鬼滅の刃~花と桜~   作:舞翼

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滅茶苦茶ご都合主義が混じってます。


相談

 ~とある一軒家~

 

「夏帆、海斗。行くわよ」

 

 カナエがそう言うと、夏帆と海斗は「はーい!」と返事を返す。

 そう。楓たちこれから――炭治郎たちが身を寄せる、蝶屋敷に向かうのだ。

 ともあれ、楓たちは靴に履き替え、家の扉を閉めてから鍵を掛け、楓、真菰、カナエが夏帆と海斗を真ん中に、横一列になり楽しく談笑しながら蝶屋敷へ向かって歩み始めた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~蝶屋敷~

 

 蝶屋敷の門前に到着し楓たちを迎えてくれたのは、両耳で耳飾りを靡かせ、隊服の上から羽織るのは緑と黒の市松模様の羽織。腰から下げるのは日輪刀。そう――日柱、竈門炭治郎だ。

 楓と交代するように柱に就任したのは炭治郎だけでは無い。

 我妻善逸――鳴柱。

 嘴平伊之助――獣柱。

 栗花落カナヲ――花柱。

 其々が柱に就任したのだ。

 

「楓さんっお久しぶりですっ!今日はどうしたんですか?」

 

「遊びに来ただけだ。てか、しのぶに鴉を飛ばしたんだが、まだ伝わってなかったか?」

 

「あ、そうなんですか。しのぶさんは研究で部屋に閉じ籠っていまして……」

 

 楓は「またか」と言ってから溜息を吐いた。

 でもまあ、しのぶ(珠世)の研究の成果があり、“痣者”の寿命問題を解決させた薬を完成させることが出来たのだが。

 

「じゃあ、私たちでしのぶを部屋から出してくるわね」

 

しのぶ叔母さん(・・・・・・・)の所に私も行くっ!」

 

「夏帆お前、しのぶさんに叔母さん呼びは怒られるよ」

 

「じゃあ楓、先に私たちは蝶屋敷に上がってるね」

 

 そう言ってから、カナエと真菰が、夏帆、海斗の手を取り蝶屋敷へ入って行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 炭治郎が楓に近況報告をしていると、炭治郎が口を開閉させ言い淀んだ。

 

「あ、あの楓さん。……オレがカナヲと恋仲になるのは、反対ですか?」

 

 楓は「え?」と疑問符を浮かべる。

 それはそうだ。いつも甘い雰囲気を漂わせ、お互いの視線は甘く優しく、お互いがお互いを想いやる気持ちが見て取れるのだ。

 それで恋仲じゃない?それを数年継続してる?俺の意見なんて必要ないだろ?え?マジで?と叫びたい楓である。

 善逸の言葉を借りるとすれば『とんでもねぇ炭治郎だ!』ってやつだろう。

 

「反対じゃないぞ。寧ろ、早くくっついた方が良い。……蝶屋敷で、被害者の会が創立するかも知れないから」

 

 まあ、既に被害が及んでいるのも否めないが。

 でも、善逸には被害が及んでいるかも知れない『ちきしょ――ッ!(汚い音声)こんなに甘い音響かせやがってッ!オレだって禰豆子ちゃんと――ッ』的な感じの空想の叫び声が聞こえる。

 と、そんな時、楓が内心で話題に挙げていた我妻善逸が姿を現す。

 隊服で羽織を上から羽織り刀を腰から下げているということは、任務が終わり蝶屋敷に帰還した、という所だろう。

 蝶屋敷の門を潜りとぼとぼ歩いている善逸は、蝶屋敷の一角で話している炭治郎と楓を見て、小走りで歩み寄る。

 

「お、お久しぶりです、楓さん」

 

「久しぶり、善逸」

 

 楓がそう言ってから、善逸も混ぜ先程の会話に舞い戻る。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「そうなんですよ、楓さん。もう既に蝶屋敷に治療で赴いた男性隊士は、炭治郎とカナヲちゃんの恋愛被害者です」

 

