鬼滅の刃~花と桜~   作:舞翼

60 / 69
ご都合主義満載です。


激戦

 ――血気術 蓮葉氷。

 

 ――血気術 蔓蓮華。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 ――花の呼吸 五ノ型・改 徒の勺薬。

 

 ――蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ。

 

 童磨の振るった扇から広範囲に氷の蓮が展開され、広範囲の氷の蓮中を紛れるように鋭い無数の蔓が楓たちに襲い掛かる。

 橋の上に立つ楓たちは、周囲に広がる氷の蓮はカナヲが周囲に放つ花の斬撃で相殺させ、楓が襲い掛かる蔓は楓の花の十八連撃で斬り落とし、その間を潜り抜けるようにしのぶの鋭い複数回の突きが童磨の体に突き刺さり、しのぶは楓たちの隣まで後退する。

 童磨は「ごふッ!」と僅かに吐血したが、毒をすぐに分解させ「ごめんね」と煽るように呟く。

 

「……蝶の彼女の毒、オレにはもう効かないかもねぇ。耐性ついちゃったしね」

 

 挑発するように呟く童磨。

 そんなことで頭に血が上るしのぶでは無いが――でも確かに、しのぶ一人で童磨と戦っていたら、焦りで動きが乱れてしまっていたかも知れない。

 だが今のしのぶには、背中を預けられる家族がいるのだ。――家族の存在は、しのぶの心を穏やかにしてくれる。

 

「残念だけど、そんな挑発には乗らないわよ――クソ野郎」

 

 楓たちは頷き、型を取る。

 

 ――蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ。――花の呼吸 五ノ型 徒の勺薬。

 

 ――花の呼吸 五ノ型・改 徒の勺薬。――蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。――蟲の呼吸 蝶ノ舞 戯れ。

 

 しのぶ、楓、カナヲの花の斬撃と鋭い突きが童磨を襲う。

 童磨も扇で頸を守りながら冷気()を振るうが、それはカナヲの周囲に放つ花の斬撃が消し飛ばし(受け止め)、花の二十七連撃の斬撃に、高速の突きが複数回童磨を突き刺す。――その中の一つの突きは、高濃度の毒入りだ。

 

「くっ……これは流石に」

 

 さすがの童磨も、花の二十七連斬撃+高速の突きの前では呻いた。

 

 ――血気術 粉凍り。

 

 ――血気術 吹雪の舞。

 

 童磨が扇を振り、煌びやかな氷の粒を大量に撒き散らした。それは、見る者のが見れば幻想的な物かも知れないが、吸い込めば肺胞が破壊される凶悪な吹雪だ。

 その時、楓はふと思った。――「これを奴が吸えばどうなる?」と、そう思ったのだ。

 

 ――花の呼吸 漆ノ型 鏡花水月。

 

 楓が型を取ると、しのぶ、カナヲを包むように花の残像が舞い、水鏡で向かってくる大量の吹雪を全て反射させる。

 童磨は目を見開き、反射された吹雪を跳び退き回避しようとしたが、それは間に合わず粉凍りを吸ってしまう。

 

「……ごはッ。ごほッ」

 

 童磨はその場で両膝を地に突け、上体を折り咳き込む。――楓の予想通り、粉凍りは諸刃の剣だったのだ。粉凍りは、鬼にも効果があるのだ。

 

「……技の反射かあ。……予想外な攻撃を、……仕掛けて、くるんだね」

 

 童磨の動きは、目に見えて鈍くなっている。

 追撃をするには絶好の機会。

 

 ――蟲の呼吸 蜈蚣ノ舞 百足蛇腹。

 

 ――桜の呼吸 壱ノ型 乱舞一閃――極。

 

 ――桜の呼吸 壱ノ型 乱舞一閃――極。

 

 ――血気術 結晶ノ御子。

 

