぶことがあるんですから」

 

 鯉夏は楓の内心を感づいたのか、さりげなく客に断りを入れてくれたのだ。そして客は「ちぇ~」と残念そうな声を上げるのだった。

 ともあれ、接待が終わった所で、楓と鯉夏は客間を後にするのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~鯉夏花魁の部屋~

 

 楓が部屋に入ると、部屋の片付けに来ていた遊女二人が話をしていた。

 その内容は、二日前に京極屋の女将が窓から落ちて死んでしまったこと。最近では“足抜け”して居なくなる姐が多い、ということ。ちなみに足抜けとは、借金を返済せずに遊女が遊郭から逃げることを差す。

 ともあれ、楓が話し掛ける。

 

「あの、誰かの足抜けがあったの?」

 

「あ、そっか。楓ちゃんは、最近来たばかりだから知らないのね」

 

 遊女は「えっとね」と言って続ける。

 

「こないだなんだけど、須磨花魁が足抜けしたって話よ」

 

 楓は“須磨”という言葉を聞き、眉を寄せた。――“須磨”とは天元の嫁の名前なのだ。

 その時、用事から帰った鯉夏が襖を開く。

 

「噂話はよしなさい。本当に逃げきれかどうかなんて……誰にもわからないのよ」

 

 遊女たちは「はぁい」と返事を返す。

 

「鯉夏さん。須磨花魁が本当に足抜けしたんですか?」

 

 鯉夏はビクッと体を震わせた。

 

「どうしてそんなことを聞くんだい?」

 

「私、遊郭に来て知らないことばかりなんです。噂話でも、耳に入れておく必要があると思いまして」

 

 鯉夏は僅かに考え込んだ後、口を開く。

 

「そうね、楓も知っておいて損はないものね。――数日前にね、ときと屋には須磨花魁が居たんだけど、忽然と姿を消してしまったの。その後、須磨花魁の部屋から日記が見つかって……そこには足抜けするって書いてあったそうなの。……でも、須磨ちゃんは足抜けする子には見えなかったわ、しっかりしてた子だったもの」

 

 楓は「なるほどな」と頷いた。

 鬼は対象の人の足抜けを利用し、対象を逃亡させたと思い込ませ、露見すること無く喰うことが出来るのだ。おそらく、日記は偽装だろう。でも、ここまで用意周到な鬼と考えれば、遊郭に棲み付く鬼は――上弦の鬼が濃厚だろう。となれば、遊郭で派手な殺し合いになるのかも知れない。




原作では、ときと屋に潜入したのは炭治郎ですが、炭治郎は伊之助と共に荻本屋に潜入してます。
遊郭のことなんて解らないので、ほぼ勘で書いてます。何か違っていても、目を瞑ってください(>_<)

大正のコソコソ噂話。
楓はときと屋に潜入して、たった二日で傍付きまで昇格したんだ。鯉夏は、いずれライバルになる。とまで考えている。ってことは、男性とはバレてない、ということですね。
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