読者様、マジでありがとうございます。
今後も、鬼滅の刃~花と桜~。をよろしくお願いしますm(__)m
~ときと屋~
女装をした、炭治郎、善逸、伊之助、楓、変装をした天元が店内に入り、暖簾下に座る女将さんの前で話しかける。
「悪ィな女将さん。この中から誰か貰ってくれねェか?」
そう呟くのは、変装した天元だ。
そして、女将の目が止まった場所には女装をした楓が立っていた。――そう、女将は即断即決をしたのだ。
「じゃあ、そこの美人さんを貰おうかしら」
女将は楓を指差す。
楓の内心は複雑だ。女装をしてるとはいえ楓は男性だ。こうも簡単に決められたら、男の威厳が皆無。と思ってしまうのだ。
「女将さん目がいいね。こいつはオレの一押しだ」
天元がそう言うと、女将さんは袖口で口許を抑え「うふふ」と笑う。
「そりゃそうよ。きっとこの子は、
ときと屋には
ちなみに
「お嬢さんの名前は?」
「楓。と申します」
楓は鈴を転がしたような声で答える。
女将は「声も合格ッ!」と気分が高揚している。そして楓は、内心でげんなりするのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~鯉夏花魁の部屋~
『鯉夏花魁、ご指名です』
「わかりました。すぐに向かいます」
遊女の問いに、楓の隣に座る鯉夏が答えた。
その声は凛々しく、男性を虜にする美声だ。
鯉夏が、楓を見てから口を開く。
「楓。行きますよ」
「はい、わかりました」
楓は鈴のような声で返事を返す。
見習いから始まった楓だが、礼儀や作法、立ち振る舞いが
楓は「……もう辞めたい」と内心で泣きごとを呟くが、誰一人耳を傾ける者は居ない。
ともあれ、楓と鯉夏は立ち上がってから障子を開け、客間に移動するのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~客間~
客間に到着し襖を開けると、男性客が盃を啜りながら鯉夏を見る。
「鯉夏花魁っ!今日も別嬪さんだねぇっ!」
楓は内心で「……うわっ。このオッサン酔ってるよ」と呟く。
それから鯉夏の接待が始まったが、鯉夏の隣に座る楓にとっては最早拷問だ。……男性が男性を接待するなんて、拷問以外に無いだろう。
「鯉夏花魁の傍付きかい?」
「あ、はい。楓、と申します」
楓は鈴のような声で対応するが、内心では「……もう無理。本当無理だから」と、涙ながらに呟いていた。
挙句の果てには、男性客が「今度、楓ちゃんを指名しようかなぁ」と言う始末だ。……それを聞いた楓は、鳥肌を隠せない。
「まだ指名はダメですよ。楓は私の傍付きとして、まだまだ学ぶことがあるんですから」
鯉夏は楓の内心を感づいたのか、さりげなく客に断りを入れてくれたのだ。そして客は「ちぇ~」と残念そうな声を上げるのだった。
ともあれ、接待が終わった所で、楓と鯉夏は客間を後にするのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~鯉夏花魁の部屋~
楓が部屋に入ると、部屋の片付けに来ていた遊女二人が話をしていた。
その内容は、二日前に京極屋の女将が窓から落ちて死んでしまったこと。最近では“足抜け”して居なくなる姐が多い、ということ。ちなみに足抜けとは、借金を返済せずに遊女が遊郭から逃げることを差す。
ともあれ、楓が話し掛ける。
「あの、誰かの足抜けがあったの?」
「あ、そっか。楓ちゃんは、最近来たばかりだから知らないのね」
遊女は「えっとね」と言って続ける。
「こないだなんだけど、須磨花魁が足抜けしたって話よ」
楓は“須磨”という言葉を聞き、眉を寄せた。――“須磨”とは天元の嫁の名前なのだ。
その時、用事から帰った鯉夏が襖を開く。
「噂話はよしなさい。本当に逃げきれかどうかなんて……誰にもわからないのよ」
遊女たちは「はぁい」と返事を返す。
「鯉夏さん。須磨花魁が本当に足抜けしたんですか?」
鯉夏はビクッと体を震わせた。
「どうしてそんなことを聞くんだい?」
「私、遊郭に来て知らないことばかりなんです。噂話でも、耳に入れておく必要があると思いまして」
鯉夏は僅かに考え込んだ後、口を開く。
「そうね、楓も知っておいて損はないものね。――数日前にね、ときと屋には須磨花魁が居たんだけど、忽然と姿を消してしまったの。その後、須磨花魁の部屋から日記が見つかって……そこには足抜けするって書いてあったそうなの。……でも、須磨ちゃんは足抜けする子には見えなかったわ、しっかりしてた子だったもの」
楓は「なるほどな」と頷いた。
鬼は対象の人の足抜けを利用し、対象を逃亡させたと思い込ませ、露見すること無く喰うことが出来るのだ。おそらく、日記は偽装だろう。でも、ここまで用意周到な鬼と考えれば、遊郭に棲み付く鬼は――上弦の鬼が濃厚だろう。となれば、遊郭で派手な殺し合いになるのかも知れない。
原作では、ときと屋に潜入したのは炭治郎ですが、炭治郎は伊之助と共に荻本屋に潜入してます。
遊郭のことなんて解らないので、ほぼ勘で書いてます。何か違っていても、目を瞑ってください(>_<)
大正のコソコソ噂話。
楓はときと屋に潜入して、たった二日で傍付きまで昇格したんだ。鯉夏は、いずれライバルになる。とまで考えている。ってことは、男性とはバレてない、ということですね。