「……あ、そう。やっぱり」

 

 善逸と楓がそう言っているが、炭治郎は「そうなのかなぁ」と疑問を浮かべている。……だが、善逸が証言していると言うことは、蝶屋敷では被害者の会は創立されているのだろうと、楓は思った。

 

「で、善逸はどうなんだ?禰豆子と付き合ってるんだろ?」

 

 決戦から数日後、善逸は炭治郎に『善逸、禰豆子を頼んだ』と許しを貰っているのだ。

 だが、言い淀む善逸。

 

「い、いや。オレにとっては禰豆子ちゃんは高嶺の花で……」

 

 「俺がまだ蝶屋敷に居る時、禰豆子が善逸の昔の想いを笑顔で受け留めていたのは、そういうこと(想いやり)じゃないのか?」と思いながら、楓は内心で首を傾げる。

 

「……まだ禰豆子が鬼の時あれ程『大好き』を連呼していたのに、人間に戻った姿を見たら委縮したのか……数年単位で?」

 

「……その通りです」

 

「……何て言うかお前ら、恋愛に奥手過ぎないか?」

 

 悪く言ったら、ヘタレである。

 ……――鬼を狩る時はあんなに華やかな姿なのに、なぜ恋愛になるとポンコツになるのだろうか?

 

「な、なので、既婚者である楓さんから恋愛アドバイス(教授)をお願いします」

 

 楓は「アドバイス(教授)」って言われてもなぁ。と内心で呟く。

 楓の場合は、全て勢い任せなのだ。

 蝶屋敷で三人共同部屋になったのも、勢い。

 カナエと真菰に想いを伝えたのも、勢い。

 結婚の予定を決めたのも、勢い。

 カナエと真菰を抱いたのも、勢い。

 このように、全てが勢い任せなのである。……探せば、まだ当て嵌まる事項が出て来るかも知れないが、そこは省略である。

 なので楓は、一番手っ取り早い方法を口にする。

 

「もうあれだ、押し倒せ。そうすれば、全部上手く行くはずだ」

 

 でもまあ楓の場合、最後の糸を切ってくれたのは、カナエと真菰のお陰なんだが。

 さすがに鋼の理性も、美女二人の誘い前では一刻で焼き切れたのである。

 

「え――っ、極論過ぎません?」

 

「そ、それが出来ていれば苦労しませんよ」

 

 まあ確かに、炭治郎たちはそういう順序(・・・・・・)をしっかり守る考えなのだろう。

 

「でも待たせ過ぎるのは、女子陣は不安になるぞ」

 

「「そ、それは、そうですけど」」

 

 未だに優柔不断(楓も当て嵌まるかも知れない)のように言い淀む炭治郎と善逸。

 ともあれ、これが蝶屋敷の一角で行われた男子会?であった。




伊之助は任務で蝶屋敷に顔を出していなかった設定です。
まあでも、伊之助は恋愛が奥手と言う訳ではないので、アオイに想いをしっかり伝えてるはずです(^O^)

てか、痣者の存命薬を制作するしのぶさん(珠世さん)は、ある意味チートですね∑(; ̄□ ̄)
でも、原作で凄い薬を作ったので、実現は夢じゃないはずです!

今回のメインは男性陣だったので、夏帆と海斗、女性陣は余り登場しませんでした。
ちなみに、まだ結婚式を挙げていない楓ですが、作中では既婚者という設定なので悪しからず。

てか、炭治郎も善逸もしっかりしろ!って言いたくなりますね(^_^;)

ではでは、次回(@^^)/~~~

追記。
原作で炭治郎は右目を斬られていましたが、この作ではないですね。
カナヲも彼岸朱眼を使用し右目の失明まで陥りましたが、治療をしても(後遺症が残った為)全盛期とはいきませんが、戦闘には支障がない程度には視力は回復してます。
楓たちは鬼殺隊を引退しても、鴉はついている設定。
カナエから『さん』を取ったと同時にしのぶからも『さん』を楓は取っていますね。

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