鬼滅の刃~花と桜~   作:舞翼

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無惨戦は、キンクリしちゃいました(ゝω・)


未来へ
未来(平和な世界)


 鬼殺隊は、念願の鬼舞辻無惨の討伐に成功した。

 そして、鬼舞辻無惨の最期を追いやった攻撃は――赫く染まった刀のヒノカミ神楽十三番目の型で、複数の脳、心臓を討ち、それに合わせ“乱舞一閃”で無惨の頸を刎ねた赫い刀だった。

 ――無惨は、絶望に染まった顔で口を開き、

 

『まさか……私が……!こんな所で……!』

 

 という言葉を最期に、太陽の光を浴びて灰へと姿を変えた。

 だが、あれ程憎んでいた存在が消えても、喜びで声を上げる者は居なかった。――無惨討伐の地を見回して見ると、そこは瓦礫の山が積み上がり、柱を庇った隊士は死に、柱であった者も命を落とした。

 不幸中の幸いと言うべきは、鬼殺隊の指揮を執っていた“産屋敷耀利哉”らが犠牲に成らなかったことだろう。

 また、無惨を討伐したことで鬼殺隊の存在は必要ないと騒がれていたが、無惨が最期に呪いを外し、特殊な体質を持っていた鬼は消滅していなかった。なので鬼殺隊は、その残党の鬼を滅するべく存続し続けたのだ。

 そして“産屋敷耀利哉”を筆頭に、鬼殺隊は鬼の残党狩りをしながら、警備会社として運営できるように取り計らっているのだ。――そう。鬼を全て狩った瞬間、鬼殺隊士は今後の道を迷ってしまうのだから。

 とはいえ、鬼の数も減っており、全盛期のような鬼の出現もない。なので、鬼殺隊士は交代形式で鬼を狩りながら、お偉いさんの護衛などで食を繋いでいる。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~数年後、とある一軒家~

 

 鬼を狩り終えた楓が帰路に着くと、家の扉を開け、夏を季節を催した着物を身に纏った女の子が楓に正面から抱き付く。

 ――彼女の名前は、鱗滝夏帆。――真菰のお腹の中から生まれた命の子だ。

 

「パパっ。おかえりなさいっ」

 

「ただいま、夏帆」

 

 夏帆は「うん!」と頷く。

 それを見た楓は、顔を綻ばせた。

 

「今日は鬼狩りのお仕事?」

 

「そうだな、鬼狩りの仕事だ」

 

 昨日楓は、鬼殺隊の現お館様――“産屋敷耀利哉”からの依頼で鬼狩をして来たのだ。

 現在の楓は鬼殺隊()では無い。――元柱であり、前線から身を引いたのだ。

 そう。楓はあの戦い(無限城)で左腕の筋を完全に断裂してしまった為、治療を行っても左腕を思うように動かせなくなってしまったのだ。……まあ、右腕だけで刀を握っても、現柱と互角に渡り合える力量は持ち合わせているんだが。

 

「鬼、強かった?」

 

「どうだろうな?俺からしたら弱かったな」

 

 このように言っている楓だが、今日狩った鬼は、下弦に及ばなくても強い鬼である。

 でも確かに、元柱である楓に取っては雑魚鬼の部類に入ってしまうんだが。

 ――この時、楓の面影を残した男の子が楓の元に歩み寄る。――彼の名前は、胡蝶海斗。――カナエのお腹の中から生まれた命の子だ。

 

「お父さん、お帰り」

 

「ただいま、海斗」

 

「あ、あの、お父さん。……呼吸、なんだけど」

 

 楓は「ああ、そういえば」と思い出す。

 楓が朝家から出る時、海斗が呼吸に関して教えて欲しいとのことだったのだ。

 

「花の呼吸の教授、だったか?」

 

 楓はそう呟くと、海斗は頷く。

 また海斗には、花の呼吸の適性が楓とカナエ以上にある。――海斗はカナエと楓の血が色濃く受け継がれているのだ。なので、適性が高いのは必然でもあった。

 

「私は水の呼吸っ!」

 

 そう言った夏帆は、水の呼吸の適性が異常にある。

 夏帆の血には、準柱としての真菰の血が色濃く受け継がれているので、水の呼吸に適性があるのは必然だ。

 そして、海斗、夏帆の血には、楓の血も流れている。と言うことは、桜の呼吸の適性もある。ということにも繋がるのだ。

 

「うし。呼吸に関しては、カナエ(真菰)たちと一緒に教えるよ」

 

 楓がそう言ってから、夏帆、海斗は楓に続くように家に入るのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~とある一軒家、居間~

 

 玄関から家に入り居間に向かうと、楓を迎えてくれたのは、花柄、蝶柄の着物を身に纏った真菰とカナエだ。

 

「お帰りなさい、楓」

 

「お帰り~、楓」

 

「おう。ただいま」

 

 そう言ってから、楓はいつもの席に腰を下ろす。

 呼吸習得の前に楓たちで話し合いの場を設け、先程の会話を楓の対面に腰を下ろした真菰とカナエに話す。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「そう。花の呼吸を海斗が」

 

「夏帆は水の呼吸かぁ」

 

「でも、あの子たちに全集中の呼吸は習得できるかしら?」

 

「まあ確かに。型の前に、全集中の呼吸からだね」

 

 うーん。と唸る楓たち。

 そうなれば、まずは肺の強化からだなぁ。と思いながら、訓練内容を組み上げる楓たち。

 常中。という話題も出たが、さすがにそれは早すぎる。と言うことになり、常中の習得は却下の方向になった。

 

「呼吸が出来るようになったら、まずは簡単な型からだな。――花の呼吸と言えば、“肆ノ型 紅花衣”か」

 

「そうね。“陸ノ型 渦桃”でもいいとは思うけど、最初に覚えるとしたら“肆ノ型 紅花衣”かしら」

 

 楓が「水の呼吸はどうだ」と真菰の聞くと、真菰は思案顔をしてから口を開く。

 

「“五ノ型 千天の慈雨”か、“壱ノ型 水面斬り”かなぁ~」

 

 このようにして、海斗、夏帆に教授する呼吸法を確立させていく楓たちであった。




無限城戦で亡くなったのは、五感組から不死川玄弥。柱からは悲鳴嶼行冥さんです(-_-;)
い、いやね。生存させようと頑張って考えたんですけど、原作のあれの覆しは難し過ぎますって……。
ちなみに、無一郎君は伊之助の参戦で片腕が飛んだだけで済んでますね。
後、柱の人たちは存命ですが、欠損部位があります(^_^;)
数年も経過しているのに、痣を出した義勇さんたちが生きてるの?と思いますが、意外な方法で生き延びてますよ……例外無く死ぬのを覆すとか凄いっすね( ̄▽ ̄;)

てか、まだ4~5歳の子が呼吸法を覚えると、将来マジで強くなりそうですね。

楓のカナエさんの呼び方なんですが『さん』を取り、『カナエ』と呼び捨てになってます。
将来を共にする相手なので、呼び捨てがいいかなぁ~と思いまして。

追記。
楓の左腕ですが、刀を支えたり、日常生活では問題ないです。

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