ただ魔法を解明したいだけ   作:ツンドラ

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初めましてツンドラです。
初めて小説を書いてみます。
暖かく見守ってください。


Hello, World!

 

 魂が引き寄せられる……

 

————

 

 

 目が覚めた。視界に入るは一面の青空。

 

 おかしい。昨日はしっかりベッドの中で寝ていたはずなのに。そして寒過ぎる。体が震えてくる。寝ぼけた頭では状況がいまいち理解できないが、服を着ていないのはすぐに確認できた。

 

 〜〜〜ッ??手足が頗る短い!なんなんだこれは!!

 

 そう漏れ出る声は高かった。周囲に風が立ち込める。

 

 身体感覚の齟齬が激しい。明らかに異常が起こっている。具体的に言えば男児の体になっている。自分は成人をすでに迎えている身だ。いくら何でもおかしいだろう。

 

 眠気は即座に飛んでいき、激しい動悸を感じる。あたりを見渡すと草原であった。そして遠方には海が見える。まさに大自然である。パニックになりかけたが、まず裸で外にいるのはまずいという倫理観が勝り、頭が冷え落ち着きを取り戻した。

 

 体温は下がるし誰かに見られたら大変だろう。とりあえず身体を覆えるものを調達しなくては……

 

 海岸には漂流物が溢れていると思い、這々の体で小さな体を駆使して海岸まで行くと、案の定波打ち際に色々なものを発見できた。ここで不思議なのは家具やよく分からないものがあるのに対し、ペットボトルをはじめとしたプラスチックゴミが全然見当たらないことだ。幸いにも毛布があったため確保しておいた。また道中の茂みにあった蔦と組み合わせて簡易的に服を作れたので一安心だ。

 

 服を入手し落ち着いたところで状況判断をすることにする。なぜ体が縮んでいるのか、なぜ外にいるのか、ここはどこなのか。明晰夢であれば良かったが、五感から伝わる情報があまりにもリアルである。ということは信じたくはないがこれは夢ではないのだろう。現実を受け止めた上で先の疑問を考えてみる。

 

 一つ目が一番荒唐無稽な疑問だ。体が小さくなるのは現代社会においてあり得ないことである。どこぞの漫画の黒い組織が現実にあってたまるか。そんな技術があればノーベル賞どころの騒ぎでない。二つ目の疑問も甚だ非現実的だ。寝てる間に外にそれも裸で放り出されるなんてまずないだろう。これらを合わせて百歩譲って筋が通るのは強引だが「転生」だ。ファンタジーやメルヘンを信じていない自分としては頭を抱えたくなるような結論である。

 しかしあり得ないことが複数起こった時には、前提条件が間違っているか、自分の頭がいかれてるのどっちかであるので、「転生」がありえないという前提を取っ払うことにした。

 

 転生ということを仮定した上で三つ目の「ここはどこか」という疑問を考える。

 非科学的なことが起こりすぎて精神疲労は激しいが、とにかく考えねばならない。

 毛布があったため、人間に類するものがいて文明があることが容易に想像できる。また毛布にのタグを見ると英語が表記されていたから、人類それもヨーロッパがあり、よくある異世界転生とかではないのだろう。その情報だけで体から気力が溢れてきた。

 

 当座の現状が確認できた今、人を見つけ安定した衣食住を確保しなければならない。このままじゃ、健康で文化的な最低限度の生活を送れるとはとても思わないからだ。

 

 海岸から草原を挟んで見えるのは森林だ。人がいるようには思えないし、すぐ人に会えるとは限らないので準備を整えてから森林を探索することにする。野生動物にも気をつけないといけないし刃物ぐらいは作っておきたいな。

 

 とりあえず水を飲むためにも火が欲しかったので、乾燥した草を集め火を焚いた。

 火を焚くのにもかなりの時間がたち辺りは暗くなったので、森林の探索は次の日に回し、今日の分の食料を調達することにした。幸いにも海には生き物が多く、海岸でいくつかの貝と甲殻類を手に入れることができた。また漂流していた鍋とコップまた金属器の破片を合わせて、水を鍋で煮沸し鍋の上に蔦で吊るした金属器の破片に蒸気を当て、そこに枝を添えて冷えた水滴を流し鍋の横においたコップに水滴を入れるという方法で水を確保できた。この装置を作るのにもかなり時間がかかったが必要なことなので動けるうちにやりたかった。

 

 小さな体ゆえ少量の食事で腹を満たせたのはささやかな喜びだ。

 

 辺りに光は無く、空が暗くなると周囲は真っ暗になった。

 

 海岸は体が冷えるので、草原まで戻り毛布をかけて眠ることにした。季節は冬なのだろうか。

 空を見上げると月は自分が見てきたものと同じように輝き、星は都会でみるのと比べ物にならないくらい綺麗であり一面に広がっていた。いくつかの知っている星座を見てやはりここは自分のいた場所と繋がっていると理解し家に思いを馳せた。ベッドで快適に寝たいと。

 

 今までこれが現実であると思って過ごしたが目を閉じると「やはりこれは夢ではないか」という思いが強くなってきた。そうだ、目が覚めたら全て終わっているだろう。明日には週末までのタスクを片付けないとな。

 

 

 

 そんな淡い期待は目が覚めた時に打ち砕かれた。またしても視界に入るは青い空。昨日との違いは地面がかたく疲れが残っているということだ。関節がバキバキに痛いのだ。

 

 なんなんだこれは。これが皆が憧れる転生なのか?ふかふかのベッドで眠り夢想できるのが理想ではないのか??

 

 全然笑えないぞ。

 

 周囲に風が吹き抜けた。




まだ主人公の名前は出ません。
一人称視点でした。
サバイバルだけの回。
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