 しのぶが攻め筋を読ませないように四方八方にうねる動きに加えて、橋を踏み割る程の踏み込みから驚異的な速力を乗せて突きを放ち、楓とカナヲは刀を左腰方向に回し橋を踏み込んで加速し目掛けて一閃を繰り出すが、それは童磨が苦し紛れに生み出した三体の分身が童磨を守るように立ち塞がり、全ての分身が童磨を守り崩れ去った。

 

 ――蟲の呼吸 蜻蛉ノ舞 複眼六角。

 

 しのぶは消滅させた分身に目もくれず童磨に喉、頭、膝と、急所となる部位に六連撃の正確無比な突きの連撃を放ち、大量の毒を打ち込む。

 童磨は後方に吹き飛ぶが、すぐ様体勢を立て直す。――だが、その表情は苦悶に満ちている。さすがに、自身の技となれば再生が思うようにならない。

 そして童磨は、感情を欠落させた顔で楓たちを見る。

 

「……君たちはあの方の脅威になるかも知れないから、ここで死んでもらうよ(救済してあげる)

 

 ――血気術 結晶ノ御子。

 

 童磨は、眼前に七体の分身を作り出す。

 

「……さあ、お仕置きの時間だ」

 

 ――血気術 枯園垂れ。

 

 ――血気術 散り蓮華。

 

 ――血気術 蔓蓮華。

 

 ――血気術 冬ざれ氷柱。

 

 ――血気術 蓮葉氷。

 

 ――血気術 凍て雲。

 

 ――血気術 寒烈の白姫。

 

 七体の“結晶ノ巫女”は、一つずつ血気術を繰り出した。

 まるでこの部屋が極寒の冬の様な冷気がこの場を埋め尽くす。そして、蔓の氷、氷の氷柱、氷の息吹、氷の斬撃が楓たちに襲い掛かる。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 ――花の呼吸 弐ノ型 御影梅。

 

 楓たちは、周囲に花の斬撃を三重に放つが、全ての攻撃を相殺することは出来ず、自身の間合いに入り込んだ鋭利な蓮と冷気が楓たちを傷付ける。

 

「(……マズイな。持久戦になれば、こっちが押される)」

 

 こう思っているのは、しのぶ、カナヲも同様だった。――そう。童磨は、“結晶ノ御子”をほぼ無制限に召喚できるのだから。

 楓の頭の隅には、“――桜の呼吸 終ノ型 千本桜・景厳”の剣技が過る。

 

「(……突破口が開けるのは、終ノ型、なのかも知れない。――きっと兄さんも、終ノ型の使用を考えてる……でも、使わないで欲しいって考えてしまうのは、私の我儘なのかな)」

 

 カナヲも“――花の呼吸 終ノ型 彼岸朱眼”の使用を頭の片隅に入れる。

 このようにして、楓たちvs上弦の弐の戦いは、最終局面に移るのだった。




伊之助参戦は無しの方向になりました、ごめんなさい<m(__)m>
現在の童磨戦に乱入しても戦いの変化に結びつかない気がするし、いいよね?と思ってしまう作者です(-_-;)
なので、伊之助は“壱”か“参”に参加してる感じになるのかな。

作中で、楓、カナヲが蟲の呼吸、しのぶが花の呼吸を使用しましたが、蟲の呼吸の派生前は花の呼吸、花の呼吸の派生は蟲の呼吸なので、楓たちが使用できても問題ないはず(グッ右腕を上げ右手を握る)
まあ、技の制度が劣るのは否めませんけどね(汗)

童磨さん(沢山の女性を食べて進化(血気術同時使用など))ですが、躊躇無く“結晶ノ御子(七体)”、血気術の同時使用スタイルですね。……改めて思うが、童磨さんってチート教祖だよな(-_-;)

ではでは、次回(@^^)/~~~

追記。
桜の壱ノ型の乱舞一閃――極。ですが、カナヲは連発がまだ出来ません。楓は連発は出来ますが全て直進的です。
なので善逸のような、六、八連見たいに自在に繋げることは出来ませんね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。